また1時間遅れてしまいましたが執念で毎日投稿は守られました、ヨカッタ…
サブストーリー編 第13話です、お楽しみください…
「うう…前が全然見えない…」
「いたっ!誰か足踏んだでしょ!?」
「お姉ちゃん、しーっ!静かに!」
「こう暗くてはどう足掻いても撮れないですね…フラッシュ焚いてもいいですか?」
『いいわけないだろう、我慢しろ』
『アリス、大丈夫ですか?』
「はい…でもかなり歩いたはずなのにまだ階段は続きそうです…」
「ギュメイ先生、大丈夫ですか?」
「負傷のことなら問題ない」
「それもですが足元…この暗闇の中で普段通りの速度を出す必要はありません、転んだりしたら…」
「ん…?ああ、言っていなかったな。我には今もお前たち1人1人の顔がはっきり見えるぐらいには夜目が効く、心配するな」
その時ボソッと『ネコだ…』と呟いたモモイを皮切りに『ねこ先生…』『にゃんにゃん先生…』と緊張感の無い呟きを背に受けながら静かに階段を降りていくギュメイ
………魔獣体となって蘇ってから怪物や魔物だと畏怖されたことはあったが──ううむ、猫か…まぁ畏怖されるよりは良い、のか?
「…!待て」
「うわ」「むぎゅ」
3メートルほど前方、階段の終わりと同時に見えた扉の向こう側から感じた気配に足が止まる
「ちょっと先生!急に止まらないでよ『モモイ、静かに。…どうしたんですか』
「……………」
1人や2人ではない、戦闘員かそうでないかまでは分からぬがこの扉の向こうに相当数の人間がいる
「…この扉の向こうだ。全員我より前へ出るな、物音も立てるなよ」
慎重にドアノブを回し、隙間風を通すように少しずつ扉を開けると──
「次のブツはどうした、早くせんか!」
「今日の目玉はいつ出るんだ!?金なら持ってきたぞ!」
劇場のような広い空間に敷き詰められた大量の椅子、それらを埋め尽くす獣人たちが口々に舞台の上の獣人──明太郎に言葉を投げつけている
明太郎…どうりで誰も見ていないわけだ
「落札できる自信はないが、一度くらい本物を拝んでおきたいものだ」
「そうです!我々は、アレのために来てるんですよ!早く見せてください…!」
「【時計王の冠】を!」
冠を見せろと騒ぎ立てる顧客たちを慣れた様子で諌める明太郎。
冠以外にも美術品はあるらしく、次々と名前が挙がってゆく。ギュメイにはそれがどんな物なのかは分からないがそこはトキが答えを言ってくれた
「ギュメイ先生、今名前の上がった美術品は全て所在が行方不明になっている盗品ばかりです」
「慈愛の怪盗が言っていたのはこういうことか」
「じゃあつまり…明太郎さんは悪い人だった、っていうこと?」
「噛み砕いて言えばそういうことだ。…一旦退くぞ」
アビドスのブラックマーケットの時とは少し違うがこれも立派な闇オークションだ
だとすれば万が一邪魔が入った時のための警備兵もそれなりの戦力が考えられる
「えっ…何もしないの?ここまで来たのに?」
「ここで明太郎を捕えることもできるが彼がオークションの主催者とは限らん。ここで仕掛けるよりネル達と…できればユメかアウルを呼びたい」
ただ斬り伏せるだけで済むならいいが正直今の身体ではあれこれ考えて戦うのは難しいからな
「さあ気付かれないうちに下がるぞ、行きと同じように我が先導するから早く── パシャッ
っ!?
「え、あ。ご、ごめんなさいギュメイ先生!フラッシュ切り忘れて──」
「っ!?お、お前達はゲーム開発部とシャーレ…!ここで何をしている…!?」
チアキのフラッシュと同時に明太郎や顧客達の注意が一斉にこちらを向いた!
まずい…!
「あいつ写真を撮っていたぞ!」
「どういうことだ明太郎!我々がここに来ている証拠や記録は一切残り得ないと散々…!」
明かりがあるとはいえ地下深くのオークション会場は舞台以外かなり薄暗い、そんな中で焚かれたカメラのフラッシュはまるで花火のように否が応でもその場にいた全員の注目を集めてしまった
「我が止める!全員地上へ戻れ!
っ…【さみだれ斬り】」
直後逃すものかと押し寄せる警備部隊に斬撃の嵐を叩き込み、そのまま敵部隊に向けて突進。
砂の山を蹴飛ばすように吹き飛んだ警備兵達にさらに追撃をかける
負傷が治っていないとはいえ警備兵如きに遅れをとるギュメイではない
だがいかんせん数が多すぎる
次々に新手が来る…だが幸い銃撃は殆どない。顧客達がいるからか?
「ギュメイ先生!」
「トキ、警備兵はいい!それより利用客達を逃すな!」
明太郎だけを捕まえて解決するならそれでいいがそうでなかった時のために生き証人は1人でも多く確保しなければならない
…なによりトキが横にいては攻撃に巻き込んでしまう。今のギュメイに時間が無いことは彼自身分かっていた
力尽きる前に、終わらせる!
小細工なしのさみだれ斬りをひたすら放ち、次々と警備兵を無力化してゆく
──そして60人ほど斬ったところで新手の波が止まった
「はっ、はーっ…はっ…」
トキが利用客を足留めしてくれたおかげで結果的に警備兵の動きを抑制、四方八方から銃弾が飛んでくることは無かったが…
身体が重い…たったこれだけ動いただけだというのに…!
「これがシャーレのギュメイの力か…!」
「はっ、はっ…どういうことか、説明してもらうぞ明太郎…」
明太郎を守ろうと割り込んできた護衛もしんくう斬りで吹き飛ばし、後ずさる明太郎との距離を詰めて行く
──だがここにきて明太郎が笑った
「く…!──くく、だがこんな事態も想定していたとも。警備はお前たちだけではない!
…剣のみでアビドスを救ったというお前がよく知る連中だ。さぁ予備隊、こいつを排除しろ!」
「っ!?」
瞬間、明太郎の号令の元現れたのはアビドスでも戦ったカイザーPMCだった
既にPMCは壊滅しているはずだが装備は明太郎が買い与えたのだろう
「っ!!【さみだれ斬り】!」
舞台を取り囲むように包囲するカイザー残党が放ってくる鉛の雨を叩き落としつつ、包囲の一点に火炎斬りを叩き込んで包囲の外へ
「先生!」
「ぐっ、足留めはもういい、脱出するぞトキ!」
そろそろ身体の限界が近い、今すぐ脱出せねば…
「逃がすと思うか?こっちはお前のせいで金払いのいい雇い主が消えちまって散々なんだ…!だいたい明太郎からの給料なんかどうでもいいんだよ、お前に仕返しできればなぁ!!」
恨みを晴らさんと向かってくる元PMC兵士、押し寄せるそれらにギュメイとトキはなんとか迎撃を繰り返していたものの──
「…そろそろいいだろう、やれ。」
「っ!?」
バズン…とギュメイの左肩口を鉛玉が貫いた
危うく刀を取り落としそうになるも無事な右手で刀を持ち替え、弾丸が放たれたであろう場所へ反射でしんくう斬りを叩き込む
「先生っ…!?」
「肩口だ、心配いらぬ。それより新手がいるぞ!」
警備兵でも元PMCでもない、まだ別の勢力がいる…!
「別の警備が元カイザーPMCだけだなどと、誰も言っていない!
山海経の玄龍門にも依頼していたのだ!さぁトドメを── ガコン
元カイザーPMC兵士に加え、山海経の玄龍門とかいう新戦力と交戦に入りかけたその時、屋敷に来て3度目の停電が起きた
それに加え、今回は濃度の高い煙幕もついている
まさかこれは──
「ギュメイ先生、どうぞ私の手を…」
【ぬこ将軍】【にゃんにゃん将軍】ってあれ、どこの誰が言い始めたのかな…と思っている作者のルルザムートです、ハイ。
1時間遅れて申し訳ありません、ただここの残党描写はどうしても欲しかったのでその日のうちに間に合ってよかった
まぁ無くてもなんとかなった感はありますが妥協はあまりしたくないので…
それではまた明日…