一応後でまたありますが今はゲルニック。
総力戦編 第8話です、お楽しみください
エリドゥ サージタウス格納庫にて…
「トリニティ自治区に巨大魚ですか?」
電話の向こう側から聞こえるトリニティ生徒の言葉に『点検』の手が止まる
「………魚の種類は?一目見てどんな魚に近いですか?」
「鯨です」
…!
「鯨…」
『はい、その…信じていただけないかもしれませんが巨大な鯨が宙を浮いて陸に…』
「いえ、信じます。こんなくだらぬ嘘を言う理由は思い当たりません
今その巨大魚はどうしていますか?」
『正義実現委員会によりますと陸八魔アルというゲヘナ生の方が宥めて海に帰らせたそうです
これも不可思議な話ですが人語を介する魚だったらしく…』
「………ふむ」
犬や雀が二足歩行で歩き、会話をする世界ですが魚の類は見たことがありません。彼女の反応から見ても魚までは喋れないと見ていいでしょう
であるならその魚はキヴォトス由来のものではなく…
『危険かどうかも分からずこうして報告した次第です』
「放置で構いません、こちらから危害を加えなければ無害な生物なので放っておきなさい」
確か…アユルダーマ島周辺の海域で人語を介する鯨の魔物が群れで生息しているという話を聞いたことがある。
生前に調査する余裕はなく、また調査できたのも魔獣体として復活した後。
なんらかの理由で絶滅したのか結局その群れは確認できなかったが仮に生き残りがいて、それがキヴォトスに流れ着いているとすればあの世界の魔物がトリニティ自治区にいることになる
「報告ご苦労様です、何かあればまた連絡をお願いします」
『はっ!』
通話を切り、再びAIの点検へ
どうやって世界を渡ってきたかは気になりますが特に気に留める必要はないでしょう
ティーパーティのように利用価値があるわけではなく、果実のように危険な存在でもない。
対処は文字通りヒマな時に行うとしましょう
むしろ急を要するのはこっち…
「アウルさん」
「ヒマリさん、例のコソ泥は見つかりましたか?」
「ええもちろん、この超天才病弱美少女ハッカーにかかればすぐにでも。」
相変わらず毎回微妙に変わる肩書きが鬱陶しいが実際に彼女が天才であることに変わりはなく、またこの手の人間は言葉を遮られると変な拗ね方をすることが多いのでスルー、続きを促す
「サージタウスのパーツを強奪したのはカイテンジャーと名乗る指名手配犯…
どうやら彼女たちそのまま本拠地に戻ろうとしているようですね」
「本拠地の場所は分かっていますか?」
「勿論です、端末にお送りしますね
──ところで」
コソ泥どもをどう料理しようか思案を巡らせようとするアウルにヒマリが待ったをかける
「なんです?」
「サージタウスのパーツは全てエンジニア部とヴェリタスが共同で管理していました
持ち出すには現部長であるウタハさんとチヒロ、それぞれ2人の許可が必要です
無断で持ち出そうとすればリオのガードロボットが検知し、迎撃するはず」
「回りくどいのは嫌われますよ、つまり何が言いたいんです?」
「……パーツ保管庫のセキュリティシステムがハックされ、全ての警備システムがダウンしていた…これをやったのはあなたですね?」
ふむ、気付きますか。別に隠すつもりもありませんがね
「ええ。今回の起動実験はミレニアムの技術を知らしめるだけではない。素体となったキラーマジンガ…そのかつての持ち主を炙り出すためでもある」
少なくとも本来の持ち主にとってエンジニア部がS・キラーマシンを建造できたことは完全な誤算だったはず。
それが分かっていればエンジニア部ごと囲い込み、マジンガを手元に置いておいた方が選択肢は広がる
「それくらい分かります、実際にキラーマジンガの性能の高さはこの目で見ていますからね
私が言いたいのはこの明星ヒマリと調月リオが共同で組んだセキュリティを15分と掛からずあなたが突破しているということです!」
おや、ハックにやたら時間が掛かっているとは思っていましたがまさか2人が手を組んでいたとは…
ふむ、これは予想外。
「無断で改ざんしたことは謝罪します。ですがこの撒き餌は必要経費…今はサージタウスの部品を取り返すことに集中しましょう」
「っ………」
というかあの2人が作ったセキュリティを15分で突破できると考えればかなり凶悪ですね彼女。本来そういう意味で名付けられたわけでは無いでしょうが『鍵』と言うだけはあります
エンジニア部へ引き渡したのは早計だったかもしれませんね
「…分かりました。では早速追撃隊を編成しましょう、すぐにC&Cに召集を。」
「待ちなさい、編成はこちらでやります。C&Cを出す必要はありません」
より正確に言えば『出せない』と言った方が正しいか
「っ?なら誰を連れて?」
「ゲーム開発部と手空きのセミナー部員に召集を。これ以上の戦力は必要ありません、シャーレ戦力と彼女たちだけで『対処』します」
生前のゲルニックは軍師や帝国将としての肩書きの他に諜報部隊の長とかもやってそうだなぁと思っている作者のルルザムートです、ハイ。
さてそろそろ総力戦の断片が見えてきました、もちろんカイテンジャーと戦って終わり…ではありませんがまずは戦隊ヒーローとの戦闘へ。
それではまた明日…