ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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もうこの時点でガナサダイの出番がドラクエ9本編の出番より多いとかいうバグ。
総力戦編 第20話です、お楽しみください


再臨

──ふざけている

 

 

 

『詳細不明の物質が機体に侵食してます!』

『っ、リオ!』

『人命最優先!パイロットコア射出!』

『了解…──っ!?ダメ!信号が届かない!』

 

 

 

なんてタイミングで邪魔をするんですか

 

 

 

『サージタウスの命令権が書き換えられていく…!?』

『パイロットは!』

『バイタルが…な、なんだこれ…!?こんなことあり得ない…!

花岡ユズのバイタルがデータ化できません!』

 

 

 

「ええ、やってくれましたね不知火カヤ」

この非常事態にも関わらずエリドゥ最上階のバルコニーで気怠そうに外を見つめるカヤへ杖を突き付ける

 

「──失礼、なんのことでしょうか?それに杖は人に向けないほうがいいかと思いますが」

「黙りなさい」

 

 

 

『ユズ!ユズ!機体は捨てて逃げて!』

『各部機能が低下しています!既に内部可動域の7割が機能停止に…!』

 

 

 

「もう誤魔化しも茶番もいりません、アナタの背後にいる男を出しなさい」

「はて、男…とは?」

「────っ」

 

ここに来てまだとぼけるカヤの足元に1発メラミを撃ち込む

………やはり

 

 

 

『リオ様!部長が…!』

『呼び戻して!いくらネルでも無策で近付いていい相手じゃないわ!』

 

『例の巨大魚と便利屋の番犬が攻撃してますがまるで効果が…』

『どうしよう!?どうすればいいの!』

 

 

 

「いきなりメラミを撃つなんて危ないですよ、火傷したらどうするんですか」

 

果実どころか呪文の名前まで知っている、そしてさっきアリスさんを撃ち落としたメラゾーマの魔力──大賢者の時とは違う、ワタクシのよく知る質の魔力。

紛れもなくあの男。実の父を暗殺し、ガナンの暗黒皇帝として君臨した支配者──

 

 

 

「──ガナン帝国の皇帝…ガナサダイを呼びなさい、もしくはアナタを炭になるまで焼いてから──自分で呼びに行きます」

 

「おや、そこまで分かっているとは…困りましたね…」

そう言いつつまるで困った様子を見せないカヤに苛立ちを抑えきれず、ひとまず半殺しにしてしまおうと決心した瞬間。

 

「ほう、ゴミの分際で呪文の知識はおろかガナン帝国のことまで知っているとはな

ギュメイの入れ知恵か?奴は余程キサマを気に入っているようだな」

 

 

 

圧。300年前と変わらぬ威圧感を放つ男がバルコニーに降り立った

 

「これはこれはガナサダイ皇帝陛下、まさかお越しくださるとは」

「しばしこやつと話をする、席を外せ不知火カヤ」

「は…」

 

 

 

…果実で蘇った時のような巨体ではない、パッと見た感じ少し髭が長いだけの普通の人間が帝国の王服を纏って鎮座している

 

だがこうして相対しているとそれが背伸びをしただけの人間ではないという圧が痛いほど伝わってくる

 

やれやれまったく、本物ですねぇ

 

 

 

不幸中の幸いか彼…ワタクシがゲルニックだということには気付いていないようですが。

 

ガナサダイ自身それなりの術師ではあるがあの世界から失われているモシャスのような呪文は流石に知らなかったらしい

 

 

 

「──それで?こんなコスいマネまでしてなんのつもりですか?

キヴォトスを滅ぼしたいというのなら納得の選択ですが…ガナサダイという人物像がギュメイ先生から聞いていた通りならそんな馬鹿な動機ではないでしょう」

 

「くく、ガナンの皇帝たる余を前にして軽口を叩くか、ゴミにしては肝が据わっておる

どうだ?キサマも余に仕えぬか?」

「ご冗談を、私が従うのはギュメイ先生だけです」

 

 

 

っ、自分で言ってて胸糞悪いセリフですねぇ

 

 

 

「そうか?まぁいい、質問に答えてやろう

…余はキヴォトスを滅ぼしたいのではない、創り変えたいのだ

余が支配するに相応しい帝国にな

そしてそのためには女神の果実が必要になる」

 

「女神の果実?」

「ん?知られているとばかり思っていたが…シャーレ所属だというのならこれを見たことはあるはずだ」

 

 

 

…!

 

 

 

我が物顔でガナサダイが差し出したのは──4つ目以降行方が分からなくなっていた女神の果実だった

 

ブラックマーケットで回収した果実と同じ力の波動を感じる…間違いなく本物ですね

 

 

 

「これがアリスさんの妨害をしたこととなんの関係が?」

「これを使ってもう一度ギガスラッシュを撃たせろ」

 

………

 

「…そんな果実1つで何ができるんですか」

「白々しい、キサマはここエリドゥで見ているはずだ、天童アリスが果実を使おうとした時のことをな

あの力があればギガスラッシュは再現できる、違うか?」

 

 

 

なぜそれを…?確かにあの時この場所にいた人間なら知ってはいますがすぐにシャーレ権限で箝口令を敷きました

モモイさんですらことの重要さは理解していましたし誰かが漏らしたとは考えづらい──いや

 

 

 

「………」

 

 

 

1人──というか1匹いる。エリドゥに飛来した生物が。

 

…グレイナル、あの時はマダンテを放とうとして途中で逃げ帰っていったがそもそもの話グレイナル1匹だけで襲撃してきたこと自体が奇妙だった

グレイナルやバルボロスの状況を伝えるスパイが忍び込んでいたとしても不思議ではない

 

とすれば裏からグレイナルを操っていた黒幕は──

 

 

 

「余はいずれ全ての果実を手中に収め、キヴォトスを第2のガナン帝国として造り替える…

そのためにこの果実の力を知っておく必要がある、その実験をキサマらシャーレにやらせてやろうというわけだ」

「………そのためにせっかく手に入れた果実をシャーレに引き渡すと言うのですか?」

 

「シャーレの頂点はキサマではない、今は不在のようだが余がギュメイに命じればいつでも手元に戻ってくる…

分かるか?キサマがギュメイに従っているというのならそのギュメイが仕える余こそ王──いや神なのだ

それを理解した上でこの果実を持ってゆくがいい」

 

 

 

──確かに、ガナサダイの命令なら彼は首を縦に振るしかない

…しかし妙ですね

 

 

 

「くく、仮にキサマらがしくじったところでガナンの未来は変わらぬ

ゴミなりに足掻くがよいわ」

 

キメラのつばさを放り投げ、再び姿を消すガナサダイ。

つばさの残骸がヒラヒラと舞う光景を見送りながら、喉の奥に引っかかった小骨のような違和感を分析する

 

 

 

傲慢、徹底、臆病、ワタクシの知るガナサダイは一度手に入れた力をたとえ一時的にでも他人に譲り渡すなどあり得ない

 

彼自身がここまで姿を現したことも奇妙な話です、今の話もカヤさんにさせれば済むはず…

 

──カヤさん以外にも彼の手足になっている人物がいますね?

それも相当信頼を置かれている参謀がついている…

 

 

 

『っ?!サージタウスが吹き飛ばされた!?』

『わ、わ!まっすぐここに飛んでくるよ!』

 

 

 

直後鳴り響く轟音と共にエリドゥ敷地内にサージタウスが墜落、遠方からはバルボロスがボロボロのアリスさんを乗せて逃げ帰ってくる姿が…

 

 

 

『なんで?どうしてサージタウスが…』

『疑問は後よ!パイロット救出急いで!』

 

 

 

──今はこっちを片付けましょう

 

 

 

色々と考えたいことはあるが答えが出ようと出まいとまずはペロロジラを撃退しなければどうにもならない

そう結論し、ワタクシは果実を懐へ。バルコニーを後にした…




もしリメイクされるとしたらストーリーが終わった後でもゴレオンだけは生き残りそうだと思っている作者のルルザムートです、ハイ。
というわけでギュメイ不在のままキヴォトスが追い詰められるという最悪の展開となりました。
あっちはあっちでミノリとクーデターやってますがさてさて…

それではまた明日…
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