SoulStone -闇喰イサァカス団-の空想   作:輪妖精

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※この小説は、太鼓の達人に収録されている「SoulStone -闇喰イサァカス団-」の曲及び歌詞からインスピレーションを得て作成したもので、太鼓の達人とは何も関係はありません。
※鬱展開、エログロ描写多めです。


共通ルート 0-2 ようこそ、闇喰イサァカス団へ

「此処は『闇喰イサァカス団』。人々の心の闇を喰らい、宝石へと変えるサーカス団」

「そして、その団長を務めるのが、この私、アンジェリカ・ルビィ・キャビュレットよ」

演劇の振り付けのような動きでニッと笑いながら、その女、アンジェリカは言った。

「で、その何とかサーカス団の団長サマが、行き倒れてた俺を拾って何の用なんだ?」

俺がそう聞くと、アンジェリカは答えた。

「貴方のその、左目」

「!」

俺は身構えた。この女、琥珀病の俺を見世物にしようという魂胆なのだろう。

「そう身構えないで頂戴。別に貴方を見世物にするつもりはないわ。…まあ、貴方を見世物にしたらそれはそれでいいかもしれないわね」

「…じゃあどうするんだ?」

俺が聞くと、アンジェリカは答えた。

「まず、貴方に私達の公演、『パレード』を観てもらうわ」

そう言ったアンジェリカは、椅子から立ち上がり、つかつかと歩きながら、

「そこに着替えを置いてあるから、それを着て外に出なさい」

そう言って部屋を出た。

「とりあえず、着替えるか」

俺は用意された服に着替えた。上級国民が着るような礼服で、今までこのような服を着たことのない俺は、少しばかり緊張した。

部屋を出て、通路を進んでいくと、徐々に先ほどまでは聞こえなかった騒ぎ声が聞こえてきた。

さらに進んでいくと、その声が歓声であるとわかる。

そして、さらに進み、出口と思われるところまで進む。

まばゆい光に隠されたその先には…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

わあぁぁっ!!!

埋もれんばかりの観客が席を立ち、叫び声を上げながら舞台を見ている。

その視線の先では、アンジェリカを含む何人かが、ナイフ投げ、一輪車、ジャグリングなどの曲芸を披露している。

さらには、金髪の可憐な少女が歌を歌っている。

中々の美声な上に、騒がしい場内でもとても澄んでいて、どこまでも響き渡る。

その歌声にしばらく見惚れた後、俺はあることに気づいた。

歌姫の少女も、ナイフ投げをやっている男も、果ては影でうんうん頷きながら観ているお姉さんも。

ほとんど全員が琥珀病の患者だった。

やっぱり、見世物にするんじゃないか…?

俺の中で疑問が浮かんだが、それはすぐに消えた。

観客の眼には、奇形の病を嘲笑うような感情が浮かんでいないからだ。

この舞台の中の人々の心は一つ。

楽しい。

ただそれだけだった。

 

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「パレード」が終わり、観客の拍手や歓声も収まってきた頃。

「どうだったかしら?私たちの『パレード』は」

自信げな顔でアンジェリカが聞いてきた。

「感動したよ」

「当然ね」

アンジェリカは鼻をフンと鳴らして続けた。

「で、貴方を拾って『パレード』を観せた理由はね」

「貴方にも、この『闇喰イサァカス団』に入って欲しいからなの」

「は?」

アンジェリカは続ける。

「この『闇喰イサァカス団』の目的は、観客を愉しませることだけじゃない」

「貴方みたいな琥珀病の患者を保護するのも目的なの」

「琥珀病の進行を遅らせるためには、人の喜びの感情が必要というのが解っているの」

「つまり、貴方も『パレード』に参加すれば、喜びの感情を一身に受けて、琥珀病に対抗できるって訳」

なるほど、と思いつつ、俺はなぜ琥珀病の患者でもないのにそんな慈善活動をするのか、疑問が浮かぶと。

「…それは教えられないわね」

俺の心を見透かすかのようにアンジェリカが言った。

「ともかく、琥珀病の進行を抑えられる上に、仲間も沢山いる。付け足すと仕事はホワイトよ、工場の100倍ぐらいね」

「ここまで来て、断る訳ないわよね?」

アンジェリカが食い気味に言う。

「まあ、もし入らなかっとしてもこのまま野垂れ死にしそうだし、参加するよ」

「いい返事ね」

アンジェリカは子供のように嗤って、そして芝居がかった口調で言った。

「歓迎しましょう、これから貴方も、闇喰イサァカス団の一員よ」

こうして、俺のサーカス団生活が始まったのである。

 

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