ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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前話のラストで文字を大きくしてたはずが何かをミスって記号だけくっついているとかいうポカをやらかしてしまった…
教えていただいたおかげですぐに修正できましたが投稿後に気付くというパターンがなかなか無くならない…
総力戦編 第18話です、お楽しみください


2度と作れぬ勇者の一撃

「────」

 

戦士は待つ。ただ静かに、葉から雫が零れ落ちるのを今か今かと待つように。

 

 

 

『第一次充電完了、続いて第二次!』

『超高電圧放電装置、誤差認められず』

『電力収束までの所要時間を逆算したよ!転送するね!』

 

 

 

戦士の証を示す竜の鎧に後付けされた少し大きめの機器、そのスクリーンに表示された残り時間。

 

 

 

「あと3分…」

 

 

 

究極魔法剣【ギガスラッシュ】…勇者にしか使えないその必殺剣を再現できるのはアリスしかいない、そう言われた彼女は二つ返事で引き受けた

 

アリス自身、この異常事態に心が躍っていた

勇者であり竜戦士である自分の使命がついに来たのかと

 

電力という科学の源が消えたミレニアム学園の中心部で、勇者とドラゴンは時を待つ

 

 

 

『うっわ、すっごい!ユズすっごい!もうこのままユズがやっつけちゃおうよ!』

──え。

 

『お姉ちゃん、回線間違えてるよ。それアリスとバルボロスの…』

『あれ?あらまホントだ』

 

「モモイ、モモイっ、そっちはどうなってるんですか!」

 

 

 

今か今かと待ちながら結局出番無しで終わってしまうのはあまりにあっけなさすぎる

 

 

 

『え?ユズがペロロジラ相手に一方的無敵ゲームをね…』

『はいはい、余計なこと言ってアリスさんのコンディションを下げないでくださいね

──アリスさん』

「は、はいっ!」

 

『心配せずともアナタの出番は必ず回ってきます。

時が来たら剣を取りなさい、この作戦の鉞はアナタ以外には務まらない…

仲間を信じて待つんです、いいですね?』

「はい!」

 

 

 

信じて、待つ…

 

 

 

『………鳥山アウル、念のため我々の動きをもう一度確認しておきたい』

「! アリスも!アリスも確認したいです!」

『ええいいですよ』

 

 

 

バルボロスの提案に乗っかって作戦の再確認。

まずミレニアム全域の電力を1次、2次、3次と各段階に分けて集中。

 

アリスの隣にある──『超高電圧蓄電装置』…ぱっと見た感じ伝説の剣を祀る祭壇みたいな機械に集められ、そこにはめ込まれた光の剣にエネルギーが充填される。

 

光の剣にはギガスラッシュ発動のための電力はもちろん、確実に当てるために一部アビ・エシェフの機能も搭載してあり、アリス自身まだ実感は沸いていないがリオ曰く『ゲーム序盤のチュートリアルのように簡単』らしい

 

あとはバルボロスの背に乗ってペロロジラを奇襲、全ての攻撃を避けながら究極の魔法剣を叩き込むだけだ

 

 

 

『ギガスラッシュとアビ・エシェフの同時使用によりミレニアム全域が停電するほどの電力が必要になりましたが…ええ、この一撃にはそれだけの価値があります

──電力充電が終わりました、心の準備はいいですか?』

 

 

 

ジャコン、と祭壇の固定が外れて光の剣が差し出される

世界を守る伝説の剣…勇者にしか扱えないそれを、天童アリスは手に取った

 

 

 

っ…!

 

 

 

無理な改造をしたせいか、光の剣の様子がいつもと違った

バチバチと今にも爆発してしまいそうなほどエネルギーをたぎらせ、冷却しきれていないのか銃身(刀身)も熱い

 

 

 

…だからこそ、勇者は奮い立つ

 

 

 

「──はい、この一撃を持ってアリスは世界を救います…!バルボロスっ!」

『ああ!行くぞ!』

 

竜戦士の鎧に身を包んだ勇者の使命、それを果たすべく彼女はドラゴンの背に乗ってソラをかける

 

 

 

アニメの早送りみたいに過ぎ去っていく景色、鎧越しに感じる風圧、下から伝わる竜の体温

 

これまでただの観光や移動でバルボロスに乗った時とは違う、速度はもちろんそうだが何より重みが違う

 

竜の背に乗って向かう決戦の地では今も仲間が戦っている

天童アリスという勇者を信じて待っている

 

故に自分は、その想いに応えるんだ

 

 

 

『ペロロジラまで、残り11000!』

『アビ・エシェフ起動!軌道計算開始!』

『光の剣、電力解放まで残り13秒』

 

『アリスっ、ゴチャゴチャ考える必要はないよ!ただ思いっきり、叩っ斬ればいいんだ!』

「──はい!」

 

 

 

組み込まれたアビ・エシェフから未来の動きが頭に直接届く

それこそリオが言った通りチュートリアルのよう。剣を構え、振り上げ、映像と同じように身構える

 

 

 

──見えた

 

 

 

はるか遠方でペロロジラとサージタウスが戦っている!

『ペロロジラまで残り3000!』

『ユズ!退いて!』

『軌道計算完了、光の剣を!』

『電力解放!アリスっ!』

 

 

 

本当の意味で剣となったそれから放たれた電気エネルギーが刃を形成し、眩く輝いている。

 

 

 

『!!』ビカッ!

ただならぬ気配を感じ取ったのだろう、ペロロジラの標的がこちらに変わった

 

『遅い!』

 

だが当たらない。目、口、背部、全ての怪光線を勇者を乗せたドラゴンは避け切って懐に潜り込む

ドラゴンの役目はここまでだ、あとは──

 

 

 

『っ、今だアリスよ!叩き込めッ!!』

「────」

 

 

 

一切の魔力を持たぬまま、技術と電気で再現された究極の必殺剣。

2度とは作れぬ勇者の一撃は──

 

 

 

「っ!【ギガスラ【メラゾーマ】

 

 

 

「────え?」

 

 

 

あれ、なんで、アリスは…光の剣を手放しているのでしょうか

どうしてアリスの身体は動かないのでしょうか

どうしてバルボロスから落ちているのでしょうか

 

 

 

「あ」

 

 

 

アリスの身体が地面に激突するより早く、ペロロジラのビームが迫る

 

こんな、はずでは──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや、ホントにやるとは…」

 

 

 

いやあの局面で手を出します?フツー…ペロロジラが脅威なのは分かり切っていることですし。

倒さないとキヴォトスの未来も危ういことだって分かっていると思ってたんですが…

 

 

 

これでも一応連邦生徒会の防衛室長、これ以上の手出しは看過できませんが…まぁ意図は分かります、要するに使わせろってことですよね?

 

 

 

「ホントにもう…困った陛下(お方)なんですから」




実はカヤも結構好き、な作者のルルザムートです、ハイ。
最近振り返ってみると『進歩状況を報告する』といっておきながらTwitterで全然呟いてなかったので総力戦編の投稿が終わったら1週間のうちのどこかの曜日を決めて報告するようにしようかなと
日程を作らなかったのがマズかった…

それではまた明日…
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