モイモイ、サルミアッキだぁよ!   作:サルミアッキ まずい

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全然ないんだぁよ、中身スッカスカだぁよ…


第二十四話

 

5日後。

ほぼやることなすことに制限がついた俺は外でオルタに護衛されていた。

 

「で、これからどこに行こうってわけ?また体をみっともなく自傷させにいくの?」

 

「んなわけないじゃん、流石にそんな命知らずな真似はしないよ」

 

「あらあら、さっきまで燃えかけていた人の発言とは思えないわね」

 

「もうほぼ死んでるよ、半分くらい感覚ないし」

 

あの剣が刺さっていたせいで感覚が少しだけ鈍くなっている。特に燃えたり斬られたりする感覚がえげつないくらい薄くなっており、ジャンヌの最高火力でようやく「暑いかも?」くらいのレベルだ。

 

老人の皮膚感覚より弱った体なのはちょっとヤバいのでどこか治せそうな人を探す為の散歩だ。

 

断じてモルガンさんがいる家の中で襲われかけているからではない。

 

「ふぅん、そうなのね。まあ私と離れない限りは気にしないわ。まさかマスターが私から離れることなんてないでしょう?」

 

「いやあ、どうだろうね。しばらくは見てないけど呪術師の界隈って血みどろだし」

 

全然最近は見なくなったよなあ。あれを倒したあとに飲むサイダーは最高だったからまた飲みたかったんだけど…

 

まあ無理ならしょうがないよね。結局は平和が一番だし。

 


 

遡ること三日前。

 

まず前提として。

マヨと呼ばれている少年ははっきり言って呪術師としても異端であった。

この世界に本来なら存在しなかった異物であり、しかも五条家の事実上の当主になり得る存在。

確認されていた中でも反転術式と思しきものを使用していることがわかっており、そして姉である悟に懐いている時点で上層部に従わないと判断できる。

 

それに加えてスカウトの才能─厳密には違うものだが彼らにとっては変わらない脅威─も非常に強い。殆どが「任務を受けていない」という一点のみにおいて昇格を辞退している彼女らは、当然のごとくこちらの懐柔策を受けつけない。

 

その不気味さは上層部という腐り散らかした集団には警戒してなお余りあるべき不安を抱かせるほどであった。

 

そもそも勢力争いにおいてもむりやり引き剥がそうとしたりはたまた均衡を保つために用意した許嫁という存在すらもイレギュラーであるモルガンやロウヒによって引き剥がされた。もともと勢力争いにわざと負けるような連中であることからこの程度の操作はなんのこともなかった先手である。

 

そうなればもう彼らにとっては『打つ手のない、しかしゴミである化け物』にしか見えないわけであり。

 

必然的にそれは『まだ交渉の余地がわかりやすい人間』と手を組もうとする提案に拍車をかけた。

 

「ええ、ただの宗教法人として皆々様に尽くさせていただきたいのです」

 

複数名の邪魔と感じていた呪術師の死体を持って現れた僧侶は、こちらの利にしかならない提案をしかけてきていた。

 

曰く、嫌いな人物を殺すために協力してほしい。

曰く、その約束さえ果たせばなにもかも尽くす。

曰く、前金として一億といくつかの首を用意した。

 

全てにおいて『都合の良すぎる怪しげな女』であり、議論の余地なく死刑判決を下すような異物だ。しかし今の状況ではその手にすがりつく以外に思い浮かぶものはない。

 

「…提案を、受けよう」

 

最もこの場において男尊女卑の強い禪院家当主が賛成したのを皮切りに続々と同意し始めた。

じゃあそこに否定をするものはいないのか、と思った人物は誰もいない。そのようなことを思うようならこの女の手土産に変わっていただろう。

 

「うふふ、賢明な判断ありがとうございます。せっかくですので手慰み程度に私の術式をお見せしましょう」

 

殺されていた生首ならば声高々に叫んでいただろう。

相手を信用するなかれ、と。

 

あるいは死んだあとならこう叫んだだろう。

 

逃げろ、と。その女は呪いよりも呪いらしいナニカだと。

 

 

しかしそのような正常な注意をするようなものは誰一人もいなかった。故にその術式をもろに受けてしまったのだ。

 

 

「ふふ、扱いやすいのはこちらでも一緒ですか」

 

キアラのことを彼らは知らなかった。まさかこの弱そうな尼が宿儺よりもタチの悪いクズであるとは思いもしなかった。

 

とはいえ受けた異常はどうしようもない。従順な骨と皮になった猿を見ながらキアラは思う。

 

「あの御仁、どうして私のことを知っていたのでしょう?」

 

五条■■はキアラの知っていたようなマスターとは思えない。しかし彼の動きは間違いなくこちらを警戒して自殺を阻止をしようとした。本来ならば暴徒と化した猿が必死に止める算段であったのにそれすらも狂ってしまった。

 

「しかも術式が効かないなんて…困りますわ」

 

また、キアラの術式が最も司る分野は『性欲』、あるいは『快楽』としても差し支えないだろうがそれが最も大きいのは■■のような男子高校生であるのは自明の理だろう。

 

この防ぎには彼が普段から発動させているスキルの問題だった。

痛覚残留─痛みを無視して動くためのスキルであるこれは性欲すらも無視するような代物へと変化していた。長年の上層部の嫌がらせの産物であるのだが、結果としてはキアラに対して思わぬ対抗となったのだ。

 

「しかもあの方がいなくなりましたし…」

 

もちろん、キアラにとっては『ぐちゃぐちゃにしたい』という欲望のままに動くことを至上とするが、それにしたって不慮の事態に備えていないわけではない。実際殆どの世界線において自らの本性を隠す行為は最終盤までバレていなかった。切り札程度なら用意していたのである。

 

しかし彼女がてづから勧誘した呪術師の中に夏油にとっての娘がいたのはまずかった。

『人のいない世界を作りたい』─本来ならばこの一点において協力をされていたならより速く、より強い百鬼夜行が行われていただろう。それを拒んだのは他でもないキアラである。

 

切り札である少女の形をしたソレを奪われたキアラとしてはかなりマズい状況である。故に『上層部に接触して五条家の二人に殺されるリスク』よりも『手駒の少ない状況で戦闘するリスク』のほうが大きいと判断して交渉をしにきた。

 

結果として上々だが、もしここに五条悟がいたら一瞬で肉体は死ぬだろう。その程度の貧弱さであるが故に近づきやすいとされているのだ。

 

「さて、このあとはどうしましょうか」

 

後宮のように娘を人質を取るとこのように逆上していることがわかったキアラは考える。クズであっても愚かではない、この点においては禪院家よりも優れている。

 

キアラとしては間違いなくこちらへと攻め込んできた少年を殺すか引き込みたい。珍しい虫を飼うのと同じだ。

標本にしようと考えるのも自然なことだ。

 

 

腹の中にできたチャックを縛って自らを殺そうとしたあれを思い浮かべる。

 

どこまで快楽に落とせるのだろうか、そんなことを考えて。

 

 

 

決戦の呪い合いの、地獄を思い浮かべて。

誰が来るんだろうね?

  • FGОのフォーリナーが来るんだぁよ
  • 適当なコテハンが来るんだぁよ
  • ムッコにお任せだぁよ
  • サルミアッキだぁよ
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