初めはもちろんRabbit小隊の行うデモの鎮圧ですがブルアカ本編と違い、ギュメイは全くの別件で訪れているので連邦生徒会の紹介状などはありませんが果たして…?
カルバノグ編 第2話です、お楽しみください…
時刻は午前10時…ワカモを正式にシャーレ所属生徒とするため、ヴァルキューレ事務局を訪れたギュメイ。
レッドウィンターにてアケミと並び、グレイナルと竜戦士からキヴォトスを守る活躍を見せた彼女ではあるがそれで脱獄囚の肩書きが消えることはない…
故に現シャーレのNo.1とNo.2であるギュメイとユメの2人でヴァルキューレ公安局長である尾刃カンナの元を訪れ、ワカモがシャーレ所属となることを認めてもらえるよう交渉しに来たというわけだ
無論、シャーレの権限はおよそヴァルキューレよりも上だ。先生であるギュメイが命令すればカンナとの交渉の余地などなく申請は通る。…が、そこはギュメイ自身の性格故に筋を通すという意味も込めてここに来ている
──しかしどうやら交渉の席がまだできていないらしい
「こんにちは!シャーレ所属のアビドス生徒、梔子ユメです!」
「連邦捜査部シャーレから来たギュメイだ。
と、挨拶をしている場合でも無さそうだな、何があった?」
森…というほど深くは無いがそれでも視界が遮られる林の向こうからは多数の爆発音や悲鳴が響き渡っており、明らかに普通ではない。
リンに聞いても【こちらで対処します】の一点張りで詳細を教えてはくれなかったが…
「ええ、初めましてユメさん
そして…こうして直接お会いするのは初めてですねギュメイ先生。改めて…ヴァルキューレ公安局長の尾刃カンナです。
実はSRT特殊学園の生徒たちがこの公園を占拠してデモを行っており…」
「デモ?…なんだ、その生徒たちもデモが趣味なのか?」
「え?いえ、デモが趣味なわけないでしょう…彼女たちはSRT特殊学園の閉鎖が認められずこのような行為を…」
「・・・普通そうだな…ああすまない、忘れてくれ」
脳裏に浮かんでいたレッドウィンター生の姿がかき消え、誤魔化すように状況を再度聞き出す
「数は?」
「デモを行っているのは4人、しかしSRTの最先端兵器を大量に持ち込んでいるせいで鎮圧部隊が彼女たちの元に辿り着けない状態です」
「生徒の素性は分かっているのか?」
「はい。相手はRabbit小隊…構成員は月雪ミヤコ、空井サキ、風倉モエ、霞沢ミユ、学園は閉鎖されましたがいずれも特殊学園に相応しい実力者であることは苦戦具合からも明らかですね」
Rabbit小隊…以前カジノ調査の時に相手をしたFOX小隊とは別の部隊だが練度の差はそこまで無さそうだ
それにあの時は互いになんの備えも無い真っ向勝負から始まったが今回は違う
「……………」
次々と逃げ帰ってくるヴァルキューレの部隊を見れば公園内に敷かれた防衛線がいかに苛烈なものかよく分かる。
我はRabbit小隊のことを知らぬがFOX小隊のように戦闘訓練を積んだ部隊が本気で立て篭もると決めているのならこれを崩すのは容易ではない、我とて1人でこれを相手にすれば無事ではいられないだろう
1人なら、な
「…カンナ、勝手で悪いがデモ鎮圧の指揮権をシャーレに譲ってほしい」
「分かりました。展開中の部隊は全て外に出しますので…どうかお願いします」
だろうな、そうすんなりと指揮権を譲渡するとは思って──っ??
多少の摩擦を予想していたがあっさりとカンナはこちらの提案を受諾し、公園内の部隊を撤退させてゆく
いや助かりはするが…
「頼んでおいて言うのもおかしな話だがいいのか?こんなにあっさりと」
「…情けない話ですが我々だけで続けても鎮圧はできません。ならば私ができるのはこれ以上部隊に被害を出させないことだけです
ギュメイ先生、お願いできますか?」
そう言ってこちらに頭を下げるカンナ。表情も声色も特に変化は見られないが握り込まれた拳にはほんの僅かに震えが見えた
…そうだ、治安維持組織が力不足で外部の力に頼るなど沽券に関わることだ。連邦生徒会の紹介状でもあれば別だっただろうが…
──その上でカンナは組織の権威や己の立場より先に治安を守ることを選んだ。…強いリーダーだ、ヒナやリオに初めて会った時もそうだが時々彼女たちが子供であることを忘れそうになる
「任せろ、この状況では例の件の話し合いどころではないからな。…ユメ!ワカモ!」
「ふぁい!」
「お呼びですか先生」
声に呼応し、まるで暗者のように降り立ったワカモ。騒ぎにならないようある程度の変装していたはずの彼女だったが荒事の気配を感じ取ったのか誰もが知る七囚人としての装いに戻っている
「狐坂、ワカモ…」
「お久しぶりですね、カンナ局長」
ワカモとカンナ、2人の間には当然緊張が走る。何せこれまで散々戦ってきた相手だ、強張るのも無理はない
──が、その緊張した空間を壊すかの如くなぜかドーナツを頬張っているユメが駆け寄ってきた
「…ユメ、食べるなとは言わないがせめて目の前のことが終わってから食べろ」
「ふぁふ、もぐ、ごめんなひゃい、生活安全局ってところの子が分けてくれてつい…」
その光景を見て何故かカンナが嘆くように顔を手で覆っていたが今は気にしている場合では無い
「状況の説明は必要か?」
「大丈夫だよ!」
「既に把握しています」
「ならいい。今から公園に入ってRabbit小隊を無力化し捕縛、デモを鎮圧する。
相手は訓練を積んだエリート、それが徹底的に守りを固めている以上一筋縄ではいかんだろう
…悪いが力を貸してほしい」
「分かった!」
「喜んで。」
────よし
「行くぞ!!」
こう、カンナの耳に指をズボ!!としてみたい作者のルルザムートです、ハイ。
というわけで始まりましたカルバノグ。ブルアカ本編では生活安全局の生徒を指揮し、搦め手を使ってどうにかしていましたがギュメイにそんなことできません、ので真っ向勝負になります。さてさて…
それではまた明日…