対策委員会編は一話ごとの文字数密度が高かったけどそれにしたって話数が多すぎた。メインストーリー編ならともかく番外編でやる長さじゃないなコレ。
それと余談ですがレッドウィンター編でのガンベクセンのようにガナン三将の過去編なども近いうちに書こうと思います
そこでギュメイとガナサダイの出会い(作者の妄想と願望)や、基本辛辣なゲルニックがなぜサクラコだけには妙に優しいのかという答え合わせ等もやろうかなと。
ギュメイとゲルニックは書くことが確定してますがゴレオンは…どうしようかな…ガナン主要人物の中で彼だけ特に重いエピソード無さそうだし…(偏見)
本編に戻りますとここでようやく主役が戻ってきます。この二次創作の名前にもなってるのに少々留守が長かった気が否めませんがこういう留守をあともう1回(2回?)やるかもしれないのはナイショ。
1番好きなのはギュメイですが彼以外のガナン三将にも視点を当てたいのでね…
と、ともかく総力戦編 第28話です、お楽しみください
アリス達がひとときのエンディングを楽しんでいる最中。
同時刻 シャーレにて…
『ああっ!来ましたっ!あれこそがミレニアム、ひいてはキヴォトスを救った闇竜とそれに認められた──あれ?なんか増えてません?
ドラゴンの背中にサージタウスの親戚みたいなのが…???』
パチ
喧しく騒ぐクロノス報道部の生徒から逃れるようにテレビの電源を落とし、机に向かって1人黙々と事務作業を進める
………終わらない
小柄な自分はもちろん、ギュメイでさえ隠れてしまえるほど積み上がった書類の山を見る度に酷い倦怠感に襲われる
『みゃあ?』スリスリ
「ありがとうございますフラッグ…その気持ちだけで充分ですよ」
心配そうに擦り寄ってくるフラッグの喉を指で撫で、そのまま仕事を再開する。
…これまでは連邦生徒会の尻拭いを突っぱねればシャーレの仕事量は常識の範囲内で済んでいた
が、流石に今回はイレギュラーが多すぎたせいか業務量が一気に膨れ上がってしまっている
近海のヌシ、バルボロス、色彩ペロロジラにサージタウス、その他諸々…
それまで無関心だった他学園もなんだなんだと聞きつけ、今やシャーレはその対応に尻を叩かれている状態だ
ただの野次馬なら適当にあしらって終わりだが山海經や百鬼夜行、警察組織であるヴァルキューレからも質疑の便りが届いている
というか山海經とヴァルキューレはともかくとして百鬼夜行の便りの数はいったいなんですかホントに。
前者2つは竜華キサキと尾刀カンナからのそれぞれ1通のみですが百鬼夜行に関しては──代表ぐらい決めておきなさい、まったく…
このフザけた状況を誰かのせいにしたいところだがあいにく誰の顔も浮かんでこない。
ぶつけようの無い苛立ちの中書類を捌いていたその時──
ピリリリリッ
「? ワタクシ個人の携帯電話に──ああ」
…アナタですか、随分待たせてくれましたね
2コール目が鳴り始める前に応答をタッチ、電話の向こうにいるであろうかつての同僚との通話を開始する
『ゲルニック』
「ギュメイさん?1ヶ月も連絡を寄越さないで今までどこで遊んでいたんですか?」
何度かこちらから電話を入れたが応答なし。十中八九果実絡みの事件があったと考えるのが妥当だがそれにしても1ヶ月も連絡が付かなくてはたまったものでは無い
『…遊んでいたわけではない』
「知ってますよ、ただの皮肉です
…それで?ワタクシに皮肉を言われるために連絡したわけではないでしょう。人払いは既に済ませてますから教えてください、何があったんです?」
果実はあくまで願いを叶える膨大なエネルギー…使い手によって何が起こるかはまったく予想ができず、規則性も無いためこればかりは聞かなくては分からない
『レッドウィンターにグレイナルが現れた、前回はいなかった竜戦士を連れてな』
「────」
──思わず言葉を失った。果実絡みの事件について説明されると思っていた矢先にこれである。
どうしてこう…問題が起こる時って集中するのでしょう…
「黒いペロロジラの件が済んだと思ったら今度は竜戦士?全く…ワタクシを過労死させるおつもりですか?」
『我に言っても仕方ないだろう。結論から言えば投獄した竜戦士には逃げられ、無力化したグレイナルはガンベクセン様が逃がした、いや見逃したと言うべきか
…竜戦士がどうやって脱獄したのかもそうだがそれ以上にガンベクセン様の意図を我やゴレオンには理解できない、かの王は何を考えていると思う?』
「…ふむ」
サラッと言いましたが今この瞬間、ガンベクセンもキヴォトスにいることが確定しましたね?
ああもう…天童アリスといい、始末しないといけない相手がどんどん増えていくじゃないですか、胃薬どこにありましたっけ…
「………許可や不許可の判断をガンベクセンが行っていたのなら牢の施錠をしたのは彼自身でしょう、魔法鍵を使ったのならワタクシでも開錠するのは容易ではありません
おそらく撒き餌でしょう、敵にとっても竜戦士とグレイナルが失えない手駒であるのなら回収に来ると踏んでいた…
対処に手間取るグレイナルをあえて見逃し、孤立した竜戦士を尋問するつもりだったんだと思います
彼にとって誤算だったのはガンベクセン自ら施錠した扉を竜戦士が開けたことです」
痛む胃を抑えながら知将らしく淡々と言葉を並べていく。
説明するのは面倒ですがグレイナルが生きている限りギュメイさんへの情報提供は必要ですからね
「・・・しかしガンベクセンの魔法を解ける人物なんて思い当たるとすれば──」
ガナサダイしかいない…そう言いかけ、慌てて口を噤む
危ない危ない、彼がガナサダイにかける忠誠は本物です。
様子を聞くにかつての主人までキヴォトスに来ているとは知らないようですがここで教えてしまえば彼は暴走します
『………ゲルニック?』
「────いえ、そんな人物はいません。やはり果実の力によるゴリ押しでしょう」
今の沈黙で犯人を知っていると勘づかれたでしょうがガナサダイの名前を挙げるより遥かにマシです
『地下牢に果実の力の残留は確認できなかったが』
「剣しか振らないアナタに痕跡なんて分かりませんよ、ともかくさっさと戻ってきてください
こっちはアナタ方が雪遊びしている間、世界を救ってたんですからね?」
『お前が世界を?…皮肉だけでなく冗談も言うようになったのか』
ええ、これは仕方ない。ワタクシでも冗談だと思いますよ。本来このゲルニックにそんなものは似合わないというのに。
「冗談で済ませたいですよホント…ああまったく、サージタウスも大破したうえにケイさんの処遇、浜辺に現れた巨大魚やらヴァルキューレからの要請やら…」
…それでも良かった点を挙げるとすれば
「今回良かったのはワタクシの能力が【良いカタチで】知れ渡ったことくらいですかね?」
とはいえ『良い』というより『マシ』である。
カイテンジャーに使ったイオナズンならいくらでも誤魔化しはできたがペロロジラに使ったイオグランデは目撃者が多すぎたし、サクラコと大賢者の時のように記憶を弄るのも限界がある
ああホント…これからどうしましょうかね…
「というか雑談はここまででいいでしょう。今すぐシャーレに戻ってきてください、さもないとストレス発散にメラゾーマのひとつやふたつ表通りに放つので。」
『…分かった』
通話を切り、軽く伸びをして身体をほぐす
酷い書類の量…やりたくありませんがやらなきゃ終わらないですよねぇ…
とりあえず息抜きがてらシャーレのものより先にこっちをまとめますか
▽▲▽▲▽
今回の事件で大きな動きがあった人物、組織について
【ゲヘナ】
《万魔殿》
やはり羽沼マコトはギュメイさんの手回しでシャーレに来ていたようです
今回はそこまで邪魔されたわけではありませんが…
やはりエリドゥでの時間稼ぎの時、ゲヘナ生徒を率いて自ら前線に出たことがゲヘナ内外で大きく影響しているようですね
少なくとも事件以前と比べ、ミレニアムとの関係はかなり良好となっているようでミレニアム生がゲヘナを訪れる…といったことが多くなってきているようです
《便利屋68》
陸八魔アルに懐いた例の巨大魚ですがかつてアユルダーマ島周辺海域にいた魔物と見て間違いないでしょう
思ったほど攻撃的な魔物ではなく、アルさんが呼ばない限り海からは出てこないようなので放置でいいですね
むしろ注意すべきは常にピーチクパーチク騒いでいるあの小鳥…近海のヌシやヘルジャッカルと違い、あの小動物の正体だけは未だに不明なままです
呪文の1つでも唱えてくれれば推測できるんですが…
【トリニティ】
《ティーパーティ》
最後の時間稼ぎに参加しなかったとはいえ、マコトさんのフォローとワタクシが出資して作らせたサージタウスがキヴォトスを守ったことによりトリニティに批判が集まることはありませんでした
が、エデン条約を前にしてゲヘナに借りを作ったこと。並びにあの最後の局面で『失敗する』と言い切ったワタクシの読みが外れるなど…この事は後々響いてくるでしょう
ワタクシに対するナギサさんの印象は既に崇拝や盲信で固定されているのでこちらは心配いりませんがここぞとばかりにセイアさんとツルギさんが突っかかってくるのが目障りですね、どうしましょうか…
《サクラコさん》
幸い、彼女が『ギラグレイドを使っていた』と誤解した人間の記憶改竄は滞りなく終わりました
相変わらず誤解を受けやすい方ですが少なくとも呪文だの魔法だのといった厄介ごとに巻き込む心配はもうありません
そしてその元凶となった大賢者は…消息不明です。色彩撃退と同時に忽然と姿を消しました
賢者が居るあの本が帝国城に置かれていたものと同じとすれば中身は強力な呪文や特技が事細かく書き連ねられた賢者の日記…
ガナンの頃はガナサダイに警戒されたせいで本を読む機会はほぼ無く、なんとか盗み読みを繰り返してイオグランデだけ習得できたレベルでしたがここはキヴォトスです。
なんとかして本に宿った大賢者の魂を殺し、本を回収したいですが…やれやれ、これは時間がかかりますね
【ミレニアム】
《セミナー》
今回の一件で戻ってくるかと思っていた調月リオですがまた失踪しました
ユウカさんは怒り狂っていましたが凱旋パレード準備のせいでそれどころではないようですね
《ゲーム開発部》
『世界を救った勇者一行』…モモイさん発案のこのキャッチコピーでバルボロスと共にキヴォトス中に名が広まりました
エリドゥで見せた活躍も広まり、なんなら百鬼夜行連合学園のとある場所では彼女らを主役にした映画制作すら決まったのだとか
「印税だけで大儲けだよげっへっへっへ!」などと調子に乗っていたようですがお目付け役として新しく仲間に加わったケイさんがバルボロスと一緒に部費を管理し始めたことで暴走はしていないようです
…というかケイさんの所属ってゲーム開発部ではなかった気が…?
《エンジニア部・ヴェリタス》
全滅。ですね
そもそも2ヶ月前ウタハさんに小切手を渡してから約1ヶ月半…どの部員も眠ることなくサージタウス建造と総力戦でのバックアップに徹していた彼女らはあの日以降未だ眠り続けたままです。
ゲヘナから派遣された医学部によればそろそろ目を覚ます頃だそうですが…
またそれに加えサージタウスこそ失った彼女達ですがトリニティ自治区とエリドゥで見せたあの活躍によってミレニアム外から来る兵器・機械開発の依頼が5倍に跳ね上がったそうです
肝心の依頼を受ける部員がまだ目覚めていませんが…この様子ではウタハさんの言う『ロマン』も実現が近いかもしれませんね
《サージタウス》
50億円もの出資をして作らせたサージタウスですが色彩との戦闘でものの見事に大破しました
メインユニットとして使われていたキラーマジンガのパーツ自体はいくつか再利用できそうですが…
…ええ、ロボット工学の知識が無いワタクシでも分かります。サージタウスはもう直せない、あれならもう一度イチから作らせた方がマシでしょう
まさかこうも早く50億がゴミになるとは…カジノを潰したのは失敗だったかも──あ。
「・・・そういえば忙しすぎてすっかり忘れてましたがカジノの一件はどうなったんでしょう」
カジノ自体はもう潰れているので失敗したというわけではないようですが…アビドス生からも黒服からも応答が無いのは気になりますね
「…ふむ、書類はギュメイさんとユメさんが戻ってきてからでもやれる
彼らが戻ってくる前に一度アビドスに行きますか」
……………
【アビドス】
《対策委員会》
カイザー元理事がPMC残党を率い、最後の足掻きとして設立したアビドスカジノ『宿屋の地下室』を潰すため、協力者である鳥山アウルからの情報提供の上カジノを襲撃。
裏カジノ壊滅は概ね計画通りに行ったものの、地下金庫に現れた謎の剣士【レパルド】との戦闘により小鳥遊ホシノが重傷を負い、現在意識不明。
特定の相手に対する殺意を隠さなくなってきたゲルニックを書くのはちょっと早かったかな…と思っている作者のルルザムートです、ハイ。
もうこの段階まで来ると嫌でも分かってしまいますが【今現在】ゲルニックは味方ではありません。パヴァーヌ編第7話『戦友』での彼女とギュメイの会話通り、彼女は《グレイナルを殺害するためにギュメイやシャーレを利用しているだけ》です
ギュメイを始めとしたドラクエのキャラクターとブルアカの生徒達がペロロジラや色彩といった災害に立ち向かうのもいいですが明確な悪役も欲しいのでね
がしかしドラクエ9本編のガナサダイのような『分かりやすい親玉・悪役』というスタンスはゲルニックというキャラクターに似合わないとも思っているので『味方ではないが今のところ敵でも無い立ち位置』を目指して書いていこうとも考えています
・・・今はね
それではまた明日…