ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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ブルアカ本編の先生はイオリをひゃくれつなめして協力を仰いでいましたがこの二次創作ではもちろん別ルートで行かせていただきます
そして作者はこの話が対策委員会編を書くにあたって1番のお気に入り。
なにせ推しと推しの絡みですからねぇケケケ
ちょっと強くしすぎた感もなくはないけど、まぁこれでいいのです。私は。

というわけで対策委員会編第12話、お楽しみください


万魔殿議長

「あっ!先生おかえりなさい!」

「その顔は…ええと、何かあった?」

「ユメの居場所が分かった」

 

瞬間、わあ!と目に見えて喜んでくれる対策委員会の面々

 

「…先生?大丈夫?」

「あ、ああ…大丈夫だ」

 

 

 

 

 

………

 

 

 

『レッドウィンター学園にガンベクセン王が?』

 

『同一人物かはまだ分かりませんが…少なくともデモやストライキで溢れかえっているはずのあの学園は彼の存在が確認されて以降静まり返っていて平和そのもの…

 

あなたの言うガンベクセンという人物が優れた王で、私が密かに接触を計った者と同一人物だというのならあるいは──』

 

 

 

 

 

「………」

「先生?あの、本当に大丈夫ですか?」

「問題ない、今はユメだ」

 

 

 

すぐに面会しに行きたいところだが今はユメを助けることが優先だ

頭に反芻する黒服の言葉を一旦追いやって現状を振り返る

 

 

 

「…ユメはおそらくカイザーPMC基地に捕えられている

先の戦闘で大勢削ったとはいえ相当数の戦力が予想されるだろう」

 

「でもホシノ先輩とギュメイ先生が組んだらあいつらなんかなんてことないでしょ!?すぐに助けに──「まぁ待ちなよセリカちゃん、おじさんも同じ考えさ、でも今回の目的は救出であって殲滅じゃない

PMCは倒したけどユメ先輩は助けられなかった、じゃ意味がないんだよ」

「その通りだ」

 

 

 

殲滅に限った話をすれば2人だけでどうとでもなる(もちろん充分な砥石と弾薬は必要だが)

しかし救出となると…

 

どう考えても兵隊の層を突破するより、PMCの手がユメに伸びる方が早い

もう少し戦力が欲しいが…

 

 

 

「便利屋は?彼女達にも手伝って貰いましょう」

「雇うの?」

「ここまで迷惑かけられたのよ!タダ働きしてもらうわ!」

 

「でもそのあと助けても貰ったし…」

「──戦力は我がなんとかしよう」アテがある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」コツコツ

「止まれ!…万魔殿生徒ではないな、何者だ?」

「シャーレ顧問のギュメイだ。万魔殿議長に要件がある。至急通されたい」

 

 

 

あの後、我はすぐにゲヘナ学園へと赴き万魔殿…ゲヘナを取り仕切っている組織に接触を図っていた

 

風紀委員会から助力を得るためだが担当区域外に治安維持組織を連れていくにはその治安維持組織の上に立つ者の許可が必要だ

アロナによるとそれを取り仕切っているのが万魔殿…パンデモニウム・ソサエティーらしい

 

 

 

「? シャーレ…?おい、何か聞いてるか?」

「いや聞いていないぞ、怪しいヤツめ!ひっ捕えて牢屋に叩き込んでやる!」

「──風紀委員会を壊滅させた男が来た、そう言えば分かる」

 

「えっ、こいつが…?と、というかそんなヤツを議長に会わせるわけ無いだろう!帰れ帰れ!」

「待て」キキッ

 

 

 

ふと扉の向こうから声がした

「議長!」

「構わん通せ。私も彼とは話してみたい」

「………」

 

 

 

「…仕方ない、議長がお会いになる。ただし──」

「分かっている。刀は預けるとも

…しかし我にとって命より大切な刀だ、無くさないでくれ」

 

 

 

「あ、ああ…」

門番に刀を預け、中へ入る

 

 

 

…執務室にはもっとたくさんの護衛がいるかと思っていたがいたのはただ1人。

埃一つ無い黒い椅子に腰掛け、豪華な装飾にあしらわれた事務机に肘をついた銀髪の生徒だけだった

 

彼女が──

 

 

 

「連邦捜査部『シャーレ』から来た、ギュメイだ」

「ゲヘナ学園万魔殿議長の羽沼マコトだ、よく来たなギュメイ先生

我ら万魔殿はあなたの到来を心から歓迎しよう」

 

 

 

キキキ、とコウモリのように小さく笑うマコトは品定めするようにこちらを見据える

 

 

 

「風紀委員会のことは聞いている、まさか単独で空崎ヒナまで含めた構成員達を全滅寸前まで追い込むとは、随分とやってくれたようだ」

「それに関しては謝罪する、我は今アビドスとその生徒を救うために動いており、風紀委員会の動機や背景まで考えている余裕が無かった」

 

 

 

やってくれた、と言う割にはどこか楽しそうな雰囲気を出しているがギュメイは警戒を解かない

 

羽沼マコト…まだ若く経験も浅いのは間違いないが食えない生徒だ

少しだが彼女は既にガナサダイ陛下やガンベクセン王の持っていた【王の気配】を纏っている。

 

 

 

「それで?我が自慢の風紀委員会を壊滅させ、結果ゲヘナの治安を著しく損なうきっかけを作ったシャーレの先生が私に何の用だ?」

 

お前は既に私たちに大きな借りがあるぞ?と嫌味ったらしく言うマコト

…ゲルニックと似たタイプだな、だがそれならやりようはある

 

 

 

「単純だ、アビドスの生徒…梔子ユメをカイザーPMCから助け出すための戦力として風紀委員会の力を借りたい」

「見返りは?」

 

 

 

やはり真っ先にそれか…被った被害は別としてそれを帳消しにするような見返りさえあれば即座に協力する、と

とはいえ我は彼女のことを何も知らない、今は時間がないし多少吹っ掛けられるのは仕方ないとしよう

すまないが巻き込むぞホシノ

 

 

 

「梔子ユメ救出後、我ギュメイとアビドス高等学校3年生の小鳥遊ホシノがゲヘナに滞在、悪化した治安を元の水準以上に回復させるまで風紀委員会の一員として働くと約束し、またそれ以外の時間を使って風紀委員会の練兵を行う」

「それだけか?」

 

「ああ。これ以上提示するには我はゲヘナを知らなさすぎる、お前たちが望むものが何かを推し量ることができない以上、我に出せるのはここまでだ」

 

 

 

さあどう出る…?

 

 

 

「………1つ追加だ。シャーレに所属する生徒の枠を我が万魔殿のために4つ設けて欲しい」

あなたの裁量で決められるのだろう?といつの間にか膝で眠っている猫を撫でながら彼女は言う

 

 

 

「居候のヘルメット団はともかく、今シャーレに所属している生徒はこちらが調べた限りアビドス高等学校の梔子ユメとトリニティ総合学園ティーパーティ所属の鳥山アウルだ

 

知っての通り我らゲヘナとトリニティはまだエデン条約が締結しておらず、関係は良好とは言えない…

 

条約は互いが対等でなければ成立しないのだ、様々な権力を持つ超法規的組織シャーレに1枚噛んでいるのがトリニティだけではその対等性が失われる

 

ただでさえ風紀委員会の敗戦でゲヘナの武威の失墜は無視できない状況であるし、これ以上トリニティに遅れを取るわけにはいかないのだよ」

 

 

 

そんなことまで調べていたのか…やはりゲルニックと同じ、知略で戦うタイプの…

 

 

 

「…トリニティ所属の生徒はアウル1人だけだ

4つも席を用意して公平性も何も無いと思うが」

「ああ。しかし所属しているのはトリニティの中のティーパーティの生徒だけだ

残る救護騎士団、正義実現委員会、シスターフッドの3つからは誰も所属していない」

 

 

 

そういえばティーパーティの他にも組織があるとアウルから…正義実現委員会はハスミが所属していた場所だったか?

 

 

 

「同じトリニティとはいえ連中は一枚岩ではない。それぞれが代表を選出し、そしてあなたがそれを受理すれば在籍するトリニティ生徒は4人…

とても1つでは足りん

 

とはいえこちらも最初から4席全て埋めるつもりは無い、今のところトリニティからの生徒は1人だけ。ならばこちらも1人だけをシャーレへと派遣する」

「………」

 

 

 

ゲヘナにも他に組織はある。我を救ってくれたゲヘナ救急医学部などがその例だ。

だがマコトは『万魔殿のために4つ用意してくれ』と言った

 

ティーパーティ以外の組織に対抗するためだろうが4つそれぞれ別組織から集まった寄せ集めの4席と万魔殿生徒のみで集められた4席では力の比重は大きく異なる

 

 

 

万魔殿だけで埋めるなら用意する席としては2つで充分、残る2つはもう少しシャーレに食い込めないかという彼女の我欲だろう

何が対等性だ、詐欺師め

 

子供だからといってどこかで甘く見ていた、これが万魔殿議長羽沼マコト…

ひょっとすると我はカイザーコーポレーションなんかより余程厄介な存在と関係を持とうとしているのやもしれぬ

 

 

 

「以上が追加の条件だ、これ以上は望まぬし配属した万魔殿生徒もギュメイ先生の裁量で扱ってくれていい

活動内容くらいは報告してもらうがな」キキッ

 

机から取り出した書類に何かを書き込むマコト

やがて──

 

 

 

「この条件に納得してくれるのならサインを。

それが確認でき次第、即座に風紀委員会をアビドスに派遣しよう」好きに使ってくれ

「………」ピラッ

 

 

 

書面は思った以上に簡潔にまとまっており、我が先に提示した条件とマコトが出した条件が3行と少しで記入されていた

 

「………」

 

 

 

小難しく、長く書いてあればどこかに綻びでも無いかと探すが逆にここまで簡素にされては探す場所も──いや、これは簡潔すぎる

 

派遣した生徒は好きに使っていいと言っていたがそれを示す文章はどこにも無かった

表立って反故にはしないだろうが隙を見せれば牙を剥いてもおかしくない

 

 

 

文字に起こすことで公的な印象を与えつつ、曖昧にしたいところは暈す…今のところ気付けたのはこれ1つだけだが他にもあるだろう

 

やれやれ、本当にゲルニックの生まれ変わりではないのかこいつは。

王の資質とゲルニックを連想させる知力を併せ持つ組織のトップ…強者であれば武将との戦いも知将との戦いも望むところである我だが流石にこれとだけは争いたくないな…

 

 

 

とはいえ今はユメだ、この後どうなるかまでは分からないが権限の殆どを連邦生徒会に移譲している今、シャーレを万魔殿に私物化される心配だけは無いだろう

 

 

 

ホシノから借りたボールペンを使い、空欄に署名。マコトへと返す

 

 

 

「うむ、良い判断だ。ではこれより風紀委員会をアビドス砂漠へと派遣する。正確な座標等はそちらで指示を出してくれ

…これからよろしくな?先生」キキキキッ!




油断も妥協もミスもしない、本気になったマコトに女の子にされたい作者のルルザムートです、ハイ。
顔が、顔が良すぎる…中身がちょっとアレだけど。
とまあこんな感じで風紀委員会派遣の許可を得たギュメイ先生。
そしてこの取引で発生したギュメイとホシノ、2人のゲヘナ学園派遣もきちんと描写するのでお楽しみに!
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