――Side 氷室直哉
避ける、避ける、撃つ。
被弾が重なり、シールドエネルギーがじわじわと減る。
だがまだ終わってない。
避ける、避ける、ミサイルは撃ち落と――せなかったので回避。
あと――一撃――!
最後っ屁とばかりにサブマシンガンで面制圧を試みて――ブザーが鳴る。
『――勝者、氷室直哉!』
「あーもう、負けちゃった……」
へたり込むのはラファールに身を包む相川清香だ。
「こっちもかなり危なかったから……本当に凄いよ」
オレが手を差し伸べると、彼女は手をつかみ、立ち上がる。
「――そちらの一番苦手な状況下で負けてしまうとは……言い訳出来そうにないですね」
そう言いながら先に撃墜判定で行動不能になっていた四十院(打鉄装備)がやってくる。
「コレでも元日本代表候補生にスパルタで鍛錬してもらったし……」
「……すっごく遠い目してるねぇ」
「……すこし意地悪したら泣きそう」
頭を振って
「おっと、次がつかえてるし、さっさと退場しようか」
と告げるオレ。
「私たちの分まで頑張ってね」「応援してますから」
そういって去っていく2人。
オレも自分のピットに戻り、ISからおりたあと、整備用の台に乗せ、シールドエネルギーとサブマシンガンのマガジンの補充をしていく。
「さてと次の対戦は――おん?」
何か違和感に気がつく前に、視界が白く包まれた。
――Side 天上院のか夫
ピットに併設される控室(を自分用に1つ占有した)にて
英雄作成アプリは凄かった。
細かい項目毎なのが厄介だが、反応速度に百万円突っ込めばどこぞのニュータイプ並みに動けて、筋力に二百万つぎ込めば数百キロの重ささえ、リンゴと大差ない感覚で持ち上げられるようになっているのだから。
あと何故か自分だけ能力値を変換すると能力割り振り用のポイントになるのだが、1上げるのに必要なポイントの半分を能力1ポイント変換で手に入るという錬金術じみたことができるのが判明した。
流石に怖いので反応速度を少し削ってその分課金分と合わせ上限まで割り振り、残りを筋力と肉体の強化に割り振ったりした。
それはそれとして
アリーナの進行の差からちょうどアイツが居ない時に篠ノ之と鳳の暴力女コンビを叩きのめして保健室送りにしてやったし、実に気分がいい。
正月とGWと盆とクリスマスが一遍にきてもここまで気分は晴れないだろう。
「コレなら僕は世界の統治者として君臨してもおかしくないはず。僕のこのあとの活躍で皆の目が覚めるはずだ」
2人に奉仕させながらそう零す。
あと英雄作成アプリが自分以外は何故かキアラたち2人にしか使えないけど、追々僕の味方になるだろうから良いだろう。
ちなみに2人の反応速度や思考能力を取り敢えず上げて見たけど割と変わっていたから効果があるのは検証済みでもある。
「さてと、次の試合も雌をしつけてやるとしますかね」
2人に欲望ぶちまけたあと、身奇麗にする。
そして控室から出て、ISを展開しカタパルトに乗った時に――ISが光だして――
――Side ???
「取り敢えず氷室直哉と主だったISは機能不全。黒兎隊と白式は爆弾つけられてないから除外で完璧な仕事ができたっと。あとはМをシールドエネルギー減ってる白式のところに誘導っと。第2アリーナの座標をつけて送れば……取り敢えずこの場での仕事は完了っと」
彼女は伸びをしたあと
「あとは――黒い蠍のメンバー疑惑あるヤツの密告をウチのフロント組織に流して、疑心暗鬼にさせれば完璧かしら」
そう零して情報を集めだす。
――Side 織斑千冬
各エリアから響く悲鳴と近くのIS装備のスタッフが爆発したのを見て山田先生と共に頷いた。
そして放送のスイッチを入れて通達する。
「――こちら運営本部織斑千冬。各所にて爆発が確認された。生徒は避難マニュアルに従い避難を行え。繰り返す。生徒は避難マニュアルに従い避難を行え」
そのまま私は生きを入れて続ける。
「また学園で整備したISに爆弾が仕掛けられた可能性がある!該当するISは全展開はせず武器や腕等部分展開に留め、戦闘は最小限にするように!私と山田先生、黒兎隊の使用するISは爆弾が見られないことが確認済みだ。私と山田先生は南方から接近中のIS迎撃後各所に向かい、救援を行う。無理難題だが撤退かこちらの救援まで持ちこたえるように!」
私はそう言い放つと、そのままISを起動して白銀のIS【アイオーン1.1タイプα】で南方へと向かう。
山田先生の射撃+飛行速度特化の赤いIS【アイオーン1.1タイプΔ】が飛行形態で先行するが、是非もないだろう。
――Side М
20体ほどのISモドキと共に高高度からのダイビングで目的地に着地する。
「――織斑――一夏ァ!」
目の前に困惑している獲物がいた。
その間抜けぶりに気が抜けそうになる。
だがここは戦場。ためらいは命取りだ。
私はためらいなくサイレント・ゼフィルスのBT兵器と肩の電磁砲で狙い撃つ。
はっとした一夏は回避する。
ええい、忌々しい……! だがそうでなくてはつまらない!
だが――邪魔者が居ない今、ここで決着をつける!
――Side 氷室直哉
「――1つ」
細切れになり、崩れ落ちる。
「2つ」
関節部と武器とボディへ繋がる関節だけ切り落とす
「みーっつ」
左右に真っ二つ。
「……まだまだ居るな……」
至近距離で爆発された(しかも生身)ので、何故か普通人間レベルの耐久しかない目が破壊され、現在耳と感覚だけで敵を斬っていた。
まあ無理すれば再生は可能なんだが……
「――氷室指揮官〜!」
この声は……マチルダか
「どうした?今目が見えんから無理しないとあと2分くらい目を頼れんのだが……」
「南から押し寄せてるISについて千冬教官から連絡! 4割撃墜の4割の迎撃で残り2割が抜けたみたいです。20ほど向かってきてます!」
今の状況を踏まえると……多少デメリットを背負うべきか……。
「――黒兎隊に通達。こっちに居るのは片付けて置くから――」
目を無理矢理激痛(と自分の命のストック)と引き換えに高速再生させる。
「――千冬先生たちと共闘してそっち殲滅しろと。黒い蠍の無人ISモドキのスペックなら、8人でなんとかできるはず。もし撃ち漏らしたらあとでお仕置きともな」
「は、はいっ!」
視界が戻る中、マチルダが直ぐに南へ飛翔したのでオレは木分身を10ほど生み出す。
さて、1つおかしな気配があるから、そっちを
そう思いながら散開する。
「なんじゃありゃ」
おかしな気配のある現場に行くと、上半身が異様に発達した化け物(ルパンの八百比丘尼云々ででてきたの化け物が近い?)みたいなのが、ISモドキ(黒い蠍のやつ……から鹵獲されたのを解析したのか?)複数体に殴りかかり、回避されて反撃されるという奇妙な光景が広がっていた。
「……!」
おん?こっち向いたな
そう思った瞬間、近くに落ちてた武器をこちらに投擲してきた。
反射的に回避し、眼の力を使って解析する。
「何だアイツ……魔術的なんかで化けてる?」
推定天上院のか夫が何か外力で変質し、ISの爆発あたりが引き金で暴走してると考えるのが妥当だろうか……。
「そうなると……
オレは武器を構え、ISモドキ複数体VS天上院?のバトルに第三勢力として殴り込みをかける。
と言っても天上院?は反応速度こそ速いが、全体的に遅いし、
ISモドキも、オレが天上院?を撃破したのを見て旗色悪いと感じたのか逃走しようとしたので、飛ぶ斬撃で片付けた。
「……うん? 勇者ヒンメルのカードとFGOで見たマーリンのカード……? あれ、消えた……」
のか夫の側に落ちてたカードを拾ったら消えてしまった。
悪いことしたかもしれない。
それとともに英雄作成アプリが俺のスマホにダウンロードされた。
……取り敢えず設定で自分のデータをいじれないようにして仕舞う。
英雄作成を自分にかけるなんて厄介事になりそうだしな……。
そう思いつつ、救助者たちの確認や治療を始めるのだった。
天災の加勢と動けるメンバーによる解決でひとまずモドキの撃破とМの捕縛に成功する。
そしてその顔を見た直哉たちは――。
一方天災と内通者のリークにより、社会的信用を失い始めるのか夫。
おまけにチート類も知らない間に喪失していた。
そして天上院家の長女が、オランダや台湾からの使者が、復興中のIS学園にやってきて――?
次回 インフィニット・ストラトス+3-1
第二十九話『学年別タッグマッチトーナメントと―― その3?』
※予告内容及びタイトルは変更される場合もあります。
次回もお楽しみに!