モイモイ、サルミアッキだぁよ!   作:サルミアッキ まずい

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第九話

「…というわけで、呪術高専に行きたいんですけど…」

 

悟さんから話を受けたその日の夜。妻のモルガンさんに話は通しておくべきと考え、世間話をしたあとに伝えたら場が凍りついた。

 

「…それは、私のことが嫌いになった(あの女狐に魅了された)わけではないんですよね」

 

なんかとんでもないニュアンスが含まれてるような気もするけど、それはいったんさておくとして。

 

「うん。モルガンさんのことはそもそもずっと好きではあるし」

 

「ではなぜ、わざわざ呪術を習いに行く必要があるのでしょうか。教えるにしろ行動するにしろ、私とバーヴァンシーの二人で事足りるでしょう」

 

「ええ。その、お父さまといられる時間が減るのも寂しいですし…」

 

確かに呪術だけなら彼女たちにお願いしたほうがスムーズに進むだろう。

だがそれは俺の意思とは反してるからなぁ…申し訳ないけど抵抗しようか。

 

「それはそうなんだけどさ、もしかしたらワンチャン監禁されるかもしれ…待って待ってちょっとそのロンゴミニアドしまって」

 

もしかしたらで柄を掴んでいたモルガンさんの手を恋人繋ぎで止める。そんなことをしなくても手首を掴めばいいと思うけれど…魔術師だから何をしてきてもいいように対処する余裕を奪っておかないとね。

 

案の定モルガンさんはちょっとこちらから目を背ける。可愛いから癒やされるけど、あんな世界の半分くらい消し飛ばせる特級呪具を食卓で出さないでください。

 

「…失礼。幸せな家庭を壊されるかと思うとつい手が出てしまいそうになりました。それでどう始末すればいいですか?」

 

「そもそも始末するともっと面倒なことになっちゃうし、モルガンさんに迷惑たくさんかけちゃうでしょ。…それで提案なんだけど、バーヴァンシーも一緒に高校にこない?」

 

「ひぅっ!?そんなバカなこと許されるわけないだろぉん?お父さまでもついていい冗談と悪い冗談の区別はつかないんだな!」

 

「…高校、行ってないでしょ?」

 

この前バーヴァンシーの学歴を見たけれど、中学で止まっていた。せめて最低限の働けるようになる条件として高校にはいってほしいところだった。

 

「…お母さまも学校行ってないし問題ねぇんだよ」

 

「ふむ、それもそうですね。しかし高校ですか…」

 

悩む素振りはあるけれど、この感じだと正当な理由があっても拒否されるんだろうな。モルガンさんって悟さんと同じようなタイプにみえるし。

 

「…私たちと一緒ならいいでしょう。せっかくです、私も夫と高校生活というものを体験してみましょう」

 

「なるほど、確かにそれならいいか…別にフェイルノートぶっぱなしても問題ないんだろ?」

 

…なんか二人とも乗り気になっているのはなんででしょうか。

誰かもっと負担の少ない人を呼んでください。

 

「というかモルガンさんは成人してるんじゃないの?」

 

「大丈夫です、高校の卒業資格はありませんし呪術で体の外見を少々弄りますから」

 

「どうなるかはわからないけど普通の高校じゃないからいいのかなぁ…?」

 

悟さんに連絡しておかないと。

なにはともあれ面倒なことになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

「…はあ。確かにマヨはいいって言ったよ?でも他の二人は違うだろ」

 

翌日。バーヴァンシーとモルガン(トリネコ)を連れて学校に来た俺は当然ながら悟さんにつっこまれる。

 

「別にいいだろ、お父さまの娘だぞ」

 

「いいじゃないですか、便宜上ここは学校ですよ。入学希望者の2つや3つ、受け入れたらどうでしょうか」

 

二人からの反論もあったが、悟さんは気にすることもなく俺に話を振ってくる。たぶん喋ることを諦めたのだろう。

 

「一応学長には話を通してあるから面接だけして転校できるようにしておく。…ったく、なんか今年は厄ネタ多いな…」

 

「他にもヤバい人とかいるの?自分で言うのもあれだけど、俺たち今回相当ヤバいと思うんだけど…」

 

「うんにゃ。この前にこんな事件があってさぁ〜」

 

見せられたのはロッカーに3人の生徒が詰め込まれた写真。血などもでており、無理矢理に変形したことがみてとれる。

 

「これがどうかしたの?呪術であるけどそんな違和感はないよ」

 

「…ちょっと見せて、マヨ。うん、うん…これって特級呪霊だよね?」

 

正直モルガンさんからマヨと呼ばれるのはドキッとするけど、それよりも特級呪霊の犯行であることで気が引き締められた。

呪力だけでみてもかなり多い。…これ、下手したら悟さんよりもあるんじゃないか?

 

「おっ、よくわかったねその子。マヨをどんな風にひっかけたん?」

 

モルガンさんが答えるとそっちに話を振ってくる。俺みたいに術式から普段の癖まで知っている人物より警戒してるから当然なのかもしれない。

 

「…そうですね。前世(ゲーム)からの因縁、といいましょうか」

 

「そうか。まあ今世からは未来永劫オレのものになったから諦めるんだな」

 

この周囲の呪力が段々とこの二人に集まってきているのがわかる。こんな廊下で戦闘なんかされたらまた校舎がぶっ壊れるだろう。

 

「ここで言い争いするのは別にいいんですけど、その前に説明をしてもらえませんか?」

 

(やだ、うちの娘がこんな配慮できるなんて…!)

 

親バカになるかもしれないが、どちらからも戦意を引っ込めさせる理由*1があったバーヴァンシーの言葉で話はおちついた。

 

「それで、特級呪霊がなんでこんなところ出現したん?こんな普通の高校に出るような強さではないだろうし、しかも特級呪霊にしては知性が中途半端だし」

 

「お、よく気づいたじゃん」

 

悟さんは頭をわしゃわしゃと撫で始める。大型犬かなにかのように扱われるのは勘弁してほしいんだけどなぁ…

 

「さっきマヨが言ったように、特級呪霊にしては中途半端な暴れ方をした。強いのならロッカーのなかは三人の死体だし、弱いのならこんな量の出血はできない。そんでもってオレが厄ネタ扱いするってなったら一つしかないでしょ?」

 

「…特級被術者ってことか」

 

確かに厄ネタ扱いしても納得できる。でも一つ腑に落ちない点がある。確かそんな状態になったら…

 

「規定によると殺害するんじゃなかったっけ?」

 

「そりゃそうなんだけどねぇ…ま、オレとしては若人(わかうど)から青春を奪うのは許されないって思ってるから助けちゃった☆」

 

「いや『助けちゃった☆』じゃないよ。多分問題ないのは知ってるけどこっからどうするつもりなの?」

 

「なんとかなれって感じ。半年くらいあれば解呪できるくらいの才能はあるんだよね」

 

…毎回悟さんの思いつきにつきあわされてるような気がするなあ。

 

「もしかして俺を呼んだのも他に対してのアピールってこと?」

 

「そうだな。一応もし暴走したら止めるか殺しておけって話だ。まあそんなことしなくていいよ。…後ろの二人も合わせて、な?」

 

「なら縛り結んどこうか。バーヴァンシーたちの説明も学長にしないとね」

 

「あ、学長はたまたま五条家からの仕事が急遽入ったから面接しないで合格できるぞw」

 

「来た意味ないじゃんそれ…」

 

そして学校へは明日から来ればいいらしい。

 

…ねぇ、本当に来る意味あったの?

*1
モルガンは娘の前、五条は知らない生徒の前

誰が来るんだろうね?

  • FGОのフォーリナーが来るんだぁよ
  • 適当なコテハンが来るんだぁよ
  • ムッコにお任せだぁよ
  • サルミアッキだぁよ
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