そして仕事が忙しすぎて1話投稿時点から20行分くらいしか進んでません、やらかしたか…?
とはいえ明日から3日は休みなのでそこで巻き返します、ハイ。
あとこのあたりからブルアカ原作にもあった展開を絡めていきます
…ギュメイはもちろんゲルニック視点でも何度か書きましたがゴレオン視点メインで書くのはこれが初めてかな?
それではサブストーリー編 第4話です、お楽しみください
安守ミノリによる果実事件、及びグレイナル襲撃をシャーレ協力のもと解決・撃退したレッドウィンター。
破壊された…というか栗浜アケミとゴレオンによって結果的に倒壊したレッドウィンター事務局は未だ再建できていないものの、現書記長であるガンベクセン自ら現場で復興指揮を取っているおかげか先は明るいようだ
──そしてある程度復旧の目処が立ったとしてガンベクセンが復興に関わった人員に対し休暇を出した。
もちろん労いの意味もあるだろうがそれと同時にシャーレから来ているギュメイやユメが後ろ髪を引かれないように…という彼なりの配慮だろう
そうしてレッドウィンターに滞在する殆どの人間にまとまった休暇が与えられ、心身のリフレッシュに各々時間を費やすことになった
もちろんこの2人も──
「…え。ではトレーニング自体を行ったことが無い、と?」
2メートルはある体躯に筋肉という日々の努力の結晶を纏った少女…栗浜アケミは隣を歩く猪の獣人、ゴレオンの放った言葉に思わず聞き返す
「いやそーいうわけじゃねーけどよ、オレがいたトコロじゃプロテインなんて良いモノは無かったし、トレーニングジムっつー便利な施設も無かったからなぁ」
まともな人間なら振り回すどころか持ち上げることすら難しい鎖付きの鉄球。それを頭上でヒョイヒョイっ、と回しながらなんでもなさそうに答えるゴレオン
詳しい話を聞くと彼がいたガナンという場所では今や手に入るのが当然となっているトレーニング器具やスポーツ飲料などが一切存在していないらしい
普段当たり前のように頼っているこれらが何一つ存在しない世界…考えるだけでゾッとするし、そんな世界でも今に劣らない肉体を維持していたと言う彼に流石のアケミも舌を巻く
そういえば彼がレッドウィンターで鍛錬している様子をついに見ませんでしたが普段どんなトレーニングを…?
「まーそういうわけでよ、もしかしたら今のトレーニングより短くコーリツテキなメニューが見つかるかもしれねーと思ったんだが…
あいにくオレは器具の使い方が分からねぇ、だからアケミのトレーニングにこうしてついてきたわけだ
他人のトレーニングを横から眺めるのは少々マナー違反かもしれねーが…」
もちろんイヤなら引き下がるぜ、といつものようにこちらを第一に気遣ってくれる彼の優しさにときめきながら『そんなことありませんわ』と彼の手を両手で優しく包む
「この付近に行きつけのトレーニングジムがあるんです。ぜひ一緒に行きましょう!」
「おう!…?へー、お前そんなふうに笑うんだな」
「へっ…?」
淑女として感情はなるべく顔に出さないように。出したとしても気品を失わない程度に留めていたはずだったが彼の指摘で我に返る
まだ開店していない雑貨屋の窓ガラスに映る自分の姿。…そこに淑女たる栗浜家の長女はおらず、年相応の笑顔を見せる少女の姿が──
「! …申し訳ありません、少々浮かれていたようです」
「? なんで謝るんだ?アケミはオレと一緒にジムに行くのが嬉しいんだろ?
そーいう時は素直に笑えばいいんだぜ」
「しかし淑女としてころころと感情を表に出すのは…」
「そりゃドレスコートとか葬式みてーな神妙な集まりの時はその方がいいかもしれんが今はいいだろ
ほれ嬉しい時は笑え笑え!淑女であろうがなかろうが関係ねーよ
女性にゃ笑顔より似合う表情なんて無いんだからな!」
少女の表情を隠そうとする前髪をそっとかき上げ、『隠すなんてもったいない』なんて平然と言ってのけるゴレオン
良くも悪くも単純思考な彼にとって思ったことをそのまま口に出す、というのは難しいことではなかった
だがそれを知らないアケミにとっては当然心中穏やかではいられない。
少し上よりこちらを覗き込む彼から逃げるように早足で歩き始める少女。
頬はもちろん耳まで真っ赤に染めながら歩いていく彼女の隣をゴレオンは満足そうに着いてゆくのだった…
▽▲▽▲▽
「ぐびぐび…へー、これがプロテインか。薬みたいな物だと思ってたが意外とウマいな」
「味だけではなく効力も高いのですわ
…価格も少し高いですがトレーニングを妥協する理由にはなりません」
「そんな良いものを他人に使っていいのか?もう飲んじまったが」
「ふふ、かまいませんわ。せっかくご一緒していただいているのですから」
それぞれ更衣室で軽く身なりを整え、いざトレーニングを──「あの、すみません!」
「?」「?」
ふと見るとそこには自分とアケミを交互に見て目を輝かせるミレニアム生徒がいて──
▽▲▽▲▽
乙花スミレの感想は彼女自身少しどうかと思うものだった。(まぁ半分はその通りだったのだが。)
別の世界、別の次元からやってきた2人組。それが一目見て最初に浮かんだ感想…
…私もまだまだトレーニング不足ですね
いうなればそれは完成形。非の打ち所のない肉体美。
そしてこうしてトレーニングを共にしているということは2人は同じ目線に立っているということ。
驚きと称賛が混ざり合った感情に声が出そうになり、後から静かに押し寄せた憧れの感情がそれを押し留める
自分は今日までトレーニングを怠ったことはないし手を抜いたつもりも全くない
だが今のままでは…自分1人ではこの2人の高みに手が届くのに何年かかるか──いや永遠に届かないかもしれない
知りたい。きっとこの2人はミレニアム内では知り得ない、彼らだけが知っているトレーニングがあるのだろう。後学のために知っておきたいが…
「あら、何かご用でしょうか?」
「いえ、その…ええと…」
聞きたくはあるが初対面でいきなりズカズカと聞くのも失礼な話、とはいえ声をかけたのに用はありませんと言うのも「おー、よかったぜ!ちょうどあと1人ぐらいいたらいいと思ってたんだよ」
「へ?」
「ゴレオンさん?………!なるほど、分かりました。…ええそうですわね、もしよろしければご一緒しませんか?ご迷惑でなければ、ですが」
なぜか急に──いや分かっている、きっとこの2人はこちらの心中を見抜いて敢えてこう言ってくれたのだ
身体だけではなく器も大きい2人に感謝を述べ、私はトレーニングに参加させてもらうのだった…
▽▲▽▲▽
「レッドウィンターでのトレーニング?そういや言ってなかったな」
やや体力を消耗し出したスミレをよそにまだまだ体力が有り余っている…というか減っていないゴレオン、100kgを軽く超えるバーベルを片手で持ち上げながらアケミの質問に答えた
「レッドウィンターにはトレーニングジムとかなかったしな、代わりに戦車を使ってトレーニングしてたぜ?」
「戦車を?」
「戦車………せんしゃ?え、戦車?」
なんでもないように話すゴレオンとそれを聞いて頷くアケミに、驚愕が隠しきれないスミレ
「あの、その…ゴレオンさん…?戦車でトレーニングとはいったいどういう…」
「お、気になるか!レッドウィンターにいた時はよくチェリノ様に頼んで戦車を出してもらったんだよ
戦車はいいぜ、持ち上げたり投げたり押し合ったり、鎖で繋いで引っ張りあったり、なんにでも使えるんだ」
絶対そんな使い方じゃないですよ…!?
「ふむ戦車で…前例が無いのでどのような効果が得られるか分かりませんが是非試してみたいですね、ものは挑戦です」
「ものは、挑戦…」
「ブハハ…お前ならそう言うと思って既に頼んでおいたぜ
ええともうすぐケータイデンワに…」
と、ちょうどその時ゴレオンの懐から着信音が鳴り響く
「おお!チェリノ様だ!…もしもし?」
『うむ、ゴレオンか?』
「ゴレオンですぜチェリノ様!戦車は来てますか?」
『ゴレオン?よく聞こえないぞ、もっと大きな声で話せ』
「チェリノさまァ!!!戦車来てますかぁ!!?」
『ぎゃあああ!!うるさいっ!おいらの耳が壊れちゃうだろうが!1か100しか無いのかお前は!粛清だぞ!』
「う、す、スミマセン…」
そうしてちょっとだけションボリ気味なゴレオンさんと一緒にレッドウィンターの方々と合流、付近の空き地にて彼の言う『レッドウィンターでのトレーニング』をほんの一部だけ体験させてもらった。といってもただ戦車に引きずられてただけですぐにリタイアしてしまいましたが…
「取り付けよし…おおーい、準備はいいか?」
「いつでもいけるぜチェリノ様!」
「よぉし、それではアクセル全開!」
その後ゴレオンは6台の戦車(右手に3台、左手に3台)と引き合いをしながら『まぁこんなもんか』と涼しい顔をし、アケミはゴレオンと同じメニューをしながら『これはなかなか…』と感心気味に呟いているのを傍目で見ていたスミレは改めて自身のトレーニング不足を実感した
そしてしばらくして…
「中々良い運動になりました、あなた方のおかげです」
「ふっふん、存分に感謝するといい!優れた統治者というのはいつだってコクミンの声を聞き届けるのだからな!」
「チェリノ様、この場合国民でなく生徒じゃーねぇですか…?」
「ええいうるさい!ガンベクセンがそう言ったんだ!コクミンも生徒も一緒だ!」
…仲睦まじく会話をする彼女らが羨ましい
私もいつか、今のアケミさんのように同じ目線で共にトレーニングができる方が現れるのでしょうか
2人の肉体美や私では思いつかなかったトレーニングもそうだが何より互いが近い目線で鍛錬に励めるという環境が羨ましかった
高め合える仲間がいないというわけではないが少なくともミレニアムで自分より上の、いわば目標と呼べる人物に出会ったことがなかった
C&Cの方々を目標にしたこともありましたがエージェントとアスリートでは目指す方向が違いますし…
「…ええ、いつか必ず見つけてみせます
アケミさんにとってのゴレオンさんのような方を、私も必ず──「あ、忘れてた。おいスミレ、これオレ様のケータイバンゴウな!」
「へ?」
ぽす、と手渡された紙には汚くとも丁寧な文字で携帯電話のものと思しき番号が書かれている
「オレ様はだいたいレッドウィンターにいるからな、いつでもデンワかけてきていいぜ!」
「えと、ありがとう、ございます…?」
「わたくしもしばらくはレッドウィンターにいますわ、貴女がよろしければまたご一緒しましょう」
その日はそこで別れた、いずれまた一緒にトレーニングをしようと言葉を交わして。
ゴレオンと栗浜アケミ…今日という日に出会った眩しすぎる2つの閃光にいつか追いつくため、満足感と疲労感で胸をいっぱいにしながらスミレは帰路に着くのだった…
ブルアカ二次創作でよくある『ひたすら優しくて勘違いさせまくりなクソボケ先生』から『クソボケ』部分を引っこ抜いたら本二次創作のゴレオンになると思っている作者のルルザムートです、ハイ。
多分カジノ戦のどこかでチラッと描写した気がするんですがゴレオンとアケミの身長差はゴレオンの方が一回り大きいイメージで書いています
ほぼ2メートルでガタイ最強の女子がそれより更に体格の良い男から女の子扱いされることでしか接種できない栄養素が存在する。
それではまた明日…