モイモイ、サルミアッキだぁよ!   作:サルミアッキ まずい

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第十四話

 

「ねぇ、さ」

 

「なぁに、マスター?アテシに何か伝えたいことがあったの?」

 

これはきっと、夢だ。夢でしかないはずだ。こんなところに彼女と居るはずがない。

 

「いや、なんでもないんだ。本当にどうしようもないくらいの話だから」

 

「まーまー、それでもいいからさ。ちょっと話してみてご覧?」

 

何を話したかなんてわからない。うん、夢なのだから当たり前だ。リリスと話す機会なんて夢だとしてもあるのはおかしいのだ。

 

一通り話し終わったあと。何も言わずにじっと聞いていたリリスは一言だけ

 

「…そっか。そうだよね、うん…」

 

どこか悲しいものを見るかのような目でこちらを見始めた。同情されているのだろうか。かと思えば唐突に話を振り始める。

 

「アテシのこと、どう思ってるの?」

 

「さあ、どうだろう…」

 

ここでなんと言ったのかも、また俺は覚えていない。意識的にフィルターがかかっているのかもしれないしあるいは誰かのせいなのかもしれない。

 

責任転嫁でしかないと思う。だがそんなことすら正しいと思えるような感覚がおかしいともわかる。

 

「…ま、落ちつきなよマスター。サーヴァントとしてしっかり支えたげるから」

 

「…いいよ、別に」

 

もう心が折れた。単に刀を振るうわけでも銃を撃って人を殺して折れるわけでもない。だとしても、その死体は心に響いた。

 

「マスターはアテシのことだけ信じることにしたら?」

 

「…なんで?」

 

禁断の果実のような誘惑ではない。でもそんな錯覚をするほどに甘美で堕落するような提案だった。

 

「人を信じるからこそ疑いが生まれる。人を愛するからこそ嫉妬が生まれる。人に優しくするから苛烈に当たられる」

 

「…そうなんだけどねぇ」

 

「いいよ。文句があるならアテシが受け止める、一緒に逃げない?」

 

逃げれない、逃げたくない。

でもそれすらも彼女と一緒なら可能になると思えて。

どうしても無理な荷物を捨てきれると思って。

 

「夢の中でマスターを取れれば…うん、そう思うのはたしかにそうなんだけどね」

 

他の誰かが夢に入ってきた。まあ、夢ならおかしなことがあっても不思議ではない。だからこれも普通なのだろう。

 

「僕のマスターに手をだされるのはとっても困る。確かに最近疲れているだろうし、夢の国で休んでもらいたいきもちはあるのだけどね」

 

オベロンが何かを言っている。どうしてそんなに反論するんだろうか。

 

「なんていうかほら、同族嫌悪ってやつ?僕くらいなら許されてるけどお前はエミヤに殺される可能性を高めるだけじゃないか」

 

「あくまでマスターを自分の道具としてみるなんてナンセンスさ。召喚をしようともされていない君にはわからなかったんだろうけどね」

 

やれやれ、とため息をついたオベロンはこちらに近づいてくる。

 

「安心してくれ、このマスターが見ているリリスは幻覚。彼女がキミを支配するために最も都合のいい姿を選んで弄んでいるだけだ」

 

そういうなりペルセウスの槍で体を貫いた。

 

「本当の彼女はこの程度の火力でやられるようなバーサーカーじゃないはずさ。グランドバーサーカーだろ?」

 

「そう、だな」

 

やっと俺はオベロンが来た理由について理解した。そうか、キアラが洗脳しようとしたのを止めに来てくれたのか。

 

「せっかくだ、お礼に君の家にもお邪魔しようかな?」

 

「やめてくれ、モルガンさんが卒倒する」

 

モルガンさんは虫が大の嫌いだ。そんな人に虫を使って戦闘するオベロンを合わせることはできない。

 

「ははっ、そうだったね。じゃあ明日午後二時にここで会おうか。大丈夫、砂浜なら霊衣を着ていけば済む話だからね」

 

オベロンが指定したのは学校から少し遠いところにある海岸沿いの町。ばれずに密会するのは不可能だけど、きっとオベロンならなんとかしてくれるだろう。

 

「絆が15になってよかったね。そうじゃなきゃ僕は助けに来てないよ」

 

「となると前世からの縁を引き継いでるってこと…?」

 

そりゃモルガンさんの好感度がバカ高いからそう思ってたけど、こうなるとちょっと話が変わってくる。ロボって確か絆はカンストさせたはずでは…?

 

うーん…なんかおかしいよなぁ…

 

 

 

 

 

「よ、マスター。ここではマヨってよんだほうがいいのかな?」

 

「うん、それで呼んでほしい。他の呪術師巻くのも大変だったから疲れているんだよね」

 

今回は悟さんたちに断りをいれてから来たので特に問題はなかったけれど、後ろから感じた殺意の視線には耐えられないので全力で振り切ってきた。

やっぱり山の中を駆け抜けられるのはでかいな。

 

「じゃあそんなマヨの疲れを癒すためにもカフェに入ろうか。この先にちょうどいい場所があったんだよね」

 

「相変わらず王子さまが板についていることで」

 

褒めてはいるけれど絶対に危険な気配がする。オベロンが呼ぶのはよほどの事態じゃないのかな?

 

「お飾りの王子さまじゃいられないからね。ここなら暗殺されそうになっても逃げやすいでしょ」

 

怖い感じもするけど、最悪はオベロンの宝具で睡眠させられるから問題はない。下手にオベロンから離れる方が危険なんだ。

やってきたメロンソーダフロートを一口飲んでのどの渇きを抑える。どうせ言われることの強さ的に覚悟しておいたほうがいいからね。

 

「それで、話って?」

 

「単刀直入に言おう。キアラが動いたせいでいくつかエクストラクラスが動き出した」

 

エクストラクラス。ルーラー、アヴェンジャー、ムーンキャンサー、アルターエゴ、ブリテンダー、フォーリナー。

どれにしても曲者ぞろいだが既に数人くらいは埋まっている。

 

「…その内の味方はどのクラス?」

 

「ルーラーはこちら次第、ロボは味方、ムンキャとアルエゴはキアラで埋まっている、ブリテンダーは僕だから気にしないでよくてフォーリナーは知らない」

 

ますますロボが襲ってきた理由がわからないな。しかも腹を刺してきたのだろうし…

 

「で、その件のロボなんだけど彼記憶失っちゃったみたい」

 

「…記憶を…?オベロン、どうすればもとに戻る?」

 

「叩けば治るでしょ?」

 

当然のように言ってるけど頭おかしい。好きだよ、そういうことするオベロン。

 

「そもそもややこしいからこっちの高校に来ないか?」

 

「いや、遠慮しとくよ。マヨのお姉さんのことは聞いてるし、それに聞くところによると上層部の人とも揉めているそうじゃないか。面倒なことになるよりは隠れておいたほうが都合がいい」

 

「…もしかして」

 

考えられる限り三つの面倒ごとがあることがわかった。

一つ、原作にいる夏油傑が引き起こす百鬼夜行。

二つ、Fate時空から紛れ込んできたキアラの妨害。

三つ、何故か発生している上層部と悟さんの政争。

 

「そ。普通に考えれば一点に集中することはないと思うけど、ここは残念ながら物語の世界だ。大混戦になることは確実だし覚悟しときなよ?」

 

「できる限り準備はしとくよ。今日はありがとうな」

 

ますますリリスや他のサーヴァントも探さないといけないな。

 

「やることは多いほうがやりがいがあるだろうしね。もし人探しだったり気になることがあるんだったら僕に聞いてくれたらある程度は答えられるから任せといて」

 

「…頼りになるなあ」

 

流石というべきなのか、オベロンは味方にすると頼もしいことこの上ない。アヴァロンみたいに敵にならなくて本当によかったと思う。

 

「ま、宿儺戦までは潜伏していたいからよろしくね?」

 

「任せろ、ってか俺が死んでも宿儺は殺してくれよ」

 

まあそんなことを言うより前に彼らから生き残れるようにしないといけないんだが。

 

…リリス、早く見つからないかな。

誰が来るんだろうね?

  • FGОのフォーリナーが来るんだぁよ
  • 適当なコテハンが来るんだぁよ
  • ムッコにお任せだぁよ
  • サルミアッキだぁよ
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