ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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総力戦編もいよいよクライマックスへ!
で、これの次はカルバノグ行こうかと思ったんですけど実はここに来てまだメインストーリーを後回しにしようとしている心が…
これについては後書きに書きますがマジでどうしよう…?
総力戦編 第25話です、お楽しみください


《王女》ではなく、それは

「ケイ!?ケイってあの時アリスを乗っ取ってたあのケイ!?」

「多分──いや間違いないよ」

 

アリスと同じ声でアリスのことを『王女』なんて変な呼び方するのは彼女しかいない

アリスが勇者になると決めたあの時、光の剣で吹き飛ばされて消えたと思ってたけど…

 

 

 

「何が何だか分からないけど今しかないよ!アリス、ギガスラッシュの準備を!」

「っ、はい…分かって、います!」

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

《────っ!》

 

 

 

先の戦闘で大破したサージタウスは修復措置こそ取られていたものの、アウルが受けた報告のようにほぼハリボテだった

 

ところどころ装飾や塗装が欠けたり掠れて無くなっているのは当たり前で、主力武装である二対の専用ボウガンも破損したために【シャイニングボウ】といった特殊な武装はもちろん、通常の兵器ですら使用不可。

 

強みである可動速度も脚部の致命的損傷により4割以下にまで低下しており、なにより左腕は主力アームと補助アーム共に損壊したままで装着されていない

 

今の武装はケイが格納庫の隅で見つけたアバンギャルド君用のシールドがぎこちなく動く右主力アームに無理やり取り付けてあるのみ

 

 

 

あまりに無謀である。横槍があったとはいえ万全の状態で挑んだユズでさえああなったのだ、ケイもそれは分かっていた

だからといって引き下がるわけにはいかないのだが。

 

 

 

『────』ビカッ

《っくう…!》

 

 

 

2発目の怪光線をシールドで無理やり逸らすが色彩ペロロジラの怪光線を何発も防御できるはずもなく、シールドの耐久力は既に融解秒読みだ

 

 

 

《させ、ません…!》

 

 

 

駆動系が酷く壊れた脚部を酷使して色彩ペロロジラとの距離を詰める

もちろんその間も3発目4発目と撃ってくるがそれもなんとか逸らしきってあと少し──

 

 

 

ドロ…

《っ…!》

 

 

 

5発目の光線を受けたことでサージタウスに見合わぬ小さなシールドは完全に融解。

チャンスと言わんばかりに6発目が放たれようとするがこれ以上撃たせてなるものか。

 

 

 

唯一の装備すら無くなった以上、もうできることは特攻のみ。

ユズの戦闘を見ていたことで断片的に色彩の脅威は知っているがここで下がれば王女は守れない

 

ほんの少し足りない距離を無理やり詰め、途中機体に1発ビームを受けながらも頼りない右アームで色彩ペロロジラの顔面を殴り付けたことで8発目を阻止。

 

口の中で行き場を失ったエネルギーが炸裂し互いの肉片と部品が砕け散らばってゆく

 

…ここまでやっても色彩の警戒対象はアリスから変わっていないらしく、もはや眼中に無いと言わんばかりにサージタウスを押し退けようと巨体をぶつけてくる

 

 

 

《ぐあ…!?く、あ、ああああああ!!!》

 

 

 

無いに等しい装甲が砕けてゆくのも構わず半開きになったペロロジラの口を引っ掴み、力任せに地面へ引き倒す

高熱による融解と色彩による侵食、それがアームを伝ってサージタウスを破壊していくが従者は一瞬たりとも怯まない

 

 

 

【警報:外部衝撃及び解析不能のエネルギー侵食により機体の致命的損壊を確認。脱出猶予は──】

《うるさい…!うるさいうるさい!!ここで退けるわけがないでしょう…!》

 

 

 

格納庫での話はこちらにも聞こえていました、ここで退いたらあの女は間違いなく王女ごとこの場所を薙ぎ払う!

以前喰らったメラゾーマという火球より100倍強力な呪文で!

 

 

 

バキンッ…

《っ!?》

 

【警■:外部から■析不能■干渉■■て】

【被害■況:■腕■壊、及■未確■■】

 

 

 

限界を迎えたのか最後の腕も破壊され、ダルマのように無防備になった機体をペロロジラの腹を裂いて現れた金の蔓が捕縛。

 

限りなく黒に近い紫色の染みが装甲板を貫通し機体と現パイロットを完全に乗っ取ろうと侵食し始め、サージタウスの機能も、データ体のケイも、全てが色彩によって書き換えられようとしていた

 

 

 

──それでも

 

 

 

《あああああ!!!止まれぇぇぇ!》

《この侵略者ぁぁぁ!!!》

 

 

 

最後の動力を振り絞って両前脚で思い切りその巨体を踏み付ける

苛立つように次々と放たれた怪光線が機体を貫ぬくもケイはまったく力を緩めない

 

殴り倒す腕も撃ち倒す弓も既に無い。最後に残った脚も接触部から融解し始めており、機体の半身は殆ど消し飛んだ。もうこの先は無い

 

【■■:致■■■り■■■■■】

 

それでも従者は止まらない。たとえ己の全てを燃やし尽くしたとしても王女だけは守り切ると最初から決めているのだから

 

 

 

『【ドルマドン】!』

 

 

 

《っ!?》

 

 

 

瞬間。サージタウスを握り潰さんとする金の蔓が闇の力によって消し飛び、一瞬解放された機体の前に舞い降りた『誰か』。

 

ドラゴンを駆るその少女には、これまで少女がゲーム開発部部員達と過ごして手に入れた『子供らしさ』は無かった

 

 

 

『2度も同じ手で仲間を失うわけにはいかん!行け、我が竜戦士よ!』

 

 

 

おそらくずっと王女に近い風格を持ったその立ち振る舞いは私が仕えるに相応しいものであると再認識できるもの。

 

…だとしても、不思議と彼女を『王女』だと呼ぶ気にはなれなかった

気の迷いか、色彩による汚染の影響か、理由はわからないがその一瞬だけ、色彩という脅威に立ち向かう彼女をそう呼びたくなったのだ

 

 

 

《──勇者》

 

 

 

「アリスは!お前を倒してみんなを守ります!

光よっ…!」

 

 

 

アリスのレールガンがソラから落ちた紫色の雷を受け、激しい閃光を放ちながら本物の剣へと姿を変えていく

今にも炸裂しそうな紫の光が、勇者の手元で巨大な光の剣となって──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギガ、ブレイクーーーっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全てを超えた究極の必殺剣【ギガスラッシュ】…その究極すら超えた、帝国将ですら知り得なかった至高の剣技【ギガブレイク】。

 

果実の力と仲間の想いを背負って放たれた勇者の一撃は…キヴォトス中に響き渡るほどの雷轟と共に色彩ペロロジラを一欠片も残さず消し飛ばしたのだった!




初登場時《王女》としか呼んでいなかったケイが時を経て《アリス》呼びになるのがすごくいいと思っている作者のルルザムートです、ハイ。
ペロロジラ最終戦、決着!以前『もし書き続けるのなら剣の秘伝書とか出すかもしれない』と言っていましたがやはりどう考えても派手な剣技はギュメイに似合わないと迷走してたところ、デイン系を扱うに相応すぎる適格者の存在を思い出し勇者に撃ってもらいました
うん、中々いいんじゃない?

そしてその次のカルバノグですがその前に絆ストーリー編を書こうかかなり迷ってます。というのもこの先最終章までにカルバノグを含め4つのパートを作ろうかと思ってたんですがプロットを見返すとカルバノグ以降はっちゃけられる場所(ようは寄り道できる場所)が一切無かったんですよね…

修正も不可能なほどがっつり書いているのでもし絆ストーリーを書くのならカルバノグ前にやらないと隙間が無くなってしまうという…
書きたい気持ちはあるんですがパヴァーヌから数えてかなりメインストーリー側の更新を後回しにしてきたんでここまで来て書いていいのか、寄り道していいのかという念が駆け巡っております

もっと早く思い立っていればアンケート等も使えたのですが総力戦編ももう終わるので…ああ、行動に移すのが遅すぎた…

ひとまず総力戦編最終話までには結論を出し、後書きとかに書こうと思っています
それではまた明日…
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