ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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ヤバい、ここにきて急に文字が浮かばなくなってきた
サブストーリー編 第29話です、お楽しみください


ただの威力偵察

「ここですか?」

「ああ。」

 

 

 

ギュメイの兵団加入より1年、つまりギュメイがガナンに居着いて2年。

一応王子の側近となってはいたものの、王国兵士としての箔をつけるため兵団に入った彼に対し、主に指示を下すのはガンベクセンである

 

…ガナンの街より北西の祠を訪れたのも、そのガンベクセンから指示の1つだ

 

【北西の祠に魔物が集まっているから調査を】…というのが今回の仕事である

もちろんギュメイは快諾したものの──

 

 

 

「しかし何も王子がご同行する必要は無かったのではありませんか?」

「何が起こるか分からぬ以上、ギュメイを1人で生かせるわけにはいかぬ。だが半端な兵士では足手纏い…そうならぬ同行者は余かガンベクセン王だけだ、気にするでない」

「……………」

 

 

 

扉を開け放ち、恐れなど無いと言わんばかりに突き進むガナサダイにギュメイも続く

石で造られた祠の内部はどこまでも静かであり、また魔物の気配も全くしない

 

 

 

「………静かですね、ここは墓だと聞いていましたが魔物が寄り付いていない…」

「王族、貴志族専用の墓だからな、父上の代になってからは使われていないが手入れはしてあるようだ」

 

 

 

その後、探せど魔物の魔の字も見当たらず、ただの誤報だとギュメイは結論付けようとしていたがガナサダイがそれに待ったをかけた

 

「………ただの不確定事項にギュメイを派遣するとは思えん。お前はよく知らないだろうが我が父、ガンベクセン王は無駄な行動はさせん。何かしらの確信があって──」

 

 

 

その時。

 

 

 

【イオナズン】

 

 

 

「っ!?王子っ!」

「ぐっ!?マジックバリ──

 

 

 

狭く細長い通路に叩き込まれたイオナズン。一瞬巨大な光球となったそれは閉鎖空間で形を維持することなどできず、爆発と熱風になって通路内に拡散。

 

戦いの経験が深いギュメイが先に気が付いたものの、彼にはこの密閉空間でこれを防いだり受け流したりする手段は無い。

遅れて気付いたガナサダイがマジックバリアを張ろうとするも間に合わず──

 

 

 

「ぐああっ…!くっ、王子…!ガナサダイ王子っ、ご無事ですか!?」

「う………」

 

 

 

炸裂したイオ系上級呪文をほぼそのまま受けてしまった2人。半端なマジックバリアはギュメイを優先して守ったらしく、彼の方がダメージは少なかったが代償にガナサダイが倒れてしまった

 

 

 

生きている…!ひとまず良かったが今のは…?

 

 

 

どこから攻撃されたか分からないがこのまま密閉空間にいるのは危険すぎる。おそらく今のをやった魔物は相当強い…

 

…一旦ガナサダイ王子を連れて帰ろう。体制を立て直さなくては

 

 

 

意識のないガナサダイを抱き上げ、祠の外へ「出てきたぞ!やれっ!!」

「!?」

 

 

 

瞬間飛んできた複数の槍を反射で叩き落とし、真横から突撃してきた槍兵を斬り伏せる

こいつらは…?

 

周囲の林から出てきたのであろう、数は40、50、かなり多い…

 

見たところただの山賊の集団だが妙に武器の質が良く、包囲網にも隙がない。ただのごろつきがここまで連携を取れるだろうか?

 

それにどういうわけか見覚えがある人間が何人か…

 

 

 

──うん…!?

 

 

 

「…!お前たち、セントシュタイン兵か!?」

見れば2年前に関所で斬った顔が何人かいる、そんな奴らがなぜ今更…?

そ、それに記憶違いで無ければあの時両足を切断した兵士までが()()()()()()()()…!?

 

 

 

「く!もう気付かれたぞ!」

「構うな!ギュメイを殺して王子を攫え!ガナン国王を引き摺り出すには王族の身柄が必要だ!」

 

「! 貴様ら…!」

 

 

 

号令と共に突っ込んでくる10人の兵士のうち、8人を即座に叩き斬るが多勢に無勢、斬りきれなかった残る2人からの刺突を防ぎきれない

 

 

 

っ!!

 

 

 

「っ【隼斬り】!

 

 

 

追撃は許さず残る2人をも叩き斬る。あの時と違い、イオナズンのダメージも決して軽くない以上、殺さないようにと手加減している余裕はない。

 

 

 

「……………」

 

 

 

街に戻らなくては。だが王子を抱えた状態ではこの包囲を突破したとしても速度は出ずに背を討たれる…

 

──ならば

 

 

 

「っ!」バッ

 

「! 祠に逃げ込むぞ!」

「逃がすな!」

 

 

 

祠内に戻り、急いでガナサダイ王子を床に寝かせる

「寝心地は悪いでしょうがこれ以外に思い付きませんでした。王子、お許しを…」

 

 

 

──あとは、斬るのみ

 

 

 

「そんなところに逃げ込んで──ギャッ!!?」

「貴様ら…」

 

 

 

即座に表へ戻り、手近な兵士を6人ほど斬り、そのまま祠唯一の入り口をマヒャド斬りで封鎖する

 

林からまだ出てきている…いったい何人いるのだ…?

 

 

 

「…どちらにせよ斬るしかない」

 

 

 

今更現れたセントシュタイン兵がなぜ我だけではなくガナサダイ王子も狙うのか理解できないがこいつらを野放しにしておけば王子を守りきれん

それならば──皆殺しにするしかない

 

 

 

「──────」

 

 

 

敵兵の数はとっくに100を超え、今もなお増え続けている。イオナズンのダメージが残るギュメイ自身、これを止め切れるのか疑問があった

 

だが、疑問如きで怯んではいられない。ここで戦わなくては王子は守れない。

 

 

 

「来い…!!」

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

これはただの実験である

 

 

 

自分と同じくエルシオン学院で知識と技術を学んだガナン王国の王子、ガナサダイとその配下となっているギュメイがどの程度の強さなのか?それ次第で自分の立ち位置を決めねばならないからだ。

 

 

 

およそ手札のほとんどを差し向けた少女は、その効力と結果を確認するために今一度現地へと赴いた

 

先ほど放ったイオナズンのダメージが残っているのなら数で圧殺できる。

ゾンビ化させて使役下に置いたとはいえ、死にたてである以上、セントシュタイン兵士でも充分勝てる…そういう算段はあった

 

故に。少女──のちに【帝国第二将】となる彼女の想定は【逃走】か【籠城】の2択。その際にどれだけ兵士を殺せたかで判断しようとしていたのだ。していた故に、言葉を失った

 

 

 

「──ここで何があったんです…?」

 

 

 

コツコツと拉致・殺害を続け、仮初の蘇生をし、都合の良い配下として使役した傭兵崩れにセントシュタイン兵とルディアノ兵、総数380人。その全てが祠の前で丁寧に殺し直され、屍の山を築き上げていた

 

 

 

意識のないままに、剣を取って立つ1人の剣士によって…




ガナン最年長はギュメイ、もしくはガンベクセンだと思っていますが最年少は絶対にゲルニックだと思っている作者のルルザムートです、ハイ。
ここにきて話が浮かばなくなってきた…いや展開自体は考えているんですがうまく文字にできないというか…
あといい加減過去開回想終わらせないと…

…ひとまずまた明日…
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