【東方×遊戯王】   作:和泉朝人

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なんと!今回は!デュエルがありません!

毎回デュエル入れる予定だったんですけども、流石に長くなりすぎました。
ちょびっと話を進めようとしたらこれだよ。
デュエルで誤魔化してる部分が剥き出しになってるんでちょっとお見苦しい感じがあるかもしれません。

とりあえず今回もゆっくりお茶でも飲みながらご覧になってください。




壊された封印の鎖

「うおおおお!?」

唐突だが、俺は走っていた。無論、全力で。

「ま、待ってくださいぃぃ!!」

後ろから大妖精が全力で飛んでくる。その表情を見れば、必死さが伝わるだろう。

だが、声をかけているほどの余裕はない。

なぜなら、後ろから大量の弾幕が俺を狙って飛んできているからだ。

 

 

俺は、どうしてこの幻想郷に来たのか調べるために、この世界でも権力のある人に会いに行こうということになった。

そしたら、どうもレミリアがなかなか権力のある人、というより吸血鬼らしいので、とりあえず紅魔館に行くことになった。

そんなに権力があるとは知らなかったので、大分失礼なこと(主にデュエル的な意味合いで)をしたような気もするけれど、とりあえず気にしないことにする。

で、紅魔館に向かうと現在居候中の家の家主、大妖精に伝えると、なんといっしょについていくと言うので、俺と大妖精の二人で紅魔館に向かうこととなった。

ここまではよかった。

だが、家を出てしばらく行ったところで、この前のチルノと、その友達らしき人(人というのは多分間違っている)に囲まれた。そして、その中の虫のような触角を頭につけた、緑色の髪をした少女が

「そこの外来人!止まれ!」

と俺に向かって言って来た。

「え、何か?」

外来人は通っちゃいけないとかあるのかな、と思ったら

「大妖精をどうするつもりだ!」

そういうわけではないようで。

「いや、紅魔館に行くんだけど、こいつも来るっていうから……」

「間違いないわ、誘拐犯はたいていこう言うものよ」

その中の茶色の帽子を被った羽を生やした少女が言う。

「は、誘拐?」

「とぼけたわ、ほぼ間違いなしね」

赤い飾りを頭に付けた金髪の少女が、こっちに疑いの眼差しを向ける。

「みんな、遊太さんはそんな人じゃないよ。私からついて行くっていったんだし……」

「まるで悪くないかのように嘘を言わせるなんて……許せないわ」

どうやら大妖精と友達らしいのだが、もはや話を聞いていない。

「……って待て。チルノ、お前は俺を知ってるだろ?」

俺に言われて、チルノは俺を見る。

「ええ、知ってるわ」

「なら……」

「大ちゃんを奪った悪者よ!喰らいなさい!『氷符「アイシクルフォース」』!!」

チルノが手を広げると、氷の弾丸が空を飛ぶ。

「へ?」

空を飛んでいる氷の弾が、俺に向かって飛んでくる。

「ちょ、うわぁぁぁっ!」

俺はすんでの所で回避する。俺のいたところに氷が突き刺さる。

あんなのが当たったらおそらく死ぬ。残念ながら俺は割と一般的な人間なので、銃弾のようなスピードで飛んでくる氷なんかを受けたら当然死んでしまう。運よく胸ポケットに切り札のカードが入っていたりしなければ即死である。

「おいっ!何するんだ!そんなの当たったら死……」

「『声符「梟の夜鳴声」』!!」

「『蛍符「地上の流星」』!!」

「『月符「ムーンライトレイ」』!!」

全員大分やる気のようです。

「……こういう時は、逃げるに限る!」

「待てぇ!誘拐犯!」

 

と、いったわけで今走ってるわけだ。

俺はバイクと合体するロボット軍団と鬼ごっこ(と言う名の一方的な逃走劇)をしたこともあるほどに体力には自信があるのだが、後ろから俺を必死に追いかけている大妖精はそろそろ限界だろう。

て、いうかもうこの距離から考えて絶対誘拐じゃないことはわかりきったことだろうと思うのだが。

後ろをそっと振り返ると、視界に映るのは何もない「闇」。そしてその中から聞こえてくる歌声、いや、鳴き声の方が正しいのだろうか。その声は美しいのだが、聞き入って足を止めればすぐに氷の粒などの餌食だ。

ついでに落ち着いて考えると大妖精にも当たりそうである。むしろ大妖精の方が危ないくらいだ。

「あー!もういい加減にしてくれええええっ!」

俺はたまらず叫び声をあげた。

 

 

……で、時間は飛んで、紅魔館の前までたどり着いた俺らだが。

「ぜぇ……っ、ぜぇ……っ。ホントに……すみません……」

「……むしろ被害が激しいのはお前だと思うんだが。」

俺の呼吸はすでに整っていたのだが、大妖精は肩で息をしている状態である。さらに足はガクガクだった。まるで俺が大妖精を振り回したみたいである。

「だ……大丈夫……です。いいから……行きましょう」

大妖精はよろよろしながら俺の前に出る。俺はとりあえず後ろからついていくことにする。

少し行くと、血のように真っ赤な色をした、大変大きな館が現れる。

まさに吸血鬼が住むに相応しい禍々しい雰囲気をたたえている。

その館の大きさに合った門に近づくと

「この紅魔館に何か用でしょうか?」

後ろから声がした。

「……っ!?」

慌てて振り返ると、そこには中国風の緑色の服を身にまとった女が立っていた。

「あ、えっと俺は鹿野 遊太って言って……」

「ああ。レミリアお嬢様をボッコボコにしたという……。どうぞ入ってください。」

突然後ろを取られたので、言い知れない恐怖を覚えたのだが、相手は人の良い笑顔を浮かべて、あっさり俺らを通してくれた。

「あ、はい……どうも」

多分この人は門番なので、門の方にいたはずだ。そこからいつの間に後ろに回り込んできたのかと考え、振り返ってみると。

門番は門に寄りかかって、寝ていた。

「……えぇぇ……」

門番なのに寝てるってどういうことだ。門の番をしていない。

「あぁ、あの人は紅美鈴さんです。いつも寝てたり私とかチルノちゃんと遊んでたりして門番として機能してないんですよね。」

大妖精が呆れ返って語る。いいお姉さんをやってるようだが、門番としてはよろしくないだろう。

だが、あの門番、俺の勘だと多分やばい。寝ている姿を見ても、全く隙がない。とりあえず何かしらの武道を極めているのは間違いない。

それに、レミリアともどうやら仲が良さそうだ。門番が館の主と話すというのはなかなかないことだろう。そんなに沢山門番に会ったこともないのでよくわからないが。

あまり考えないことにして、俺らは館の中へと進む。

しばらく中へ進むと、少女が階段を下りてくる。

「あら、いらっしゃい。二人とも来たのね」

「レミリア、久しぶりだな」

「お久しぶりです」

「とにかく立ち話もなんだしこっちにいらっしゃい」

レミリアが俺らに背を向けて前を歩く。俺らはそれについていって歩く。

俺は内装を眺める。どこもかしこも真っ赤に染まっていて、少しだけ目に悪い気がしてくる。目をそらしても、赤。仕方ないから他のところを眺めても、やっぱり赤。

その赤の中では、他の色はとても目立つ。

「……なあ、レミリア」

「ん、何よ?」

「あの鎖ってなんだよ。」

俺の視線の先には、鎖をがっちり付けられた扉があった。

「え、ああ、それは……妹の部屋よ。」

レミリアの表情が曇る。あまり触れて欲しくないことなのだろうか。

「……それはさておき、いったい何の用?」

レミリアがドアを開けて、その中の椅子に座る。俺らはその対面にあるソファーに二人並んで座る。

何故か大妖精がそわそわし始める。やたらもぞもぞと動くので、俺の肩に大妖精の肩が当たる。

 

~~

 

……流れで遊太さんの隣に座ってしまいましたが、とても近いです。

男性の知り合いはいないので、どのくらいの距離感が正しいのかわかりません。

遊太さんは嫌がってないでしょうか。くっつきすぎると不快感を与えるような気がします。

……いやむしろ私の家に居候させてるところから良くないんじゃないでしょうか。物凄く心配になってきました。

ふと、前を見ると。

真っ黒なオーラを放っているレミリアさんがいました。

何故だかは全くわかりませんが早くここを去りたいです。

 

~~

 

大妖精め……。

遊太の隣に当然のように座って……。

いくつか椅子があるんだから他の椅子に座ってもいいでしょうに。

なんであんなにくっついてるのよ。羨ま……しくなんてないわ。全く羨ましくないわ。

いっそ立たせておけば良かったかしら。

そんなことを考えていると、大妖精が顔を上げ、私を見てすぐに顔を下げる。

多分今自分はとても怖い顔をしていたのだろう。

まずいまずい。私はもてなす側だ。相手を怖がらせてどうするの。

そんなんじゃ遊太に……?

……どうして私は遊太を気にしているのだろうか?

 

~~

 

「とりあえず、今日はレミリアに聞きたいことがあって来たんだ。」

「へぇ……何を聞きたいの?」

「俺がこの幻想郷に来た理由……かな?」

あまりにも分からないことが多すぎるので質問すらまともに決まらない。

「理由としてありうるのは、自分から来たパターン、スキマ妖怪に攫われたパターン、外の世界で忘れられたパターンとかがあるわ。まあ記憶とかに問題が起きてなければ貴方の場合スキマ妖怪に攫われたパターンでしょうね」

「スキマ妖怪?」

聞きなれない名前だ。そもそもそんな妖怪自体聞いたことがない。

「あースキマ妖怪っていうのはね、八雲紫っていう『境界を操る程度の能力』を持った妖怪よ。空間に変なスキマを開けて色んなところを自由に行き来する変な奴よ。」

いつの間にか置いてあった紅茶を飲みながら話すレミリア。

多分咲夜がそっと置いていったのだろう。

「えっと……つまりその八雲紫って奴なら俺のいた所に行けるってことか?」

「ええ、そういうことになるわ。」

「じゃあとりあえずそいつを探してみるか。どこにいるんだ?」

俺も目の前に置いてあった紅茶に口を付ける。何故かしょっぱい。おそらく咲夜の嫌がらせだ。こんなところでやるなと言いたいのを抑えて、カップをテーブルに置く。

「紫は基本的には博麗神社にいるわ。今は春だから流石に起きているでしょう」

ん?「起きている」?

俺の疑問を察してか、レミリアが答える。

「ああ、あのスキマ妖怪は冬になると冬眠するのよ」

「寝るのかよ!?」

冬眠するって熊か何かかよ。

つくづくこの幻想郷にいる人は変人ばかりだ。

「まあ、とりあえずは博麗神社に行ってみるのがいいと思うわ。……咲夜」

レミリアがカップを置き、咲夜を呼ぶ。

するとレミリアの横にこの前のメイドが突然現れる。

その手には紙があり、それをレミリアが受け取る。

「ほら、この地図通りに行けば博麗神社に行けるわ」

見てみると、丁寧な周辺地図と、博麗神社の場所をしめす星のマークがそこに描かれていた。

よく見ると地図の横に可愛らしくデフォルメされたレミリアが道を指し示している絵が描かれている。

「この絵って誰が描いたんだ?」

「……あー、多分咲夜ね」

「ふーん、割と絵うまいんだな……っ痛ぇ!」

どこからか物が飛んできた。

明らかに投げられたものだ。飛んでいった方を見ると、金の燭台が地面に着く前に忽然と消える。

つまりあれは咲夜だ。どうして咲夜に物を投げられたんだ……?

「褒められるのは苦手なんじゃないかしらね?良く分からないけれど」

「だからって燭台を投げないで欲しいな!」

俺はどこかにいるだろう咲夜に向かって怒鳴った。

すると。

「……ねぇ、そこにいるのは、誰?」

地の底から響くような声がした。

「……ッ!!フラン!?」

その声を聞いた瞬間、レミリアの表情が凍りつく。

「えーっと、フランって言ったか?俺の名前は鹿野 遊太だ!」

状況は分からないが、とりあえず名乗る。

なんせ、俺の直感が「こいつはヤバイ」と伝えている。

「へぇ、そうなんだ。どこにいるの?」

「名乗ってる場合じゃないわ!今すぐ逃げて!すぐにここも粉々になるわ!」

レミリアが鋭く叫ぶ。すると咲夜が唐突に現れる。

「掴まってください!今すぐここから出します!」

咲夜が手をのばし、大妖精はその手を掴む。

「……とりあえず、お前はあの鎖のついた部屋にいるんだろ?俺からそっちに行くよ」

「貴方、何考えてるの!?」

咲夜が俺の言葉を聞いて怒鳴る。

「ちょっとこの立派な屋敷を壊すのはよせ、って言ってくるだけだ」

どうやら吸血鬼のお嬢様も怖れる化物らしいが、あまり恐怖は感じていない。

「へぇ、そうなの?じゃあ大人しく待ってるわ」

声の主は、俺の言ったことを聞き入れたようだ。かすかに鼻歌が聞こえてくる。

「……で?どうしてそんなにヤバイの?」

「……最近あの子はいろんな人にデュエルを申し込むようになったの。そして、必ずオーバーキルをして、相手を傷つけるの。相手が私たちだけだったらまだ許せたけれど、それをお客様にまでやるようになって、全員を殺しかけたから、部屋に閉じ込めたの」

レミリアはもう止めるのも無理だろうと判断してか、説明しはじめる。

「つまり、デュエルをして勝ってくればいいんだろ?」

まとめて結論を話すと、レミリアが

「やめなさい!私たちのような吸血鬼などならまだしも、ただの人間じゃ……」

「俺はデュエリストだ。始める前から負けることを考えるなんてしたくないね」

俺は背中を向けて、部屋を出る。

「……勝手にしなさい」

レミリアもあきれ果てて俺を止めることを諦めている。

「……気をつけてください」

大妖精は俺のことを心配しているようだ。

「そんな心配するなよ。そう簡単にやられる俺じゃないさ」

俺は適当に手を振る。そしてさっきの鎖のついた部屋の前に着く。

「……しっかしこの鎖、どうやって外すかな……」

頑丈につけられた鎖を前に外し方を考えていると、突然声がする。

「おーそーいー!」

瞬間。

鎖の内側に爆発物でも詰めてあったかのように、鎖が弾けた。

「へっ!?」

俺は慌てて横に飛び退く。鎖の破片がその辺りに飛び散り、床や壁に傷を付ける。

「危ないじゃねーか!何するんだ!」

俺が怒鳴ると、扉が内側から開いた。

もとい、吹き飛んだ。

その中から、金髪で、宝石をぶら下げたような風変わりな羽を持った少女が出てきた。

「なんだ、そこにいたの?」

「……危うくその扉で俺の型が出来るところだったぜ。で、俺に何か用か?」

返って来る答えは決まっている。

「初めまして、私はフランドール・スカーレット。早速だけど、デュエルしましょ!」

「売られたデュエルは買う主義だからな。当然受けるぜ」

実際に目の前にしてわかったことは、色々ある。

だが、言葉が通じるような相手じゃない。

だったら、デュエルを通じて伝えるだけだ。

俺は、バッグから一本の剣が描かれた青のデッキケースを取り出す。その中身をデュエルディスクにセットすると、ディスクが作動してデッキを混ぜる。

「少しは楽しませてね……?」

目の前の吸血鬼の少女の口元が釣り上がる。同時に周りの空気が鋭利な物と変わる。

「お子様吸血鬼さんよ、そいつは俺のセリフだぜ……?」

俺の額の横を汗が伝う。

「これでも400年は生きてるのよ?」

「残念ながら年寄りだからって優しくするのは主義に反するんでね、本気でやるぜ」

「本気出さないとケガするのは貴方よ?」

お互いが黙る。そして真っ直ぐ相手の目を見据え、笑う。

ここから始まるのは、ギリギリのデュエル……!

 

「「デュエル!!」」






はい、あとがきに書くことがありません。
そう言えば話してなかったかなーみたいなことをいくつか。
・主人公の名前
「鹿野 遊太」って名前ですけども、デュエリストだし「遊」って字は入れたいなーと思ってこうなりました。
最近、遊びは簡単なものです。ちょっと携帯ゲームを手に取れば、自由に遊ぶことが出来るようなご時世です。でも、遊びだから、って軽く適当にやるものじゃないでしょう。遊びだからこそ、全力で取り組んで欲しいものです。遊びに全力を込めて、太くしっかりとして欲しい、という気持ちを込めて名前をつけました

……という後付け。
鹿野は響きです。響きで決めました。つまりノリです。

・始まりの場所
特に意味はなかった。超アルティメット辻斬り可愛い妖夢ちゃんを出したいという理由だけで白玉楼にしようかとも思った。
最初のやられる大妖精を書いたら何故か大妖精の家に居候してました。

そんな感じで今回はペンを置かせて、もといパソコンのキーボードから手を離させていただきます。
次回は悪魔の妹のフランちゃんと、デュエル脳の遊太のデュエルです。
一回飛ばしたからには、じっくりがっつり行きたいですね。
熱い展開を乞うご期待!
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