ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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・・・現キヴォトスに存在する神の破片はサージタウスを含め2つ。
総力戦編 第15話です、お楽しみください


機神起動

「あ、あの!これ本当に合ってるんですか?オペレーターなんてやったことない、ですし…」

「これが正しい人選です。小難しい操作自体はリオさんとヒマリさんが、指揮はワタクシが出しますのでお2人は言われた通りにバックアップを。」

 

「そーだよミドリ!せっかく頼られてるんだからドーンとやろうよ!」

「逆にお姉ちゃんはなんでそんなに自信満々なの!?」

 

 

 

一時期、第2のゲーム開発部部室として扱われていたエリドゥタワー最上階。

今再び防衛都市の管制室としての機能を取り戻したそこに彼女達は再び戻ってきたのだ

 

 

 

『第一、第三脚部調整完了』

『内部電源の充電完了』

『予備武装、積み込みよし』

 

『新コンソールの連動完了…あの、このオモチャみたいな制御盤で本当に大丈夫なんですか?』

「パイロットの要望よ、それでいいわ」

 

 

 

『ヒマリ先輩、こちらアリスです!配置につきました!』

「バルボロスは?」

『ここにいるぞ』

 

「分かりました、左側に見える装置に光の剣を置いてください。横から差し込むようにすればはめ込めます」

『分かりました!』

 

 

 

「予定通りミレニアム全域の電力供給をカット、全てのエネルギーを第一次給電システムへ」

『了解』

 

 

 

 

…起動まであと3分ってところでしょうか

「さぁバケモノ退治といきましょう」

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

『第二、第四脚部調整完了』

『姿勢制御AIとの連動完了』

『格納庫のゲートを開くんだ!天窓も全開放しろ!』

 

 

 

「────」

 

 

 

飛鳥馬トキのバトルスーツと似た装いに身を包んだ少女はサージタウスパイロットコアの中で静かに震えていた

 

 

 

…やっぱり怖い

 

 

 

こんなことならあの時逃げ出さなければよかったと後悔するがもう遅い。謎の怪物『ペロロジラ』がここを目指して侵攻してきている

 

私の役目はただ1つ、アリスとバルボロスが駆けつけるまであの怪物を足止めすること──

 

…できるの?私に?初めて乗る巨大ロボットで、訓練も無しに?

 

 

 

以前と違い、衝撃吸収用の水は既にない。私のわがままを通して用意してもらった操縦桿を使うためには必要なことだ

でも少しでも失敗すれば、私はなんの守りもないまま──

 

 

 

「うう…」

震えが止まらない、何もできない、何もしたくない

 

 

 

そもそも私は…スーパーエージェントでも凄腕パイロットでもない、知らずにテストを受けて、偶然良い成績が取れたただのゲームプレイヤーにすぎない

 

このロボットだって理由もわからずただちょっぴり動かせただけだ

そ、そんな私にこんな、みんなを守る役目なんて荷が重すぎるよ…!

 

 

 

『大丈夫!ユズならできる!』

「ひゃっ…!?モモイ?」

 

オペレーターが交代したって聞いてたけど、まさかモモイが?

『私もいるよ』

「ミドリ!」

 

 

 

『ペロロジラだっけ?見た感じ動きは鈍いし、それにユズが倒す必要はないんでしょ?

ゲームのイベント戦と一緒だよ、ハメ技で一方的にボコりながら時間が来るまでただ待てばいいだけ!ね!』

『お姉ちゃん、いくらなんでも励ましが雑すぎ──いや、いっか。私もユズならできると思う』

「────うん」

 

 

 

不思議だ、普通なら『無責任なことを』と怒る場面なのだろうがそんな気は微塵も湧かない

むしろ少し安心した自分がいる

 

まだ恐怖は残っているけど、逃げ出したいとは思わない

仲間がいる。背中を支えてくれる仲間、私を信じてくれる仲間が。

なら──逃げるわけにはいかない!

 

 

 

『最終確認終了!』

『格納庫作業員、退避完了!』

『エリドゥ全ゲートを解放!』

『ええわかったわ。…ユズ、行ける?』

 

「はいっ!」

 

『了解、カウントダウンを『カウント省略!メイン接続!』

『ちょ、お姉ちゃん!?』

「構わない!やって!」

 

 

 

もう迷いはない!私は、みんなを守る!

 

 

 

兜のような隙間から赤いモノアイが覗く。

2つの腕、2つの補助腕に4つの脚…人と馬の特徴が合わさった、さしずめケンタウロスを思い起こさせる機体が呼吸を始めるように動き出した

 

 

 

欲望を秘めた悪しき者に魔神へと改造された

『神の一部(責務)

ウタハ達の手によって一度その姿を取り戻し、そこから数多の手を渡った神は今別の神として此処に在る

 

 

 

 

 

──それはなぜだ?

 

 

 

 

 

キヴォトスは創造神の創った世界ではない。女神も、天使も、滅ぼすべき人間も、作り直す世界も無い

にも関わらず『腕』と『責務』だけがこの世にあるというのは、神とはまた別の誰かの気まぐれか?

 

 

 

それは誰にも分からない。機神自身にすらも。

ここにあるのは責務だけ…

──お前はこれが何なのか知っているか?

 

 

 

『・・・知るわけないでしょう』

 

 

 

冷たい声に一蹴されてしまった。だがいずれにせよ今の自分に自由意志は無い、責務は人によく似た彼女達に引き継がれた

 

これが最後の記録。おそらくこの先、機神に神の力は残らない。意思も残らない。

だがそれでもいい

 

 

 

諦めではなく、安心のままに責務は僅かに残った最後の神の力を放棄した。ここから先は神の名を借りた、ただの兵器しか存在しない

 

ただ見守る…ああ──

これが正しい神の在り方か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ!ペロロジラが海岸に上陸!』

来た…!

 

 

 

『ユズ!』

『ユズ!お願いします!』

『やっちゃえ!ユズっ!!』

『自信を持て、お前に足りないのはそれだけだ』

 

 

 

「っ…うん!!いってくる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サージタウス、発進っ!!!




サージタウスみたいな『対集団戦』に特化した巨大ロボってほとんど無いよね、と思っている作者のルルザムートです、ハイ。

機神サージタウス、ようやく起動!ああーサージタウスクソカッコいいんじゃあ!
そして散々悩んでいたパイロットですがユズに乗ってもらいました、絶対つよい(確信)

それではまた明日…
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