モイモイ、サルミアッキだぁよ!   作:サルミアッキ まずい

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戦闘なんて知ったこっちゃないんだぁよ!
ガンドォォオ!


第二十七話

…さて、どうしようか。

 

俺は確実にキアラを殺すためにちょっとした自分の犠牲を飲むことになっているけど、上手く戻れるかどうかは賭けだ。

 

「キアラの教団は…うん、やむを得ないのでしょうがないかな」

 

申し訳ないけど教団員に誰か大切な人がいたとしてもキアラのことを恨んでほしいな。可能な限り調べていたけれど名前からしてみてあり得ない奴らばかりだったし割り切ろう。

 

「…はあ」

 

俺だけの、俺以外の、領域展開。今回は三回連続に使う時点で瞬間的に戦闘するしかない。

 

 

「満たず、満たず、満たず、満たず」

 

手持ちにあるものである程度の見立てでなんとか儀式をするしかない。間違ってたら戻りにくいだけだし。

 

(さかづき)(こぼ)れ、夢は収束する」

 

虫とかはいないけどそれは関係ない。今回はあくまで見立てだし全部に合うような状況が見つからないだけだ。

 

「我が求めるは反、英霊とは望まぬ道を進むものよ」

 

問題は術式の言葉を見ると下手したら嫌われてもおかしくない。それくらいのリスクがないと大切な人が護れないならしょうがない。

 

「故に苦しみ藻掻き穿ち貫かん…」

 

体を焼けるような痛みが全身に走るけれど必ず引き当てにいく。あの子なら必ず答えてくれる核心があった。

 

黒い光が金色の回転のように周囲へと散らばり続ける。一瞬にして三つのクラスカードへと変化する。

 

アヴェンジャー。

セイバー。

ランサー。

 

領域展開の準備は揃った。最後は意識を渡すだけ。

 

()()()()

 

そしては行動を開始した。

 

 


 

キアラの教団─より、正確に言えば彼女かそれ以外かで分けられるカルト集団の中で異常なことが起きていた。

 

泥による建物への被害。これだけならまだ単なる山に面した教会の問題とも言えた。しかしそれだけではなくなぜか内側へとどんどん侵入してくるのだ。

 

「あら、どうしたのでしょう?」

 

キアラとしてはたかだかその程度なら恐れるに足らないものだったが…下の階がいつにも増して騒がしいことを気にして降り始めた。

 

「…へえ」

 

彼女が見たのは単なる泥。性質上は泥として言われるケイオスタイドと呼ばれるもの。

それは殆ど人に対して苦痛を強制するものだった。自らの攻撃は効かないものだと判断して彼女は早々にこちらに見切りをつけた。

 

「バリケードを作っておきなさい」

 

ほぼ無理であることはわかっていたものの、それでも彼女はその他の人間の安寧を優先した。綺麗なキアラと呼ばれるような精神性は持ち合わせているが…果たしてこれに意味があるかどうかを知らないのは愚かという他ない。

 

マスターである彼の目的はあくまで分断なのだから。

 

「…私はあなたを殺すために来ました」

 

よりわかりやすく変装のようなことをした少女に刺されかける。捻って魅了をかけようとしても無駄だった。

 

目をよく見るとサングラスがかけられている。どうやらこの為に対策をしていたようだ。

 

「…あんたの敗因として一つ言ってあげる。それは単に戦闘しにくい行動が多いこと」

 

それはそうなのだ。だがそれがどうした。

彼女を殺すのには火力が足りない。ならば他から奪えばよい。

魔神柱を食い破った力から彼女の本来の力を発揮する。

 

領域展開としての極楽浄土。快楽に染まることが堕落させるのに必須な彼女にとっては最も使っていた術式。

四方八方からやってくる魔神柱を前に─

 

「…って、なるよね」

 

─それでも彼女は笑っていた。他の誰でもない自分自身の勝利を確信していたが故に。

 

自らの帽子とメガネを外されないように対策をしながら彼女は地獄と楽園の狭間を駆け抜ける。一瞬で息つく間もなく移動しては消える流星。

 

淡々とキアラを見据える目は赤く輝いているが未だに相手からの行動はわからない。

 

「小癪な真似を…!!」

 

しかし必中効果は一度たりとて発揮されない。これはマスターの領域展開が外側と内側の両方の一定範囲に移動しながら出されるものであり、必中効果のみ中和されている。

それでも尚その魔神柱の巨体を回避できているのは彼女の英霊としてのあり方ゆえなのか。

 

十全に削れたと判断した彼女は変化する。キアラの死角へと魔神柱を使って滑り込み、気づいた時には帽子ではなくフードを被り、持っていたナイフは明らかに取り回しづらい鎖鎌へと変化していた。

 

「あはは、そんな装備で大丈夫ですか?」

 

誰もいないからかよく化けの皮が剥がれたキアラが嘲笑する。実際のこの盤面において防戦のためならナイフのほうがより戦闘しやすいだろう。

しかしそれが一つだけ崩れる場合がある。

 

「なっ…!?」

 

「…やはりマスターの指示に従って正解でした」

 

前提が崩れ去るとき、すなわち()()()()()()()()をする際である。

その小さい体躯からはあり得ない怪力を持って魔神柱を薙ぎ倒し、その勢いのままにキアラヘと接近する。

 

ではなぜこのような状態になったか。理由は二つあるだろう。

 

一つはキアラの行動には中距離の火力不足があるということ。格闘も嗜んだキアラに魔神柱という遠距離攻撃。確かに魔神柱では中距離も対応できるが、それはあくまで当てにいける程度の─もっといえば動き出しの遅い行動が多く、避けるには他愛のない行動であること。

 

一つは彼女の真名を隠されている点にある。平たく言えば神秘とは秘匿されればされるほど非常に能力が強化される。裏を返せば判明すれば弱体化する『縛り』があるのだけれど、まさかキアラが彼女らをどうして理解できるだろうか。

 

 

「これで、決めます…!!」

 

彼女の装備が死因だと予想できるだろうか。魔神柱という同一の存在に対しての恐ろしい権能を持っていると理解しただろうか。

 

しかし生きながら英霊となった彼女には、愚かな獣へと成り下がった救世主にはわかるわけもない。

 

格闘で鎌を止めることもなく、そのまま首を斬られて殺された。

 

 

 

「…どうしよう」

 

 

困ったからといってオロオロと花冠を作ってマスターの意識が戻るのを待っていた幼女もいたそうだが─それはともかくとして。

 

キアラの殺害はここへと成った。

誰が来るんだろうね?

  • FGОのフォーリナーが来るんだぁよ
  • 適当なコテハンが来るんだぁよ
  • ムッコにお任せだぁよ
  • サルミアッキだぁよ
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