ウマ娘プリティーダービー 新たな歴史の先駆者   作:けんき

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ウマ娘

彼女たちは、走るために生まれてきた。
ときに数奇で、ときに輝かしい歴史を持つ別世界の名前と共に生まれ、その魂を受け継いで走る――。
それが、彼女たちの運命。

この世界に生きるウマ娘の未来の結果は、まだ誰にもわからない。
彼女たちは走り続ける。
瞳の先にあるゴールだけを目指して……。


ここから始まる歴史

「これからチームリギルの入部テストを行う!」

 

グレーのパンツスーツを着こなし、後ろで髪を束ねポニーテールにしたクールビューティーな女性がメガホン越しで声を出した。

女性の言葉通りトレセン学園のトレーニング用のターフに集まる体操服姿のウマ娘達。集まったウマ娘達は気合と闘志に満ち溢れていた。

そんな中、鹿毛とグラデーションがかった空色のインナーカラーのロングヘアーと、吸い込まれるようなやや吊り目がちながらもぱっちりな瞳が特徴的なウマ娘が手を力強く握りしめる。

 

「よし、このレースで1着を取って最強のチーム……リギルに入部してみせる!そしてトゥインクルシリーズに一番乗りはわたしよ!」

 

このレースに勝ち入部が出来ると、トゥインクルシリーズに出走することが出来る。さらにチームリギルはトップクラスのチームであり、何度もクラシック3冠ウマ娘を輩出している。

そんな強いチームに入ることは名誉であり、自分の夢を叶えるチャンスでもあった。

 

「アイさんも来てはったんやね」

「ララ」

 

暗めの茶髪に前髪ぱっつんの長いサイドテールに、、右耳には5弁のライラック花びらが散らした茶色の耳カバーを両耳に付けたウマ娘……ラッキーライラックが、瞳の綺麗なウマ娘……アーモンドアイに話しかけた。

 

「ララ、あたしのトゥインクルシリーズがかかっているの!負けるわけにはいかないわ!」

「うちやってこれに関しては負けへんよ」

 

バチバチと火花を散らすアイとララ。

 

「じゃあスタートラインに並んで」

 

リギルのトレーナーに言われてスタート位置に移動するウマ娘達。もちろんアイとララもスタートラインに立つ。

 

「それじゃあ、準備はいいな!」

 

リギルのトレーナーは片耳を塞ぎ、スターターピストルを空に向けると、引き金を引く。

『パン』っと甲高い音が鳴り響くと一斉にスタートした。

 

「(いいスタートが切れたわ!このままゴールまで行かせてもらう!)」

 

アイは最内でレースを見るような形で中団に潜める。

 

「(距離は1600メートル……ターフもよく乾いてる……。なら、最内にずっといるのはリスクあるわね)」

 

走るレースの位置取りやレースプランを考えながら、コーナーへと差し掛かる。

 

「(そろそろ開くはずよね)」

 

コーナーを差し掛かったタイミングで何人かのウマ娘が垂れ、その隙間を抜け出すことが出来る。

そしてアイの考え通り、人一人抜けれるくらいの隙間が開く。

 

「よし、これで!」

 

アイが隙間から縫うように出ようとしたタイミングで他のウマ娘が塞ぐように横に入ってきて蓋をされた。

 

「あ、ちょ!?」

 

そのまま外に出れず最後の直線を迎えた。

 

「ッ……このままじゃ……」

 

自分で考えていたレースプランが狂ってしまった。

最後の直線は長いが、もたもたしていると1着には届かない。アイは不安や焦りの表情は他のウマ娘にバレないように顔には出さずじっと隙間が開くのを待つ。

そして残り200メートルのハロン棒を越えた頃、目の前で蓋をしていたウマ娘が垂れると、ゴールへと続く道が開いた。

 

「……今!」

 

芝をえぐり取るくらい力強く右足を踏み込んで加速していく。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……まだ!」

 

どんどん加速していき1番の末脚で先頭を走るララに近づいていく。

残り100メートルのハロン棒を通り過ぎ、ゴールまであと少し。

 

「くぅ……届けぇー!!」

 

瞳の綺麗なウマ娘の叫びがターフに響くが、そのまま抜かすことが出来ず、1着でララがゴール。その3バ身離れた2着でアイがゴールした。

 

「よし。1着はもらったでぇ!」

 

1着でゴールしたララは勝ちを実感するように拳を握りしめた。そんなララにリギルのトレーナーが近づく。

 

「いい走りだったラッキーライラック」

「ほんまありがとうございます。これでうちもリギルの仲間入りですな」

「ええ、レースで1着を取った者は入部する資格があるからな。これからよろしくラッキーライラック」

「ええ、こちらこそよろしゅう頼みます。トレーナーさん」

 

1着のララがトレーナーと握手している中、2着以降にゴールしたウマ娘は落ち込むように下を向いていた。その中で2着のアイは膝をついて悔しさを噛み潰すように芝を草を握りしめる。

 

「ッ……もう少し判断が早かったら勝てたかもしれないのに……」

 

一瞬の判断が自身の結果に反映されるのがレース。もしあの時の隙間で無理やりでも抜け出していたら1着だったかもしれないと考えると、悔しさが無限に込み上げてくる。

 

「ッ……」

 

涙が出ないように唇を噛み締める。

そんなアイに注目する癖毛を後ろで一つ結びに束ねており、左側頭部を刈り上げた特徴的な髪型トレーナーが飴を口に加えながら笑みを浮かべた。

 

「あいつ、面白いな!」

 

そう言い残してターフを立ち去った。

落ち込むアイの前に新たな歴史の階段が導くように照らしているは彼女はまだ知らない。




アーモンドアイ(ウマ娘)の物語です。

資料が少ないのでキャラのブレがかなりあると思います。

こんな感じですが、次回を楽しみにもらえるとありがたいです。
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