インフィニット・ストラトス+3-1   作:月神サチ

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1日に2話なので初投稿です()

……感想と高評価オナシャス!


第十二話 クラス代表対抗戦(後編)

――Side 氷室直哉

 

飛雷神で到着した瞬間、反射的に得物の刀を取り出し、振り向きざまに一閃する。

 

人型の人形が乗った無人のIS……否、生体反応のない無人ISが左右に一刀両断され、崩れ落ちた。

 

周りを見ると、研究所の大型実験室の中だった。

 

「直哉!おぬし学園はどうした!」

 

振り向くと白髪に染まりきった無精髭の老人――カミンコ博士――が開口一番にそう問いかけてきた。

 

「――有事による一時帰宅してきた。あとチョビンは何処だ?」

 

「アヤツは隠し通路にいるはずじゃ。儂も逃げ込むつもりが先回りされておったから――」

 

オレは実験室から通路につながるドアが破壊された瞬間、斬撃をドアに向けて飛ばす。

 

回避されたと確信瞬間に駆け出し、ドア破壊したのと突撃してきたの、計2体を四肢、胴体と頭の6分割して無力化する。

 

「……博士は床に伏せてて」

 

「う、うむ」

 

今の戦闘音に反応して近づく音が2つ。

 

残りの2体だろう。

 

敷地内に他のISの反応はないし。

 

しかし――ISにあるはずの『絶対防御』が今の3体になかったのは……

 

「ISのデッドコピー品ってところか」

 

こちらを見るなりマシンガンをぶっ放し始める2体の無人ISモドキ。

 

オレはためらいなく最低限弾を叩き落としながら肉薄し、そいつらを関節単位で切り分けて行動不能にする。

 

「他愛なし……って言ってる場合じゃなかったな。博士、あの駄兎にこの無人機引き渡して金集る代わりに襲撃をもみ消ししても構わねぇか?」

 

「ああ、構わんよ。こんな人気のない山林にある洋館併設の研究所……爆発もよくあることじゃしな。」

 

「ありがとう。念の為しばらくチョビンと共に地下の方に潜っててくれ」

 

「ああ、そうさせてもらう」

 

そういって無線で助手のチョビンに連絡し始めたのでオレは無人機のISモドキを回収し、転移する。

 

 

 

「おん?どうしたのなおくん、血相変えて」

 

「学園とカミンコ博士のところ襲撃された。博士の方片付けた。襲撃してきたのがコレ、絶対防御がついてないモドキと思われるから解析頼んだ」

 

「矢継ぎ早過ぎ――」

 

オレは言いたいこと伝えてISモドキ無人機を渡すとさっさと学園に転移した――。

 

 

 

――Side 織斑一夏

 

「なんなんだこいつらは……!」

 

打鉄ともラファールとも違う、全身装備してるISに対して叫ぶ私。

 

アリーナの観客席は出口がロックされてるのか出られないで困ってるらしい。

 

千冬姉は教員用ISを取りに専用の通路で移動すると行ってからまだ帰ってこないし、外にも同じようなのがいるみたいな事がオープンチャンネルで聞こえてきたから状況は――おそらく最悪だ。

 

「こっちの攻撃……あたしの攻撃は最低限の回避で済ませるくせに、一夏の攻撃は大振りに回避するのなんか理解してる節有るわよね……」

 

何度がこちらから攻撃するも、翻弄するように反撃する敵に膠着状態になっていると、そう鈴が口にする。

 

――白式の零落白夜について知られている?

 

シールドエネルギー消耗と引き換えに相手の防御を貫通し大打撃を与える白式唯一の武装。

 

知ってるのは製作に携わった倉敷研、メンテナンスに関わった人たち、あとは……クラスメイトくらい?

 

いや、代表を決める戦いからもっと大勢が知ってるはず。

 

……絞り込みしてる場合じゃない。

 

「……ともかく、援軍は望めない今、私たちが何とかするしか無い――」

 

「――1つ提案よ。あたしが龍咆で隙を作るから、零落白夜で無力化できない?」

 

「……やってみる」

 

どのみち稼働してるだけでこっちがジリ貧になっていくばかりなのだから、無理をするしか打開はできないだろう――。

 

見えない砲撃で、仰け反る2体の敵IS。

 

私が瞬間加速で突撃し、片方を袈裟斬りすると――ソレは爆発する。

 

「!?」

 

爆発すると思わず、爆風をもろに食らってしまった。

 

体勢崩した瞬間、3体の敵ISが連携を組んでこちらに攻撃をぶつけてきた。

 

横殴りが2度、叩きつけで地面に落下する。

 

「一夏!」

 

エラーのアラートと共にシールドエネルギーが切れ、雪片弐式も沈黙した。

 

鈴がこちらに来ようとしたが、敵ISが3体、連携してこちらに近寄らないよう追い払う。

 

そして目の前に降りてくる敵IS。

 

こちらにまるで死に体の獣の心を嬲るようにゆっくりと近づいてきて――

 

「ヒーローは遅れて参上ってね」

 

目の前の敵の銃を弾き飛ばす誰か。

 

その誰かに顔を向けようとしたISが肩の装備で敵ISを吹き飛ばした。

 

木っ端微塵になる敵IS。

 

「――!?」

 

ISは中に人が必要なモノだと言っていた。

 

なら、先ほどの爆発で中の人は――

 

「やはり無人機か。篠ノ之博士の差し金だろうけど、何が目的なのやら」

 

私を助けた人――打鉄を身に纏った天上院はそういうと、スラスターを吹かし、残りの3体に接敵し、肩のグレネードランチャーを至近距離でぶっ放し、破壊してみせる。

 

彼の実績だけ見れば、間違いなくヒーローのそれだ。

 

だけど――何が、おかしい。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()っけ?

 

「一夏!」

 

駆け寄ってくる鈴。

 

心配してくれてるのか、涙が零れそうになっている。

 

「鈴、ありが――」

 

「――はいはい、感動してるのはいいけど、敵を倒した僕にお礼の一言もないわけ? 常識足りてないねぇ」

 

「「……ありがとう」」

 

「は〜〜〜、方や絶体絶命のところを救って、方や敵に追い詰められたところを助けたのにな〜にも心こもってないと来たものだ。男を立てる気品ある大和撫子も、礼節を重んじる中華の民もココには居ないらしい」

 

「なっ!? なんですっ「鈴待って」」

 

私は手で制した。

 

「逼迫した状況が何とかなって安堵したからなのもある。助けてくれてありがとう」

 

違和感が何かを突き止めるまで、うまく騙さないと。

 

「――誠意が足りないなぁ。仕方ないから言葉の代わりに別のもの出してよ」

 

こちらを見下すようにそう告げる天上院。

 

「何を?」

 

「自分の命と釣り合うものならなんでも」

 

……この手の類は相手に選択肢を委ねるように見せかけて、何を出してもケチをつけ、要求を釣り上げてくる類のものだ。

 

「――専用機なんて君にふさわしくないし、女の姿ならその肚も使えるだろう? 有効活用してやるから寄越せよ」

 

「下衆が……!」

 

鈴が殺気を天上院に向ける。

 

「だってその欠陥装備の専用機のせいで死にかけたんだ。そんなの足枷、無い方が良いに決まってるだろう? それに僕の血筋は由緒あるものだし、なにより男と女で揺らいでない間違いなく男でISを使える操縦者の遺伝子は誰もが望んでいるよ?あんな獣畜生や自分を女だと思い込む異常者とは違う、純粋な男なんだ。その種は多くの畑にばらまかれてしかるべきだ。……それとも男が復権したら困る、利益ばかり貪る女性利権団体の一員だから拒否してるのかな?」

 

理屈を並び立て、拒否しようものなら悪とレッテル貼りして弾圧すると暗に告げてきた。

 

「……!」

 

さっきの敵ISに殺されてたほうがマシだったかもしれない。

 

そう想いかけるほど、吐き気を催す邪悪と呼ばれる類のソレに対する嫌悪感が酷かった。

 

「そんな理不尽まかり通るわけ――」

 

「今ここには僕たち以外誰も居ないよ。出入り口もさっき空いてみんな逃げたし」

 

と示した観客席には、誰も居なかった。

 

「だから――2人が敵ISと戦って、絶対防御すら削り切られて死んだって言っても誰もわからない。まあもしもの話さ。そっちは命が助かったから僕に惚れてできちゃった。何とも先走った若者の過ちらしく、美談になりそうな話だろう?」

 

悍ましい、本当に同じ人間なのだろうか。

 

「――さあ、いい返事をしてもらいたいな」

 

瞬間

 

「人の弱みに付け込んでつけ上がるクソ野郎にくれてやる返事はねぇと思うが?」

 

天上院は吹き飛ばされ、アリーナの壁に叩きつけられていた。

 

 

 

 

 

――Side 氷室直哉

 

しれっとたどり着いたアリーナで何やら話してると思えば胸糞悪い話だった。

 

だから殴り飛ばした。

 

反省も後悔もしていない。

 

「てめぇ……畜生風情が僕に手を上げるなんて許されるわけが――」

 

有澤重工最高傑作、超大型グレネードランチャーである背中武器のOIGAMIをぶっ放して黙らせる。

 

「……一夏、鈴。君たちは敵のISモドキの無人機と善戦し、オレが手柄を掻っ攫った。天上院は観客席でなぜか伸びていた……いいね?」

 

「「アッハイ」」

 

オレは意識喪失してる天上院からISを剥ぎ取り、天上院を観客席に置いたあと、ISを少し細工する。

 

ついでに肩装備になってた武装を剥ぎ取り回収。

 

待機状態にして、飛雷神でIS保管庫に瞬間転移して置いてから戻る。

 

「――一夏!」

 

丁度千冬先生たちが飛び込んできた。

 

セシリアや楯無含め他学年の専用機持ちたちもいるあたり、アリーナの外でかなり激戦となっていたと思われる。

 

敵対してる奴は全部無力化されたようだし――後始末を始めるとしようか。




目覚めし少年は理不尽*1なもみ消しにより、自らの目覚ましい功績*2がなかったことにされていた。

少年は憤る。

コレが人間のやることか!、と

少年は決意する。

やはりあの外道極まりない畜生は世界のために抹殺しなければならない、と

僕という絶対正義の光で世界を遍く照らすためにも!、と

傲慢極まりない少年の歪みが齎すものは――。

一方、理と修羅に身を置く怪物、氷室直哉は、漸く交際関係を清算(自己申告)し、一夏へと答えを返す。

自分は地獄に落ちるのがお似合いだと自嘲しつつ、出した答えは――。

その後、一部の人間と共に今回の襲撃事件について情報を纏め、洗い出すことに。

自分や一夏の周りに影をちらつかせ始める存在に対し、氷室直哉が出した提案とは――?

次回 インフィニット・ストラトス+3-1
第十三話『クラス代表対抗戦(の後始末)』
※予告内容は変更される場合もあります。
次回もお楽しみに!

*1
専用機持ちに関わらず訓練機借りパクからの無断改造に加え、ブリュンヒルデの身内と中国代表候補生をギリギリまで嬲られてるの放置した挙句背後関係露見してないとは言えマッチポンプし、挙句脅迫しており露見すれば外交問題不可避

*2
先述の織斑一夏と凰鈴音が追い詰められるまで潜伏した後、味方として識別しているため無抵抗不可なISモドキの4機の撃墜

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