インフィニット・ストラトス+3-1   作:月神サチ

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日付変わるギリギリ投稿なので初投稿です(詭弁) 
高評価してくれてる人ありがとナス!
評価微妙ラインなのは何故か気になる今日このごろ!
できたらここすきとか感想ももっとちょうだい(強欲な壺)
それではどうぞ


第二十五話 学年別タッグマッチトーナメント 開始前その2

――Side 篠ノ之箒

 

「姉さん……私は……受け取れない」

 

遠くで寮の建築作業の音がする自分の部屋で、私は姉と向き合い、差し出された手にあるブレスレットの受け取りを――拒否した。

 

「なんで? なお君が出国したって聞いた時、『私も専用機があって、認められてたなら……』って言ってたのに」

 

今度盗聴発見する機械を直哉から借りよう。ハンドマッサージ機のヘッドの代わりに豚鼻の付いたような変な形のやつだが、性能は確かだったからな。

 

「しれっと盗聴を自白しないでもらいたい。……今の私がそれを持ったら……力に溺れて、傲慢になりそうなんだ」

 

「富、権力、暴力……力を手に入れて変わる人間なんてゴロゴロいるけど?」

 

姉さんの言葉に首を横に振る。

 

「今の私には過ぎたものだ。もしそれを受け取るとしても――今じゃない。もう少し自分を見つめ直したいんだ」

 

「――初恋(なおくん)2回目の恋(いっちゃん)がくっついたから?」

 

ただの言葉、ただの振動のはずなのに、私の中にある柱のような姿をした心がゴキッという音を立てて二つ折りになった気がした。

 

「……言語化されるとくるものがある……」

 

「なおくんの腕に飛び込んでしまえば解決すると思うんだけどな。なんだかんだでなおくん懐に来たなら自分色に染めるけどクソ甘いし」

 

「私は姉さんと違って柔軟にできないから」

 

「こんなに胸はやわらかあべしっ!」

 

一瞬で後ろに回って胸をもみしだいてきたので裏拳で殴ってしまった。

 

「前が見えねぇ」

 

どこぞの嵐を呼びそうな5歳児のギャグシーンみたいに顔が陥没してわたわたする姉を見て気が抜けそうになったが

 

「……とにかく、トーナメントもあるから受け取れない!」

 

と言い放つ。

 

「うーむ、我が妹ながら頑固だね」

 

ポン、という音ともにもとに戻る姉さんの顔。

 

やっぱりこの人と直哉は私たちとは違う種ではないかと思う今日この頃。

 

「そういう姉さんも父さんたちに手紙の1つでもよこしたらどうです? 昨日の夕方しれっと『十六夜君、いや、今は氷室君ね。彼が菓子折り持って事後報告ですが束さんくださいって挨拶にやってきて、束でよければと父さんと共に即答した』と母さんからの電話が来たんですからね」

 

「ゔっ……それ言われるとジリ貧……てか本当に挨拶しにいったんだ……」

 

私や母さんが嘘ついてどうする。

 

「とにかく、トーナメント終わったら改めてこっちから言いますから……それとも私はいつまでたっても貴女の後ろをよちよちついてくる幼い妹ですか?」

 

「むむむ……取り敢えず今回は引いて上げるとしよう。ちなみに会いに来たかったらなおくんの部屋に顔出してるからそっちに来てくれればいいけど、なおくんのアレみてそのまま盛っちゃうかもね」

 

……さすがに我慢の限界が来た。

 

「はよ帰れ!」

 

「わわっ、箒ちゃんが怒った! 退散!」

 

私が近くの竹刀を投擲すると、姉さんは窓を開けて逃げ出した。

 

「……鈴に愚痴ったあと、素振りをして心を静めなければな……」

 

 

 

――Side 更識楯無

 

「んー? 私ならどういう方針でペア組むか?」

 

こっちが生徒会の書類捌く傍ら、一夏ちゃんがプリントの山を捌きながら複雑そうな顔で質問してきたので聞き返す。

 

「はい。タッグマッチトーナメント……優勝賞品は特にないんですけど、ほぼ確実に勝ち上がってくる直哉と戦って……せめて善戦くらいはしたいなって」

 

「――甘い、甘いわよ一夏ちゃん」

 

私はビシッと告げる。

 

「――例え相手に負けるほどの実力差があるとしても、勝ちを拾う気概で行かなきゃだめ。できる限りを全力で尽くさなきゃ奇跡なんてたぐり寄せられないし、一瞬だけほほ笑んでくれることもある勝利の女神様を射止められないわよ」

 

「うぐっ、それは……」

 

「ちなみに彼縛りプレイ強要されてるって聞いたけど、内容どうなってるの?」

 

「IS装備のアセンブリ変更禁止で装備も縛られて実質サブマシンガンオンリーだったはず」

 

……千冬先生スパルタね……。

 

「……いや、ソレならわりと勝ち目あるわよ? 彼手で持つ銃全般があんまり当たらないから」

 

「え? そうなんです?」

 

「うん。……虚、彼の入学テストの射撃の戦績何処だっけ?」

 

「今こっちで出しますので……一夏さん、こちらをみてください」

 

一夏ちゃんが虚の横に移動したし、私も虚の横に移動。

 

ノートパソコンに入学の成績が表示される。

 

「停止してる的にも命中6割で、的が移動してると2割。固定の的に移動しながら撃つと2割。……実戦は刀だけで千冬姉に勝ってるから使ってない……?」

 

「彼どうやら引き金を引こうとすると腕がブレる様子。基本非固定ユニットか肩に付けた装備での砲撃しか銃の類は使ってないようです」

 

「たぶんなにかの後遺症なのだろうけど……コレならワンチャンあるんじゃない?」

 

「……」

 

なにか思いにふけているようだけど……。

 

「? 一夏ちゃん?」

 

「……あ、いえ、すみません。……直哉の側に1番居る自信あったのに、全然彼のこと知らないなって」

 

「彼自分のことに対してあまり語りませんしね」

 

「今では仲良くしてるけど、千冬姉や束さんに塩対応多いし……家族が居ないとか、カミンコ博士とかいう知らない人のところが居住地になってるみたいってことくらいで……」

 

……流石に黙ってるのが罪悪感……。

 

「……そのカミンコ博士、私のところの遠縁なの。その人経由で彼のこと少し知ってるけど……あんまり気分のいい話でてこないから、もし直哉君から話聞くときは……その、心構えしておいてね?」

 

「……両親のことが大好きな家族想いの彼が再会してから一度も口にしてないあたり、流石に私も察しますよ。たぶん箒も……」

 

……空気が重い……!

 

「……そういえば、彼転入予定の生徒について話してなかった?」

 

こういうときの話題変換!

 

「え? ……たしかエクシアの編入は直哉が主導で動いてたから確定でしょ? あとは束さんの養子が来るとか言ってたけど……他にいるんです?」

 

「……他にオランダから1名、日本から1名に台湾とタイから1名ずつ。それ聞いた学園長は特別クラスの編成を考えてるわね」

 

「なるほど……。…………よし、決めた。タッグマッチトーナメントは――とペア組めるか聞いてみることにします。別の話を聞いてる間に頭の中でそう結論出たので」

 

会話の間に答えが出たのね。

 

本人的に納得してるなら、お姉さんは言う事無しよ!

 

「それも1つの答えね。お姉さんとしては応援するわ。あ、それはそれとして今夜は本音と虚ちゃんのために直哉君フリーにできそう?」

 

「まあ……行動の読めない束さんの乱入か、他に直哉がひっかけてなければ、直哉と2人の3人だけにできると思いますよ……?」

 

 

 

 

 

――Side 氷室直哉

 

ダダダダダと射撃音がアリーナに鳴り響く。

 

「……やっぱり半分くらいしか当たらんな……」

 

「これは……うーん、矯正するにも癖が染みついてて困りましたね」

 

そうタブレット見ながらむむむと零す山田先生。

 

こっちはそのデカメロンをISスーツのせいでたゆんたゆんさせてる山田先生(打鉄装備)のせいで別の意味で困ってます!(射撃の結果に影響なし)

 

「動きながらの射撃も命中率、移動速度共に目に見えて落ちてますし、多分回避能力も激減してるでしょうから……もし本気でトーナメント勝つこと目指すなら、スパルタでやらないとダメですね。もちろん直哉君がその気なら先生頑張りますよ!」

 

先生!その双子山を大震させながら言われると別のところも頑張りそうなんですが!?

 

「……痛くしないと覚えないと言うので実戦のお相手お願いできますか?」

 

明鏡止水……理に至ったオレならこの程度動じないはず……!

 

「……なるほど、そこまで本気とは……直哉君が頼ってくれるなら、私、ひと肌脱ぎます!」

 

えいえいむんのポーズですっごく揺れてますね!(落ち着かないマイソウル)

 

あとオレが社会的に死ぬから脱がないで(懇願)

 

「それじゃ、実戦やっていきましょうか」

 

タブレットしまいながらある程度離れた位置に移動する山田先生。

 

武器はラファールの予備から持ってきたらしいパルスレーザーガンとオレと同じ系統のサブマシンガン。

 

オレと山田先生は向き合って構える。

 

そしてどちらともなく動き出し――銃撃戦を開始する。

 

 

 

 

 

 

――Side 織斑千冬

 

山田先生を連れてどこに行ったかと思えば……アリーナで練習とはな。

 

……どうしよう。

 

手持ち武器の射撃を使わないから無理矢理やらせようと縛りをつけたのは良いが……あそこまで酷いとは。

 

生身で撃墜されたことの印象が強かったから仕方ない……よな?(自己弁護)

 

いやあるいは……やらかしたと自白と共に全裸土下座。お詫びに身体差し出せば仲直りできて一石二鳥では?(名推理)

 

よし、それで行こう!

 

その切り口としてこの訓練に山田先生に加勢すれば山田先生も巻き込めるはず……。

 

善は急げだな!

 

 

 

 

 

――Side 氷室直哉

 

あ、ありのまま起こったことを話すぜ(N回目感)

 

なんか麻耶先生と銃撃戦の訓練してたらブレオンの千冬先生が山田先生とタッグ組んでのこっち不利状況での訓練で憂さ晴らしされるようにタコ殴りにされたんだぜ。

 

そして2人がISスーツのままフルボッコされたオレをオレの寮の部屋へドナドナしたとおもったら、2人でISスーツ脱ぎ捨てて全裸土下座。

 

それを見計らったかのように一夏がのほほんさんと虚ちゃん連れてきてさあ大変。

 

ダクトから姿現した束さんが千冬先生の痴態写真激写しまくり、千冬先生キレだして混沌としてきた(イマココ)

 

「――大人3人、正座」

 

オレの威圧を込めた声に動きを止める束、千冬先生、山田先生。

 

「――聞こえなかったか? 正座だ」

 

3人はオレの前にスライディングしながら正座する。

 

接地面擦りむけてないか(一応柔らかいカーペット敷いてあるから問題ないだろうけど)若干心配だが、心配するとつけあがりそうなのがいるのでそのまま続ける。

 

「……一夏は2人連れてはよ入りな」

 

「え?あ、うん」

 

「なおなお6人相手に無双するつもりかな」

 

「え゙っ……私と本音は生娘なのに戦力にカウントされても」

 

「ソレ言ったら私も初めてなんですけど!?」

 

虚さんの言葉に山田先生も反射的に叫ぶ。

 

「安心してくれ。千冬先生と束以外は1人ずつで相手するから」

 

「「「「「「えっ?」」」」」」

 

困惑してる一同他所にオレは木分身を用意する。

 

そして束と千冬さんには3人ほどずつ宛がった。

 

「……私も初めてなんだが?」

 

「3つまとめて散らせる快挙達成させてあげますね」

 

「こうなったなお君はきっちりやり通すから開き直ったほうが良いかもねぇ……」

 

口元が引きつる束の言葉と共に、オレたちは夜戦を開始した――。

 

因みに楯無はしれっと簪の部屋に逃げ込んでいる模様。姉妹で盛ってる気がするが、ルームメイトから苦情言われてないか心配だな……。

 

 




タッグマッチトーナメントが迫る中、黒い蠍も暗躍する。

その頃一夏はペアと共に優勝を目指していく。

一方のか夫は如月重工との取引が完了し――?

次回 インフィニット・ストラトス+3-1
第二十六話『学年別タッグマッチトーナメント 開始前その3』
※予告内容及びタイトルは変更される場合もあります。
次回もお楽しみに!
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