ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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S・キラーマシンと共にキヴォトスに流れ着いた『神の欠片』…
色彩ペロロジラとの戦い、その裏で起こったこの戦いを描写して総力戦編にケリをつけさせていただきます

…総力戦編 第29話です、お楽しみください


神の欠片

時は遡り2週間前

アビドスカジノ地下金庫にて…

 

 

 

「──うそ、ギュメイ…先生?」

 

 

 

アビドスをカイザーから守るため裏カジノ『宿屋の地下室』に襲撃を掛けた対策委員会。

目的は地下金庫に備蓄されたカイザー元理事の最後の蓄えを強奪もしくは破壊すること。

 

ホシノ、シロコ、ノノミ、アヤネ、セリカの5人は鳥山アウルから提供された情報を元に役割を分担。

 

まずノノミとセリカが利用客と警備を制圧し、十全な金庫破りの準備をしたシロコをアビドス最強の戦闘力を持つホシノが護衛。

全体の指揮を遠隔でアヤネが取り、不測事態があれば即座に全体に共有する…

 

 

 

シンプルではあるがシンプル故にカジノに在留しているカイザー元理事と彼率いる元PMC兵には止められない

 

そもそもカイザーPMCは既に壊滅状態でありかつてのように資金にものを言わせた全兵完全武装などできるわけもなく、大前提として警備側の唯一の勝ち筋は人数差を生かした長期戦で彼女ら5人を封殺することである

 

 

 

まーそんなことは5人(特にシロコ)は分かりきっているので短期決戦を挑んだのだが…1つだけ、カジノ側と対策委員会側両陣営にとって想定外の出来事──

 

 

 

「あれ、ギュメイ先生?なんでここに…

ん、えっ…!ギュメイ先生その腕…!?どうしたの!何があったの!?」

 

 

 

見間違いとか幻覚とか、なんでもいいから目の前の状況が嘘だと信じたかったが隣にいるシロコが先生に駆け寄ったところで自分と同じものを見ていると強引に知覚させられる

 

 

 

なんで、誰が、こんな──

 

 

 

肌、というか毛並みの色は変わっているが確かにそこにギュメイ先生がいた。触れても体温はほとんど感じなかったが姿は間違いない。

シャーレの制服ではなく、カイザーの軍服のようなものを纏い、剣を携えて立っている

 

だがその彼には──左腕が、肘から先が無かった

それに左腕だけではない、全身傷だらけで出血も酷い。背中に数本ナイフが突き立っているのも見えた

 

彼の足元に広がる血溜まりなんてとても人間1人の血から広まったものとは思えないほど──

 

 

 

銃槍に切創…いったいここで何が…?

いやそもそも先生をここまで追い込める奴なんて…?

 

 

 

「ホシノ先輩!ギュメイ先生が、ギュメイ先生が!」

「分かってる!先生、すぐに──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!?」

 

 

 

 

 

瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

服と肌の隙間に大量の氷塊を詰め込まれたような悪寒。

何か取り返しのつかないことが起こる1秒前。

『動け』…脳がそう命令するより早く、本能が身体を突き動かした!

 

 

 

「え?ホシn」

自分自身訳の分からぬまま、シロコの背にショットガンの弾丸を叩き込む

散弾を背中へまともに受けた彼女が大きく吹き飛んで──ゾンッ!

 

 

 

同時に周囲の床、壁、果ては保管されていた現金や宝物が写真を切ったようにずるりと落ちる

 

 

 

跡を見て斬撃だと気付いたのはそのすぐ後、そしてその斬撃がさっきまでシロコちゃんの胴体があった場所を両断していたというのも──

 

 

 

「う…ホシノ、先輩…?」

「アヤネちゃん!ノノミちゃんかセリカちゃんを地下金庫に呼んで!!」

『え、ホシノ先輩?いきなりなんの「いいから早く!」

 

 

 

ダメージに耐えきれなかったのか意識を失うシロコ。彼女を巻き込まないようギュメイによく似た剣士へ立ち塞がるようにして相対するホシノ。

 

…目前の剣士はろくにこっちを見ていないくせにおびただしい殺気が溢れているが憎しみは感じない

だが倒れたシロコにトドメを刺そうとする気配もなく、ただ剣士は虚空を見つめている

 

 

 

『………もしや、と思ったが違ったのか

もう1人にも近しいものを感じるが…ああ、そういうことか。

そこにいるのはこの世界の神であって私の知る神では無いということか』

「いったいなんのつもり…!?説明して!」

 

 

 

どういうつもりかは知らないが今のは間違いなくシロコちゃんを殺そうとする一撃だった、正直どんな言葉が返ってきても許せるわけがないがそれでも説明してもらわなければ気が済まない!

 

 

 

『……………黒馬は足、魔獣は頭、将は闘志、機神は責務、竜は耳、騎士は血、巨人は願い…』

「質問に答えてっ!」

 

『皇帝の目が見たものを曹の胴が追い、腕たる私が切り伏せる

そうだ、私たちは元は1つの神だった』

 

 

 

ピチャピチャと、自身が作ったであろう血溜まりの上を歩きながら訳の分からない言葉を連ねてゆく剣士。

 

さっきから何を──いや違う!こいつはギュメイ先生じゃない!

 

 

 

『それならばなぜ私はここにいる?

創造神グランゼニスが関与しない世界に、なぜ腕と責務だけが在る?』

「っ…お前は誰だ!!」

 

 

 

その時、初めて剣士がこちらを見た。

 

 

 

『──私はレパルド、魔剣神レパルド…

壊れかけ、記憶と記録が抜け落ちた人形の私に、もはや魔剣の声は聞こえぬ。この命もすぐに尽きるだろう。

だがそれでも…最後にこうして戦士と相まみえたのなら…座して死を待つ理由は無い』

 

 

 

なん、なんだ…!こいつは…!?

 

 

 

私は戦いに恐怖を感じたことは殆ど無い。

だって私は強いから。自分で言うのもなんだがどこの誰と戦っても大抵勝てる自信がある

だが今回は違う

 

 

 

『それにもし、私に聞こえずともお前に聞こえるのならばあるいは──』

 

 

 

死の恐怖、剣士の切先がこちらに向いた瞬間ホシノの内側に湧き上がってきたもの。

手負いの獣は恐ろしいと言うがこれはその範疇を超えている

 

 

 

片腕を欠損し片眼も潰れてなくなっている、身体の数カ所に突き刺さったままのナイフの隙間から今も出血し続けている

とても戦えるような状態には見えないのに、それなのに。

 

 

 

──なんなの…!?これ、勝てるビジョンがまるで思いつかない!

 

 

 

『異界の神よ、お前に剣神たる資格があるか否か、魔剣に代わり確かめさせてもらうぞ!』




正直創造神グランゼニスとそれが封印された結果できた宝の地図の魔物はもっと掘り下げが欲しかったなと思う作者のルルザムートです、ハイ。
今回の後書きはちょっと長くなるので読まなくても大丈夫です。…多分。

…ええと、まず補足しておきますとドラクエⅨで手に入る宝の地図、そのボス達(グレイナルと破壊神フォロボスを除く)は創造神グランゼニスが自らを分かち封印した神の一部…欠片であること、神の心(悪しき部分?)なども力と共に切り離したこと、さらには彼ら/彼女らはそれぞれ分たれる前、神のどこを担っていたのかがレパルドやアウルートの台詞から読み取れます

とはいえ全てが公開されているわけではなく、ハッキリ明言したのはアウルートのみ。彼女(?)によるとハヌマーンは神の頭、レパルドが腕でありアウルートが目らしいですがそれ以外の部位や司る悪感情(思考?)は一切不明のままです

もしかしたらⅨ以外の外伝作品で普及があったのかもしれませんが私には見つけられませんでした
…なのでこの3人以外は戦闘前のわずかな台詞やモンスターリストの概要に作者の推測と妄想を多大にブチ込んで『神のどの部位なのか?』というのを描写してみました
以下、理由です

黒馬=黒竜丸
『ひととびで空へと戻り全てを滅ぼしてくれるわ!』から馬のような見た目で翼もなしに空を飛べる【足】が特別なのかな、と

将=スライムジェネラル
『ジェネラル』は直訳すると『将軍』になり、また『心に戦いの炎ある限り戦いは終わることはない』という台詞から文字通り闘争心…【闘志】だと。
身体の一部というより感情に近いですがレパルドが『創造神の心から切り離された力』を持っていたので思考の1人歩きもあり得る話だとは思ってます

機神=S・キラーマシン
元はグランゼニスであるにも関わらず娘であるセリシアや彼女の行いを見極めるために自ら生み出した天使を『ショブン』しようとしていたのを見るに神の国の石碑にあった『正しき者を守るために悪しき者を滅ぼさねばならない』という思考を元に神の責務を邪魔した彼女らを処分しようとしていた…までは考えたんですがコイツとイデアラゴンは正直こじつけ感が凄いですね、機械なら一度受けた命令は遂行するというところからも【責務】にしましたが…うーん

竜=イデアラゴン
はい、1番設定がフワフワしちゃってる学長亜種です
『ためらい、まよい、くやむ、そのありさまを映している』などと言っているのでそれを見ている目かと思いましたが目は既にアウルートが当てはまっているし…じゃあそれらを感じ取れる器官は他に何があるかなと考えた結果、鼻と耳が思いつきましたが鼻はなんかダサいので【耳】に。
…ここホントテキトーすぎてひどいな、うん。公式からの供給が欲しい…

騎士=ブラッドナイト
逆にこの人は明言されてない組で1番分かりやすかった
はい【血】です。
『神とて血の色は赤いのだ』と言っている点からも間違いないですね、では次。

巨人=アトラス
にゃん◯ゅうみたいにおおんおおん言ってるこの方ですが『どうしていうこときかないんだよー!』と自分の思い通りにならず子供のように駄々をこねているように見える点から【願い】にしました
『欲』や『愛』でもありそうな気はしましたが『欲』なら軍曹の方があってますし『愛』はそもそもあまりマッチしないような気がして没に。

曹=怪力軍曹イボイノス
これはマッチするのが2つあって結構迷いました
神の一部のクセに酒豪という点から『欲』にしようかと思いましたがゴレオンコピーのムキムキボディからは『欲』というイメージはなんか違う気がして、むしろガッチリしている分胴だったのではと思い【胴】に。



…長くなりましたがこれで全てです、うん。今話が2000文字ちょっとなのに後書きが1600以上ある異常事態よ。ただこの先これより長い後書きは絶対無いのでそこは安心かな
物語などない後書きにここまで付き合ってくれてありがとうございました!やはりドラクエⅨはまだ補完されていない情報が多く、そう言った意味では書きがいはありますね

それではまた明日…
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