モイモイ、サルミアッキだぁよ!   作:サルミアッキ まずい

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やっとルーラーを出せるんだよ、約27話ぶりの伏線回収だね


第二十八話

東京の新宿。モリアーティがホームズを殺すために作り出した混沌と化した魔境ではなく、単なる一般人もいるようなただの平和な都市だった。

 

それを上から見上げるおよそ場違いな少女は毒を吐く。

 

「百鬼夜行…随分また面倒なことをしてくれてるじゃない。それに三人で挑めって、ねえ?」

 

ジャンヌ・オルタとしては本来ならマスターである彼と一緒にいられると思っていた分の落胆がはっきりと出ていた。

 

少なくとも、他の二人に当たるくらいには。

 

「──────」

 

「喋れないのはわかっているから無理に言わなくていいわよ、ロボ」

 

ヘシアン・ロボ。なんでいるのか、とは思うものの気にはしない。そこまで深く考えてしまえば自分自身がいるという謎にも直面してしまうからだ。

 

だから主に彼女が愚痴を吐いているのはもう一人の少女、アルトリア・オルタだろう。

 

「しょうがあるまい。東京へと来たことがあるサーヴァントとなればこの三人しかいない…それに呪霊と呪詛師に対して非常に強いと考えておかれたのだ」

 

実際に彼女らのマスターとしては『バーサーカーを配置できないなら単体と全体でよく使う二人と機動力のヘシアンでなんとかなるでしょ』という理由で配置した。他のサーヴァントは高校で待機するようにお願いしていたことを考えると、三人だけは特別な扱いを受けていると言える。

 

「そ、そうね。グランドにもしてもらった訳だしね」

 

アヴェンジャーには本来あり得ないその冠位を彼は無理矢理押し込めて彼女へと捧げた。それがどれだけおかしなことで愛されているかは理解している。

 

「ふん、それくらいで満足するならマスターのサーヴァント足り得ないがな」

 

「もしかしてグランドになれなかったから僻んでいるのかしら?悪かったわね、配慮なんてしなくてもよいと思っていたから」

 

当然、特異点Fからいたアルトリア・オルタも冠位のセイバーとしている。それとこれとは話が別と言わんばかりの煽りを受けて笑って流すような王としての威厳はないのだ。

 

単なる少女としても、ライバルに対する対抗心としても、ここではやはり宝具で懲らしめるべきだろう─そしてすっかりこの体になっても手に馴染むエクスカリバーを手に魔力を高めようとする。

 

そんな小競り合いに我関せぬとばかりに大きくアクビをするロボ。彼からしてみたら呪いも人間も『どうでもいい』に値するのだ。

 

殺し合いたいわけでもない…この呪いとなった身では復讐へと灼かれることも、妻が死んだという恨みすらも風化しているのがわかっていた。

 

それはロボという存在があまり知られなくなったのも大きいだろう。あくまでただ「そういうのがいたら面白い」や「こんなものを見た気がするから怖い」という若者の呪いが固まっただけの殺人鬼だ。

 

結果としてなぜか彼はマスターという唯一の執着するものを襲ってしまったが、そこはやはりマスターと言うべきか。自分へと挽回の機会を与えてくれたのだ。

 

そのためならば自分は獣として狂おう。そんなことをぼんやりと考えていると、呪いの臭いがやってきた。ゴミを濃縮した臭いと、丁寧にまとめられた実力者。

 

「あら?私を寄越した意味があるのかしら?」

 

「知らん。マスターへ問いただしたいのならここから生き残るしか道はあるまい?」

 

「────!」

 

疑問。興奮。執着。

 

様々な感情の渦巻く渋谷の百鬼夜行。

 

開戦の合図は果たして誰だったか。

 

この日の戦闘結果として─

 

 

─渋谷という町はあるべき姿を失った。

 

 

 

 

 


 

 

一方、京都。

ここはマスターの手も回らない…というはず、なのだったが。

 

「うぅ〜…なんでこんな日に外に出ないと行けないんだよぉ…」

 

ちょくちょく京都の景観には見合わない布団がゲーミングチェアと共に動いていた。なんならタピオカをすすったり足をパタパタさせていたりしている。

なんというか、色々とツッコミどころが多すぎた。

 

「もうさ〜…私が動く必要ないでしょ…」

 

動いている怠惰の代表格たる彼女はジャンヌ・メタトロン。本来なら真っ先に彼が紹介したかったサーヴァントだった。

 

「タピオカ飲む必要あるかなぁ…?」

 

ずずっとすすり京都の町へと津波を起こす。もちろん呪力のみで構成されており、他人への被害もしっかり考えてある優しい天使である。

 

もちろん彼女としては幼馴染からの頼みであり、最近は会えていないこともあって実はかなり喜んでいた。五条家からのしがらみもなくなっていたのも聞いているので結婚したいと考えている。

 

まだ彼女はモルガンという距離の詰め方が伯爵なみの王女を知らない。ドロドロの三角関係になって彼がまた胃痛を感じるラインになるのはもう少しだけ先の話である。

 

それはさておいて。

 

「とりあえず京都の話は無視して…えっと、他の人はこない間にASMRでも聴いとこうかな」

 

ジャンヌは京都全体が見える高い空の位置へと椅子ごと移動し、彼女が今まで聞いていた音声素材の合成を聞く。

 

『あ、おはようメタトロン。やっぱりちょっとこの時間は速すぎたかな?

ううん、メタトロンのことだからもっかい寝たいとか言うんじゃないかなって。せっかく一緒に過ごすんだからさ、好きなことは一緒にやったほうが楽しいでしょ』

 

「やっぱり本人に囁いてもらうことできないかな…今度お願いしたらやってくれるかも?」

 

捏造した音声である。

外から見たら明らかにノリノリで音楽を聞いている眠そうなロリは、実のところ自分の好きな人から勝手にASMRを作るような片思いをこじらせすぎたロリであった。もう逮捕されたほうがこの世界の為なんじゃないのかこいつら。

 

しかし面倒なのはこれが一番術式として強いのである。はっきり言えば彼女のテンションにだけ左右されるような極端なムラが凄いのがメタトロンだ。しっかりと強化されれば特級の術師にすら勝てる彼女は恐ろしい。

 

また、彼女の術式は都合上マスターとの約束がないと使えない。それによって使えないときだけが術師としての評価に繋がっている。

 

「ま、マスターからのプロポーズも貰えるだろうし少しくらい頑張りますかー」

 

お前は前の修羅場になんで参戦してない。

 

転生者の一人でも見ていたらそんなことを言いたくなるだろうがあいにくと誰も見ることはできなかったので関係ない。

彼女は飲み終わったタピオカドリンクを消し、宝具の準備をする。

 

「面倒面倒ひたすらめんどう…でも、これ頑張ったら赤ちゃんができるって考えたら頑張れるな…よっしゃ、怠惰返上!」

 

メタトロンに好き勝手契約を結ばれていることに気がつけるのは、冬の雪が土を隠すくらいに降り積もる時期である。

 

哀れなマスターというハーレム野郎の犠牲を代償に、京都の町は大天使に護られたのだった。

 

誰が来るんだろうね?

  • FGОのフォーリナーが来るんだぁよ
  • 適当なコテハンが来るんだぁよ
  • ムッコにお任せだぁよ
  • サルミアッキだぁよ
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