貞操逆転世界に転移したら、彼女いない歴=年齢の俺が清楚系美男子としてモテだした   作:荒井竜馬

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第19話 girlsサイド:嘘つきな女の子はデートの約束をする

僕は学校から帰宅するなり、鞄を下ろして自室のベッドに倒れるように横になった。

 

「……あ、あ、あ、ああっ」

 

 それから、少し前の出来事思い出して、ベッドの上でゴロゴロと転がりながら悶える。それから、ジャージのポケットからスマホを取り出して、交換したばかりの連絡先を表示する。

 

名前の欄には『伊勢伴教』と書かれており、そこにはチャットアプリの連絡先が書かれていた。

 

「どうしよう、どうしよう、どうしようっ! 男の子の連絡先貰っちゃった!」

 

 僕は初めて手に入れた男の子の連絡先が表示されたスマホをぎゅっと抱きしめて、足をバタバタとさせる。

 

 そうやってひとしきり喜んでから、僕はふぅと短く息を吐いてスマホの画面をじっと見る。

 

「でも、変な勘違いさせちゃったよね。まぁ、テンパってた僕が悪いんだけど」

 

 僕はそんな独り言を漏らして、電車の中での出来事を思い出す。

 

 電車の中で痴漢の疑いをかけられそうだった僕は、咄嗟に自分のことを男の子だといってしまった。

 

 もちろん、あれはただの嘘だ。

 

僕は昔男の子と間違われることが結構あった。姉さんも僕に男の子の服を着せて遊んでいたし、遊ばれていくうちに僕もノリノリで男の子のフリをしたことがあった。

 

 だから、男の子のフリをすれば痴漢の冤罪が晴れるかもしれないと思って言ってしまったのだ。

 

「まさかその結果、男の子と連絡先を交換するような仲になるなんてね」

 

 なんだか騙して連絡先を交換したみたいで悪い気がしてくる。本当は連絡先を交換する前に性別を訂正しておけばよかったのに、本当のことを言えないまま僕は連絡先を貰ってしまった。

 

「連絡、したほうがいいのかな?」

 

 連絡先を交換したはいいけど、初めて会う男の子とどうやって会話をしたらいいのか分からない。

 

 それでも、男の子と連絡先を交換したのに、連絡してもらうのを待っているというのも失礼な気もする。

 

 僕はそう考えて、何度もメッセージの内容を考えてメッセージを送ってみることにした。

 

『今日は友達になりたいって言ってくれて、ありがとうね!』

『これから、伊勢くんと色んな事を話していけたらいいな!』

 

「『おしゃれなカフェでお茶とかしながら』……なんてね」

 

 僕は途中まで文章を打ってから、文章を消そうとバックスペースをタップしようとしてーースマホを滑って落としてしまった。

 

「おっとと、ん? う、うそ!」

 

 そして、スマホを拾い上げて画面を確認すると、送る予定のなかった文章が伊勢くんに送られてしまっていた。

 

 僕は慌てながら、『送信取り消し』ボタンがあったことを思い出して、スマホを急いで操作する。

 

「よっし、『送信取り消し』っと! あれ? これって、『メッセージの削除』ボタン?」

 

しかし、焦って操作したせいか、メッセージ削除をタップしてしまった。これじゃあ、メッセージが伊勢くんのもとに届いてしまう!

 

「あわわ、誘うにしてもあまりにも急すぎでしょ。距離感バグってる人だと思われちゃう」

 

僕はなんとか送ったメッセージの取り消しができないかスマホを操作したが、一度消してしまったメッセージを取消すことはできないみたいだった。

 

 僕は急いで間違って送った旨のメッセージを送ろうとしたが、それよりも早く伊勢くんからの返信が返ってきた。

 

『俺も話したい! 明日の放課後とか少しだべるのもよき』

 

「うそ。これって、デートの誘いってこと?」

 

 僕は伊勢くんからのメッセージをしばらく見てから、思い出したようにガッツポーズをした。

 

 今まで街中や学校で男の子を見たことがあったが、僕みたいに中性的なタイプは見向きもされることがなかった。

 

 僕は昔のことを思い出しながら、そっと膨らみがほとんどない胸に手を置く。

 

「まぁ、ここまで女の子らしさがないとなると仕方がないよね」

 

 僕は大きくため息を吐いてから、ノートパソコンが置いてある机の前に座る。

 

 僕は男の子に好かれるためのエスコートとか、男の子が好きそうなこととか何も分からない。

 

 だから、明日までに色々調べておかないと。

 

多分、この機会を逃したら僕は男の子と接点を持つことも難しいかもしれない。

 

僕はそう考えて、伊勢くんに明日会える返信をしてから、大慌てて男の子が好きそうな情報を収集することにした。

 

 

 

 ……まさか、伊勢くんとの出会いが僕の見知らぬ癖を開拓することになるなんて、この時の僕は想像もしなかったのだった。

 

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