「~♪」
今日の仕事を終え、俺は重桜寮の敷地を歩いていた
「あ、おーい!指揮官!」
「ん?」
声のした方を見ると、酒瓶を持った伊勢が手を振っていた
「伊勢、どうした…って、酒盛りか。」
「ああ、今日は月が良く見える。こんな日に酒飲まなきゃいつ飲むんだい。」
「いつも飲んでるくせに何言ってんだ。」
「ははは、まぁいいじゃないか。指揮官も飲むか?」
「はぁ、まったく…少しだけだぞ。」
「そう来なくっちゃな!それじゃ行くぞ!」
~~~
「酒盛りって言っても一人で飲んでるわけじゃないだろ?日向もいるのか?」
「ああ、あたしと日向と土佐、紀伊、駿河の5人で飲んでたんだ。」
「花見か?」
「ああ。鍛錬が終わったから5人で飲むことになってよ、どこで飲むかぶらぶらしてたらたまたま桜がいい感じに咲いていたから、近くでわいわいしながら花見をしてたってわけさ。」
「なるほどな…。だったら伊勢はどうしてあの場所にいたんだ?酒盛りしてたんだろ?」
「あー…ちょっと、酔いが回ってきてたから、酔い覚ましに散歩してたんだ。そしたらたまたま指揮官と会っただけだよ。」
「珍しいな、伊勢がそんなになるまで酔うなんて。」
「ま、まあな!たまたま、飲みすぎたのかな?あはは…!」
「まぁたまにはそんなこともあるか。」
「あ、ああ!たまにはそんなこともあるさ…!あ、ついたぞ!」
~~~
「あ、姉さん戻って…って、指揮官!?」
「む、指揮官。どうしてここにいる?」
「散歩してたらたまたま伊勢と会ってな。ちょっと顔を出してみたんだが、迷惑だったか?」
「いやいや、そんなことないわよ!」
「本当か?隣失礼するぞ。」
「あ、ああ…。」
「ちょっと姉さん、どうして指揮官まで連れてきたんだ!?」
「たまたまあったんだよ…!どうせ飲むんだったら指揮官もいたほうがいいだろ?それに日向も指揮官と一緒に飲みたかっただろ?」
「ぐ…それは…そうだが…」
「だろ?結果的に良かったじゃん。」
「あ、あの…指揮官?」
「ん、今は狸耳じゃ無いんだな駿河。」
「な、なんでそれを!?」
「あ、やっぱり指揮官も知ってたんだ?」
「島風からたまに聞くんだよ。『駿河殿はテンパると狸の耳になる』って。」
「し、し~ま~か~ぜ~!」
「まぁあまり怒ってやるな。あいつも悪気はなかったと思うぞ。」
「そうよ駿河。悪気が無いんだから仕方ないじゃない。」
「ぐぅ…あーもう!」
「まぁ、島風にはそれとなく言って聞かせておくよ。」
「手遅れかもしれないのにか?」
「それでもだよ。それでいいか、駿河?」
「…とりあえずはそれでいいです。」
「…やけ酒は別に止めないが、ほどほどにな。…そういえば、艦船って二日酔いってするのか?」
「指揮官は知らないのか。飲んだ次の日にグロッキーになってることはあるぞ…姉さんが。」
「伊勢かい。」
「毎回毎回介抱するのが大変で…。」
「えー?なんだよ、日向もたまに二日酔いになったりするじゃんかよー。」
「というより、伊勢と日向の二人がよく二日酔いになるわね。」
「やっぱりよく飲むんだな?」
「主に私がな。」
「威張んな。」
「まったく、付き合わされるこっちの身にもなってほしいものだ。」
「そんなこと言って~、土佐も指揮官と二人でしっぽりうぐっ」
「…これでも食ってろ。」
(速っや!動き見えなかったぞ今!?)
「そんなことより指揮官、つまみに天ぷらでもどうだ?揚げてから時間は経ってるがうまいぞ。」
「お、おう…じゃあ一つ貰おうかな。塩貰っていいか?」
「岩塩ならあるぞ。」
「助かる。…美味いな、誰が揚げたんだ?」
「あたしが揚げたよ。野菜は尾張から貰ってきて、魚は土佐が釣ってきたものを使ったんだ。」
「イキがいいのが釣れたからな。刺身と揚げ物の魚はそれから取ってきた。」
「なるほど、新鮮なものを使ってるのか。紀伊の腕もあって酒が進むな、米も欲しくなる。」
「さすがに米はないが、確かに紀伊の料理は美味いからな。このつまみもだが、たまに作ってくれる飯も美味いぞ。」
「やーねー、褒めすぎよ。そんなおだてたってなにも出ないわよ?」
「私は当たり前のことを言っているだけだ。」
「俺は普通に褒めてるだけだよ。…美味い。」
「あ、あはは…酒盛りのたびに食べてる土佐立はともかく、指揮官の口に合って何よりだよ。」
「…なぁ、指揮官はやっぱ料理はできたほうがいいと思うか?」
「どうした日向?藪から棒に。」
「いや、ちょっとした質問だ。気にしないでくれ。」
「お、おう…で、料理だったか?そうだな…。」
「ゴクリ…。」
「まぁ、できたほうがいいとは思うな。」
「そ、そうか…。」
「だが指揮官よ。できた方がいいとは言うが、どれくらいのレベルをお前は想像しているのだ?」
「どう言うことだ?土佐。」
「どうもこうもないだろう。ひとえに料理ができるといってもどれくらいというレベルがあるだろう?例えば紀伊がそうだ、紀伊は天ぷらみたいに手間がかかる料理が作れるが、私の場合は魚を捌くことができる。そのあたりどうなのだ?」
「あー、そうだな…。まぁ手間とかはともかく、カレーが上手く作れるかどうかかな?ルーとかは市販のものを使ってもいいから、美味しいカレーが作れるかどうかが俺の基準…だと思う。」
「ふむ…カレーね、確かに、ある意味料理の基本みたいな料理だものね。」
「どーゆーことだ?」
「料理の切る、焼く、煮込むってある意味料理の基本じゃない?」
「そう、か…」
(なるほど…カレー、カレーか…。)
「…なぁ、指揮官、今度」
「しきか〜ん!聞ぃてくだひゃいよ〜!」
「うおっ、駿河って酒臭っ!?話をしてる途中にどんだけ飲んだんだ!?」
「あ、一升瓶2本空になってる。狸耳のこと指揮官に知られてるのが相当ショックだったみたいね。」
※ 一升瓶1本→1.8L
「ありゃー、こりゃ二日酔いコースだな。明日非番だからいいものを。」
「今日はこの辺りでお開きかしらね、駿河は私が部屋まで送ってくわ。」
「ああ、頼んだ。何か手伝うか?」
「そうね…日向と一緒にキッチンまで言って、料理をラップしてくれるかしら。後は冷蔵庫に入れておけば誰かしら食べるでしょ。」
「了解、じゃあ行くか日向。」
「ああ。それじゃあみんな、また明日。」
「ああ。おつかれ様。」
「あたしは先に部屋戻っとくよ。」
「わかった。」
〜〜〜
「あ、あの…指揮官。」
「どうした、日向。」
「こ、今度、お昼にカレーを持って行くから、その…食べてくれるか?」
「いいぞ、もしかしたら食堂に行ってるかもしれないけど、前もって連絡くれれば食べに行くよ。」
「そ、そうか…!」
指揮官→後日、日向からのカレーをお腹いっぱい食べた
伊勢→しばらくカレーは見たくない…
日向→カレーを作っては姉に食べさせていた、指揮官からの美味しいって言ってもらってご満悦
土佐→酒うめぇ
紀伊→一通りの家事はできる
駿河→次の日、無事に二日酔い
島風→駿河に絞められた