「こちらRABBIT1、現在の時刻は2330。只今ポイントEに到着しました。」
リベートの証拠を手に入れるため、ヴァルキューレ公安局に潜入したRabbit小隊とガンベクセン。
本来ガンベクセンを同行させるつもりは無かった彼女達だったが…
「おい本当について来たのか?銃撃戦になる可能性もあるんだぞ」
「そうだね、でも子供達だけに危険な役目を押し付けるわけにはいかない。大丈夫、足を引っ張るつもりはないよ
ところで監視カメラのハッキング状況はどうかな」
『こちらキャンプRabbit。そこの監視カメラについてはもうハッキング済みだから気にしなくていいよー
画面で見た感じ近くに警備員の姿無し、安心してポイントSまで進んでね〜』
「モエちゃん、相変わらず早い…」
『ただしハッキングが保つのは30分だけ、それを過ぎると自動コードが生成されるみたいだからそれまでにケリをつけちゃって!』
30分か、思ったより時間があって安心したよ
「…それにしてもヴァルキューレの本館だぞ、警備がいないっていうのはどうなんだ?」
「私は軍師じゃないから分からないが…」
「まったく、これだからヴァルキューレには行きたくないんだっての」
…もしかするとあえて退かせたのかもしれないけどね
『まぁとにかく公安局の取引帳簿…【クローバー】が保管されているポイントSは地下3階。一応通行量が少ない西側の階段を使って。
いい?繰り返すけど30分だから、それまでによろしく』
「Rabbit1、了解です。…では各員、警戒しつつポイントSまで移動を!」
▽▲▽▲▽
「ここか?」
「はい、この部屋にヴァルキューレの文書が全て保管されているはずです」
「ほ、本当に警備が全くいなかった…」
『だから言ったじゃん、少しは信じてよ』
モエの誘導を受けながら地下の保管庫へと辿り着いたガンベクセンとRabbit小隊。
予想に反し警備員との激突は無かったものの、ここまで守りが無いということは──
…うん、確定かな
「辿り着いたはいいが頑丈そうな扉だね、まるで金庫室だ」
「犯罪に関わる証拠などを保管しているとなれば当然でしょう」
「その割には警備がいなかったけどな…楽だからいいんだが。
…ところでこれ何を待ってるんだ?さっさと入らないのか?」
「この扉、電子式なんです。」
「今モエちゃんが一生懸命解除してるみたいで…」
「ああそう──待て、その時間って【30分】にカウントされるわけじゃないよな?」
『急かさないでっての!私だって急いでるんだから!』
「っち、普通に扉ブチ抜くんじゃダメなのか?」
『その分厚さで行けると思うの?やれるもんならやってみれば?
それで警報とか鳴っても責任取れないけど』
「まぁ2人とも落ち着いて、脱出の時間は考えなくていいから。ね?」
そして待機する事3分。保管庫の扉が開き、中へと突入するミヤコ達。
残り10分…焦る気持ちを抑えながら証拠の捜索が始まった
「うう、暗い…」
「明かりを出そう…【ラナルータ】」
杖の先から飛び出た小さな光球が周囲を照らす…
本来は朝と夜を入れ替える呪文だが少し調整すれば普通の光源にもできる、メラ系よりも安全だし基本はこっちだね
「ま、眩しい…!」
「わっ!バカやめろ!気付かれるだろ!」
「既にヴァルキューレは私たちがここにいることに気付いてるよ、それより明かりがついている間に証拠を探そう」
「足引っ張らないって言ってたくせに…!ああもう!早く探して逃げるぞ!」
『・・・多分明かりよりサキの怒鳴り声の方が見つかる要因になりそうだけど…』
「うるさい!公安局…公安局…お?」
制限時間が迫る中、サキが何かを見つけたようだ
「【カイザーインダストリー】…記録は1週間前?これだ!おいあったぞ!」
「ナイスですサキ。見せてもらえますか?」
ミヤコに続き、TOP SECRETと印字された封筒の中身を見てみる…
・・・うん、これは間違いなくカイザーインダストリーとの取引記録だ。払い戻された金額まで事細かく記入してある
「なるほど。【クローバー】……カイザーインダストリーと公安局との間における違法なリベートの証拠を確保しました
ガンベクセンさんの言った通り、【子ウサギタウン再開発】の件が間に挟まっていたようです」
「そうか、うん。みんなお疲れ様。じゃあ帰ろうか。」
「よし、じゃあさっさとこんなところから──」
ガチャン!
「「………がちゃん?」」
音の方を見れば保管室の扉が完全に閉まっていて…
「・・・ミユ?」
「開けておいたら、その明かりで見つかっちゃうかもしれないと思って…」
「え?ま、待て。ちゃんと開くよな?」
慌てて扉に駆け寄るサキ、しかし扉はうんともすんとも言わず…
『オートロックに決まってるでしょ
もー、私がその辺ちゃんと見てるってのになんで不安がるかなぁ…』
「くそ、せめてドアストッパーでも挟んでいればよかったのに…」
「ご、ごめんなさい…うう、怖がってばかりで…みんなの足を引っ張って…
私なんか生まれてこなければ「はい、そこまで。」
さめざめ泣き出し始めるミユの頭を撫でて落ち着かせつつ、深呼吸。
元々扉は閉めるつもりだったし、別に問題はない
「反省は脱出のあとだよ、今は時間が迫ってるし先に外に出よう」
「外に出よう、って…この密室からどうやって脱出するんだよ?脱出手品でも持ってるのか?」
「手品は持ってないな、あるのは魔法だよ。みんな私に掴まっててね」
気でも触れたのかと呆れるサキをなんとか説得し、腕やコートを掴んでもらう
「…ちゃんと掴んでるよね?置いてけぼりになったら流石の私でも…」
「うるさいな、掴んでるっての!現在進行形で時間を無駄にしてるってことを分かって──「うん分かった。………【リレミト】」
▽▲▽▲▽
「へ?うわっと!?」
「っ???え、ここはどこですか?」
「外…?」
少し高さの調整を間違えてしまったらしく、飛び降りるようにして屋外に着地。
地面より1メートル程高かったけど流石は特殊学園の生徒たち、誰も怪我は無さそうだ。
…それにしても思った通り、ヴァルキューレ公安局は既に包囲網が敷かれているみたいだ。守るべき証拠を逆に囮にして封殺するつもりだったようだね。
「さぁ証拠は手に入れた。今日は公園に戻って休むといい」
「お、お前…」
うん?
「なにか聞きたいことでも」
「『「「質問しかない!!」」』」
「・・・参ったね」
しばらく質問攻めかな…?
ガンベクセンが反則すぎることにちょっと楽しくなってる作者のルルザムートです、ハイ。
ギリギリですがなんとか間に合いました。そしてブルアカ本編では証拠回収後に一悶着あったクローバー作戦ですがガンベクセンのインチキ…もとい魔法で無事生還。
こんな感じで魔法をもっと出したい…
それではまた明日…