郊外のとある場所にて
セイズ「…ついに来たぞ。ここが郊外かぁ!!見渡す限りの砂、砂、砂。何もねえな!!」
セイズは誰もいない郊外で思いっきり叫んだ
青衣「……」
その横には静かにお茶を啜る青衣が居座っていた
セイズ「ツール・ド・インフェルノが行われるのはあそこか…人が大量にいるな」
セイズの視線の先には、レースの下準備をしてるであろう人達がいた
セイズ「あの中に混ざるのはリスキーがすぎるな……仕方ねぇ。明日のツール・ド・インフェルノが始まるまで待つとするか」
セイズはその場に寝転び始めるが、ふと思い立ったかのように立ち上がり、青衣に問う
セイズ「…そういやあのプロキシ姉妹…あいつらってなんなんだ?ただのホロウレイダーじゃなさそうだし…良し!」
セイズは青衣にWウォッチを投げ渡す
セイズ「確かWの世界では地球の本棚っつぅ地球上で起きたありとあらゆる現象、事象や存在した生物、物体の記憶を保管した無限のデータベースがあったはずだ。本来フィリップしか入れないが(例外有り)……Wウォッチがあるならいけるだろ。ちょっとプロキシ達について検索してきて」
青衣「……お言葉ですが、何故我が?セイズ殿も問題なく使えるはずですが…」
青衣が問うと、セイズは鼻に笑って言った
セイズ「だってフィリップって翔太郎の相棒だろ?だったら今俺の相棒なのはお前だ。だったらお前がやれ」
青衣「……左様ですか」
青衣が頬を赤く染めた
セイズ「え?照れてんの?可愛いかよ」
セイズは思った事はドストレートに言うタイプのようだ
青衣「もう良いですよね?検索を始めます」
W!
青衣はセイズから逃げるようにWウォッチを押し、検索を始めた
青衣「キーワードは、『パエトーン』」
青衣がそう呟くと、本棚が動いて少し減った
セイズ「続いてのキーワードは…『ヘリオス研究所』、『旧都陥落』、そして『11年前』だ」
セイズの言葉に全ての本棚が青衣の前から消え、一冊の本が残った。
その表紙は……
『Zenless Zone Zero』
青衣は本を拾い、中身を読み上げる……が
青衣「……ふむ?何やらほとんどがノイズのようなものがあって文字が見えぬぞ」
本の内容のほとんどがノイズのようなものがかかっており、読むことが出来なかった
青衣「分かる所は…どうやらパエトーンは血の繋がった兄妹ではなく、どちらも血は繋がっておらんな」
セイズ「マジで!?まあ確かに見た目は似てねえが……」
青衣「そしてどうやらパエトーンの目的は、先生と呼ばれる人物を探し出す事らしい」
セイズ「先生?誰だそいつ?」
青衣「ヘリオス研究所上級研究主任だった女性じゃ。彼女は零号ホロウを暴走させ旧都陥落を引き起こした張本人と云われておりそんな彼女もまた行方不明らしいが」
セイズ「はえ〜」
セイズは興味なさそうに頷いた
青衣「…なんじゃ、セイズ殿が聞いてきた癖に、えらい興味のなさじゃな」
セイズ「だって実際興味ねえもん。そんな事より……」
セイズは青衣の腕を引っ張る
セイズ「郊外の覇者、ボンペイって奴が気になるから、ベルデの力使って近づくぞ」
青衣「…全くセイズ殿は、いつもいきなりじゃの…だがよかろう」
セイズ「じゃあ早速行こうぜ!」
セイズと青衣はベルデの力を使って、ボンペイのアジトに近づく
そしてその夜……ボンペイのアジトでは
ルシウス「ポンペイの親分、これ。新しいルート割り当てのリストです」
ルシウス「親分に言われた通り、新規開拓した輸送ルートの何本かはカリュドーンの子に振っておきましたよ」
ポンペイ「そこに置いておけ」
ポンペイがルシウスにそう言うと、ルシウスが不思議がって聞いてきた
ルシウス「親分、あの新規ルートを拓くのには結構骨を折ってた気がするんですけど…良いんですか?連中にあげちゃって」
ポンペイ「モルスの野郎が小賢しい真似をしなければ、不用な手間ではあったかもしれんな」
ポンペイ「所で、奴はこの件をあいつ自身の独断専行だと言っていたが…」
ポンペイ「ルシウス、貴様はどう思う?」
ポンペイがルシウスに問うと、ルシウスは答える
ルシウス「そりゃあ、親分…モルスだってまあ、あれでチームの利益を考えての行動だった訳で…」
ポンペイ「ふん、答えになっとらんな。俺の気のせいか?貴様はこの件にあまり動じていないとみえる」
ポンペイ「勝利に貪欲である事は、必ずしも悪ではない。だが俺達は覇者なのだ。仁義を照らして、超えてはならん一線がある」
ポンペイ「走り屋連盟が強固である事は、油田の安全にとって必要な事…それを無視して利益などというものはない。身内同士でゴタついている隙を、誰かにつけこまれんとも限らんだろう」
ポンペイ「それと貴様…ここの所、随分都市の企業と懸ろにやっているみたいだな?」
ルシウス「お、親分!そんな言い方はないですよ…ハハ!」
ルシウス「採油プラント用に手配した防護服に問題があったんですって。どうにかする必要に迫られての事で…」
ポンペイ「そうだと良いがな」
ポンペイ「ルシウス、貴様は頭が回り、野心もあるが…目先の利益を焦りすぎる。賢さにあぐりをかいて、道を誤るなよ」
ルシウス「はい、親分…」
すると、ポンペイがいきなり咳き込んだ
ポンペイ「ゴホッ!ゴホッッ…」
ポンペイ「フン…この書類の束には終わりというものがない!近頃はいつにも増して疲れやすいが…俺も歳には逆らえないということか?」
ルシウス「またまた…近頃は『ツール・ド・インフェルノ』の事にかかりきりですからね。そっちに気を持っていかれてるんですよ」
ルシウスがお酒を注ぐ
ポンペイ「ククク…それもそうだ。あのシーザーって小娘は中々面白いが…まだ俺も取って代わらせてやるつもりはないからな」
ルシウス「ですが、親分…もうそろそろ、働きすぎもほどほどにしてもらわないと」
ルシウス「何たってーー」
ルシウス「最高に盛り上がるイベントが控えてるのに…」
ルシウス「ガス欠になられちゃ困りますから」
そしてその様子を至近距離で見ていたセイズと青衣は……
青衣「…ふむ、あのお酒からエーテル反応が感じられたぞ」
セイズ「ああ…それに、あの男もとんでもねえクズ男だ。ケミーと合わせたらすぐにマルガムになっちまうほどにはな」
青衣「…して、どうする?」
セイズ「決まってんだろ?ポンペイがエーテリアス化したら、吸収し、そんでもってあのクソ野郎とパエトーンに最高のサプライズを準備しとかなきゃな!」
青衣「ふむ…」
セイズ「そうと決まれば、さっさと明日のツール・ド・インフェルノを待つべし!!」
青衣「もちろん我も行くぞ」
こうしてセイズと青衣は、朝が明けるのを待った
そして翌日…ツール・ド・インフェルノが開催された