ワカモを正式にシャーレ所属にしたいというのとカヤを動かしたいのでね…
総力戦編 第10話です、お楽しみください
「出向いていただきありがとうございます、カンナさん」
「いえこちらこそご協力感謝します」それでは
イオナズンによってあっさり無力化されたカイテンジャー達をカンナ率いるヴァルキューレに引き渡し、これにて後始末も完了。
ワカモさんのように脱獄する可能性もありますが当分放置でいいでしょう。さて
兎にも角にもまずは向こうの状況確認である。
ええとネルさんの電話番号は…よし
「そちらの様子はどうです?」
『特に何も起こってねぇな。…なぁこれホントに必要だったのか?』
「必要ですとも、格納庫の見回りありがとうございました」
通話越しにお礼を言い、帰路に着く
…奪われたパーツも特に問題なく回収できている。というかパーツを奪う気はあまり無かったらしい
あのサイズの兵器は当然部品一つ一つも大きい、本気で盗む気ならまず先に地下鉄の1つでも乗っ取って運ぶはず
本命は別動隊…カイテンジャー相手に戦力が偏ったところでカイテンジャーを雇っている第三勢力──おそらくマジンガ本来の持ち主がサージタウスを奪うつもりだったのでしょう
「ネルさんの様子から襲撃は無かったようですが…」
未だ正体の掴めない相手だがあまりおおまっぴらに表を歩けない存在であることは確定だ。そしてC&Cが警護する格納庫へ強行手段を取らないどころか足跡さえ見せないあたり余程の慎重派か、根性無し…おっと?
見覚えのある顔が近付いてきている、思案はいったんここまでにしておきましょう
「おみごとです、鳥山アウルさん。流石はギュメイ先生からシャーレの留守を任されているだけはありますね」
「おやおや、防衛室長ともあろう方が…こんな煤汚い場所に来るものではありませんよ」
撤退するヴァルキューレと入れ違いでやってきたのは…カジノの件でも注視していた連邦生徒会防衛室長の不知火カヤ。
チーム超人でしたっけ?ゴレオンさんの次にフザけた名前だったんでよく覚えていますよ
変装はしていたがこの名義で出場していたのはFOX小隊のメンバーで間違いない
結局1回戦目で棄権していたので実力は測れませんでしたが
「いえいえ、本来指名手配犯と戦うのはヴァルキューレや防衛室長である私の管轄なので」
不知火カヤ、彼女もまたキヴォトスの民でありながら女神の果実とその力を知る人物の1人である。
ではここで疑問なのは誰が彼女に果実の存在を教えたか、だ
「キヴォトスは広い、例えそのような役割だとしても全ては対処しきれないでしょう?
シャーレとして、これくらいはお手伝いさせてください」
しかしこれについてはまだ答えが出ない、何かしら彼女の後ろにいることだけは確かですがいくらワタクシといえど痕跡ゼロでは追いようがありません
ま、近々事を起こすでしょうしそれ待ちですねぇ
「それでは私たちのいる意味が無い…と言いたいところですが到着が遅れてしまい、結果全て対処していただくカタチになってしまってはそんなことも言えませんね。感謝しておきますよ」
…それならヴァルキューレかFOX小隊だけを派遣すればいいものを。自分自身が来て『やった感』を出しているだけでは?そもそも護衛も連れずにアナタが単身で来ているのはサージタウスが目当てでしょう
無能な…誰が彼女を防衛室長にしたんですか?
「お心遣い感謝します、ところでこの後ワタクシ達はミレニアムに戻り、再度サージタウスの起動実験の準備に取り掛かりのですが…もしよろしければ見学されて行きますか?」
「…!ええ、是非。」
サージタウスというエサに予想通り食いついた彼女を連れて撤退準備。
奪われたパーツおよびカイテンロボの残骸を回収し、ミレニアムへ。
…アビドスの時は包囲を作って嬲るだけのお遊びでしたがこうもしっかり指揮を取ったのは久しぶりですね、やはりワタクシにはこちらの方が合っている。
「──では帰りましょうか」
▽▲▽▲▽
『ゆ、ゆるさん…!ゆるさんゆるさんゆるさん!ぬああああっ、モモイっ!!ゆるさんぞぉぉ!!!』
「ぎょわあああっ!?来るなバケモノおお!?」
「落ち着いてくださいバルボロ──うわっ!?」
・・・戻ってくるなりなんですかこれは
真っ黒なモモイ──の姿をしたバルボロスが喰い殺す勢いでモモイ(本物)を追いかけ回しており、それをアリスがしがみついて止めようとしているが彼女の力を持ってしても止まる気配が全くない
また相当頭に血が昇っているらしく、ところどころ変化の杖の効果が破れかかっている
頬や手に竜の鱗が浮き上がっているのは当然で、瞳はナイフで縦に咲いたような鋭い竜の瞳、全身から蒸気のように闇の魔力を隆起させ、怒りで興奮気味の口からは闇の炎が溢れ…
うん、まごう事なきバケモノですねコレは
「はいはいどうどう、相手は子供ですよ?少しは落ち着きなさい、何があったんです?」
『ええい黙れ!何もかもモモイのせいだ!き、キサマ…!何が【ハッピーエンドの王道RPG】だ!?なぜ…善良な者ほど苦しめられている!?救いはどこに行った!?』
? ゲームの話ですか?
「ええっ!いやまぁでもさ?ちゃんと最後にはハッピーエンドだよ?あのゲーム…」
『失ったものが多すぎるわ!!!』
「だってある程度鬱展開とかないとハッピーエンドが軽くなりそうだし…っていうか闇属性なのにやたらハッピーエンドにこだわるのはなんで?」
『こだわったら悪いのか!人──じゃない、竜を属性だけで判断するな!
あと帰って来たユズに聞いたぞ…!お前が私の反応を面白がってよくゲームジャンルを誤魔化している、と…!』
「わっ、ユズのバカ!秘密だったのに──うっ!?ぷ、あはははっ!頭だけドラゴンに戻ってる!まるで【どうぶつのもrギャッ!!!」
・・・ほっときましょう
頭部だけ竜に戻ったバルボロスに攫われてゆくモモイさんを笑顔で見送り、兎にも角にも起動実験の準備へ
ユズさんが放り出したせいで今日のために用意された工程が8割吹き飛んだらしい。
まー問題があったのはユズさんの人見知りなのでウタハさん達に責任追及するのはやめましたがそれはそれ、疲労困憊なところ申し訳ありませんが(←思ってない)ヴェリタスとエンジニア部…全員叩き起こすとしましょう
ええとあと何かやることがあった気がするんですが…なんでしたっけ?
「おっと電話が…もしもし?」
『鳥山アウル…様、わ、私たちカイザー兵はこの後何をすればいいでしょうか』
──ああ思い出した
「元理事さんの仕事はもうありません、部隊と一緒にカジノに戻りなさい」
相変わらず態度の悪さが隠しきれていない元理事との通話を切り、すぐに別の携帯電話を呼び出す
「………もし?こちらクライアントですが」
『──ん』
「決行を許可します。来週の頭あたりにでも潰しておきなさい」
『ん、分かった。』
ドミールの民とグレイナルの関わりを見るに打ち解けたらバルボロスも(ある意味)人に対してフランクになれそうだなと思っている作者のルルザムートです、ハイ。
カジノ編ラストで見せたモモイの悪巧み通りに彼もゲーム開発部部員として馴染み始めました
竜というだけで良くも悪くも特別扱いされてきた彼ですがそんな様子を見せないモモイ達のおかげでアリス以外にも心を開き始めています
それではまた明日…