ウマ娘プリティーダービー 新たな歴史の先駆者   作:けんき

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ある意味、これが1話ですね。前はプロローグみたいなものだったので。

こんな感じですが読んでもらえると幸いです


チームスピカ

賑わうトレセンのトレーニング用ターフ。午後が始まって多くのウマ娘がトレーニングに来ている。誰もがレース勝ちたくて、誰もが1番になりたい……そんな空気がわたしの中にいる闘争心を掻き立て来る。

 

「……そろそろトゥインクルシリーズに出るためにチームを探さないと」

 

わたしはトレセンの練習用ターフで走るウマ娘を見て、そう戒めるように口にした。いや、自然と口に出ていた。

この間の入部レースでララに負けてしまって、最強チームの1人、リギルに入ることが出来なかった。

ッ……思い出すだけで自分の不甲斐なさが嫌になる。

 

「とにかく、今はチームやトレーナーさんを探すところからよね」

 

この学園はトレーナーが付かないとレースに出れない決まりになっている。トレーナーの一対一だったり、チームを組んでたりとそこに関しては人それぞれである。

 

「とにかく早く見つけないと……」

 

みんなに先を越される……。

わたしはチームを探してその場を離れた。

しかし、チーム加入はとんでもなく大変なのことに気づくにはそんなに時間は掛からなかった。

キングさんが率いるチームアスケラ、サトノ名家で構成するチームアスケラ、オルフェ先輩がいるチームアルゲティ、海外に強いチームシャムに行ったけど断られてしまい、チームカノープスは定員オーバーと言われた。

 

「はぁ~参ったわね……まさか、こんなにチーム加入が難しいなんて……」

 

とりあえず練習用のターフに戻ってきた。ターフは気持ちいい風が吹いている……でも、今の精神は気持ちよさを感じない……。

 

「はぁ~」

 

学園で行われた学力テストは全クラス全て1位で、このままの勢いでトゥインクルシリーズに出るつもりだったのに……まさかこんな所で落とし穴があるなんて……。

 

「……いえ、諦めないわ!きっと見つかるわ!きっと入れるチームがきっと!」

 

心が折れないように自分に言い聞かせる。

と、とにかくトレーニング用のターフは人が多すぎて走りにくいから商店街辺りを走ってこよ。一旦気持ちを落ち着けるのも必要だしね。チーム探しは……走ってから再開しよ。

 

 

─────────────────────────────────

 

 

「はぁはぁはぁはぁ……」

 

商店街はトレセンに入学してよく立ち寄ってる。なんか落ち着くのよねここ。

 

「あら、アイちゃん」

「お師匠さん、こんにちは!」

 

前に魚を捌き方を教えてくれたわたしのお師匠さんが声をかけて来てくれた。

 

「どうなのトレセンは?」

「ええ、だいぶ慣れてきました。今少し……苦戦しているんですけどね」

 

チーム探しとかチーム探しとか……。

 

「ハッハッハッ、珍しいな、そんな弱音をはくなんて。何かあったの?」

「えっと……」

 

わたしはこの間の入部レースのことをお師匠さんに話した。話し終わるとお師匠さんはゲラゲラと笑っていた。

 

「なんで笑うんですか!!」

「あはは、そうだな。ごめんごめん。まあ、アイちゃんならきっと大丈夫だ。いいチームに会えるよ」

「ええ、そうだといいんですけど……」

 

まあ、でもこんな所で悄気てるようじゃ、時代を変えれるウマ娘にはなれないわね。

 

「ありがとうございました。モヤモヤが晴れたような気がします」

「そうかい?なら、よかった」

「それでは失礼します」

 

わたしは軽く会釈してまた商店街に抜けるように走り始めた。

 

 

─────────────────────────────────

 

 

商店街を抜けて大きな池のある公園にやってきた。

わたしは休憩がしたくてベンチを探して辺りを見渡していると、白いスーツをビシッと着た芦毛のウマ娘がベンチの前で何かを探しているような雰囲気を出していた。

何か困っているのかしら……。

 

「あの〜。何か探しているんですか?」

 

わたしが声をかけると白いスーツをビシッと着た芦毛のウマ娘が顔を上げた。顔は髪色よりも白いひげを生やしているけど……。ひげが生えてる割にはかなり若々しく見える。

 

「あ~。いや、ちょうどチキンを探していてな」

「ち、チキン?」

 

どういうこと?チキンを落としたということ?それともチキン(鳥)が逃げたと言うこと?

なんか……考えれば考えるほどよくわからなくってきた……。

 

「と、とりあえず探すの手伝います」

「いや〜助かるよ」

 

わたしはベンチの下を覗くように確認する。

だけど、ベンチ下には特に何も無く、池が見えるくらいだ。鳥だったら逃げたのかな?

 

「ん~。何もありません……だぁッ!?」

 

え!?目の前が真っ暗になったんだけど!?

 

「ちょ、なに!?」

 

なんか布袋みたいなのに包まれたんだけど!?いや、待って急に足が宙に浮いて……。ダメだ自分で考えが全く整理出来てない!と、と、とりあえず……。

 

「誰か助けてぇー!!!」

 

 

─────────────────────────────────

 

 

何分だろ……時間がわからないから誘拐されてどのくらい経ったのかわからない。

とにかく、今わかっていることは誘拐されていること、犯行は芦毛のウマ娘ってことよね。

とりあえず動ける範囲で動いて脱出しないと……。

 

「あ、おい動くなよ!」

「うわぁー!ちょっと当たるって!」

「なにしてるのよ……まったく……」

 

袋の外から声が聞こえた。

声色的に3人か?なら、むやみに脱出しても捕まるのがオチかぁ……。ここは大人しくしておきましょう。

 

「お、大人しくなったぞ!今のうちに!」

 

喜んだ声とともに歩くスピードが上がったような気がする。

……ってことはそろそろ着くのかな?

 

「よっしー、到着だぜぇ!!」

 

1人の声とともにピタッと止まったのがわかった。

到着したのかな?

 

「届け物を持ってきたぜぇー」

「また、お前はそういう持って来たかをしやがって……」

 

男性の声が聞こえた。ほかにも何人か気配を……。

すると、宙に浮いてた感じから重力を感じるようになって、そのまま足が地面についた。地面に立っていることがここまで安心したのは生まれて初めてかも……。

そのまま布袋が消えて、目を覚ましたかのように光が入って来た。わたしは思わず目を瞑る。

 

「大丈夫か?」

 

男性の声にわたしはゆっくりと目を開いていく。目の前には左側頭部を刈り上げた特徴的な髪型で、無数のひげが目立つ男性と、その後ろに何人かのウマ娘の姿があった。

そして、男性は呆れたように後ろ髪をかき。

 

「悪いなぁ、うちのメンバーがいきなりこんなことをして……」

 

いや、ほんとに……。

すると、やっと目が慣れてきて、顔がハッキリ見えてきた。

そして、男性の後ろにいるウマ娘はわたしもよく知る人たちばっかだった。左から二冠ウマ娘のダイワスカーレットさん、隣に宝塚を勝った快足ウマ娘のサイレンススズカさん、その隣に日本総大将のスペシャルウィークさん、男性の背中からちらっと見えるのがダービーウマ娘のトウカイテイオーさん、男性の右隣にいるのが名優の異名を持つウマ娘のメジロマックイーンさん、わたしの目の前には不沈艦の異名を持つゴールドシップさん、その隣にG1 7勝をしたウオッカさん、そして現役最強ウマ娘のキタサンブラックさんと錚々たるメンバーがあたしの目に映っていた。

 

「あ、えっと……」

「ほら、ゴルシ。アーモンドアイが戸惑っているだろ」

「いや、だってよ。捕まえてこいって言ってたじゃねぇか!」

「お前な……」

 

まさか、チキン云々って罠ってこと!?

いや、それよりも……。

 

「どうしてわたしをここに?」

「あー、それは俺から話すよ。いきなりだがアーモンドアイ。お前をスカウトしたい!」

 

え、いきなり何?

 

「どうしてわたしを?」

「お前の走りに興味があるから」

「だからこんな強引な方法で?」

 

割と真面目に怖かったんですが……。

 

「それに関してはゴルシ達が悪いから……。それにしても……」

 

男性はわたしよりも下に視線を向けてしゃがみ込んだ。

 

「ヒャッ!?」

「いい足だ。これならどんなレースでぇ……はぎゃー!!」

 

足を触ってきた男性を反射神経で蹴り飛ばした。男性は綺麗部屋の端まで血を吹きながら飛んで倒れた。

 

「いきなりなにするですか!?」

 

ただでさえ、あまり攫われたくないのに……。

もう、こんな所にいたらなにされるかわからない……。

 

「すみません。時間なんで失礼します」

 

わたしは後ろにある扉を開けて後にした。

外は茜色を黒色が塗りつぶそうとしていた。

あの時は早くその場を立ち去りたくて思わず口に出たけど、自分の体内時計の正確さに思わず驚いてしまう。

 

「と、とにかく追いかけてくる前に逃げないと!」

 

とにかく寮に逃げたらヒシアマ寮長がいるからどうにでもなるから、わたしはとにかく寮の方へと走って戻った。

 

「もう〜今日はなんでこんな感じなのよ!」

 

 

─────────────────────────────────

 

 

「痛えなぁ……」

 

自分の手で顔を押さえて起き上がるトレーナーにスペ達、チームスピカは呆れた表情を浮かべていた。

 

「そりゃ当然だろ……」

 

ゴルシは肩を竦める首を横に振る。

 

「それに意地を張らずにちゃんと本音を言えよ。この間の模擬レースのタイミングから気にかけてたんだろ」

「そうなんですか?」

 

スペの言葉にぎこちなく頷くトレーナー

 

「あいつはあの時のレースで1番いい動きをしていたからな」

「だったらなおさら素直に伝えたほうがいいかと」

「……そうだな。まあ、第1はあいつの気持ちだけど。もう一度伝えるべきだな」

 

マックイーンに返事をしながら立ち上がるトレーナー。

 

「よし!もう1回会うか!」

「なら、次はどうやっておびき寄せて……」

「スピカの評価を下げるようなことはやめてくださいまし!!」

 

ゴルシの行動に止めるマックイーン。

そんないつもの風景に笑うスピカのメンバーだった。

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