貞操逆転世界に転移したら、彼女いない歴=年齢の俺が清楚系美男子としてモテだした   作:荒井竜馬

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第39話 girlsサイド:嘘つき少女の匂いあてゲーム

「以上がルール説明ね!」

 

「分かった。パンケーキ、高崎の体操着、ポテトのうちどれかの匂いを嗅がされるから、それを当てろってことだな?」

 

「うん。そういうことだね」

 

 僕は目をつむっている伊勢くんが頷いたのを見て、満足げにそんな言葉を口にする。

 

 いやいやいや、なにが『そういうことだね』だよ! なんでいつの間にかそんなゲームをする流れになってるの⁉

 

 ていうか、なんで僕伊勢くんに自分の体操着の匂いを嗅がせるゲームを考案してるの⁉

 

 僕は伊勢くんが目をつむっているのをいいことに、頭を抱えて蹲る。

 

 初めはただ伊勢くんとファミレスで雑談をしているだけだった。それなのに、いつの間にか匂いの話になって、伊勢くんが僕から男の匂いがしないって言いだした。

 

 なんとか僕が女の子だったことがばれにように誤魔化していたら、いつの間にかこんな変なゲームをするハメになってしまった。

 

 というか、本当はパンケーキとポテトだけでどっちの匂いか当てさせようとしただけなのだ。

 

 もしも伊勢くんが間違えれば、『揚げ物とスイーツの違いが分からないんだから、やっぱりさっきのは勘違いだったね』と言ってあげることができのだ。

 

それなのに、伊勢くんが『あれ? 高崎の匂いを入れないとこのゲームの意味なくないか?』とか真面目な顔で言いだすから、入れざる負えなくなってしまったのだ。

 

 なんなの伊勢くん、清純派みたいな感じなのに匂いフェチなの? いや、それはそれでエッチだとは思うけど……。

 

 僕は目をつむっている伊勢くんをちらっと見ると、伊勢くんはなぜか自信たっぷりな感じで口元を緩めていた。

 

「高崎。俺はいつでもいいぞ」

 

「ま、まって。今準備してるから」

 

「準備?」

 

「そ、そうだよ! パンケーキを切ったりしてるの!」

 

 さすがに、心の準備をしているからなんて言えるはずがない。

 

 僕はわざとらしくパンケーキを着る音を立てながら、パンケーキを一口大に切り分けていく。

 

 僕はあたりを見渡して、他のテーブルから僕らのことが見えないか確認する。

 

 れからすることを考えれば、確認しない方がおかしいはずだ。

 

 僕はそんな確認を終えてから、一口大に切り分けたパンケーキを伊勢くんの鼻の近くに持っていった。

 

 心の準備が整うまで伊勢くんを待たせていたら、また僕が男じゃないって疑われてしまう。

 

 なので、とりあえずは無難なパンケーキから。

 

「じゃあ、問題。この匂いはなんの匂いでしょうか」

 

「すんすんっ。これはパンケーキ、かな?」

 

「正解。すごいね、一発だ」

 

 まさか、一発目から成功するなんて思わなかった。

 

僕はパンケーキを刺したフォークを一度戻してから、伊勢くんのテーブルにあったポテトを手に取る。

 

そして、今度はさっきよりも少し遠いところでセットして口を開く。

 

「それじゃあ、こっちは? 何の匂いがする?」

 

「揚げ物の匂いがするな。ポテトだ」

 

「せ、正解。よくわかったね」

 

「おお、また正解か。もしかしたら、俺って嗅覚いいのかもしれないな」

 

 伊勢くんは目を閉じたまま嬉しそうに口元を緩めていた。

 

 伊勢くん、もしかして結構嗅覚すごいのかも?

 

 ていうか、パンケーキもポテトも当てられたら、残ってるの僕の体操着しかないじゃん。

 

 え? いいの? 男の子に自分の今着ている体操着の匂いを嗅がせるって、ぎりぎりセーフなの?

 

 僕はそんなことを考えながらも、テーブルに身を乗り出して伊勢くんに近づいていく。

 

 ここまで来て、今更引くに引けない。

 

「そ、それじゃあーーあっ」

 

 僕がテーブルに乗り出すようにして伊勢くんに近づいていくと、体操着が下に垂れて胸元が見えてしまいそうになった。

 

 僕が胸元をパッと抑えるが、伊勢くんは目を閉じているので僕の胸元が見えてしまっていることに気づかないみたいだった。

 

僕が体操服から手を離して、胸元が見えるようにしても伊勢くんは特に表情を変えない。

 

……なんだろ、この状況。すごくどきどきする。

 

僕がそんなことを考えていると、伊勢くんが鼻を動かして匂いを嗅いだ。

 

「あっ、これださっきの匂い。ていうことは高崎の体操着か?」

 

「ち、違うよ。ほら、もっとちゃんと嗅ぎ直して」

 

 僕はそう言ってまた少しテーブルに身を乗り出す。伊勢くんが少しでも目を開ければ、僕の胸元が見られてしまう。

 

 それなのに、伊勢くんは全くそのことに気づかずに必死に匂いを嗅いでいる。

 

 公共の場所で伊勢くんにエッチな姿を見せている。そんな状況が僕の胸の奥にある何かを刺激して、僕は息を荒くしてしまっていた。

 

「パンケーキ? いや、パンケーキとは違う気がするんだが」

 

「伊勢くん、もっと近づいて匂いを嗅いで」

 

 僕がそう言うと、伊勢くんは僕の方に近づいてきた。

 

 すると、伊勢くんが僕の胸を覗きこんでいるような構図になってしまった。僕はそんな状況にまた興奮して、少しだけ体操着を引っ張ってみる。

 

「……伊勢くんっ」

 

 伊勢くんに見られている。そう思うだけで脳がとろんとして、体が熱くなっていくのが分かった。

 

 このままずっと、いや、もっとーー。

 

 僕がそう考えていると、伊勢くんが一瞬首を傾げた。そして、突然パッと目を開いた。

 

「なぁ、やっぱり、これってーー」

 

「わ、わぁ!!」

 

「むぐっ!」

 

 僕は伊勢くんが目を開けた瞬間、皿に置いておいたパンケーキを伊勢くんの口に無理やり詰め込んだ。

 

「せ、正解はパンケーキでした! あははっ」

 

「むぐっ、ぐっ! げほっ、げほっ!」

 

「い、伊勢くん⁉」

 

 私がパンケーキを伊勢くんの口に詰め込むと、伊勢くんは飲み込んでからむせてしまった。私が慌てて飲み物を差し出すと、伊勢くんは一気に飲み物を飲み干した。

 

 見られてない、よね?

 

 僕が心臓をバクバクとさせていると、伊勢くんはパンケーキの皿をちらっと見て眉根を寄せる。

 

「まじか。マジでパンケーキだったのか?」

 

「うん、そうだよ。ほら、やっぱり伊勢くんは僕の匂いとパンケーキの匂いを間違えてたんだね!」

 

「そう、なのか? まぁ、間違えたならそうなる、のか?」

 

 伊勢くんはそう言いながら、納得いかなげに首をかしげていた。

 

 僕は熱くなった体を冷やそうと、体操着をパタパタとさせる。

 

 ……どうしよう、これ、少し癖になりそうかも。

 

 こんなことを続けていたら、いつかただえっちな写真を送るだけでは物足りなくなってしまってしまいそうだ。

 

「そんなに悔しいならさ……もう一回やる?」

 

 僕はそんな考えとは裏腹に、期待するような目でそんな言葉を口にしていたのだった。

 

 

 

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