【東方×遊戯王】   作:和泉朝人

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おっそくなりやしたあああああ!
これで完成!と思ったら手札足りないとか、ライフ足りないとか、明らかなプレミとか、効果ミスとか、ルールミスとかの大問題・レザルト・バースト!グォレンダァ!を喰らって死んでおりました。
まだ問題ございましたら教えてください。マジで。まだありそうでこわい。
とりあえず、ゆっくりしていってね!

《追記》スノーマンイーターの守備力を修正しました。12/21ディーヴァがダイレクトアタックしてない不具合を修正しました。200ライフが減っただけでそれ以外は変化ありません。




吹き荒れる妖精の風

「あの時、私はお買い物に行こうと思って外に出たんです。」

そう、私は別に特別なことをしていたわけではなかったんです。私は普段通り出かけただけでした。

「そしたら、ちょうど私がいた辺りで、紅魔館の吸血鬼さんと会ったんです。そして、突然デュエルを仕掛けられました。」

そして、私はあっさりと敗北してしまいました。

「そのデュエルにあっさり負けて、気を失いかけているところに遊太さんがいらしたんです。」

「……そうか。吸血鬼とかデュエルに負けて気を失うとか色々気になるところはあったが分かった。」

遊太さんは私の話を聞いて神妙に頷いています。

「でも、カードは取られなかったですし怪我もそれほどでもなかったのでよかったです。ひどい人だとデッキを丸ごと奪ったり、連続でデュエルし続けて大怪我をさせたりするらしいですから。」

あまり心配させないように、軽く笑って言おうとしましたが、口がひきつってしまってうまく笑えませんでした。自分ではそれほど気にしてないつもりでしたが、あの血のように真っ赤な槍に貫かれるのではという恐怖に手が小刻みに震えてしまいます。

その私の様子を見てか、遊太さんの表情が険しくなる。彼の手が強く握り締められています。

「……許せないな。遊戯王を人を傷つけるために使うなんて。」

彼自身、遊戯王がとても好きだからこそ出る言葉だと思います。

そして彼は私の両肩をがっしりと……えっ?

「え、ちょ、遊太さん!?」

正面から向き合ってしかも両肩を掴まれている状態ですと、その、大変顔が近かったりします……。

「……よう。」

遊太さんが何か言いましたが、よく聞こえません。

「リベンジをしよう!」

私に向けられた目は燃えるような闘志に満ちています。なんか熱いです。

「へ?」

「さあ、そうと決まったら練習だ!まずは相手ライフ16000、自分ライフ100の状態からデュエルスタートして勝つんだ!」

遊太さんがデュエルディスクをいじると、vsCPUの詰めデュエルが始まりました。

「え、えええっ!?ちょ、ちょっと待ってくださいぃ!」

「待たない!さあ、どうする?」

遊太さんは全く容赦せずに始めてしまいました。

 

 

湖畔の夜風は冷える。

風を切って空を飛ぶ私の体を徐々に冷やしていく。

何故こんな月の綺麗な、そして肌寒い夜にこんな所を飛んでいるのかと言うと、前日に届いたやたら丁寧な字で書かれた「決闘の申し込み」と書いてある手紙のせいである。

それは、この前私がデュエルでこてんぱんにした妖精だった。

妖精は対して強いデュエリストでもなかったので、無視してしまえば良いと従者に言われたのだが、私は売られた喧嘩は買う主義なので、重い足を引きずって、もしくは重い羽を無理やり動かしてわざわざここに来たのだ。

手頃な地面を見つけて、スピードを落として着陸する。

ふわりと音を立てず優雅に着陸出来たので、少しだけ満足する。

「……来ましたね、レミリア・スカーレットさん。」

目の前にいるのはあの妖精だった。

「仕方ないから来てあげたわ。私も暇じゃないから、さっさと始めましょう。」

「……そうですね。」

ふと周りを見回すと、近くに氷の妖精と、見慣れない赤い帽子の男がいる。

「あれは、貴方のお仲間かしら?見慣れないのもいるけれど。」

「あの赤い帽子の方は、外来人の鹿野 遊太さんです。とても強いデュエリストです。」

強いと聞いて、赤い帽子を眺めるが、その男は腕を組んで口を引き結んで黙っている。彼の姿を見てもあまり強そうには見えなかった。

まあ、それを確認したかったらこの子供を倒した後で、デュエルを申し込めばいい。

「さあ、はじめましょう。」

相手の妖精の手に力が入る。

 

「「デュエル!」」

 

「先行は私ね、ドロー。」

私はカードを引き、そして手札を確認する。そこからおおよその戦法を考える。と言っても先行で出来ることは少ない。

「私はモンスターをセット、カードを1枚セットして、ターンエンド。」

 

レミリア LP4000 モンスター 裏守備1 魔法罠1 手札4

 

「私のターン!ドロー!私は手札から永続魔法、神の居城ヴァルハラを発動!今私のフィールドにモンスタ-がいないから、私は手札から、次元合成師を特殊召喚します!」

フィールドに金属質の青いマントのモンスターが現れる。

「次元合成師の効果を発動します!デッキの一番上を除外して攻撃力を500アップします!」

金属質の魔導師の手元に黒い球体、というより穴が生まれ、デッキのカードが吸い込まれていく。

 

次元合成師 A1300→1800

 

「除外されたカードは勝利の導き手フレイヤです!そしてさらに私はジェルエンデュオを召喚します!」

2体のパペットのような天使が現れる。

「手札からフィールド魔法、天空の聖域を発動します!天使族モンスターのコントローラーは戦闘ダメージを受けません!」

周囲が浮遊する荘厳な雰囲気を漂わせた聖域が現れる。なるほど確かに天空に存在する聖域のようだ。

「バトルです!次元合成師で裏守備モンスターを攻撃します!」

攻撃を仕掛けてくる金属質の魔導師。

「私のセットモンスターはスノーマンイーター!」

現れた私のモンスターは雪だるまである。

 

次元合成師 A1800 VS スノーマンイーター D1900

 

「スノーマンイーターの方が守備力が高いから戦闘破壊されないわ。そしてスノーマンイーターのリバース効果!貴方の次元合成師を破壊するわ!」

雪だるまから、吹雪が巻き起こり、金属質の魔導師が破壊される。

「くぅっ……!ですが天空の聖域の効果で私は戦闘ダメージを受けません!また、破壊された次元合成師の効果で除外された勝利の導き手フレイヤを手札に加えます!そして私はカードを2枚伏せて、ターンエンドです!」

 

大妖精 LP4000 ジェルエンデュオ(A1700) 魔法罠2 神の居城ヴァルハラ 天空の聖域 手札1

 

「私のターン、ドロー。」

あまりにいいカードを引いて、つい笑顔になってしまう。だがすぐに冷静に考える。

「私は深海のディーヴァを召喚!その効果によってデッキからリチュア・ディバイナーを特殊召喚!」

美しい女の人魚が現れ、その歌声に呼ばれ、海竜の占い師が姿を現す。

「リチュア・ディバイナーの効果!私はカード名を宣言してデッキの一番上を確認し、宣言したカードなら手札に加え、違ったら元に戻す。」

落ち着いて私は深呼吸をする。

「……私が選択するのは、黄泉ガエル!」

私は勢いよくデッキトップをめくる。

そのカードは……

「黄泉ガエル!?」

「……運命は絶対よ。運命には逆らえないのよ。私は黄泉ガエルを手札に加える!」

私の能力は「運命を操る程度の能力」。私が運命を操れば、このくらい容易いものである。

ただ、この能力があれば負けることはない、なんてことはなく、デッキトップを狙うにしても3回に1回くらい失敗する。正直かっこよく決まって良かったと安堵しているところである。

「私は、レベル3のリチュア・ディバイナーとスノーマンイーターをオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築するわ!エクシーズ召喚!貫け!ブラック・レイ・ランサー!」

2体のモンスターが光の球となって、空を飛ぶ。そして生み出される銀河のような光景。

その中から、夜の闇に溶け込んでしまいそうな色をした体、そしてその中で怪しげに光を跳ね返す血のように真っ赤な槍を持つ騎士が現れる。

その姿を見た相手の妖精は息を呑む。前に戦った時に止めを刺したモンスターがこのブラック・レイ・ランサーなのだから当然であろう。

「ブラック・レイ・ランサーの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除き、貴方のジェルエンデュオの効果を無効にするわ。」

黒騎士の槍に、オーバーレイ・ユニットが当たって消える。そして黒騎士から赤い波動が双子の天使に向けて放たれる。

「さあ、バトルよ!ブラック・レイ・ランサー、ジェルエンデュオに攻撃!」

黒騎士が手に持つ真っ赤な槍を双子の天使に投げつける。

その槍は双子の天使を貫き、双子の天使ははじけ飛ぶ。

「くっ……ただ戦闘ダメージは受けません!」

「そんなのはどうでもいいわ、深海のディーヴァで、ダイレクトアタック!」

 

大妖精 LP4000→3800

 

「私はカードを一枚セットしてターンエンドよ。」

 

レミリア モンスター ブラック・レイ・ランサー(A2100 ユニット1) 深海のディーヴァ(A200) 魔法罠2 手札3

 

「私のターン、ドロー!私はヴァルハラの効果で、天空騎士パーシアスを特殊召喚します!」

翼のような装飾を施した青い鎧を身にまとった半人半馬の騎士が現れる。

「さらに、勝利の導き手フレイヤを召喚します!効果で天使族の攻撃力は400アップします!」

さらにフィールドにボンボンを持った青い色の服を着た女性が現れる。

「へぇ……この前はブラック・レイ・ランサーの攻撃を止められなかったのに、攻撃力を超えるなんてやるじゃない。」

やはり強い決闘者という赤帽子に教わったのか。その赤帽子を見ると先ほどと変わらない姿勢で立っている。

「バトルです!私は天空騎士パーシアスでブラック・レイ・ランサーに攻撃します!」

 

天空騎士パーシアス(A2300) VS ブラック・レイ・ランサー(A2100)

 

レミリア LP4000→3800

 

「パーシアスの効果でカードを1枚ドローします。そして勝利の導き手フレイヤで深海のディーヴァを攻撃!」

 

勝利の導き手フレイヤ(A500) VS 深海のディーヴァ(A200)

 

レミリア LP3800→3500

 

「私はこれでターンエンドです。」

 

大妖精 LP3800 モンスター 天空騎士パーシアス(A2300) 勝利の導き手フレイヤ(A500) 魔法罠2 神の居城ヴァルハラ 天空の聖域 手札1

 

~~

「よっし!大ちゃんがあのでっかいモンスターを倒したよ!」

きゃっきゃとはしゃいでいる氷精を横目に、赤い帽子は考え込んでいる。

「……スノーマンイーター、深海のディーヴァ、黄泉ガエル。相手は【水属性】デッキ。そしてわざわざブラック・レイ・ランサーを使う辺り、『槍』を中心としたデッキだろう。そこから考えると……。」

赤い帽子の額に汗が伝う。彼には展開が読めているのだろうか。

「負けるなよ……大妖精。」

~~

 

「私のターン、ドロー。伏せていた強欲なウツボを発動!手札から水属性モンスターを2体デッキに戻し、3枚ドローするわ。そして、手札から黄泉ガエルを捨てて、鬼ガエルを特殊召喚!」

黄色の体に、赤い色の模様をした、鬼のような蛙がフィールドを跳ねる。

「鬼ガエルの効果でデッキから黄泉ガエルを墓地に送るわ。私は鬼ガエルをリリースして、サルベージ・ウォリアーを召喚!」

やたら筋肉質な青い肉体に、背中に鎖のようなものを背負った男が現れる。そしてその手に持つ鎖が地面に沈み込む。

「サルベージ・ウォリアーの効果!墓地からチューナーモンスター、深海のディーヴァを特殊召喚!」

沈み込んだ鎖が持ち上げられると、そこに先ほどの人魚がかかっていた。

「さあ、レベル5のサルベージ・ウォリアーに、レベル2の深海のディーヴァをチューニング!」

人魚の体が消え、二つの緑色をした輪っかが青色の男を中に通す。

「古の竜よ、今こそその封印を解き、我の元へ!シンクロ召喚!我が槍、氷結界の龍グングニール!」

発生した光の中から現れたのは、まるで氷像のようなモンスターで、うっすらと赤い輝きを放っている龍だった。

「グングニールの効果!手札を2枚まで捨て、その数だけ相手のカードを破壊!私は手札を2枚捨て、天空の聖域と天空騎士パーシアスを破壊!」

氷の龍の息吹を受け、聖域と半人半馬の騎士は凍りつき砕け散った。

「さらに、伏せていた破天荒な風を発動!グングニールの攻撃力・守備力は次の私のスタンバイフェイズまで1000アップする!」

「ええっ!?」

 

氷結界の龍グングニール A2500→3500 D1700→2700

 

「さあ、バトルよ!グングニールでフレイヤを攻撃!」

 

氷結界の龍グングニール(A3500) VS 勝利の導き手フレイヤ(A500)

 

大妖精 LP3800→800

 

氷の龍が、その首を妖精にしっかりと向ける。そしてその口から、勢いの強い息吹を放つ。

「きゃあああっ!」

氷の龍の息吹を受けた妖精は吹き飛ぶ。体は所々凍りついていて、震えているのが少し離れたところからでもわかる。

「私はこれでターンエンドよ。」

 

レミリア LP3500 モンスター 氷結界の龍グングニール(A3500) 魔法罠0 手札0

 

正直なところ、ここから引っくり返せるとは全く思えない。私が氷結界の龍グングニールを呼び出すということは、すなわち私の勝利、ということだ。さらに、攻撃力3000を超えたグングニールを倒すのはおそらく難しい。

それに、あの様子ではおそらく勝負にならない。

~~

自分の上の歯と下の歯ががちがちと音を立てています。これは凍り付いてしまった体が冷えるためなのか、それとも目の前のモンスターに恐怖しているからなのかわかりません。

私は寒さでかじかむ手をのろのろと動かして、デッキトップに置きました。

けれども、全く勝てる気がしません。前回のようにはならなかったものの、結局は負けるだけなのではと思います。

「……ドロー!」

そのカードを見た瞬間、私は思い出しました。

まだ残る、勝利への道を。

「……私は、セットしていたトレード・インを発動!手札から光神機-轟竜を捨てる!そしてカードを二枚、ドローする!」

私は手札を捨て、昔のことを思い出します。

~~

「大ちゃん!パック買ったら大ちゃんみたいなカードが当たったからあげる!」

「え、チルノちゃん。私ってこんな感じなの?」

「えー?この子も大ちゃんみたいでかわいいじゃん!」

「うーん……なんだか微妙な気分だけどありがとう、大事にするね。」

~~

あれから、デッキは随分と変わりました。けれど、チルノちゃんに貰ったあのカードだけは、絶対に抜く事はありませんでした。

まだ手札には無いけれど、今ならわかります。カードを信じれば、かならず答えてくれると。

「……二枚、ドロー!」

私は引いたカードを見ます。

そして。

「……カードの効果で手札に加わった時、このカードを特殊召喚します!お願い、ワタポン!」

そう、チルノちゃんに貰ったカードはワタポン。このシュークリームのようなモンスターと似ていると言われた時は、とても困りましたが、今では一番大切なパートナーです。

「そして伏せてあったリビングデッドの呼び声を発動します!私は墓地からジェルエンデュオを特殊召喚!そして手札からメンタルカウンセラー・リリーを召喚します!そして、レベル1のワタポンとレベル4のジェルエンデュオにレベル3、メンタルカウンセラー・リリーをチューニング!」

カルテを持った女性の看護師から三つの輪が生まれ、ワタポンと双子の天使を中に入れます。

「聖なる地より出てし騎士よ、私の剣となり、盾となれ!シンクロ召喚!お願い、神聖騎士パーシアス!」

光の中から現れたのは、金属のような体をした、翼を持った騎士。

「それでもグングニールは攻撃力3500、貴方のモンスターの攻撃は2600よ?」

「メンタルカウンセラー・リリーがシンクロ素材になった時、ライフを500払うことで、攻撃力を1000ポイントアップします!」

「なっ……!?」

 

大妖精 LP800→300

 

神聖騎士パーシアス A2600→3600

 

「さらに、神聖騎士パーシアスの効果!グングニールを守備表示にします!」

神聖なる騎士の体から光が放たれて、氷の龍がその光から身を守るように丸くなる。

「わざわざ守備表示?……あっ!」

レミリアさんは何かに気がつき、弾かれたように考え込んで下を向いていた顔をあげる。

「神聖騎士パーシアスには攻撃したモンスターの守備力を超えていたら、その分だけダメージを与えられる効果があります!バトルフェイズ!神聖騎士パーシアスで、氷結界の龍グングニールを攻撃!」

「で、でもまだ私のライフが……」

「ダメージステップに、手札からオネストの効果発動!手札からこのカードを捨て、相手の攻撃力の数値だけ、自分の光属性モンスターの攻撃力を上げます!」

「な、何ですって!」

 

神聖騎士パーシアス A3600→7100

 

神聖騎士パーシアス(A7100) VS 氷結界の龍グングニール(D2700)

 

「あ……そんな……。」

神聖なる騎士の剣が、氷の龍を真っ二つに切り裂きました。そしてその大地を揺るがすような衝撃が、レミリアさんへ向かいます。

「きゃああああああっ!」

 

レミリア LP3500→0

 

レミリアさんは、その衝撃を受けて、弾き飛ばされました。そして、短調なピー、というライフポイントが0になった音が響きます。

 

「あ、あれ?勝っ……た?」

私が何が起きたのか分からないまま、気の抜けたように立っていると、横から私に飛び込んでくるものがありました。

「大ちゃん!やった!やったよ!」

「チ、チルノちゃん……」

チルノちゃんはまるで自分が勝ったかのように喜んで、私に抱きついています。

「よくやったな。いいデュエルだったぞ。」

遊太さんも近くに来て、賞賛の拍手をしています。

「ありがとうございます……。勝てたのは遊太さんのおかげです。」

「いや、勝てたのはお前がデッキを信じて、ワタポンを引くことが出来たからだろうな。」

あくまで自分は何もしていないかのように言っていますが、ワタポンを抜きたくないと言った私に、ドローソースを増やすように勧めたのは遊太さんです。

そして、私はチルノちゃんの方を向きます。

「ねえ……チルノちゃん。」

「何、大ちゃん?」

チルノちゃんは明るい笑顔をこっちに向けてきます。

そのチルノちゃんに向かって私は言いました。

「……あの……ちょっとというか、物凄く。」

「うんうん!」

「……寒い。」

それだけ言って、私は冷え切ったところへの追撃によって、意識を手放しました。

チルノちゃんが慌てた表情になっていたのを、最後に見たような気がします。

 

 

~~

私は地面に転がっていた。強烈な衝撃によって、体は動かせない状態であった。

私は敗北したのだ。あの妖精の少女に。自分の切り札を使いながらも。

全力を尽くしたはずだったが、何故負けたのか。それは、単純にあの少女の方が強かったから。それだけである。

そんなことを考えていた私の元に、足音が響く。

「……負けた私を笑いに来たのかしら?赤帽子。」

そこに立っていたのは、先ほどの赤い帽子であった。

「俺は赤帽子って名前じゃなくて鹿野 遊太だ。それに笑いに来たわけじゃない。」

「じゃあ何をしに来たって言うの?」

私が尋ねると、鹿野は私の近くにしゃがみこむ。

「お前のデッキは【水属性】よりの【槍】デッキだろ?」

私は少し驚く。私のスペルカード『神槍「スピア・ザ・グングニル」』を知っているものならともかく、知らない人に見抜かれるとは思っていなかったのだ。

「へえ……なかなかやるじゃない。それがどうかしたの?」

「……自分の好きなカードでデュエルしてさ、それが圧倒的に負けると悔しいよな。」

彼は、私の方を見てそれを言った。それ以上のことは言わなかったが、私はわかった。

自分の好きなカードを使って負けた私を気遣って、彼は私の元にわざわざ来たのだ。

「……そうね。確かに……。」

私はこみ上げてきたものを無理やり押し込めて、顔を逸らす。

「……お前、体を強く打って動けないんじゃないか?」

唐突に彼が私の体のことを聞く。

「まあ、確かに動けないけれどしばらく放っておい……って何するの!?」

私の体が持ち上がり、彼の背中にちょうどおんぶの体勢で背負われる。

「いや、こんなところに置いていくのは気が引けるしな。」

「だからって!」

「……しかしこの体勢なら顔がよく見えないな。何してても気がつかなさそうだ。」

「!!」

まるでなんでもないことのようにそのまま歩き始める。

私はその背中に顔を埋める。

「……馬鹿な男。」

私は彼の優しい背中で揺られながら、悔しさからこみ上げるものを彼の背中で隠していたのだった。




サブタイトルの話ですが、実はカード名が入ってます。
それはさておき。
大妖精のデッキは【天使族】ですね。理由も妖精だからという単純なこと。
私の初期デッキは代行天使のストラクチャーでした。そこから極星→カラクリといった訳です。今度【ヴェルズダークガイア】に挑戦したいと思います。

レミリアのデッキは作中にも出たように、【水属性】よりの【槍】です。
構築は完全にファンデッキです。ですがデブリとかを考えると割とグングニールは出しやすいと思います。そして前から強いと思っていたサルベージ・ウォリアーを出したかったという理由もありました。

どちらもまだ出番あると思います。キャラが好きな方もデッキが好きな方も楽しみにしとってください。

次回は多分紅魔館の逆襲ですかね?わかりません。
次も時間かかりますが楽しみにしててください。
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