ナルト「三年ぶりだってばよ!」 サクラ「ヒナタならカレシ出来たわよ?」 《NARUTO -ナルト- 異彩伝 ~新たなる運命~》   作:北条 ゆう(いすわーる)

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《第六話 マダラの野望(ゆめ)

 オビトは自分自身と戦っていた。

 白ゼツの組織で補われた右半身。

 

「……感じろ……鼓動(こどう)を……脈動を……」

 

 オビトは目を閉じ、マダラの教えを反芻(はんすう)する。

 右半身を構成する柱間の細胞は、強大な生命力の(かたまり)だ。

 力で捻じ()せてはいけない。自分の一部として《共生》する。

 

「――はぁぁぁぁぁああッ!」

 

 オビトが右拳を強く握りしめた瞬間、右肩から指先にかけて、熱いチャクラの奔流(ほんりゅう)が一本の線となって繋がった。

 彼が右腕を壁に向けて突き出すと、意思に呼応して木遁の枝が、まるで自分の指を伸ばすかのような自然な速度で射出された。

 遅れ(ラグ)はない。

 

「……馴染(なじ)んだ。やっと、俺の体になったぞ!」

 

 オビトは人造体の左目を見開く。そして自身の右手をまじまじと見つめている。

 人造体の白濁した皮膚(ひふ)が、徐々にオビト自身の肌の色と馴染んでいく。赤みが差していく。

 右半身が発する(わず)かな熱、皮膚の感覚、そのすべてがオビトの神経系と完全に融合(ゆうごう)した。

 

 

 

 地下拠点の最奥。外道魔像の足元に鎮座するマダラの前に、三人の忍が並ぶ。

 

「爺さん……俺たち、行くよ」

 

 洞窟の湿った空気が、三人の決意を孕んで張り詰める。

 オビトは三人を代表して一歩前へ出ると右腕を強く握りしめ、老いた伝説の忍を見据(みす)えた。

 

「右半身は馴染んだ。リンも三尾と通じ合えた。カカシ、待たせたな」

 

 マダラの写輪眼が――

 

「俺たち、木ノ葉の里へ帰るよ」

 

 暗闇の中で(あや)しく揺らめいた。

 

「行くか。光の届く場所、(いつわ)りの(ことわり)が支配する地へ……だがその前に――」

 

 そしてマダラが印を――

 

「土産をやろう。俺が見出した、この世の《真理》を」

 

 結んだ瞬間、オビト、リン、カカシの三人が同時に息をのむ。

 

「――ッ!?」

 

 三人のいた暗闇の地下拠点は、瞬時に異空間へと書き換えられたのだ。血のように赤い月が浮かぶ異空間。

 

「見よ、これが現実だ!」

 

 オビトたちの意識は、マダラの瞳力幻術により異空間へと引きずり込まれた。

 強烈なヴィジョンが直接脳に流し込まれる。

 

「一人が救われれば、その影で別の一人が犠牲になる」

 

 眼前に広がるのは、忍界の無惨な歴史。

 

「愛があれば、憎しみが生まれる」

 

 親を失い、泣き叫ぶ子供。

 

「平和を守ろうとすれば――」

 

 積みあげられた死体。

 

「また新たな争いが生まれる」

 

 終わることなき、憎しみの連鎖(れんさ)

 

「この因果から逃れるすべは、この地獄(現実)には存在せん」

 

 そして、ヴィジョンは一変する。

 マダラが空間に手をかざすと同時に。

 

「俺の目指す世界。《月の眼計画》……無限月読は、全人類を苦しみから解放する……!」

 

 争いなき《夢の世界》。

 

永劫(えいごう)()めぬ夢へと(いざな)う……」

 

 誰もが愛する者と笑い合い、欠けたものはすべて補われる。完璧な理想郷。

 

「それこそが、人類に残された唯一の救済策なのだ!!」




・あとがき

 お楽しみいただけていたら幸いです。

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 それでは、またお会いしましょう。
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