総力戦編 第16話です、お楽しみください
『──わしゃあなぁ、荒事とは無縁でいたいのよ』
空中をフワフワと漂いながら、数百年生きた魔物は気怠そうに呟いた
仲間と共に海を泳ぎ、ヘルダイバーや海賊気取りのウーパーを腹一杯食べ、時折人間が催す祭りに顔を出しては海の恵みと陸の恵みを交換する
特に美味かったのは…ああ酒じゃサケ!その中でもドミールという村から来た男がくれたサケは格別美味かった!
キヴォトスにもあるかのう?もしあればよし、なくとも新しいサケを探す楽しみができる、故にわしゃ──
『今だけは望んで戦うこととしよう──ほりゃっ!』
呼び寄せた大波で小さなペロロジラどもを押し流し、ついでに地面ごと奴らを抉り吹っ飛ばす
むぅん、少々討ち漏らしがあったか。ここは若者に任せるとしよう
幸いここはリゾート地で人間の避難も終わっている。人間の住処を壊してしまう恐れはあんまり無い。たぶん、まぁ、ちょっと、だいぶ壊してしまった気はするが。
『ほーれ小僧、出番じゃぞー』
『がうっ!!ぶわわわっ!』
ぬるりと起き上がろうとするミニペロロジラ達を例の娘っ子のしもべが丁寧に氷漬けに。
見たところまだ生まれて3ヶ月も経っていない、赤ん坊同然だというのに頼りになる小僧じゃわい、カッカッカ
「っ、今よハルカ!」
「はいっ!」
ミニペロロジラを氷で叩き割ると同時に、後ろに控えていた便利屋メンバーがペロロジラに総攻撃。後先考えず強力な爆弾を惜しみなくぶつけられ、足の鈍ったペロロジラから黒い肉片が飛び散っていく
それらも先と同じようにミニペロロジラとなって復活していくが海のヌシにとってそんなもの敵ではなかった
『少々陸に上がりすぎたのぅ、これ以上波を呼ぶのは陸の生物に良くありゃせん』
ミニペロロジラを呼び寄せた波ごと凍らせていたおかげで一方的な無敵ゲームでしか無かったがもう同じ手は使えない
とはいえその巨体から放たれる一撃一撃は奴らを吹き飛ばし、轢き潰し、薙ぎ払う。
波を呼ぶことはもうできないがこれならしばらくは戦える
「アル様!ムツキ課長がもう爆弾の残りが無いと言っています!わ、私の残りもあまり…
すみませんすみません…!私がもっと用意していれば…!」
『しゃちょー!かよこもばくだんがもうないっていってる!』パタパタ
むぅ、ムスメっこ達の武器が保たんか。はてどうしたものか
ムスメっこが言うにはもうすぐ切り札がここに来るらしいが…と、誰か来たようじゃの
▽▲▽▲▽
「既に戦っている奴らがいると思えばお前らか、どーりで誰も知らないはずだ」
「ギャッ!あ。あなたは確かカジノで戦った…」
「ミレニアムサイエンススクールC&Cリーダーの美甘ネルだ
コイツらは同じC&Cの仲間。」
「よろしくね〜」
で。早速本題に入りたいんだが
『そぉら!小僧の番じゃぞ!』ばしーん!
『がうがうがうっ!!』ずしーん!
ミニペロロジラを薙ぎ倒しまくってる例の犬(?)
と──
「・・・また怪獣を社員にしたのか?」
「エッ、いや誤解『そうじゃぞー、ワシはムスメっこの…アルの【しゃいん】じゃ!ワハハッハ!』
ああ、そういう…
しどろもどろなアルとゲラゲラ笑いながらミニペロロジラを薙ぎ倒しまくる鯨のバケモンに状況を理解。
『ピュピュイ、うわぁちっちゃい!きみなんさい?』
………ついでにクソ生意気な鳥まで隣にいればもう確定だ
「…お前、変な動物を引き寄せる何かを出してるんじゃねーか?」
「そんなことない、と…思うけど…どうかしらね、あはは…」
まぁいい、ここからはアタシらの出番だ
『ザザッ…社長!そろそろ爆弾が尽きる!』
「カヨコ!ムツキも戻ってきて!…ごめんなさい、後を任せてもいいかしら?」
「おう、もちろんだ。そのために来たからな!」
それにしてもペロロジラっつったか、近くで見るとマジで気持ち悪ぃな。黒いって言っても半透明で不気味だし…
「まぁいい!アスナ、アカネ!やるぞ!カリンは援護だ、ブッ潰──『待てっ!!近付くでない!』
衝撃波のような巨大魚の咆哮に一瞬たじろいでしまうネル達。何がなんだか分からなかったが直後すぐそばを凄まじい光が駆け抜けて──
【ギラグレイド】
「どぉわぁっ!?」
ペロロジラへ一直線に叩きつけられた火花が一気に拡散し、その巨体を覆い尽くすレベルの炎が炸裂。爆弾とは比にならないほどのダメージが叩き込まれた!
い、今のはなんだ!?誰がやった?
攻撃はあっちから…
▽▲▽▲▽
「見た?あれこそがサクラコ様の真の力…!」
「トリニティを、いいえ!キヴォトスを統べるに相応しい方だと今!サクラコ様自らが証明されたわ!」
「や、やっぱり芝居じゃなかったんだ…!世界を滅ぼす、大天使…!」
「ほら怯えてないでサクラコ様に祈りなさい!」
「サクラコ様!サクラコ様!」
「・・・」
ペロロジラ上陸地点から数キロ離れた丘の上、本当は2人だけ…というか1人と1冊だけでひっそりとアルさん達を手伝うつもりでしたのに…
うう、どうして…どうして…
『・・・キミ苦労してるんだねぇ
はい【ギラグレイド】っと』
本から飛び出す火花と眠気を隠し切れない同情の声、だがサクラコには正直気休めにもならない
「大賢者さま、誤解されない魔法とかありませんか…?」
『んー?んー、魔法はないけど手段はあるよ?
でも面白いからこのままでもいいじゃない、いっそ本当にボクの弟子になってみようよ!
似合うと思うなー、サクラコくんは「ワタクシの友人に馬鹿なことを吹き込まないで貰えます?」
背中に氷を流し込まれたと錯覚するような恐ろしい声、今まで優しい声しか聞かなかったから余計に驚いた
「アウルさん!?な、なぜここに…」
「最上位呪文が放たれれば1発で分かりますよ、誰が撃ってたかは直接見なければ分かりませんでしたが…」
『おー、その気配はガナン帝国の将校かな?そして魔力の気配があるってことはゲルニックくんか!
平然とルーラも唱えてたみたいだし…うん、ボクが見ない間に随分と呪文を身につけたねぇ、勝手にボクの日記を盗み見たキミがこんなに強い魔術師になるなんて…うーん出身が出身だから素直に喜べないなぁ』
がし
『あ。あー!投げないでほし『メラゾーマ』
怒りで顔を真っ黒にしながら手元の本をひったくっていく彼女。
そのまま止める間も無く丘の下に本を投げ捨て…そして燃やしてしまった
「だ、大賢者さま!」
「確かに彼は術師として超一級ですが人となりは世界中の凶悪犯罪者が顔を引き攣らせながら石を投げるレベルのクズです。真面目に取り合わないように」
だからって燃やすなんて…
そんな考えを読み取ったのかゲルニックさんがチラリと視線を送るとそこには…
『わぁー、こわいこわい!帝国将が怒った〜』キャッキャッ
本の身体を鳥のようにして羽ばたかせ、どこかへ消えていく彼の姿が…
あ、あの人自分でも動けたんですか!?『ペロロジラを止めるためにボクを運んでくれ』などと言っておきながら…
「はぁ…目撃者の記憶は消しておきます。これ以上サクラコさんは戦わなくていいんです」
「しかしあそこでは今も戦っている人たちがいるのでは?」
「心配いりませんよ」
ドゴラッ、ドゴラッ、
っ?この音は…
「あとは彼女に任せて離脱しましょう、ここは荒れますので。」
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◆ 有人仕様型超巨大決戦兵器サージタウス
ペロロジラとの交戦を開始
サクラコ様が最上位魔法を振りかざしてたらラスボス飛び越えて負けイベボスの風格があると思っている作者のルルザムートです、ハイ。
常にお眠な大賢者ですがキヴォトスというどこを見ても知らないことばかりの世界を目にしたことで完全に眠気を吹き飛ばしました
それと…作者の主観になってしまいますが本の中の大賢者は端的に言って『光属性だがクズ』だと思って書いてます
だ、だって…フォロボス討伐した後『まだ仕留めきれていない』とか言いながら気にしてる様子無いし…そもそもガナンの本棚にいたのにガナンのこと全く喋らないし…
もし彼にCVつくなら櫻井◯宏さんか石◯彰さん、童磨成分多めな宮野◯守さんかなぁって…
それではまた明日…