インフィニット・ストラトス+3-1   作:月神サチ

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予約投稿なので初投稿デス


第七話 クラス代表決定戦

――Side 氷室直哉

 

あれから数日。

 

一躍時の人となった簪ちゃんだが、倉持研からの掌返し擦り寄りや連日の自称ワタシオトモダチの擦り寄りにてノイローゼ気味になり、しれっとオレの部屋に逃げ込むようになって居た。

 

ベッドは2つしかないし、姉妹でシングルは中々に酷と思い、簪ちゃんにベッド明け渡しておいたのだが、何故か楯無がそっち使うとか言い出して喧嘩してたりした。

 

どうして?(電話猫感)

 

それはさておき。

 

「今日も何処の動画サイトでも上がってるなぁ……【氷室直哉の家族云々】シリーズ」

 

朝のホームルーム前の時間、スマホでネットを観ながらおれはそう零した。

 

自分は氷室直哉の〇〇です、本人がこれを見てるなら家族として〇〇してください〜みたいなクソ動画である。

 

ネタと利権狙いとで判別できるからまだマシではあるが、後者は雨後の筍も真っ青なレベルででてるのだからたちが悪い。

 

いや、逆に束さんに『もう人類滅ぼしたほうが良くない?』と言わせるレベルなのだから大したものといっても良いかもしれない(錯乱)

 

「通報しなくていいので? イギリスでこのような侮辱されたら国を挙げて対応すると思いますわよ?」

 

セシリアがなんか不服そうな顔でそう零す。

 

「今のオレは自由国籍。天涯孤独なオレに氷室姓の自称家族が出てこられても寧ろ『偽物自白ご苦労さま、ブラックリストに並べとくよ』となるだけだし、昼には静かになるだろうからな」

 

「……なら良いのですけど」

 

「せっしーなおなおのこと心配してるんだね〜やさしー」

 

いつものごとく顔を出すのほほんさん。

 

しれっと鞄漁って見つけたお菓子を食い出すその図太さに痺れるけど困惑しかないです(こなみ)

 

「! 私はただ、政府からスカウトできそうなら勧誘しろと言われて、先に点数稼ぎするために心配してるフリしてるだけですわ!」

 

「せっしーツンデレ似合わないと思うよ」

 

「どー言うことですの!?」

 

やいやいしてるとチャイムが鳴る。

 

そして瞬間的に自席に戻る2人。

 

驚きの速さである。

 

「さて、午後からアリーナを1つ貸し切りにしてある。そこで天上院、織斑、オルコットの3人にそれぞれ1対1をしてもらう。天上院とオルコット、織斑とオルコット、天上院と織斑の順の予定だ」

 

「まだボクの専用機届いてないんですが!?」

 

のか夫がそう立ち上がって叫ぶ。

 

「ならば訓練機の打鉄かラファール・リヴァイヴを使えば良い。織斑も同様にな」

 

「わかった、千冬姉ぇ゙」

 

回転するチョークが一夏(女の姿)の額にクリティカルヒットする。

 

「織斑先生と呼べ」

 

「でも朧は千冬先生で」

 

「そいつは何をやっても治らんかったから諦めただけだ」

 

直せる余地があると判断したから注意してるのだ、と告げる。

 

のか夫は歯ぎしりして着席する。

 

「では他に連絡はないので朝のホームルームはこれまで! 次の授業の支度をするといい」

 

そう言って千冬先生は去っていった……。

 

 

 

 

 

そして昼休み。

 

いつもの整備室でオレは何故か

 

簪ちゃんの椅子にされていた(ポルナレフ感)

 

正確にはオレが椅子に座り、オレに身体を預けるように簪ちゃんが座ってパソコンでISのシステムプログラミングをするという形である。

 

オレの部屋と整備室を往復してるけど、学業の方大丈夫なんですかね?(電話猫感)

 

ちなみに時折お尻の位置動かして「反応がない……なんで……」とか言われてるあたり、明らかに誘ってるのは流石に分かる。

 

――が、君の姉の方がオレと簪ちゃんの不純異性交遊(それ)を認めてないし、束が正妻ヅラしてくるので揉めるのが目に見えている。

 

そもそも、理に至った人間は性欲の手綱くらい自由自在なんでな、許せ。

 

「今手を出すと多方面で火薬庫が爆発するのでダメです」

 

「……手を出したいとは思ってるんだ」

 

「ノーコメント」

 

「……共犯者なんだから、もっと曝け出してほしいんだけどな……」

 

「既にオレは篠ノ之束に理由があるとは言え手を出してるクソ野郎なので正直推奨しない。たぶん関係持っても重婚はできないと思うし、内縁の妻扱いになるだろうし、正妻ヅラする駄兎の躾が終わってないから遭遇したら胃がマッハになる。割と真面目に本当にオススメしない」

 

「……それだけ?」

 

えぇ……(困惑)

 

「現時点で時の人になってストレスマッハしてるのにこれ以上ストレスかかったら潰れるだろ」

 

「……あの契約で、実質私の人生全部オールインしてるでしょ? なら私たちはもう一蓮托生。更識の家名も捨てる覚悟できてる」

 

「やべぇ、専用機没収のゴタゴタの意趣返し企てて当事者巻き込んだら当事者の人生を背負ってたらしい。まあやっちまった以上、できる限りのことはするつもりではあるが……」

 

「ん、言質とった。とりあえず私からの矢印理解してくれたなら何より。……ただ篠ノ之博士の人となり知らないけど……何もしないで一番譲るつもりはないとだけ」

 

なんか闘争心が芽生えてませんかねこのお嬢さん。

 

しれっと言質とってるし、強かに育ちつつある……。

 

「かんちゃん、そろそろ昼休み終わるから、なおなお解放して上げて〜」

 

「やっ」

 

「幼児退行してない???」

 

オレはそっと簪ちゃんを抱き上げて席を立ち、耳元で一言二言囁く。

 

顔を真っ赤にした彼女をそっと椅子に下ろしてアリーナにスタコラサッサと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

さて、アリーナにはA組の全員と噂を聞きつけた生徒でごった返していた。

 

授業はどうした授業は!

 

オレが座るとのほほんさんと復活して見に来た簪ちゃんに挟まれた。簪ちゃんの隣に楯無がしれっとすわり、のほほんさんの隣に虚さんが座る。

 

『第一試合 天上院のか夫VSセシリア・オルコット』

 

その千冬先生の言葉とともにピットからでてきたのは青い機体――第三世代機ブルー・ティアーズに乗ったセシリアと打鉄に乗ったのか夫が現れた。

 

『む?専用機が届いていたはずだが?』

 

「――――!」

 

「なんて言ってるか分からないわねぇ」

 

【認識不可!】と書かれた扇子広げる楯無。

 

放送はスピーカーだが、相手は地声だから仕方ない。

 

まあ、例外というものは割とあるということで。

 

「……『仕方ないでしょう! 何故か専用機は起動してくれなかったんだから!』」だそうだ

 

「読唇術ですか?」

 

「まあ、そんなところです」

 

虚さんの問いかけを適当に誤魔化す。

 

そしてブザーが鳴るとともに――のか夫が突撃するも、しれっと避けられ、そのまま鴨打ちされてごっそりシールドエネルギーを削り取られる。

 

「勝負ありね」

 

「だなぁ」

 

オレがあくび混じりにそう告げると、振り向きざまに一閃したのか夫だったが距離を取られている。

 

そしてそれを愚直に追いかけ、引き撃ちされ、ブルー・ティアーズのビットが出されることもなく試合が終了した。

 

『そこまで! 天上院はピットに戻り、エネルギーの補給をうけるといい。オルコット、武器の残弾やエネルギーに問題は――無いようだな。ならばこのまま続けるぞ』

 

「――!」

 

千冬先生の放送のあとに天上院がわめいているが、こっちまで聞こえるはずもなく。

 

「なおなお、通訳!」

 

「……『納得いかない!専用機のスペックがあればこんな無様な結果にならなかったのに!』だとさ」

 

呆れてものも言えん。

 

1週間何やってたんだという話である。

 

「「「ええ……」」」「底が見えたと言うか……ねぇ……」

 

簪ちゃん、楯無、虚さんが困惑し、のほほんさんが路端の石を眺めるような目で頷いた。

 

『続けて織斑とオルコットだ』

 

入ってきたのは女姿の一夏だ。

 

……ストーキングされてるし女姿の頻度も多いし、なんか貞操の危機を感じる。(なお非童貞)

 

2人の会話でオレは眉をひそめた。

 

「……一夏の専用機、ブレオン(剣や刀だけの武装)機体なのか? ピーキーにもほどがあるだろ」

 

「え?何をなおなおは聞き取ったの?」

 

「……『刀だけなんて織斑先生の真似ですか?』『量子化のキャパシティが殆ど無い上、用意された装備がコレしかないから』『ふざけてますの?』『私もそう思う』だって」

 

「でもなおなおは、せっしーが圧勝するとは思ってないみたいだね?」

 

「……セシリアには弱点がそこそこあるし、一夏は戦闘とか戦う時にスイッチ入ると急に思考が冴えたりするからな」

 

その言葉とともにブザーが鳴り響く。

 

バーニア吹かし、地面スレスレで高速移動を繰り返して翻弄する一夏。

 

対して地上からそれなりに距離を置き、睥睨し、ビット兵器とライフルで攻撃を行うセシリア。

 

さながら龍虎相打つといったところか……。

 

「……あれ? おりむーのシールドエネルギー減ってない?」

 

「あ、本当だ」

 

「あり得るのは被弾による減少だけど……」

 

「でも被弾してない時でも減ってるのは……あり得るのは単一仕様能力(ワンオフアビリティ)ですけど……?」

 

「……」

 

あり得るのは武装がシールドエネルギー垂れ流しにする代わりに推力を上げてるか、武装に強力なバフをかけてるかだが……束が仕上げとして半ば強奪からの調整かけたから後者の気がする。

 

そう考えてる間に仕掛けた一夏。

 

「!? 掠っただけで1割くらいへった!?」

 

「つまりあの武器、自分のシールドエネルギー吸い上げて相手に大ダメージ与えるロマン兵装……!?」

 

「短期決戦特化な武器ね……」

 

「そしそうなら被弾すれば活動時間も縮まるし、せっしーが限りなく苦手な相手ってことになるね」

 

「ぱっと見は一夏が不利だが……勝ち目はまだある」

 

 

 

 

 

 

――Side 織斑一夏

 

「まだ……終わってない……!」

 

雪片弐型を構えて目標を捉える。

 

「認めますわ、織斑一夏さん。貴方は才能がある。でも――だからといって先達として簡単に負けられませんのよ!」

 

ビットによる斉射を避ける。

 

そして4つのビットから飛んでくる3次元的攻撃を躱していく。

 

……?

 

なんで()()()()()()()()()()()()()()()()んだ?

 

「……一か八か!」

 

瞬間加速を駆使し、翻弄するように周囲を駆け回っていき――ここっ!

 

「――!」

 

目を見開いたセシリアの胴に一撃が――

 

突然の試合終了のブザーが鳴る。

 

『織斑のシールドエネルギーが底をついた。この試合はオルコットの勝ちだ』

 

「――後少しだった」

 

「ええ、あと少しでした」

 

あと少しで――

 

「「私が『勝っていた/負けていた』かもしれなかった」」

 

声が重なる。

 

しかし勝敗は確定し、私が負けた。

 

「――貴女のこと、侮辱したことは謝りますわ。」

 

私はその言葉に目を丸くする。

 

「私に届きうる力、知識の差を直感で迫り、気迫の差で、私をココまで追い詰めた。貴女ならクラス代表と言われても、文句言いませんわ」

 

でも、私も研鑽しますから、足踏みしないでくださいませ

 

そう言って彼女は私に肩を貸した。

 

周りの人たちは拍手や健闘を称えるように歓声を上げていた。

 

……なんか、燃え尽きた気がする。

 

「……貴女天上院さんとの試合残ってますわよ?」

 

あっ……そういえばそうだった。

 

「……シールドエネルギー補充の手伝いしてあげますから、さっさとその燃え尽き状態から立ち直ってくださいな」

 

「アッハイ」

 

 

 

――Side 氷室直哉

 

 

最後に天上院と一夏の試合だが――。

 

「……一瞬だったな」

 

「だねぇ」「織斑さんのシールドエネルギー全回復無駄だったのでは?」「否定できないわねぇ」「……ノーコメントで」

 

アリーナの壁にめり込んだ打鉄装着したのか夫を観ながら何とも言えない雰囲気でA組以外去っていく。

 

一夏が手を差し伸べたがのか夫はそれを跳ね除け、逆上して殴りかかろうとしたが――一夏はナチュラルに回避した。

 

結果、顔から見事にスライディング。

 

……もはや見る意味はないな。

 

 

 

クラスにて投票がされ、セシリアが辞退したことにより、一夏がクラス代表になったが……言うまでもない話だったかもしれない……。

 

ちなみに氷室云々は昼休みから向こう、複数のアカウントから該当の動画類に大量の通報が連打され、いくつものサーバーが落ちたとか落ちなかったとか。

 

……まあ……もはやどうでもいいことなので、すぐに忘れることにした。

 

 

 

――Side 天上院のか夫

 

屈辱極まりない。

 

専用機に乗れさえすれば、あんな欠陥機に乗った織斑やビット使用時棒立ちなオルコットなんかボコボコにできたのに……!

 

コアがポンコツなんだろう。そうに違いない。

 

打鉄のコアと取り替えればきっと……。

 

僕は『まだ負けてない』んだから……。

 

 

 

 




のか夫用の専用機『審判者(ジャッジメント)(のか夫命名、商標登録済み)』
武装
左肩グレネードランチャー
右肩ハイレーザーキャノン
右手サブマシンガン
自律駆ビット「ソルディオス・オービット」×4
有線式遠隔攻撃端末 インコム×2、リフレクターインコム×1
サブ武器
ショットガン、ヒート・ロッド

装甲からスラスター、武器まで最高級の特注品。
打鉄のコストがガンダムでいうボールなら、コイツにかけられた製造コストはビグザムくらい……だとか?(製造関係者談)

備考
更識簪から回収したコアが使用されている。
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