ナルト「三年ぶりだってばよ!」 サクラ「ヒナタならカレシ出来たわよ?」 《NARUTO -ナルト- 異彩伝 ~新たなる運命~》   作:北条 ゆう(いすわーる)

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《第四話:修業》

 オビト、リン、カカシ。

 

「……くそっ、まだだ! まだ指先まで意識が通らねえ……!」

 

 三人は地上から隔絶(かくぜつ)された空間、巨大な外道魔像の安置された地下空間に、それぞれの理由を抱えて留まることとなった。

 広場の一角でオビトは荒い息を()きながら、柱間細胞で構成された人造右腕を見つめていた。

 霧隠れとの戦闘では白ゼツの(よろい)をまとった上、死に物狂(ものぐる)いの感情で人造体を無理やり突き動かしたが、静寂(せいじゃく)の中で集中してみれば、自分の意思と肉体の動きの間にはズレがある。

 右半身はいまだ、完全に自分のものにはなっていない。

 

(あせ)るな、小僧」

 

 『このまま里に帰っても、忍として生きていくことは難しい』

 オビトは痛感していた。

 

「柱間の細胞は生きている。人造体を己の一部だと(たましい)に刻み込め」

 

 マダラの助言。オビトはその声に背中を押されるように、リハビリに黙々(もくもく)と取り組み続ける。

 

 

 

「(……聞こえる? 磯撫)」

 

 一方、リンは地下水湧き出る水場の近くに座り、目を閉じ、深い瞑想(めいそう)の内にあった。

 オビトのイザナギによって、リンに霧隠れの仕込まれた三尾暴走の術式は完全に解かれた。

 しかし彼女の内、宇宙のごとく深淵(しんえん)なものとなった人柱力たるリンの心の内には、依然として巨大で、底知れぬ質量を持った意志が鎮座(ちんざ)している。

 

「(磯撫……聞こえる?)」

 

 リンは心の中に、自分の中に封じられた三尾へと語りかける。

 

『ゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……』

 

 だが返ってくるのは、地鳴りのような唸りと、湿った重いチャクラの波。

 三尾の暴走は止まった。だが、それはまだ《嵐が去った》だけに過ぎない。

 

「オビト、カカシ……ごめん、まだ時間かかりそう」

 

 今の状態で里に戻れば、いつ再び磯撫がその牙を剥くか分からない。

 のはら一族として――《代々三尾を受け継いで来たのはら一族》として。

 当代の人柱力:リンは決意していた。

 

 

 

「二人を置いて俺一人里に帰るなんて選択肢(せんたくし)、もとよりない」

 

 リンの(つぶや)きに、壁に寄りかかり、オビトとリン二人を見守るカカシが、同じく呟きで応えた。

 カカシは右手のクナイを(もてあそ)びながら、視線を外道魔像付近に座すマダラへと向けた。

 

「オビトの体に人造体が馴染み、リンが三尾と通じ合うまで、俺が二人を護る……」

 

 老忍が放つ気配は、かつて対峙(たいじ)したどの敵よりも強大で、そして冷酷(れいこく)だ。

 とはいえ、オビトはマダラを恩人だと信じ切っているように見える。

 

「それだけだ」

 

 オビトはカカシやリンに『老人がマダラである』と、その正体を明かしてはいない。

 面倒事になるのが、目に見えているからだ。

 だがカカシの直感は『この闇の空間の主が何か底知れぬ意図を持っている』と警告(けいこく)し続けている。

 

 

 

「……オビト。いい加減に話せ」

 

 ある時、オビトが人造体のリハビリを終えて肩で息をしていると、その(すき)を突くようにカカシが音もなく近づき、低い声で問いかけた。

 

「あの老忍は一体何者だ? ただの隠者が、柱間細胞を扱い、うちはの禁術まで知っているのはおかしい……! なのにお前は随分(ずいぶん)とこの奇妙(きみょう)な現状を受け入れている……」

 

 カカシの視線は、闇に座す老人の姿を射抜いていた。

 

「あの老人の正体を、オビト、本当はお前知っているんじゃないのか?」

 

 オビトは言葉に詰まる。

 

「……そりゃ、ただの(じい)さんじゃないさ」

 

 オビトは老人から『自分がかつて初代火影:柱間と共に木ノ葉の里を創り、そして裏切った《うちはマダラ》である』と聞かされている。

 

「でも、俺の命を救ってくれたのは事実なんだ。カカシ、お前とリンの危機も教えてくれた」

 

 だがそれを正直に話せば……カカシがどう反応するかは火を見るより明らかだ。

 

「悪い爺さんじゃないさ……きっとな」

 

 里への忠誠心(ちゅうせいしん)が強いカカシには話せない。それがオビトの答え。

 

「はぐらかすな、オビト。俺は、あの爺さんの正体を聞いているんだ」

 

 カカシの詰問(きつもん)にオビトが顔を背けた、その時だった――

 

「……疑念は毒だ。若き忍よ」

 

 奈落(ならく)の底から響くような重厚な声が洞窟を震わせた。

 

「小僧、俺が何者なのか気になるか?」

 

 魔像の足元に座したマダラが、ゆっくりと首をカカシたちへ向ける。

 その眼光は、カカシの心臓を直接握りつぶすような威圧感(いあつかん)を放っている。

 

「俺の名はマダラ。うちはマダラ。かつて千手柱間と共に、お前たちが住まう木ノ葉の里を創った男だ」




・あとがき

 お楽しみいただけていたら幸いです。
 リン周りの設定は、原作とは違うかもしれませんが、オリジナルの設定で補完しました。

 高評価、お気に入り、感想など頂けると、嬉しいです(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)
 それでは、またお会いしましょう。
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