ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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また新しい感想を貰っちゃった!!
そしてお気に入り数が100人行きそう…!?

…ええとホシノに関して『果実による精神汚染』の心配をしていた読者の方がいましたが少なくとも『汚染はない』とだけ
某学院の創設者が1番目に見えて分かりやすいですが彼も果実で我を失っていたことはあっても追加クエストで様子を見ると元からあんな感じでも全然違和感無いですし…

っていうのを書いてたんですが全てのプレイヤーが追加クエストの存在知ってるわけじゃないっていうのを指摘されて改めて気付きました
自分はたまたま現役ドラクエ9プレイヤーの集まる場所で追加クエストを持っている方から配布してもらえたので遊べましたがそう思うと追加クエストの知識前提の展開は少し控えた方がいいのかな…
とはいえ主人公がギュメイ将軍である以上、ベクセリアとガナンの追加クエスト、『お受験に協力』『ベクセリアのなぞ』『さまよえる王』『名を奪われし王』の内容だけは前提として盛り込ませていただきますのでご了承ください
・・・お受験に協力はいらねぇか…

さて本編へ。ギュメイ先生が倒れたため、カイザーへの基地へはギュメイ抜きで行くことに…
というわけで対策委員会編第8話です、お楽しみください
(今回は幕間もありますヨ)


後輩のために

「…ぐ…?」

いつの間に眠っていたのか、自身に掛けられたベッドシーツを引き剥がして起き上がる

 

「! 起きた!セナさーん!起きたよ!ギュメイ先生が起きた!」

「ここは医務室です、叫ばないでくださいユメさん」

 

 

 

ひぃん、といつものように引っ込むユメ

──まさか我が眠っている間ずっとそばに?

 

それに周りの景色は見たことのないものだった、見たところ医療施設か何かのようだが

窓の外は真っ暗で外の様子を伺うことはできない、今は夜か…

 

 

 

「…ユメ、お前が助けてくれたのか?我はどれだけ眠っていた?」

「丸1日以上だよ!あと助けてくれたのは私じゃなくてゲヘナの人!」

 

「ゲヘナ救急医学部部長の氷室セナです、ギュメイ先生の話はチナツから聞いています

気分はどうですか?」

 

薬品の匂い…この生徒は医者か

 

「…撃たれたとは思えないほど普段通りだ、感謝する」

 

 

 

撃たれた時に感じた背中に突き刺さる灼熱の痛みは綺麗さっぱり消えていた。

元の世界でもベホマ、ベホマズンといった相当高度な回復呪文を使わない限りここまで完全に治る事はない、やはりキヴォトスの技術は目を見張るものがある

 

 

 

「そうですか、弾丸の摘出は終わっていますが傷の治癒には時間がかかります。当分は安静にしてください」

「いやそれには及ばん。ユメ、ホシノは?」

 

 

 

風紀委員会と激突した後の話を我は知らない。

が、こうして我がゲヘナの医学部に担ぎ込まれ、またアビドス生のユメが平然とゲヘナ内にいるのなら少なくとも和解はしているはずだ

 

ならば次に知るべきは今のアビドス、というよりホシノだ。

暴走とも呼べる行動を起こした彼女は今何をしている?

 

 

 

「ホシノちゃんはシロコちゃん達とアビドス砂漠に行って…さっき帰ってきたって

カイザーPMCの人と何かあったみたいだけど…」

「ホシノは我について、何か言ってたか?」

 

「何も…でも今はみんな先生の味方だよ、ホシノちゃんも自分が間違ってるってきっと気付いてくれたから

だから、その…先生、もう一度アビドスに力を貸してください!」ぺこっ

「分かっている、すぐにアビドスに向かうぞ」

 

 

 

刀と服を確認してベッドを起き上がる──と、すかさず横から別の手がギュメイの身体をベッドに押し戻した

 

 

 

「セナ医学部長」

「セナで構いません、それよりあなたをここから出すわけには行きません

先も言いましたが当分は安静にしてください、先生は生徒とはダメージへの耐性が違う、ショットガンを至近距離で受けて死ななかっただけでも奇跡に近いのに今動けば命に関わります」

 

 

 

淡々と事実を述べてゆくセナ

無表情ではあったがそこにはギュメイを気遣う優しさが確かに見えた

 

 

 

「心遣い感謝する、だが我は行かなくては

それに撃たれた痛みも完全に無くなっている。これなら大丈夫だ」

「ですから立ち上がっては──いえ待ってください、立ち上がっても痛みは無いんですか?」

「? そうだが…」

 

 

 

実際痩せ我慢でもなんでもなく本当に痛みが無い。当初我はこれがキヴォトスの医療技術によるものかと思ったがセナは疑惑の視線でこちらを見つめている

 

 

 

「…傷を見せてください」

「ああ」

「………なっ…!」

 

 

 

背中側の服を捲り上げて傷を見せた、何故かユメも一緒に覗き込んできたがその両名が驚きの声を上げる

当然だ、だって──傷が無かったのだから

 

 

 

「どうした?」

「傷が、無くなってる」

「跡も残ってない…ゲヘナの医学部ってすごい…」

 

「い、いえ、確かにゲヘナ救急医学部の能力は高いと自負しています。しかしこんな1日で傷を治せる技術を我々は持っていません」

「え?それじゃあ…」

「………」

 

 

 

『〜女神の果実で肉体を復元して〜』

 

 

 

心当たりのある言葉が浮かび、これ幸いと立てかけてあった刀を取る

 

「ともかく傷が無いのなら残る理由は無い

セナ、そして我の命を救ってくれた医学部…この恩はいつか返す

…行くぞユメ!」

「うんっ!」

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

 

「──分からない、ギュメイ先生はどうやって傷を治したのでしょう?」

キラッ

 

「うん?これは…」

 

ギュメイ達が出て行った後、セナはゴミ箱に見覚えの無い小瓶を見つけた

 

何かの葉っぱが入っている…薬でしょうか

しかし薬になる植物でこんな葉は見た事がない

なんなら小瓶も医学部で使われているものではなかった

「…少し調べてみますか」

 

 

 

 

 

〜

 

 

 

 

 

夜も更けてきたころ、ようやくギュメイとユメはアビドスの校舎へと到着した

夜も遅いから明日にしないか、とも提案したがホシノが我らを待っているらしく行くことに

 

…相変わらず道案内は信用できないので今回はマップをバージョンアップしたアロナに頼んだが。

 

 

 

「ホシノちゃん!」

「ユメ先輩、と」

「…ホシノ」

 

「先生も来たんだ、残念だけどシロコちゃん達は帰っちゃったから話があるなら明日に

「ホシノちゃん」

「………うん」

 

 

 

相変わらず嫌われてはいるが敵意や殺意は感じない、どうやらユメが説得してくれたらしい

 

 

 

「その、私が悪かったよ。たくさん助けてもらったのに信じないばかりか殺そうとまでして…ごめんなさい」

「いやいい。我も少し突き放しすぎた

これまで戦うことしか知らなかった男だ、やり方を間違えていたのだろう

すまなかった」

 

「うんうん、やっと仲直りできたね!えらいよホシノちゃん!そして許してくれてありがとう、ギュメイ先生」

 

 

 

ぎこちないながらも握手を交わし、席に座る

 

 

 

「その、さ…ギュメイ先生」

「我を敵視した理由は言わなくていい、言いづらいことなのだろう?

…今はアビドスだ」

「ありがとう。…ところで怪我は大丈夫なの?撃った私が言うのもおかしいけど」

「完全に治癒している、ゲヘナの医学部は我の想像以上に優秀なようだ」

「…そっか」

 

「それじゃあ3人揃ったところで!私からお話があります!」

「今からか?てっきり和解のためだけにシロコ達のいない時間を選んだかと思ったがアビドスの話なら彼女達もいた方が…」

 

「うん、今から!と言ってもすぐに終わるから大丈夫だよ」

「? なんですかユメ先輩──」

 

 

 

ピラッ

 

 

 

「ホシノちゃん。──これなあに?」

 

ユメが机に取り出したのは1枚の紙だった、無論白紙ではなく何か印字されている

「これは…」

 

退学・退部届け…!?

 

 

 

「シロコちゃんがホシノちゃんの鞄から出てきたって言ってたよ

既に名前が書いてあるし、印鑑も押されてる

これを出すところに出したらホシノちゃん、学校に居られなくなっちゃうよ。…ホシノちゃん教えて、これなあに?」

 

 

 

「………」

俯いたままホシノは答えない、髪の隙間からわずかに見えるオッドアイは書類すら見ず机の一点を見つめている

 

 

 

「──アビドスが、嫌になっちゃった?」

「違う!…違うんです先輩」

「うん、なら…話してくれる?」

「………実は」

 

 

 

〜

 

 

 

「カイザーPMCに身柄を置く代わりに借金の半分を…?」

「うん、というかスカウト自体は2ね──以前からあったんだ、ずっと断ってきたけど…

今日のこともあってさ、他に何も思いつかなくて…どうしようもないって思ったら…手が動いててさ」

 

 

 

9億の半分を諦めてまでホシノ1人を…?いや元々利息で膨れ上がっただけならカイザー自体に損失は無い、しかしそれを差し引いても半分…

 

我がガナン帝国将だった時も他国からのスカウトは確かにあった、中には頭金だけで一生何もせずとも暮らせるほどの額を出す国も。(当然全て蹴ったが)

しかし…

 

 

 

既に2回本気になったホシノと戦っていたギュメイだったがどうにもその条件に違和感を拭えなかった

正直言ってホシノは確かに強いがそれほどの大金を引き換えにするほど戦略的価値があるとは思えない

 

 

 

「うん…どうしようかなって今も思ってるよ

だってもう八方塞がりで「すまないホシノ、少し静かにしてくれ、思案する」

「うえ?いきなりだね先生」

「ホシノちゃん、少し待ってみようよ」

「………」

 

 

 

欲望を、辿る…

 

 

 

さっきも少し聞いたがカイザーPMCはアビドス砂漠で『宝物』を探していると言っていた

我は今まで女神の果実を探しているかと思っていたがどうもそうでは無いらしい

 

そしてそのために腕利きの兵士を集めているとも…そのためにホシノを?

ばかな、いくらホシノが強くとも4億以上掛けるなど理にかなっていない。ならばその分を兵器や新しい兵士に回した方が余程効率的だ

 

ならば4億出してでもホシノをアビドスから引き抜きたい理由は──引き抜く?

 

 

 

「ホシノ、提示された条件をもう一度教えてくれ、一字一句間違いなく」

「え?…私、小鳥遊ホシノがアビドス高等学校を退学してカイザーPMCに身を置けば借金の半分は肩代わりするって…」

「他は?」

「いや無いよ、提示されたのはこの条件だけ」

 

「………くそ、連中め」

「ど、どうしたのギュメイ先生?」

 

「ホシノ、その条件は受けるな。お前がアビドスから消えれば復興の目処は完全に無くなる」

「で、でもこの9億の借金の半分が無くなるんだよ!?受けるなってのは分かるけどでも他に方法が「分からんか、それをやったらその場で終わりだと言ってるんだ」

 

 

 

「ひぃん、分からないよ…ギュメイ先生どういうこと?」

 

「…最初カイザーはヘルメット団をけしかけてここを攻撃してきた。次は便利屋…この時我はいなかったがヘルメット団の後に雇った以上あの4人組も相当な手練だろう

だがそれも返り討ちにした、直接見たわけではないがその撃退にホシノは大きく貢献しているはずだ」

 

「…確かに彼女たちは強かった、私がいなかったら負けてたかもしれない」

 

 

 

「カイザーの狙いは傭兵としてのホシノを確保することではなく、アビドスに現存する邪魔な敵勢力であるホシノを排除することだ

言っては悪いがカイザーPMCが本腰を入れてアビドスに侵攻してきたらホシノ無しでは半日と持たん

下手すればカイザーはヘルメット団や便利屋を使ったようにお前を使ってアビドスを攻撃するぞ」

「そんな…」

 

 

 

4億という額を引き換えにするのも納得だ、ホシノは子供だが仮に戦闘能力のみを基準にするならばガナン三将の一席に割り込んで来れる程の実力者…少なくともこの若さでここまでの武力はゴレオンやゲルニックはもちろん我にも無かった

 

仮にホシノが後先考えず本気でカイザーPMCと戦うと決めれば連中もただではすまない

間違いなく4億以上の損失を被る

 

 

 

「確定した、奴らの狙いはアビドス侵攻の邪魔になるホシノの排除だ

この条件を受ければそこでアビドスは終わりだぞ」

「………はぁ、やっぱりそう美味い話は無かったか」

 

 

 

迷いがあったというホシノも消沈、『カイザーに身を置く』という選択肢は完全に消えたようだ

 

 

 

「でも、どうしよう…来週までに3億円も用意しないといけないし…」

「保証金か…──ホシノ、ユメ、これは本来部外者である我の考えだ。殴りたければ殴ってくれても構わない」

 

「へ?」

「…アビドスを捨ててシャーレに来い、もちろんシロコ達も一緒に」

「ギュメイ先生っ!!!」

 

 

 

ホシノが掴み掛かった、いつもなら止めようとするユメも動かない

…それほどギュメイの発した言葉は彼女達にとってどんな暴言よりも酷いものだった

 

 

 

「──すまぬ、弱音を吐いた。忘れてくれ」

「! …ご、ごめん」

 

「…このことは明日考えよう、今日は休むんだ」

「──うん」

 

「我はシャーレに戻る、2人は?」

「私は…なんかもう動きたくなくなっちゃったからここで一夜過ごすよ、ユメ先輩は?」

「………」

 

 

 

…?

 

 

 

「ユメ?」

「──ううん、なんでもないよ。私はシャーレで休んでもいいかな?」

「ああ構わんが…ホシノ、やはり家には送ろう

ここに1人残していくのは…」

「いい、また明日ここで会おう」

「…分かった」

 

 

 

そこで我らは解散し、ホシノは校舎に、我とユメはシャーレに戻ることに。

そしてその途中──

 

 

 

「ごめんギュメイ先生、さっきはあんなこと言ったけど…やっぱりホシノちゃんが心配だから戻るね」

「大丈夫か…?街灯も機能していない暗闇で迷子になったら流石に探せないぞ」

「もう!一本道だよ?」

「・・・シャーレの部室で遭難しかけてたのにか?」

「ひぃん…」

 

 

 

しょんぼりする背中を見送って1人シャーレに戻るギュメイ

流石にヘルメット団の彼女もアウルもいなかったがおかげで静かに眠れそうだ

 

「…休むか」

 

 

 

 

 

そして翌日、アビドスにて──

 

 

 

 

 

「おはよう先生」

「おはようホシノ、本当に学校で一夜過ごしたんだな…身体は大丈夫か?」

「うん、まぁ慣れっこだからねぇ

…ところでユメ先輩は?一緒じゃないの?」

 

うん?

 

「彼女なら昨夜やっぱりホシノが心配だからと途中で引き返して行ったが…」

「──え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幕間

ゲヘナ救急医学部を訪問したとある者について

 

 

 

時は遡りホシノの銃撃によってギュメイが倒れた少し後…

 

「…………」ガチャ

 

ゲヘナ救急医学部。食い込んだ弾丸の摘出と手当てを終えてベッドに眠るギュメイの元に訪れた者がいた

 

「…………『ラリホーマ』」

 

その者が何かを呟くと部屋にいた生徒達は次々と眠りに落ち、患者も医学部員も関係なく寝息を立て始める

 

「………」コツコツ

 

邪魔者がいなくなって改めて周囲を見回し、目的の人物を見つける

もちろんシャーレの先生、ギュメイだ

 

 

 

「こんなところで倒れられるとは予想外でしたよ、この知識は果実に無かった…

やはりあなたは運命を変える分岐となり得る存在です」

 

眠ったままで言葉を返さない彼に構わず話し続ける

 

「本来あなたのために用意した物ではありませんが…まだギュメイ先生を失うわけにはいきません」

そう呟くと懐から小瓶を取り出し、蓋を開ける

中には透き通った水に浸された小さな葉が入っていて…

 

 

 

「…………」トクトクッ

 

 

 

全てひっくり返してなお雫程度しか無かった液体、それがギュメイにかかった瞬間みるみるうちに彼の傷が塞がっていく

 

「…! これが『世界樹の雫』…ここで使ってしまったのは惜しかったかもしれませんね

まぁいいでしょう

…あなたにはまだ役目があります、こんなところで寝ている場合ではない」

 

 

 

空になった小瓶をくず籠に投げ捨てて医学部を出る

「とはいえ手を貸すのはこれきりです、シッテムの箱のパスワード及びこの治療が私にできる精一杯…

道の舗装くらいはやってあげますがそれ以外はご自分でなんとかしてください

『レムオル』」

 

 

 

来た時と同じように姿を消し、万魔殿本部へと足を向ける

「………何か掴んでいると都合が良いのですが」

 

 

 

あの白い竜がグレイナルだとすれば表裏一体であるもう1頭の竜、バルボロスも間違いなくキヴォトスのどこかに現れている

合わせて確保すれば間違いなく強力な武器となり得るが果たしてどこにいるのか…

 

 

 

「…地道に探すしかありませんね」

本来自分がこんな場所まで出てくるなんて想定していませんでしたが…確定した破滅の未来を回避するためには致し方ないこと

 

「──あのような未来を回避するためなら、私はどんなことでもやりますよ」




はぁ…はぁ…かっ、書きたい…!キラーマジンガという未知の兵器、未知の技術を前に目が血走り、興奮が抑えられないエンジニア部が書きたい…!と仕事中思っていた作者のルルザムートです、ハイ。
(でもマジンガ様って9じゃなくて6の魔物なんだよね…)

最後の人物と2頭の竜ですが対策委員会編ではこれ以降出てきません
(竜に関しては話題にはあがるかも?)
当初、続きを書かないまま終わらせようと考えてた時は果実の力で身体を治した設定にしようかと思ってましたがよくよく考えると願いを叶えたあとの果実に癒しの力が無いことは9のボス達が証明してますしこれでよかったのかなと
それではまた明日…
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