インフィニット・ストラトス+3-1   作:月神サチ

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評価も感想もこないので初投稿です(しわしわピカチュウ感)

それでは……どうぞ。


第十四話 仏独からの使者/直哉、現場猫かもしれない

――Side 氷室直哉

 

「平和だねぇ」

 

朝の食堂の一角にて、オレは一夏、箒、セシリア、鈴、のほほんさん、簪ちゃんの7名で食事をしていた。

 

「寧ろ平和が普通なんだ。揉め事が頻発してる方が可笑しいんだよ」

 

「それもそうですわね。あ、本音さん、クッキー焼いてきたのですが、食べます?」

 

小さめの籠を開いて実に綺麗なクッキーを見せるセシリア。

 

「ほえー……さきになおなおに食べてもらおうか」

 

「しれっと毒見役にしないで??」

 

「フグだろうが芽の生えたジャガイモだろうがスズランのペーストだろうと食べてケロッとしてるなおなおなら、何食べても死なないかなって」

 

「私のクッキーをなんだとお思いで?」

 

ゴゴゴと威圧感増していくセシリアに対して

 

「「「ノーコメント」」」

 

と残りの面々が口を揃えて言う。

 

「かんちゃんに差し入たサンドイッチで死屍累々になったの覚えてないのかな〜?」

 

「一口食べた瞬間から悪夢が見えたの、まだ怒ってるから」

 

「……ぐうの音も出ませんわね。コレでも出来上がったものを食べて確認したので大丈夫……なはずですわ」

 

「……念の為なおなおに毒見を」

 

「ひどくありませんこと??」

 

「セシリアが作った料理に関して本音からの信用がマイナス振り切ってるみたいね……」

 

「今度から私と一夏が変なもの入れないか見ておこう」

 

のほほんさんのトラウマになってるなぁ……と思いつつ味見をする。

 

問題は……なさそうだ。

 

実に平和な時間だ。

 

しばらくはこの平和が続くに違いない。

 

 

 

 

そんなこんなでホームルームの時間

 

 

 

 

 

 

「突然だが転校生が2人入ることになった」

 

「!?」「前触れないですねぇ」「こっちの受け入れる心の準備とかできてませんよ!」

 

ざわつく教室に千冬先生の睨みつける。

 

一瞬で鎮静化した。

 

「――入れ」

 

入ってきたのは金色の髪の娘と、銀色の髪の眼帯をつけた娘だ。

 

そして――オレを見た瞬間目を見開く2人。

 

「まずはデュノア、自己紹介をしろ。……デュノア……?」

 

千冬先生が反応無いことに首を傾げて彼女の前で手を振る。

 

彼女は――涙を堪えていた。

 

ハッとしたあと、涙を拭う。

 

「――えっと、なんでしたっけ」

 

「――自己紹介しろ、簡単でいい」

 

「えとえと、シャルロット・デュノアと言います!どうかよろしくお願いします!」

 

「ぐぬぬ……美少女が増えた」「フランス……ふふふ、同じ欧州の大国として仲良くしませんとね……」「あざとい感じがする」「コレは泥棒猫だ……間違いないね」

 

「次はボーデヴィッヒ……おい何処に行く」

 

銀髪の娘がオレのところに来た。

 

「貴様、ボリス・シュヴァルツァーという名前に聞き覚えは?」

 

「……クラリッサはテロの折に助けただけで恋人になった覚えはない。もっと良い相手が見つかる――」

 

パァンといい音と共に頬を叩かれた。

 

「――織斑教官の弟に思うところがありそちらに対して考えていたが、貴様がいるなら話は別だ! クラリッサと……私の副官と復縁しろ! 貴様に別れを告げられて誰も居ないところで泣くようになったんだぞ! それに恋人でないなら何だというのだ! 我が副官の何処が不満だというのだ!」

 

「黒い蠍がドイツ軍と市街地で乱戦してる時にオレの飯が黒い蠍に吹き飛ばされたからケジメつけただけで、その時成り行きで彼女を助けただけだ。それにオレがいるところで彼女と自称してたときに『違うし複数の女と交際関係にあるからやめとけ』って再三否定した。あと不満は無いが、コッチは訳アリだから断っただけだ」

 

反論されると思ってなかったのか、動揺してるように見える。

 

「あれは……今はそうだが、そのうち他を諦めてクラリッサと結婚するという意味じゃなかったのか……?」

 

思考の起点が崩れて動揺している。

 

しかし彼女は頭を振ると別の方向から切りかかってきた。

 

「――だがクラリッサは、都合のいい女でも何人目だろうと、ヒモだろうと構わんと言っていたはずだ――それでもダメだったのか!」

 

「『だまして悪かったが、オレは本当は日本人だ。しかもややこしい立場にいる。だから結婚したくばお前が今の立場捨てる必要がある。それがお前にできるのか』とも聞いた。そして彼女は言葉に詰まった。『今の立場を捨てる覚悟ができたならまた電話してくれ』とも伝えてある。それ以降電話は来ていないし、ドイツ軍に彼女は身を置いてる。それが彼女の答えだ」

 

「……それ、は……」

 

やり込めるようで悪いが、今回はコレが正解なハズだ。

 

「――そこまでだ、氷室。ボーデヴィッヒはあの席につけ。デュノアもな」

 

その言葉に2人は複雑そうな顔で席に着く。

 

「……1時間目は自習にしておく。山田先生、あとは頼んだ」

 

「うぇっ!? このお通夜みたいな空気から1人逃げるんですか!?」

 

「あとは任せた」

 

「そ、そんなぁ!!」

 

山田先生も大概貧乏籤押し付けられてるな……。

 

 

 

 

 

修羅場の空気のまま、昼休みに入る。

 

オレは爆心地がいなくなったほうがいいと寮で食事を取ることに。

 

飛雷神を使おうとしたら服の裾を掴む複数の手の感覚があった。

 

振り返るとそこには簪ちゃん、のほほんさん、セシリア、シャルロットが居た。

 

「……手を離してもらっても……?」

 

「「「「ダメ(ですわ)」」」」

 

仕方ないので4人目纏めて自室に飛ぶことに。

 

 

 

 

 

 

「下着の替えを取りに戻ったら同居人が女の子4人連れ帰ってきてた件について」

 

下着を鞄に入れて部屋を出ようとした側に現れたせいで楯無を驚かせてしまった。

 

これは少し反省している。

 

「とりあえず……あり合わせのものでいいか?」

 

「なおなおの特製ハンバーグ食べたい!」

 

「ご主人様が作るオニオングラタンスープが飲みたい」

 

のほほんさんの言葉に簪ちゃんが反応し

 

「でしたら私は前食べさせていただいた銀色にきらめく魚のフライを……」

 

「せっかくだから出会ってしばらくの時に作ってくれたテリーヌ食べたい」

 

セシリアとシャルロットは明らかに作るの面倒なのを要求し

 

「それなら私は直哉君が作るトリ胸肉丼食べたいわね」

 

「面の皮厚すぎるやろ君たち。作ってたら時間なくなるやん」

 

しれっとUターンした楯無の言葉に流石に突っ込むことにしたのだった。

 

 

 

オレはご飯(宝物庫産、たぶんグルメ界のやつ)にホッケとワカメお麩の味噌汁(合わせ味噌)にほうれん草のお浸しをお出しする。

 

……コッチに来る前に死ぬ気で箸を勉強したセシリアもオレの手料理を食べるために猛特訓してたシャルも問題なく食べていく。

 

「シンプルだけど、出汁の取り方が上手いから味に深みがあるわね」

 

「ん、たぶん出汁は水で引いてるし、水は京都あたりのモノだと思う」

 

なんか更識姉妹が品評会してるのを横にオレは問題児に問いかける。

 

「――シャル、オレは訳アリ物件だから諦めろと言ったはずだが?」

 

「ボクはボクでお父さんの正妻と大喧嘩しちゃったから家に居られないし、父さんから冷却期間ってことでここに放り込まれたんだよ……」

 

「なんだ、オレのことはあきらめてくれたならなにより」

 

ヨシ!と現場猫みたいに安堵したのだが――

 

「いやあきらめてないけど?」

 

「なんで?(電話猫顔)」

 

「あんなことして置いて……逃げるなんてひどいよ」

 

「ライン超えなことした覚えございませんがねぇ……」

 

何だっけかねぇと首傾げ

 

「一緒の布団で寝たり」

 

「お前が寝ぼけて潜り込んできたやつですね」

 

「ボクの裸見たし」

 

「オレのシャワー中に突撃しておいてソレは理不尽では?」

 

「ボク以上のことしてる女居ないに決まってる!」

 

「生憎肉体関係ある人いるしなぁ」

 

「ボク愛人の子だけど今の正妻が不妊体質だから実質ボクが跡取りだけど?ISシェア世界3位のデュノア社だよ?」

 

「そのISの生みの親ダゾ」

 

「そんな馬鹿な……相手が篠ノ之博士……!? ボクが全面的に負けた……!?」

 

受け流し続けたらシャルが力尽きた。

 

フッ、他愛なし……。

 

「立場とかで今一番正妻に近いの相手にマウント取ろうとするのは悪手。私はご主人様の首輪付きだから愛人ポジは最低限確約されてるから高みの見物」

 

すごく、自慢げな簪ちゃんである。

 

「別に愛人としてかかったつもりなかったんだがな」

 

「……????」

 

「かんちゃんが宇宙猫みたいな顔してる」

 

「とりあえず黒兎の隊長さんと不仲なのは良くないかなぁ。……でも下手にクラリッサに電話とかして希望持たせるのは……」

 

オレがぼやくと

 

「ならイギリスに籍をおいて私と結婚していただければ丸く収まりますわね。オルコットはコレでも貴族ですし、イギリスは氷室さんが来るなら重婚についての法律可決すると密約が届いていますし」

 

と爆弾を放り込んでくるセシリア。

 

「しれっとシーフしようとしてないかな?オルコットさん???」

 

「あら、英仏で同盟するなら何時でも歓迎しますわよ?」

 

「なら間を取って私が代表になってるロシアに身を寄せるということで――」

 

楯無がしれっと割り込もうとするが(そもそもオレは言質取られぬようスルーしてた)、

 

「「それは認めない(ません)から」」

 

敵が出来たら急に連合組み始めた模様。

 

世界情勢って複雑怪奇だね(他人事)

 

「なおなおのお部屋で国際紛争始まってない?」

 

「コレであと数カ国が介入してきそうで胃がキリキリしてるんよ。胃薬なぁい?」

 

「あとでお姉ちゃんから胃に効くいい奴分けてもらっておくね」

 

とりあえず直哉は修羅場ですが今のところ平和なようです。

 

 

 

 

 

 

――Side 天上院のか夫

 

よし、織斑のこともあの獣畜生のこともラウラちゃんは嫌ってる。当にオレのハーレムの2人目にして他の女の目を覚まさせるキーパーソンに違いない!

 

お、噂をすればなんとやら

 

「おーいラウラち「のか夫様、こんなところに居られたのですね」」

 

振り向くとそこには何処かで見たことあるような娘……宮守キアラという人が居た。

 

「私を置いて行くなんてひどい人……それとも私ではもう満足できなくなりましたか?」

 

「……そんな訳無いだろう?その身体は幾ら貪っても飽きないし、とても床上手だし」

 

「ふふふ……ソワカソワカ。では……時間もありますし……科学準備室などで……どうですか?」

 

「良いねぇ。ボクのこと分かっててうれしいよ」

 

「それなりに勉強しましたからね」

 

ではこちらへ……と先導するキアラについていこうとして、ハッとして振り向く。

 

「……ってラウラちゃん……は居なくなってるか。仕方ない、今度話しかけるようにしよう……」

 

タイミングが合わないなぁと肩を竦める。

 

まあいい。近いうちにチャンスは来るはずだし……。

 

 

 




シャルが男装してない理由
この世界ではシャルが正式な娘として認められている。
なお継母にあたるロゼンダとは微妙に仲が悪く、今回とうとう不仲が爆発し、隔離するためにねじ込まれた模様。
表向きはフランスからのハニトラ要員となっているが、嘘から出た誠になりそうな雰囲気が……。


キャラメモ
宮守キアラ
とある一族の分家筋であり、実は飛び級の入学である。
実年齢は◯◯歳で実年齢より高く見られるのが複雑だったりしている……。思春期早発症と巨人症の併発によるモノであるが身長166cmでボンキュッボンなモデル体型を結果として手に入れている。なお天上院のは「物足りない」らしいが……。


以下次回予告
怪物は踏み出す、新しい領域へと。

彼/彼女は決める、自分の在り方を。

オカマや少女たちはは祝福する、一夏の決断を

ある男は狂喜する。自分の価値が高まったことに

次回 インフィニット・ストラトス+3-1
第十五話『氷室直哉の選択/一夏の決断』
※予告内容は変更される場合もあります。
次回もお楽しみに!
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