闇堕ちリムルは実力至上主義の教室に通う   作:朝昼晩昼夜逆転

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続き書けました!!!


有栖

 入学式が終わり、現在俺たちは寮に向かっていた。

 

 男子寮と女子寮は別れておらず、下の階を男子が使い、上の階を女子が使うらしい。

 

 とりあえず、みんなと別れ、指定された自分の部屋に入る。

 

 そこまで狭くなく、学生が生活するには十分なスペースがあった。

 

 まあ、複数人で住む(・・・・・・)には、少し狭いな。

 

 とりあえず、みんなを呼ぶとしよう。

 

(来て良いぞ)

 

 思念伝達によって、みんなに呼びかけると、

 

 空間が歪み、シエル、ウルティマ、テスタロッサ、カレラ、ディアブロの5人が現れる。

 

「「「ご入学、おめでとうございます。悟様」」」

 

 テスタロッサ、カレラ、ディアブロの3人が恭しく跪きながらそう言った。

 

「ありがとう。さて、早速だが、頼んでいたものは準備できているか?」

 

「もちろんでございます」

 

 パチンッとディアブロが指を鳴らすと、次の瞬間には部屋が全く別のものに変化していた。

 

 レストランで使っていそうなキッチン、豪邸にありそうなリビング、大部屋とも言うべきクローゼット、7部屋(・・・)の豪華な個室、そして安心感があり、くつろげる和室……などなど、寮の一室には決して収まらないはずの部屋……いや、家がそこにあった。

 

 俺は、ディアブロ達に命じ、これを創ってもらったのだ。

 

 ちなみに、場所自体は変わっていない。

 

 空間を歪め、広げているのだ。

 

 理由はみんなで住みたいから。

 

 ただそれだけである。

 

 ディアブロ、テスタロッサ、カレラは部外者?

 

 人間が作ったルールなんて知ったことじゃない!!!

 

 ちなみに、有栖は呼んでいない。

 

 理由は、まだ俺が転生者であること、魔法やスキルを使えること、魔王だったこと、そして、数億人の人間を殺したことをまだ言っていないからだ。

 

 有栖は仲間だ。

 

 だからこそ、不安なのだ。

 

 この世界で俺が受け入れ、俺を受け入れてくれた大切な仲間。

 

 そんな彼女にこれを話してしまったら、有栖はどう思うのか。

 

 受け入れてくれるのか?

 

 それとも、拒絶するのか。

 

 不安なのだ。

 

「悟様、どうかなさいましたか?」

 

「いや、なんでもない」

 

 辛そうな顔でもしていたのだろうか?

 

 ディアブロが不安そうに尋ねてきた。

 

 いつか……話せると良いな。

 

 まあ、今は感傷に浸る時じゃないか。

 

「さて、これからのことだが、とりあえず初日だし、みんなやりたい事をやろうか」

 

 俺がそう言うと、

 

「では、私はこの学校の各生徒の持つポイントなど、悟様に有益となる情報を集めて参ります」

 

「……初日だし、まだ働かなくても……」

 

「いえ、これが私がやりたい事なのです!!!悟様のお役に立つ!!!これ以上の至福などございません!!!」

 

「……そうか、なら任せた」

 

「はい!お任せください!」

 

 そう言い、ディアブロはどこかへと転移して行った。

 

「他のみんなは……」

 

 シエルたちの意見も聞こうとしたその時、突然インターホンが鳴り響いた。

 

 誰かと思い、確認すると、扉の前に有栖がいた。

 

 とりあえず、この空間を元の部屋に戻し、扉を開けた。

 

 この空間は、出し入れ可能に創ってもらっているため、突発的な来訪も問題ないのだ。

 

 まあ、仲間以外は部屋に上がる気はないけど。

 

「どうした?有栖」

 

「こちらにシエルさんとウルティマさんがいらっしゃっていませんか?」

 

「あいつらならお前と上の階に行っただろう?」

 

「いえ、こちらにいる気がするのですよ」

 

「なんでそう思うんだ?」

 

「女の勘です」

 

「そ……そうか」

 

 女の勘って実在するんだ……。

 

「テスタロッサさんとカレラさんもいる気がするのですが、とりあえず、部屋に入れてもらっても良いでしょうか?」

 

「ああ、良いぞ」

 

 仲間を流石にずっと立たせておくのはダメだと思い、部屋に入れることにした。

 

 というか、テスタロッサとカレラにも気付くのかよ。

 

 女の勘ってすごいな……。

 

 まあ、とりあえずシエルたちには隠れていて貰い、空いている場所に座るように促した。

 

「それで?女の勘が働いたから来たってだけか?それとも、他に用でもあった?」

 

 俺がそう尋ねると、有栖は少し黙った後、口を開いた。

 

「私の心臓病……治して下さったのは貴方……ですよね?」

 

「……え?」

 

「自分でも、変な事を言っている自覚はあります。しかし、私の心臓病は、完治する事などあり得ない筈なのですよ。それが、貴方と出会ってから急に治り始め、完治までしてしまった。故に、私は貴方が治してくださったのではと思ったのです」

 

 ……有栖には、当然俺がシエルに治してくれるように頼んだことは言っていない。

 

 というか、言っても厨二病に見えるだけだろう。

 

 それなのに、有栖は自分で気づいてみせた……

 

「そうだ……と言ったら?」

 

「ただ、感謝を伝えたいのです」

 

「……そうか……」

 

 指を鳴らし、部屋をディアブロたちに創ってもらった家に変化させる。

 

 それと同時に、シエルたちにも隠れるのをやめ、出て来てもらった。

 

 自分で気づいてみせたんだ。

 

 少し、俺たちのことを明かしても良いだろう。

 

「正解だ。有栖。俺……というか、シエルが治した。頼んだのは俺だが、実際に治したのはシエルだ。感謝ならシエルにしろ」

 

 有栖はこの事態に脳が追いつかず、少し固まった後、

 

「ありがとうございます。シエルさん」

 

 そう言い、シエルに頭を下げた。

 

「私は、悟様に頼まれたからしただけです。お礼なら悟様に」

 

 シエルがそう言うと、有栖は満面の笑みで、

 

「ありがとうございます」

 

「仲間が苦しんでいるのは見過ごせなかった。それだけだ……というか、正直気付くとは思ってなかったよ。有栖は、オカルトとかファンタジーのたぐいは信じないだろう?」

 

「そうですね。ですが、これに関しては、もうファンタジーの領域だと思ったのです」

 

「そうか」

 

「それにしても、本当に凄いですね。私の心臓病の完治だけでなく、こんなことまでできるとは……」

 

 変化した部屋を眺めながら、有栖はそう呟き、そして……

 

「貴方たちは、一体何者なのでしょうか?」

 

「……っ!それは……」

 

 ただの質問。

 

 それだけだ。

 

 こんなことが出来る存在の素性を知りたいと思うのは当然のことだろう。

 

「あ、話したくないのでしたら、無理に聞きはしません。私は貴方方に大恩があるのです。それ故に、貴方方を不快にさせるつもりはありません」

 

 そう言い、有栖は口をつぐんだ。

 

「悟様、私は、有栖になら話しても良いと思いますよ?」

 

 シエルが俺にそう言ってくる。

 

 そうだろうか?

 

 本当に話して良いのだろうか?

 

「わたくしも、有栖ならば、受け入れてくれると思いますよ」

 

「僕もそう思うよ!有栖の精神性、というか腹黒さは僕たちにも負けてないし、大分大丈夫」

 

「そうか……なら、話そう。俺の……いや、俺たちのことを」

 

 俺は結局話してしまった。

 

 自分のことを。

 

 大量虐殺も含めて。

 

 

 

 

「軽蔑するか?俺のこと」

 

 それがそう問いかけると、有栖は真剣な顔で

 

「いいえ、軽蔑など、するはずがありません。それに、先に虐殺をしたのはその帝国とやらなのでしょう?貴方はやり返しただけではありませんか?それを責める事など、誰にできましょうか?」

 

 その表情から、有栖が本気でそう言っていることが理解できた。

 

「フフッ、なんだ。……こんな事なら、もっと早く話しても良かったかもな」

 

「私がこの程度で貴方を軽蔑するなど……みくびられたものです」

 

 有栖は不満そうに頬を膨らませながら、そう言った。

 

「ね?言って良かったでしょう?」

 

 シエルが笑顔でそう言い、

 

「そうだな」

 

 俺も笑顔でそれに応えた。

 

「それにしても魔王ですか……確かに、魔王なら多くの女性を囲んでいても違和感がないですね」

 

「なんの話だ?」

 

 みんなが変な目で見られてはいけないと思い、俺は恋人関係を誰にも明かしたことはないんだけど!?!?!?

 

「フフフ、女の勘です」

 

「便利だな……」

 

「……提案……いえ、お願いがあるのですが」

 

「なんだ?」

 

「私も貴方の恋人にしてくれませんか?」

 

「………………え?」

 

「私も貴方の恋人にしてくれませんか?」

 

「……本気か?」

 

「本気ですよ。もちろん」

 

 ……シエルたちが何も言ってこないな。

 

「お前たちは、知ってたのか?」

 

「ええ、有栖が悟様に想いを寄せていることは気付いていましたよ」

 

 シエルがそう言うと、テスタロッサ、ウルティマ、カレラの3人も頷く。

 

 ……止めないってことは、有栖が俺の恋人になることは俺の判断に任せるってことか?

 

 ……………

 

「俺は、お前を受け入れたいとも思っている……だけど……俺は……嫌なんだ……怖いんだ……仲間との死別が。例えそれが寿命によるものだったとしても……だから……今よりもっと俺の心の内に来るのなら、人間をやめろ……それが条件だ」

 

 俺は、この世界には人間として転生した。

 

 最初の頃は魂に傷がついていたため、その修復に全力を注ぐため、人間の体を捨てるのは後回しにしていたが、数年前に魂の完全な修復が完了したため、その時に俺は人間の体を捨て、転生前の種族である崩滅魔粘性精神体(ルインデモンスライム)に戻った。

 

 この時にシエルも俺と同じ種族になっている。

 

 ちなみに、シエルの協力もあり、スライムではあるものの性別は無性ではなく、男になっている。

 

 そして、スライムに戻った俺には寿命が存在せず、永劫に生き続けることが出来る。

 

 だからこそ、俺は寿命がある者を完全に心の内に入れたくないのだ。

 

 失うのが怖いから。

 

「お前たちなら、人間を悪魔に出来るだろう?」

 

「もちろん出来るよ!!!」

 

「簡単だよ、我が君!!!」

 

「ええ、出来ますわ」

 

 ウルティマたちに確認を取ると、肯定が返ってきた。

 

「そういうことだが、どうだ?」

 

「それが貴方の恋人になる条件だというのなら、喜んで受け入れましょう」

 

「……変わり者め」

 

 こうして、有栖は俺の恋人になり、人間をやめた。

 




今話で、坂柳有栖が魔法を知らなかったことについて、5話にて念話を使用していたとご指摘をいただいたため、5話の方を修正いたしました。混乱する内容となってしまい、申し訳ございません。今後はこういったことがないよう、注意いたします。
……やはりプロットは作るべきか……。
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