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【私を呼び覚すのは誰だ…?】
【私は会計とフトモモの神、ユーカドレアムなり…】
モモイ王
「おお…!で、では来月の予算を…」
ユーカドレアム
【私は誰の命令も受けぬ】
【ただ全てを『ヌ♡』に帰すのみ】
モモイ王
「ぎょえーーっっ!!」
うーん前話との落差がすごい。
・・・総力戦編 第12話です、お楽しみください
「……………」
心臓の鼓動がやけに大きく聞こえる、息苦しいし汗が止まらない
確かにこんなことモモイ達に任せるわけにはいかないがそれとは別に私…早瀬ユウカはここに来たことを深く後悔していた
なぜなら今私の肩にはミレニアムの未来がかかっていると言っても過言ではないのだから
日付はサージタウス起動実験から1週間が経過し、場所はゲーム開発部の部室。
目の前には双六マネーゲーム『ミレニアムストリート』が表示されたゲーム画面。手元には手汗でぐしゃぐしゃになったコントローラー。
そこまではいい、問題なのは一緒にいる生徒である。
まず右を見る。
「……………」チラ
「キキ…トリニティのトップとあろう方が随分と慎ましい店を建てたものだ
おっと勘違いしないでくれ、私は好きだぞ?」
──ゲヘナ学園のトップ、万魔殿議長である羽沼マコトが私と同じようにコントローラーを握って画面に向かっている
今度は左を見てみる。
「……………」チラ
「ええ、いずれすぐに突き放しますよ」
──トリニティ総合学園のトップ、ティーパーティホストの桐藤ナギサがこれまた私と同じようにコントローラーを持って画面に向かっている
さらに向こうを見る
「おやユウカさん、顔色が悪いですが大丈夫ですか?」
連邦生徒会防衛室長、不知火カヤがまたまた同じようにコントローラーを握っている
要するに今、私は、ゲヘナとトリニティそれぞれのトップ、さらに連邦生徒会の重鎮を交えてゲームをしている
ゲームを、しているのである!
他学園のトップなんて1人でも持て余すのに…
うう、お腹が痛い…
それにどちらかと言えば『こっち側』だと思っていたカヤ防衛室長がすんなりトップ2人と打ち解けているせいで私の居場所がない!
「キキ、早瀬ユウカ?次はお前の番だぞ」サイコロを振れ
「え、ええ…」
──サージタウス起動実験のためにはユズにもう一度搭乗してもらう必要がある
だがあの子は極度の人見知り…特に他学園のトップ2人が直接見に来ていることは相当こたえたらしく彼女のために見物人を可能な限り遠ざけなければならない
『直接見にくるのだけはやめてほしい』…そんな要望を叶えるため、色々と理由をつけてトップ2人+防衛室長を連れ回していたのだがこともあろうにモモイが──
『ユウカじゃん!そっちの2人がゲヘナとトリニティのトップ?後ろのは…分かんないけど良かったら私たちの部活に寄ってかない?』
重大さをよく分かっていないアリスとモモイ、その後ろで重大さをしっかりと理解して真っ白になっているミドリとバルボロスの助けを借り、なんとか普通にゲームをするだけで済んでいるが──いやもう、済みそうにない
「お、ユウカすごい!1位じゃん!ねーねー、そこの分かれ道右に行ってナギサさんのお店を5倍買いしちゃえばもっと有利になるんじゃない?」
「そ、そうね、あはは…」
『モモイよ…プレイしてるのはユウカだからあまり口出ししない方が…』
「キ?5倍買いとはなんだ?」
「アリス知ってます!5倍買いというのは持ち主のいるお店でも5倍のお金を出せばムリヤリ買収して自分のものにできる手段です!」
「ほう?つまり金の力さえあれば他人の店でも奪い取れるというわけか」
なるほどなるほどと納得するマコトの前にもう後戻りができないと悟り、モモイの言う通りにナギサの店を5倍買い、他校のトップがコツコツ増資して育てた店を奪い取った
「やったー!エリア独占だよユウカ!」
「っ…いえ、ここからです。この5倍のお金で巻き返しを…!」
「あ。5倍買いされた人には3倍分しか入らないよ。2倍分は手数料で消えて無くなるから」
「 」ピシッ…
お願いだから黙っててと怒鳴りたくなるのを押し殺し、再びサイコロを振る
出目は1
だがこのゲーム、普通の双六と違い出目が高ければいいという場面はあまりない、むしろ場合によっては連続で小さい出目を出した方がいい時がある
「おや、ユウカさんの店ですね
増資するんですか?」
カヤさんがそう聞いてくるが勝つことを考えるなら増資一択である
このゲームのルールは主にお金を集めること…サイコロを振り、止まったマスのお店を購入し、そこに他のプレイヤーが止まることで買い物料として収入を得る。
もしくは株を使ったインサイダー取引や数は少ないが特殊なお店を建てられる空き地マスを使って誰よりも早くお金を集めてスタート地点に戻れば優勝だ
が、私は勝つ気が無い。下手に大勝して他校のトップの機嫌を損ねるようなことがあればセミナーどころかミレニアムがとんでもないことになる
「え、ええ、どうしようかしら…」
「何言ってんの!株価爆上げの大チャンスじゃん!ついでに今奪ったばかりのお店を防衛するチャンスでもあるし増資一択だよ!」
「そう、ね、増資するわ」
「パンパカパーン、増資により株価が上がりました!ユウカは1枚11ゴールドの株を198枚持っていて、今の株価が17ゴールドなので儲けは…ええと」
「わ、私の店が…」
「え、何言ってんの?
もうあなたのお店じゃないよ(笑)」
だから私はモモイに頼んだ。『やるならいい勝負ができるパーティゲームあたりにして』と
ええ、確かに。普段ゲームをやらない私でも『いい勝負』ができている
お金を集める双六ゲームと聞いてルールやコツもすぐに掴んでしまった私は他3人を圧倒し、いまや優勝目前だ
──いや違うでしょ!?
これではただ他校のトップ(それもゲーム初心者)をボコボコにして内心ほくそ笑むセミナー会計である。
理想としては良い感じに拮抗し、終盤で逆転され3位、行ってもギリギリ2位とかそれくらいがよかったのに…!
なんとか上手い具合に負けようとしてもアドバイスという名の横槍を入れてくるモモイのせいでそれもできない
実際にアドバイスが正しいせいで実行なければ八百長だとバレてしまうからだ
「──ええ、次は私の番ですね」
引き攣った笑みを浮かべ、どこから取り出したか理解できないティーカップで紅茶を飲みながらナギサさんがボタンを押す
出目は6
「おっと、そこから6というと」
「・・・あっ」
「・・・」プルプル
「え?あ。」
たった今私が増資して成長させたばかりのお店にナギサさんのキャラクターが止まっている
元々の持ち主であるナギサさんが増資し、更に今私も増資したことで買い物料がハネ上がり、ナギサさんの総資産、およそ8割が私の懐に転がり込んだ
あれではもう逆転もできない、せいぜい誰かが優勝するまでなんとか破産しないように耐えるくらいしかやれることがないだろう
「あ、2位に上がりました」
「キキ、3位か」まあいい
良いトコロのお嬢様らしくコツコツ丁寧に増資や株の売り買いをして稼いだお金で2位を維持していた。だがユウカの放った2手、たったの2手でその殆どを失い最下位に転落したナギサは──
「き………!!!────ふふ、お強いですね早瀬ユウカさん」
笑っている。額に青筋を浮かべ、私に笑いかけている!!!
「というかナギサさんがあんまり強くないだけじゃない?もっとどーん!と勝負しないとさー」
「お姉ちゃんお願いだからもう黙って…!」
ミドリの言う通りにもう本当に黙っててほしい、私は涙が出てしまいそうだ
あああ…!起動実験が問題なく始まっていればこんなことにはならなかったのに…!エンジニア部、ヴェリタス、どっちでもいいから急いで…!
ヒナやホシノもいいけどユウカこそたくさん甘やかすべきなのでは、と思っている作者のルルザムートです、ハイ。
実はまるまる一章使ってゲーム開発部メインでい◯だきストリートのゲーム大会を開く話を書こうかと思ってたんですが流石に(ドラクエキャラが出演したことがあるとはいえ)ドラクエから離れすぎかと思ったので今回チラッと描写して終わりにしました
それではまた明日…