さらにここで外伝チック(黒蠍でない)を挟むという。
まあなんです、ゆったりとお読みください。
「はい?今なんて?」
私は、机を拭こうとしていた手を止めて、主人である西行寺 幽々子さまに聞きなおす。
自分の耳が捉えた内容は、あまりにもありえなかったからである。
「ん?あのね、私しばらく家事の修業をしようと思うの」
今まで私が行っていた家事を手伝うわけでもなかった幽々子さまが突然どうしたというのか。というよりそんな幽々子さまにはどこから家事を教えればいいのか。
「だから、妖夢にはしばらく暇を与えます」
「ええっ!?一人でやるんですか!?」
完全に想定外だった。ろくに包丁も持ったことのない幽々子さまに毎日のあの大量の食事が作れるというのか。
「ほら、荷物はそこにまとまってるわ、お友達の家にでもお泊りしてくるといいわ」
幽々子さまが指差したところに、私の荷物がきっちりとまとめてあった。
「いえ、ですが……」
私がついている状態で練習をするならまだしも、一人で置いていくわけにはいかない。
「いいから行きなさい。さもなくば霊魂たちに妖夢を見つけ次第スカートをめくるように命令するわよ」
「……えぇーっ」
なんだろうそのセクハラは。というかパワハラに近いような。そこまでして一人になりたいのか。……いや、もしかして、私の仕事ぶりにガッカリしていらっしゃるのか?た、確かにこの前夕飯が2分ほど遅れてしまったり、廊下の掃除が間に合わなかったりしていた。これってもしかしてリストラ勧告なのでは?
私の恐怖に満ちた表情を見てか、幽々子さまが私に笑いかける。
「ああ、しばらくだから2週間くらい経ったら戻ってきていいわ。まあ、何か用事が出来たなら遅れてもいいけれど」
ど、どうやらリストラではないらしい。たった2週間、2週間だけならたぶん大変なことにはならないだろう。
「そ、そうですか……もしも何かあったら連絡をくださいね。私がどこにいるかは連絡しておきますから」
「まったく、妖夢は心配性ねぇ。大丈夫よ大丈夫」
その危機感のなさが心配なんです。
「わかりました、では、頑張って下さいね」
私は荷物を持って、幽々子さまに向かって頭を下げたあと、地面を軽く蹴る。重力から解き放たれたように体が宙に浮く。行き先は、とりあえず博麗神社でいいか。私は、博麗神社の方に向かって、滑るように飛んだ。
「クカカ……動クナ!」
そしたら、見事に邪魔された。
一人の霊魂が私の足を引っ張り、地面に叩き付けようとする。とっさに私は体をねじって地面に着陸する。
すると着陸した周りから霊魂が次々と湧き出す。それは人の形をとり、私を取り囲む。
「……いったい何の用ですか?」
思い切り掴まれた足がわずかに痛む。この状態ではスピードに任せて逃げるのはまず難しいだろう。
「オレラト、でゅえるシナ!」
霊魂の中の一人がその言葉を口に出した途端、彼らの腕のあたりから鎖のようなものが私の腕にデュエルディスクごと巻きつく。
「順番にデュエルして、勝てば離してくれるんですね?」
「イヤ……全員ト一斉ニでゅえるダ!」
私は周りを見回す。相手の数は、5人。
「……いいでしょう」
私が答えると、霊魂たちが意外そうな顔をする。もっと嫌がったりするものかと思ったのだろう。
だが、その時点で甘い。その甘さは、デュエルで教えてやろう。
「さあ、デュエルです!」
霊魂1 LP4000 霊魂2 LP4000 霊魂3 LP4000 霊魂4 LP4000 霊魂5 LP4000 vs 妖夢 LP4000
「オレノたーん、どろー!手札カラ精気を吸う骨の塔ヲ召喚!たーんえんど!」
霊魂1 手札5 LP4000 フィールド 精気を吸う骨の塔(A400)
「どろー!手札カラ精気を吸う骨の塔を召喚!たーんえんど!」
霊魂2 手札5 LP4000 フィールド 精気を吸う骨の塔(A400)×2
「どろー!手札カラ精気を吸う骨の塔ヲ召喚!えんどダ!」
霊魂3 手札5 LP4000 フィールド 精気を吸う骨の塔(A400)×3
「オレノたーん、どろー。手札カラ精気を吸う骨の塔!えんど!」
霊魂4 手札5 LP4000 フィールド 精気を吸う骨の塔(A400)×4
「どろー。ゾンビ・マスターヲ召喚シテ手札カラ団結の力ヲ3枚、魔導師の力ヲ2枚装備!たーんえんど!」
ゾンビ・マスター A1800→18800
霊魂5 手札0 LP4000 フィールド ゾンビ・マスター(A18800) 精気を吸う骨の塔(A400)×4 魔法罠 団結の力×3 魔導師の力×2
はぁ、物凄い攻撃力のゾンビ・マスターにしか攻撃できない、といったことですか。
だからといってロックをかければデッキ破壊も出来る構えですね。
まあ、関係無いんですが。
「私のターン、ドロー!手札から」重装武者-ベン·ケイを召喚。そして流星の弓シールと魔導士の力3枚とデーモンの斧を装備します。これで攻撃力は8000、シールの効果でダイレクトアタックが可能、そしてベン·ケイの効果で装備カードの数だけ追加攻撃できます」
「エッ?」
愕然としているが知らない。邪魔をされたことと足を思い切り引っ張られたことに若干怒っているというのもある。
「さあ、バトル!ベン・ケイでそれぞれにダイレクトアタック!」
あとは、そう。私がワンショットキルに拘っているということだけである。
「ウ、嘘ダァァァァ!」
霊魂たち LP合計20000→0
霊魂たちは武器を大量に身に付けた武者の攻撃を受け、爆散する。ちょっとだけスッキリする。
ワンキルばかりしていたらいつの間にか周囲の人に恐れられてしまって誰もデュエルしてくれなくなっていたのだ。
そりゃあ連続ワンキル数が300を越えればそうもなるだろう。
最近は霊夢や魔理沙などとやってないので、記録が伸び続けている。この際だし幽々子様が一人生活を行っている間、幻想郷の中でも強いあの二人と嫌と言うほどやってこよう。
そう誓って、私は再び空を真っ直ぐ飛んでいった。
この時私は、まさか白黒魔法使いでも、紅白巫女でもない予想もしない相手にこの連ワンキル記録が破られることになるとは思ってもいなかったのであった。
はい、まずは説明をば。
ようやく真打ち妖夢ちゃん登場です。
妖夢ちゃんの今回のデッキは言うまでもなく【ベン・ケイ1キル】ですね。
今回は、という理由は、妖夢ちゃんのデッキは出来るだけ戦士族縛りしたワンキル特化にしていくつもりです。
辻斬りっぽいしワンキルとか好きそうなので
ライフ4000なら多分困りませんよね、多分。一応8000で持っていけるコンボはいくつか考え付きますし大丈夫と信じている。
敵の霊魂たちはよくわかりません。【アンデット】なんじゃないですか。あんまり考えなかったです。
しかし沢山の霊魂に囲まれた妖夢ちゃんというシチュは薄い本が出来そうですね。
今回はただの妖夢ちゃんの導入回です。話がほとんど動きませんでした。
今度は本編に戻るはずです。次回のあらすじを書くと、サティスファクションなサティスファクションさんがサティスファクションに向かないルールのはずなのにサティスファクションをして俺たちのサティスファクションはここからだ!って感じです。とにかくサティスファクションです。次回も乞うご期待です。