ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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2ヶ月止まっていたというのに感想とお気遣いのコメントが来てた超嬉しい!
もう火だるまになっても書けそうだな!…などと調子に乗らず頑張ります
サブストーリー編 第2話です、お楽しみください


ノイズ

「そうか、分かった」

アウルからの電話を切り、追撃を中断。ひとまず胸を撫で下ろす

 

 

 

色彩ペロロジラの後始末を終え──てはいない、シャーレとして処理しなければならない仕事は多く残っているがホシノの意識が戻ったという知らせを聞き、ギュメイは全てを放り出して彼女のいるゲヘナ救急医学部に駆けつけていた

 

レパルドという謎の剣士が気になるというのもあるがそんなことよりホシノが心配だった

来てみればいつの間にか復活した温泉開発部が『温泉を感じる!』などと宣い救急医学部を吹き飛ばそうとしていたので全力で排除したが今思えば少しやりすぎたかもしれんな

 

 

 

「アウルはなんて?」

「逃亡していた下倉メグと鬼怒川カスミを無力化、無事ゲヘナ風紀委員会管理下の元に捕らえたようだ」

 

 

 

それにしても…うむ、彼女がマグマを呼び出したのは驚いたがそれ以上にあの2人を逃すため温泉開発部が総出で向かってきたことに驚いた

 

レッドウィンターで受けた傷が癒えておらず、またマグマという予想外のダメージがあったとはいえ、それを差し引いたとしても出し惜しみの無い捨て身の特攻が無ければ我らがカスミ達を取り逃がすことなどなかっただろう

規則違反者の集まり故に仲間意識などは無いと思っていたが…

 

 

 

「ヒナさん!どうか彼女たちには重い罰を!奴らのせいで先生が大火傷するところだったんです!」

「落ち着けワカモ」

 

自分が指名手配されていることも忘れ、激昂するワカモを宥める

彼女が我を想ってくれているのは知っているがだからこそ止めなければ、下手をうてば本当に殺しかねない

 

「確かに彼女らの問題行動を見るのは我も2度目だ

その上ホシノが入院中の救急医学部を吹き飛ばそうとしていたが感情で刑を決めるのはだめだ」

「その通りよ狐坂ワカモ、治安維持組織である風紀委員会が情で刑を決めるわけにはいかないわ」

 

 

 

ヒナ自身今も激怒しているようだがワカモと違い風紀委員長らしく線引きはできているようだ、いらぬ心配だったか「故に黙認する。」

 

 

 

・・・・・

 

 

 

っ?えっ

 

 

 

「えっ…ひ、ヒナ…?」

「今後。鬼怒川カスミを始めとした温泉開発部に何があろうとゲヘナ風紀委員会は彼女らの身を保証しないし、介入もしないわ

………ところで狐坂ワカモ、ついさっきアコ達が捕まえたらしい校則違反者の様子を見に行こうと思うのだけど一緒にくるかしら?」

 

 

 

その後、怒りの収まらない2人を何故か現地にいた才羽モモイと一緒に必死で説得。

 

それでも許せないと息巻き、あわやカスミ達を文字通りバラバラにする勢いで収容所に向かう彼女らだったがショックで再び完全に壊れてしまったカスミを見たことでようやく鎮静化。

 

少々遠回りしてしまったものの、ここでようやく本来の目的であるホシノの見舞いへと3人は足を進めたのである

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

「大丈夫ですかギュメイ先生、温泉開発部との戦いで負傷したと聞きましたが」

「ただの火傷だ、気にするな。…それよりホシノは?」

 

 

 

マグマで焼かれたのに対応が軽すぎです…!と憤りを見せるセナだったが今はこちらの方が優先だ

直撃していたら無事では済まなかったが少し掠っただけだ…それでも少々驚いたが

 

 

 

「先生、こっちよ」

「ああ…──ホシノ」

 

 

 

ヒナに連れられ奥の部屋へ行くと…会話を聞いていたのかベッドの上で青ざめているホシノと目があった

 

うむ、無事ではなさそうだがひとまず生きていることをこの目で確認できてよかった

ヒナとワカモを下がらせ、2人だけの空間となった病室で今日2度目の安堵の息を吐く

 

 

 

「ギュメイ先生っ!い、今マグマで焼かれたって…!?それにレッドウィンターでお腹を刺されたって話を…!」

「………」

 

…誰だか知らないが教えなくていいことまで教えた人間がいるようだ

 

「我のことはいい、それより無事で安心したぞホシノ、黒服から話は聞いているがお前の口からもう一度聞かせて欲しい」

「よくないっ!先生は自分のことをもう少し大切に──ゴホッ!?」

「うっわ!血吐いてるよ!だいじょぶ!?」

 

 

 

興奮しすぎたのか酷く咳き込んでしまうホシノを我とモモイで背中をさすりながらなんとか宥め、話を聞くことに。

…なお何故かついてきていたモモイはワカモに頼んで追い出してもらった

 

・・・いや…なんでここにいるのだ彼女は…

 

 

 

「──その『レパルド』という剣士はお前と戦い始める前から…?」

「うん。地下金庫で遭遇した時、あいつは既に満身創痍だったんだ。

…そうじゃなかったら私が危なかった」

「………そうか」

 

 

 

黒服はホシノを救出したあと、レパルドの正体を突き止めるため再び地下金庫へと向かったらしいが到着寸前でカジノ全体が爆破され施設は砂漠へと還ってしまった

 

不幸中の幸いか強盗を仕掛けたシロコ達アビドス生徒組は撤退した後だったようだが逃げ遅れたスタッフや利用客は軒並み巻き込まれており、ほとんどが重傷。

 

頑丈なキヴォトス市民だからこそそれで済んでいるが我やゲルニックが工夫なく食らえば即死していた規模の爆発だったようだ

 

しかし、だとすると──

 

 

 

「ともかくホシノが生きていてよかった

お前達に何かあれば我はユメに顔向けできん」

「そういう思いやりの気持ちがあるならその1割でも先生自身に向けて欲しいよ…

…そういえばユメ先輩来てたよ、レッドウィンターの話も聞いた

グレイナルと竜戦士のこと、それと戦った先生が酷い怪我を負ったこともね」

 

 

 

………ユメ

 

 

 

竜戦士の処遇を巡り喧嘩別れのようなことをして以降まともにユメと会話できていないが彼女元来の優しさ故か我に対する心配と後悔をホシノに打ち明けていたらしい

 

 

 

「分かってる。ギュメイ先生が正しい、ユメ先輩は優しすぎるし先生が異を唱えるのも分かるよ

でもお願い!今すぐユメ先輩と仲直りして!」

「我もユメの考えを理解していないわけでは──うん?」

 

 

 

てっきり『分かってあげて欲しい』と言われるかと思ったが少しだけ予想と反した答えが返ってきたことに戸惑う

 

 

 

「ホシノ?」

「だめなの…ユメ先輩を1人にしちゃ…!」

 

 

 

腹部の包帯を血で滲ませながら必死の形相でしがみついてくるホシノ

普段と違う様子のおかしい彼女にギュメイもたじろぐ他なかった

 

 

 

「ホシノ、少し落ち着け」

「落ち着いてなんかいられない!はやく、はやくユメ先輩を連れ戻さないと…!」

 

 

 

あの時と同じだ。このままじゃ同じことが起こる…!

 

瞬間。ギュメイは知らぬ少女のトラウマがフラッシュバックする

 

 

 

あの時、あんなこと言わなければ

追いかけていれば

むりやりにでも引き留めていれば、ユメ先輩は

 

 

 

私が全てを間違えたから、ユメ先輩は

 

 

 

私が──

 

 

 

「ホシノ!」

 

 

 

ぱしん、と乾いた音と衝撃がホシノの意識を揺り戻す

記憶の見せていた砂漠の幻覚が消え、眼前には生徒であり子供である小鳥遊ホシノを心配する大人の顔が…

 

 

 

「………ごめん、でもとにかく一度ユメ先輩と会って、お願い」

「ああ、分かった」

 

 

 

反射でホシノの頬を叩いてしまったが…叩いた瞬間、ノイズが混じったように形が乱れかけていたヘイローが元に戻った

 

なんだ今のは…?

 

ギュメイに今の現象は理解できていない、だが本能が全力で警鐘を鳴らしていた

あのままでは間違いなく取り返しのつかない何かが起こっていた

 

いずれ謝るつもりだったが予定を変えて今すぐユメに会いに行こう、1人きりのユメは心配ではあるが正直今はユメよりホシノが危うい気がする

 

 

 

「お前の言う通りユメと一度話そう、そして少し休ませてもらう

我にもユメにも、そしてホシノにも休息が必要だ」

「うん、そうだね…私も今回ばかりはちょっと疲れたよ…」

 

 

 

互いに『もう無茶はするな』とやんわり言い合ってから退室。

色々あった予定も全てキャンセルし、ユメがいるシャーレへと向かう

 

途中『なになにー?』と懲りずにモモイが突っ込んできたがヒナに頼んでミレニアムへと送り返した

 

 

 

本当になぜここにいるんだ…と思っていたがどうやらDVDという映像記録媒体を渡しに来たらしい、中身は我がいない間襲来したペロロジラとそれに立ち向かうゲーム開発部──の映画

 

感想が欲しいと言っていたが生憎しばらく手をつけられそうにないだろう

 

 

 

「おかえりなさいギュメイ先生、ユメさんは中にいますよ」

 

シャーレに戻ると真っ先にアウルが出迎えてくれた

相変わらずこちらの考えを見通しているらしい

 

「他は?」

「誰もいません。ホラさっさと入ってください、ユメさん待ってますよ」

「…分かった」

 

 

 

シャーレまで護衛してくれたワカモと合わせて礼を言い、部室に入る。その瞬間──

 

 

 

「うわーん!ギュメイ先生ごめんなさいいい!!」

「ユッ…!ぐふっ!?」

 

 

 

部屋に入るやいなや涙で顔をびしゃびしゃにしたユメがどしーん!とアイアンブルドーの如くギュメイめがけて突進。

 

竜戦士から受けた傷や先の温泉開発部との戦闘のダメージもあり、抱きつかれるがまま床に引き倒されてしまう

 

 

 

「ごめんっ、ごめんなさい…!先生とホシノちゃんの言う通り…私間違ってた…

私の勝手な行動でギュメイ先生やレッドウィンターのみんなを危ない目に遭わせるとこだった…ごめんなさいせんせぇ…」

 

 

 

どうやらホシノからこっぴどく言われたらしく、しおらしく抱きついてくるユメ

 

──が、しかし今この瞬間においてギュメイはそんなことを気にする余裕がない。先も言ったがギュメイはレッドウィンターで竜戦士から刺突された傷が治っていない、病み上がりと言うにも早い重傷者だ

 

普段ならいざ知らず、そんな状態でキヴォトス市民基準のパワーで遠慮なしに抱きつかれたらどうなるか

 

早い話が死である。割と冗談抜きで。

 

 

 

「グッ、ユメ、分かった…分かったら一旦離してくれ!その体勢では見えないだろうが、我の傷が開きかけている…!」

「へ??えっ、わっ!!ギュメイせんせぇ!!?」

 

 

 

危うく意識が飛びかけたところを呆れた様子で入ってきたアウルに介抱され、なんとか事なきを得る

 

…今はひとまずユメと共に休もう




感想とお気遣いコメントを貰ってモチベ100倍の作者のルルザムートです、ハイ。
まだ書き終わったわけではありませんがお陰で昨日の倍近く執筆が早く進みました。感想を誰かから貰うのってやっぱり嬉しいね、ありがとうございます!
このまま行くぞ…!
それではまた明日…
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