ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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いつか必ず誰かに指摘されると思ったものがついに来たので言います
…覚えていないどころかそもそも9に技として存在してないしんくう斬りをギュメイ将軍が使えるのはなぜか?
作者の私がギュメイ将軍にしんくう斬りを使って欲しいから!以上!!!
まぁしっぷう突きも同じ理由ですしなんならモンスターズ参考にしたって言えばどんな剣技でも使えますからね…(流石にゆうきスキルあるからってギガデインやベホマズンを撃たせるなんてことはしませんが。)

いよいよストックが無くなりそうなのに中々筆が進まないので対策委員会編が終わったら少しお休みすると思います
新しい評価も貰ったからね、最後まで書き切らないとね

と言うわけで本編。いよいよ彼とギュメイ将軍が対面します
ブルアカ本編先生は静かにはっきりと拒絶していましたかギュメイは果たして…?


黒服と女神の果実

「…………」

 

ロックの掛かった扉、だがカメラの前に手をかざせば施錠を意味する赤ランプはすぐさま緑へと変わった

 

 

 

カイザーPMCの半分を殲滅し、カイザー理事長は逃走(ホシノは一度捕まえていたらしいが流石に彼を抱えるのは危険ということで逃がさせた)

 

そしてユメ救出に向かったシロコ達と便利屋は空振り。たどり着いたのは無人の廃墟の中で電源の切れかけたGPSが反応しているだけだった

 

 

 

ウィーン…

 

 

 

どうしたものかと考えていたが、いきなりシッテムの箱にアクセスがあった

相手は分からなかったが住所とユメの写真が同封された電子メールというだけで動くには充分だった

 

ホシノ達にももちろん話した、だが何が待ち受けているか分からない以上、ここは我1人で行くと伝え、今に至る

 

 

 

 

 

「お待ちしておりました、先生」

 

 

 

 

 

我を出迎えたのは『黒い男』だった

ふざけた形容詞かもしれないが他に見つからない、シャドーのように全身真っ黒でかろうじて黒い服を纏っていることが分かるくらい

顔だと思われる場所には亀裂のような口と星の光を貼り付けたような真っ白な目がついている

 

 

 

「あの電子メールの送り主は貴様か?」

「はい。そして梔子ユメの身柄を預かっている者です」

 

………

「…今すぐ斬り捨てたいところだが貴様を斬ったところでユメが戻る保証は無い

我を呼び出した目的はなんだ」

 

 

 

「聡明な判断、感謝いたします。私は前からあなたと一度お話ししたかった

と、斬られる前にはっきりさせておきましょう。…我々はあなたと敵対するつもりはない

むしろ協力したいと考えています」

「協力?利用ではないのか、カイザーやユメと同じように」

 

 

 

「クックッ、やはり信用されてませんね

確かにあれは『利用』でしたが、あなたと『協力』したいというのは本心です

 

あなたは間違いなく我々の計画において障害となり得る存在、アビドスの学校などとは比べ物にならないほど大きい存在です。…今のところは」

「………」

 

 

 

「それで…あなたは我々の手を取ってくれますか?」

「──我が名はギュメイ」

「?」

 

「連邦捜査部『シャーレ』の教師だ。

…我は名乗った、今度は貴様の正体を聞かせろ

貴様はいったい、何者なのかを」

 

 

 

「そういえば自己紹介がまだでしたね

私はあなたと同じキヴォトスの外の存在…

『ゲマトリア』という組織に属する者です

 

決まった名前はありませんでしたが…今は『黒服』と名乗らせていただいてます

私たちは観察者であり探究者、研究者です」

 

「未知のものに手を伸ばす開拓者か?」

「ええ、その認識で合っていますよ

それで…ギュメイ先生は我々に協力していただけますか?」

 

 

 

「しない」

 

 

 

「即答…神秘と秘儀を手に入れられる機会を断ってまでキヴォトスに何を求めるのです?」

「ユメを返してもらいに来た」

 

「クックッ…先生、あなたの行動に正当性が無いことにお気付きですか?

梔子ユメは既にアビドスの生徒ではありません。届け出を確認されてはいないのですか?」

「届け出か、それは今どこに?ここにあるなら書面を確認したい」

「もちろんです、どうぞ」

 

 

 

黒服から2枚の書類を受け取る

そこにはアビドス生徒会の解散と梔子ユメの退学を示す書類だった

 

「………」

「納得いただけましたか?」

 

 

 

「いや、不備がある。この書類は無効だ」

「ほう?」

 

 

 

書類の端、顧問許可印と印字された空白を指差す

…関係ないが今ほどゲルニックから口煩く書類仕事について教えられたことをありがたく感じたことは無い

 

 

 

「まだ顧問の我が印を押していない、もう1枚も同様だ

故に梔子ユメはまだ対策委員会の一員で、アビドス生徒会長…そして我の生徒だ」

 

「ふむ…あなたが『先生』である以上、担当生徒の去就にはあなたのサインが必要だと

学校の生徒、先生…中々厄介な概念ですね」

 

 

 

「お前達の行いは世間一般で見れば悪だろう

しかし我はお前達を悪と断じはしない」

「…理由をお聞かせ願えますか?」

 

 

 

「最初にアビドスを襲った砂嵐、それは誰の手のものでも無い自然現象だ

その結果アビドスは衰退した

 

お前達はそれを利用し、ユメ達を陥れ、自分たちの利益のために彼女達の想いを踏み躙った」

「………」

 

 

 

「だがあえて言おう。それはこの世の正しい在り方の1つであるし以前の我ならそれを黙認した。

 

この世は弱肉強食だ

権力者が奴隷を使役し、強国は弱国の土地を奪い、圧政者は農民から作物を奪う…

 

世界は搾取で成り立っている

そしてここに来る前の我は、ユメ達のような弱者から奪う立場の男だった」

 

 

 

「………今は違うと?」

「ああ」

 

 

 

相手を推し量る最高の材料は欲望…ならば彼に我の、今の欲望を知ってもらおう

なぜ我がここにいるのかを、この欲望で知ってもらおう

 

 

 

「証拠は無い、だから信じるかどうかはお前が決めろ。

…我は既に3度死んでいる」

「っ…?」

 

「そして2度目と3度目に我を討ち滅ぼした天使にとって、我は仇だった

彼の仲間を大勢斬ったうえ、殺すよりも酷いことを数十、数百と繰り返し最後は彼に討たれた」

「天使…?」

 

 

 

「だがその後、未練に縛られ亡霊となって現世に漂う我を見つけた彼は我の話に耳を傾けた

我と同じように眠れぬ王を鎮めてくれと願う我の言葉を聞き入れ王を──ガンベクセン様を眠らせてくれた」

「…! …続きを。」

 

 

 

「未練の無くなった我は天へと昇り、輪廻の向こう側で魂も記憶も洗われ、新しい生き物へと変わるはずだったが…そこに彼は現れて言ったのだ『助けてほしい』と」

「──あなたがここにいるのは、その天使に恩義を返すためだと?」

 

「その通りだ、訳あってキヴォトスに来れない天使に代わり我がここに来た

今の我は天使の代行者だ、ならば天使に相応しい行いをするまで」

「…………」

 

 

 

「──笑うか?」

「いいえ、笑いませんよ。3度の死に、天使の代行者…途方もない話で理解も追いついていませんが嘘だとは思いません

納得できる部分もありましたから」

 

 

 

「…あの天使ならそうした、今の我の行動原理はそれだけ──いや」

それだけではない、と自分の中で声がする

…ああ、そうだな

 

「──罪滅ぼし、かもしれんな。情けない話だが300年前の選択を未だに我は悔いている

 

天使を、人を斬り捨て、想いを踏み躙り、誰かの故郷を焼いて、親を探して泣き喚く少年の心臓を貫き、配偶者だけでもと懇願した夫婦を両断したことを、我は後悔していなかった

それも搾取の1つだったからな

 

後悔していたのは陛下の親殺しを止められなかったことと、最後まで供をできなかったことだけ…そのはずだったのに

 

天使に絆され、情が移った我は──あろうことかその全てに後悔し始めている」

 

 

 

「あなたいったいおいくつなんですか…?」

「それはお互い様だろう、ともかく我の行動原理はひとつ。我を救ってくれた天使に恥じない生き方をする。…それだけだ」

「──それが、梔子ユメを取り返しに来た理由ですか」

「そうだ」

 

 

 

弱きを助け強きを挫く、この世の真理に逆行した子供みたいな理屈だがあの天使ならそうした

──だからあの天使は我に、いやガナンに勝って世界を救えたのかもしれんな

 

思えばなぜ2度も戦って我が勝てなかったのか分かる気がする

300年後悔し続けた者と後悔しない選択をし続けた者、天使も魔物も人間も関係ない、確かにあれは勝ち目がなかった

 

 

 

「──理解できません、その天使とは敵同士だったのでしょう?

身内や取引相手ならともかく、それまで殺し合った相手に1回助けられただけでここまでのことを?」

 

「ああ、側からみれば頭がおかしいのだろう

事実ガナンでも我は変人扱いだった。力はあるのに支配を好まず、搾取もしない、ただ陛下の意のままに動くだけの人形とも、ガナンの中の異物だとも。

三将軍の頂点に登り詰めてから言う者は居なくなったが…」

 

いや、ゲルニックだけはネチネチと言っていたか。ふふ、懐かしい

 

 

 

 

 

「交渉は決裂ですか、残念ですね」

「ユメはどこだ」

「アビドス砂漠のPMC基地の実験室ですよ

本来小鳥遊ホシノを研究するために用意した場所ですが…」

 

よし

 

「連れて帰るぞ」

「ええ、微力ながら幸運を祈りますよ

──ところで先生、これを見てもらえますか?」スッ

 

「? なん──なっ、その果実は!?」

 

 

 

黒服がなんの気無さそうに取り出したの物を見て絶句した

それは我がこの世界に来るきっかけとなったもの──女神の果実だった

 

 

 

「やはり知ってるんですね」

「っ…」

しまった、つい反応をして…!

 

 

 

「ギュメイ先生、あなたがゲマトリアに協力するという交渉は決裂しました。…ですがこの果実を見た今なら別の道が見えたはずです」

「っ…我の答えは変わらん!お前達に協力など「協力ではありません、それとは別の道…『同盟』です」

 

っ?

 

「同じだろう!」

「いいえ、この果実を追ってキヴォトスに来たのなら我々は別の形で手を取り合えるはずです

我々はこの果実をはじめとした『異世界からの異物』をキヴォトスから消し去りたいのです」

 

 

 

あくまでゲマトリアに与するのではなく、ゲマトリアとシャーレで手を取り合いたいと言い直す黒服

だが信用できるわけが…!

 

 

 

「あなたはこの果実の正体を知っている。そしてその反応から見るに見かけほど良い物では無いでしょう

我々の目的はあくまで神秘の研究であり我々の計画においてこの果実は邪魔なのです

 

しかし処分しようにも尋常ではないエネルギーだけは観測しており、また解析もほとんど進んでいないため下手に手が出せない…

 

早い話がどうしていいか分からないのです

そんな中この果実の扱い方を知り、あわよくば処分してくれると言うのなら我々は喜んで果実の捜索に助力致しましょう」

「………」

 

 

 

嘘は…言ってはいなさそうだ。彼は本当に女神の果実を知らないのだろう

もし知っていれば果実の力を使ってアビドスもホシノも我も思うがままにできたはずだ

…いや、そもそも果実の力を介入させたくないのか

 

 

 

「…条件は?」

「ふむ、良い返事の予兆が。しかしその前に1つだけ質問をお許しいただきたい」

 

「なんだ」

「…黄金の果実はこれ1つではないのでしょう?あなたはこれの他にあといくつ果実を探すおつもりですか?」

 

 

 

…これは答えた方がいいだろう

 

 

 

「──6つだ」

「ふむ、でしたら条件はこうです

我々ゲマトリアは残る6つの果実捜索に協力し、その情報をシャーレに提供。

引き換えにシャーレは回収した果実を適切に保管し、生徒、PMC、民間人等、あらゆる第三者に渡らないよう務め、可能であれば処分すること」

 

「処分は無理だ、返すべき相手がいる」

「キヴォトスの外に果実が消えるのならそれで構いません

…それでどうでしょう、協力は得られませんでしたがこの同盟は受けていただけますか?」

 

 

 

──よりによって果実捜索にはっきりとできた最初の協力者がこれとは、頭が痛い

…だが

 

 

 

「我はお前達を信用していない、だが果実捜索という一点だけは信用しよう

…その同盟を受ける。」

 

「ありがとうございます、正直こちらまで断られたらどうしようかと…

あ。この果実はお返ししますね」

「あ?ああ…やけにあっさり返すな…」

 

 

 

あまりにあっさり渡すので偽物かと思ったがセリシアの時と同じ力の波動がその疑惑を解消してくれた

 

 

 

「あなたが来なければなんとしても調べ尽くすつもりでしたがあまりにオーパーツすぎて分かったのは『得体の知れない強い力がある』とだけ

 

研究者として情けない話ですがお手上げです

梔子ユメから手がかりを探ろうともしましたがそれも使えなくなってしまいましたし」

「? なんでそこでユメが出てくる?」

 

 

 

話の腰を折る、どころか捻り切ってどっかに行っている。なんの話だ

 

 

 

「ふむ…同盟者相手に情報の出し惜しみは野暮というもの。お話ししましょう

…ギュメイさんは梔子ユメが今何年生か知っていますか?」

 

 

 

年?…学年のことか

「ホシノと同じ3年生だろう」

「そうなっていますね。…しかしアビドスに()()()()()()()()()

 

「…どういう意味だ?」

「正確には2年前に除籍されてるんですよ、アビドス高等学校に所属する3年生…梔子ユメはね

 

今回の生徒会解散手続きも退学届も都合を合わせるために少し捏造して行っただけで本来彼女に今の生徒会を解散する権限は無い。退学届も形だけでした」

 

 

 

っ?ちょっと待て、2年前に除籍された3年生?だったら今いるユメはなんだ?

 

 

 

「アビドスにも黄金の果実が落ちたことは我々ゲマトリアも察知していました

もちろん小鳥遊ホシノへ悪影響を及ぼす可能性も考えて最優先で捜索にあたった

 

…でも見つけられなかった、そしてその代わりに2年前に除籍されアビドスから消えたはずの梔子ユメを小鳥遊ホシノがどこからか連れてきたんです」

 

 

 

2年前…

 

 

 

『【何を失った?】とも聞いたよね、うん。失ったよ、2年前…私が意地を張ったせいでさ』

 

 

 

まさか、いや、だとすれば…

 

思えばホシノが攻撃的になったのは女神の果実について話したすぐあとだった

──ホシノが…?

 

 

 

「ギュメイ先生、覚えておいてください。おそらく梔子ユメと黄金の果実は無関係ではない

今がその時ではないにしてもいつか必ずその問題と向き合うことになる

 

そしてもし彼女の身柄を回収したのならば…梔子ユメの身柄は果実同様あなたのそばに置いていただきたい。彼女が今後キヴォトスにどういう影響を及ぼすのか、私にもまるで予想がつかないのです」

 

 

 

「………」

「我々もこの研究をよく分からない外部の力で終わらせてしまうわけにはいかない

…何かあれば呼んでください、すぐに駆けつけます」これ私の電話番号です

 

「…分かった」

 

 

 

受け取った果実を懐にしまい、部屋を後に──しようとして

 

「待ってくださいもう1つ言うべきことが」

「今度はなんだ?」

 

 

 

これ以上何を「同名の人違いでなければ…先ほどあなたが話されたガンベクセンという人物…私知っています」

 

 

 

・・・

 

 

 

なんだと…!?




2章分の筆の遅さの理由の半分はギュメイ将軍とモモイの相性が悪すぎることだと思っている作者のルルザムートです、ハイ。
というわけでようやく1つ目の果実の回収に成功しました。これをあと6回繰り返せばエンディング!やったね。

ちなみに黒服にとって女神の果実は本気で排除したい異物であり、度合いで言えば細菌研究室に持ち込まれた納豆並みに嫌っています
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