モイモイ、サルミアッキだぁよ!   作:サルミアッキ まずい

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第二話

「モイモイ、ムッコは元気かい?」

 

「あんまり元気になれるような空間じゃないんだけどね」

 

「ムッコの部屋の本によくあったから海とか好きなんじゃなかったか?」

 

俺がロウヒおばあちゃんと一緒に来たのは特級呪霊の退治。水辺から産まれたからなのか、ところどころにゴミが捨てられたりして荒廃しているような感じがする。

 

 

「いや、全然。自然ならまだしも人工的に作られた海は嫌いかな」

 

本来なら景観的にゴミを片付けたいものだが…ここは領域内。

 

「やっぱりこれは全部危険なんだぁよ。拾ったらあっちに繋がれるタイプの呪いだね」

 

「近くでそんなこと言いながら蹴らないで?ロウヒおばあちゃん死んだら困るんだからね」

 

「安心するさね。もしなったとしてもモイモイの力でムスメが助けに来てくれるはずさ」

 

「ごめんモイモイの力ってなんなの?」

 

それにモルガンさん死ぬ前に駆けつけてきそうな気がするんだけど。

 

…まあ、ロウヒおばあちゃんが死ぬようならモルガンさんが来ても無駄なんだろうけどね。

 

「今回の呪霊はまさか一発芸しかできないとはね…ムッコ、なんかこういう兵器は知らない?」

 

「全然。呪術として何かしらの縛りを誰かが結べばいいんじゃないかな…っと、敵襲だ」

 

ロウヒおばあちゃんだけに戦わせるのもあれなので俺自身も手刀を構えて魚を迎え撃つ。

 

「ちゃんと体の周りに呪力が回らせるんだぁよ。ムッコは他と比べてそんなに多くないからね」

 

「他の人がおかしいだけだよ…少なくとも1日戦うのは普通は無理だよ?」

 

雑談しながら魚を捌いていき、恐らく領域の主であるエルダーグールが現れた。

 

「別にそこまでは求めてないさね。ムッコにはガンドを受け継いでくれればいいのさ」

 

「ある程度は頑張るけど無理じゃない?」

 

ロウヒおばあちゃんのガンドって下手な一級より呪力があるんだよなぁ…

 

「まあいいさ。これを終わらせて速く観光しに行くんだぁよ。いけっ、サルミアッキ!」

 

「もうなんか問題ないならいいんじゃないかな…」

 

必中するのもなく火力もそんなにないなら弱いだろうし。

サルミアッキってなんであんなに強いんだろうなあ(現実逃避)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

若者の聖地、竹下通り。日本で一番ギャルやらチャラ男など自由に過ごす人が多い場所だ。

 

「ムッコ、これなんだい?なんかサルミアッキに似てるね」

 

「それ黒曜石だよ?スウェーデンにもあったでしょ?」

 

ロウヒおばあちゃんが驚いて手に取っていたのはパワーストーンの店の中である。周りが誰もサルミアッキを知らなくて助かった…

 

「ロウヒは雪の中で過ごすことが多かったからね、あんまり鉱物のことを知らないんだぁよ」

 

「そうなのか…なんか気になるものはある?せっかく遠出だし何か買ってあげるよ」

 

正直石に込められた言葉とかもよくわからないのが本音だけど、女性に対してアクセサリーは買ってあげると喜ぶからな。

 

お金にも不自由はしていないし、ここはロウヒおばあちゃんに孝行しよう。

 

「う〜ん…どれも同じに見えるんだね…マラカイト、で」

 

ぐるっと見回しただけで実際に見ていないのに決めるとは…もともと石の言葉を知ってたのかな。

 

「ん、わかった。じゃあ買うか」

 

皆の分も合わせて11個買う。お土産としても丁度いいだろうし。

 

「ありがとね、ムッコ。サルミアッキをあげようね」

 

「…せめて店の外でほしいんだよね、サルミアッキ」

 

 

 

 

 

 

 

竹下通りにはクレープやらかき氷などスイーツ店がかなり乱立していた。田舎であるこちらでは中々見られない光景である。

 

「ムッコ!サルミアッキ、サルミアッキの専門店があるんだぁよ!」

 

そんな中で選ばれたのはまさかのサルミアッキ。そもそもサルミアッキって専門店にできるのか…?

 

「ロウヒおばあちゃん落ちついて?店は逃げないし消えないから」

 

サルミアッキ専門店とかなんてニッチなんだろう。これって多様性の問題なのか…?

 

実際に若者が興味本位で流れていってるのかもしれないしいいのかもな。知らんけど。

 

「サルミアッキ…ちゃんと味も説明してるしここはいい店さ。こんなお店何個あってもいいんだぁよ!」

 

珍しく興奮気味のロウヒはカゴの中にポイポイとサルミアッキを入れていく。

 

「お連れ様、その…そんなに買って消費しきれるんですか?」

 

「別に眠気覚ましとして使うのならサルミアッキは最適ですよ。コーヒーと順に使えばほぼ寝れないし」

 

ちなみにこれでだいたい4日くらい起きれる。サルミアッキを好きで食べてるロウヒには申し訳ないけどこういう使い方が一番いい。

 

「なるほど…そういう風に売る方法もあるんですね…」

 

「そんな参考にしないで?エナドリの付属品にサルミアッキとかやめたほうがいいよ?」

 

「ムッコ!これも買えるか?」

 

カゴにはいっぱいのサルミアッキ。中々みない光景ではあるが、だからといって怖気づくほどのものじゃない。

 

「いいよ。…というより好きに買いなよ、どうせ払える額なんだろ?」

 

「やったんだよ!後で無しとか言わないんだよ!」

 

目がキラキラしてるロウヒおばあちゃんは久しぶりに見るなぁ(感覚麻痺)

 

店員さんから変な目で見られても子供っぽいからごまかせるし大丈夫でしょ。

 

 

 

 

 

 

「ありがとね、ムッコ!これで何回でもサルミアッキを渡せるんだぁよ!」

 

「喜んでるとこ悪いけど没収するね」

 

「あー!」

 

わたわたとこちらに手を伸ばしているのは年相応のように見えるけれど、サルミアッキがなくなった原因を考えるとそんなことを言っていられない。

 

「この前サルミアッキで人を殺しかけたの忘れてない?それに相手が嫌がってるかどうかを確認しないで渡すのはダメって言ってるでしょ」

 

「ヒューイ…ムッコがおばあちゃんに厳しいんだぁよ…」

 

「おばあちゃんのことは好きだけどそれはそれとしてやめなさいな。老害なんて言われたら困る」

 

まあロウヒおばあちゃんのことはイタズラ好きの子供程度と捉えられるんだろうけどね。実年齢なんて気にしてる様子はないしへーきへーき()

 

「まぁいいさ。ムッコが気に入りそうなサルミアッキはどれかな?」

 

「…、」

 

そもそもサルミアッキに専門店があるのにも驚いた俺がお気に入りなんて知る由もない。

 

困った末の沈黙をロウヒおばあちゃんはいい方向に解釈してくれたのか、背伸びをしてこちらを撫でてくる。

 

「そこで断定しないのはバカなんだぁよ」

 

「バカで悪かったな」

 

「いいんだぁよ。若い男はバカなくらいがちょうどいいのさ」

 

…笑ってるけどけなされてるのか褒められてるのかよくわからん。

 

「それよりも速く帰ろうか。日帰り温泉とかは東京にはないんだろ?」

 

「そりゃ温泉の場所がないからな」

 

今度は誰と行こうかな…

 

どうなったって呪霊を祓わなきゃいけないのは面倒なんだけどね。

誰が来るんだろうね?

  • FGОのフォーリナーが来るんだぁよ
  • 適当なコテハンが来るんだぁよ
  • ムッコにお任せだぁよ
  • サルミアッキだぁよ
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