インフィニット・ストラトス+3-1   作:月神サチ

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難産だったので初投稿です。




第二十七話 学年別タッグマッチトーナメントと―― その1

――Side 氷室直哉

 

とうとう始まった学年別タッグマッチトーナメントの1年の部。

 

4つのアリーナを使って巻きで行くというストロングスタイルは嫌いではないが……目まぐるしくない?

 

「――さて……オレの出番は後ろの方……しかし、打鉄もラファールも殆どが使われてる……か。何事もなければ――」

 

アリーナの1つで様子見してると

 

『第三アリーナにて機体損傷、損傷ランクB。該当アリーナの試合一時中止。繰り返す、第三アリーナにて機体損傷、損傷ランクB。該当アリーナの試合一時中止。』

 

とんでもないアナウンスが流れてきた。

 

オレは反射的に駆け出した。

 

 

現場にたどり着くとと、灰のフルアーマーのISの下に、ボロ雑巾のようになっている打鉄と水色とグレーの装甲の機体――簪ちゃんの『月輪』があり、フルアーマーISの横にキアラの専用機らしい機体があった。

 

「あれはひどすぎる」「シールドエネルギーが切れても砲撃続けてたもんね……」「絶対防御なかったら潰れてたよ」

 

オレは無言で飛雷神を発動し、アリーナのフィールドに着地する。

 

「――簪! 本音!」

 

ISのパーツを退かして2人の意識を確認する。

 

「……御主人様……」

 

「……まけ……ちゃった…………」

 

オレは背後の気配に対し、振り向きざまに刀で砲撃を開放された天上から空へ『弾き飛ばし』た。

 

「――獣畜生が邪魔するなよ。僕に従わない雌犬の躾ができないじゃないか」

 

そこには砲撃して銃口から煙が出ている天上院の姿があった。

 

「……」

 

しかしオレはそれを無視し、簪たちのISに触れて2人のISを待機状態に戻す。

 

そして分身に2人を抱えさせ――

 

「まだ躾の最中だっつってるんだろ!ゴミカスが僕の邪魔をするな!」

 

レーザーガンとグレネードランチャーをぶっ放してきた。

 

オレは分身に2人を避難させながら、2つの攻撃をためらいなく切り裂き、吹き飛ばす。

 

「……」

 

なんか言おうと思ったが、言う価値が見出せなかったのでそのまま背を向ける。

 

「巫山戯んな、この僕の踏み台のくせに抵抗しやがって……!吹き飛べ!」

 

両肩と両腕の武器を連射する天上院。

 

オレは最小の回避と受け流しで対処する。

 

「…………」

 

「何か言えよ獣畜生が!」

 

「――あまり強い言葉を使わないほうが良い。弱く見えるから。……いや、今のお前には相応しい振る舞いかもしれないな、今のはなかったことにしてくれ」

 

「――!」

 

天上院は拡張パスからバズーカと巨大なシールドを取り出す。

 

そのバズーカの弾頭にあるのは――

 

「――死ね。害虫が!」

 

引き金と共に発射された弾頭にオレは吶喊し――以前宇宙でマーキングしたアステロイドベルトのとある座標に飛ばす。

 

傍から見たらオレが消滅させたように見えるだろう。(結果的に見たらそうなのだが)

 

「――水爆をこんなところで使おうなど正気の沙汰じゃないな」

 

「この世界の主人公様であるこの僕に、踏み台が歯向かってんじゃねえよ!」

 

おかわりとばかりに装填済みバズーカを取り出して二発目を放ったので、それを再びアステロイドベルトに飛ばす。

 

激昂してる天上院は何をトチ狂ったのか肩武器を全弾掃射しはじめた。

 

「――」

 

最低限の回避で避ける。弾幕ゲーより玉は速いが、密度は低いのだから簡単だった。

 

「――! くそ、こうなったら――!」

 

「おやめください、のか夫様!」

 

キアラが立ちはだかる。

 

「退け!キアラ!」

 

「試合は終わり、これ以上の戦いは無用でございます。それに……総理大臣を始め、各国のVIPもこの様子を映像で見ている可能性があります。――ご不満ならば試合で決着をつけてください」

 

「……ちっ。命拾いしたな」

 

そういうとのか夫はピットに戻っていく。

 

キアラはこちらに一瞬アイコンタクトをしてきたので、何も言わずに反対のピットから撤退する。

 

 

 

 

 

――Side 天上院のか夫

 

くそ、くそ!

 

僕の邪魔ばっかりしやがって!

 

ピットで装備を整備してると、世界が灰色に染まる。

 

……これは……

 

『やあ、およそ20年……いや、正確には18年ほどぶりだね。前回は2歳の頃に君が望んだ【邪魔者を消せる裏組織とのコネクション】と【IS適性】を追加で提供したときだったネ?』

 

いろんな姿を持ち、気まぐれに姿を変える【神】が現れた。

 

今回はBLEACHのマユリか……。

 

「アンタか。この世界の主人公として転生したはずなのにIS適性ナシな時点という職務怠慢この上ないと僕の正当な怒りを聞いて反省したのだから当然だよね。今回もあの獣畜生を消せる力とアイツの洗脳を解いて僕がハーレムを作るただしい未来に修正してよ」

 

僕が淡々と道理を説くと、【神】は姿をニャル子に姿を変える。

 

『――ソレは私の権限超えてるので――』

 

そういって僕の額に指を当てた。

 

『――数多くの正の絆が揃えば不可能を可能にする【勇者の力】と英雄のような傑物を人工的に育てるためのチートにして、自分の能力を上げられるけど自分に使ってしまうと自分の成長が止まるデメリットがある力、【英雄作成】を貴方に授けましょう』

 

何か空白があったような気がしたが――それを確かめる前に、身体に使い方が流れ込んで、スマホにも【英雄作成アプリ】が生成される。

 

『……次会うのは貴方が死んだあとですね。ちょっとやり過ぎたのか、上からたった今現世介入をしばらく禁止という通達くらいましたので』

 

そういうと姿が消えた。

 

同時に世界の色がもとに戻る。

 

「……のか夫様?」

 

首をかしげるキアラに僕は頭を振る。

 

「――少し待っててくれ、ちょっと気分がよくないからね」

 

「は、はあ……」

 

僕は自分を英雄にするために操作をし始めた――。

 

 

 

 

 

 

 

――Side 織斑千冬

 

運営本部と銘打たれた4つのアリーナの中間にあるテントにて、私たちはトーナメントの情報などを確認していた。

 

……妙な胸騒ぎがする。

 

天上院のやり過ぎによる要修理は言わずもがな。

 

「……先日に開催されてる3年の部、2年の部でもISの損傷が出ている。武器弾薬やシールドエネルギーも山程あるが、無限には無い。……この状況をこちらの仮想敵連中は見逃すとは思えんな」

 

「整備科の3年担当の七浦先生からも、2年担当のエミリー・オブライエン先生は特に何も言われてませんね……整備科の生徒たちは訓練機や2年3年の専用機のオーバーホールをしてるので戦力低下は同意しますけど、毎年違う時期にやってることをテロリストたちが気がついたりするのでしょうか」

 

山田先生が資料などを確認しながらそうつぶやく。

 

「……内通者がいれば、話は別だろう」

 

「!? もしかして見当が?」

 

「いや? さっぱりだ」

 

私の返事にコケかける山田先生。

 

「だが……私が仕掛けるなら、今日の何処かだろうな――」

 

「……ええ」

 

私は右耳についてるイヤリングに、山田先生は左中指に付けた指輪に手を添えていた……。

 

 

 

 

 

 

――???

 

「ええ、総て手筈通りに。そちらの襲撃に合わせて発動できますので――え? 氷室直哉の機体? もちろん他の専用機同様、爆発の装置は細工済みです。細工してないのは織斑一夏の機体と、整備させてくれなかった黒兎隊くらいですかねぇ。まあ残りは仕掛けてあるので誤差かと。さすがに待機状態では無理ですけど、IS展開中にスイッチ押せば、爆発し、IS機能停止は確実! 総ては我らが亡国企業の繁栄のために――」

 

 




相川 清香と四十院 神楽のコンビをなんとか撃破する氷室直哉。

次もなんとかできるだろうと思っていた矢先――ISが爆発するという事態が発生。

同時に発生する襲撃事件。

――勝ったとほくそ笑む内通者。

しかし――生身で迎撃を開始する化け物の力を目の当たりにし、絶望という言葉を身体で理解することになる。

次回 インフィニット・ストラトス+3-1
第二十八話『学年別タッグマッチトーナメントと―― その2』
※予告内容及びタイトルは変更される場合もあります。
次回もお楽しみに!
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