ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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早速登場!作者の大好きな魔物!
ぶっちゃけこの『大好きな魔物』✖️『エンジニア部』の構想はずっと前からありました
というわけでパヴァーヌ編第2話、お楽しみください


海の底から来た魔神

「そうですか、モモイがそんなことを…」

「ああ。ユウカには廃部になったあと、彼女らを導いてほしい

ゲーム開発部という部活がどうしようもなく好きなのは間違いないだろうが…なに、廃部になったからと言ってそこで終わりではない

結果や功績があればまたやり直せるのだろう?」

 

「その通りです。…すみません先生、少し甘やかしすぎたのかもしれません。もっと心を鬼にしてやっていればあるいは…」

「自分を責めるな、厳しくしたところできっと逆効果だった。…ところでひとつ聞きたいのだが」

 

 

 

エンジニア部の部室…というか格納庫みたいな場所の端で我とユウカは話していたが中央に目を向ければ今もその言い争いは続いていた

 

 

 

「あれはなんの騒ぎだ?」

「トリニティから送られて来た謎の機械の行き先についてですね。…とはいえ私もほとんど把握していないのですが」

 

謎の機械?

 

疑問符を浮かべている間も喧騒は聞こえてくる

 

 

 

「何度も言っているように我らエンジニア部がトリニティから名指しで送られた物だ!

この機械──いや兵器の所有権は今後もエンジニア部のものであり、ヴェリタスに渡すつもりはない!」

 

「トリニティが匙を投げて他校を頼るようなオーパーツですよ!?事実エンジニア部ではもう1週間以上なんの成果報告も上げられていないではないですか!

ヴェリタスの部長として引き渡しを要求します!」

 

 

 

車椅子の少女と紫髪のエンジニア部生徒を中心にして互いに一歩も譲ろうとしない口論が続く

 

いったいなんなのだろうか、兵器とも聞こえたが…

 

 

 

「彼女らは?」

「喧騒の中心にいるのはエンジニア部のウタハさんとヴェリタスのヒマリさんですね

…それにしてもいったい何を争っているんでしょう」

 

 

 

…黙って待っているのは性に合わん

「聞いてくる」

 

ユウカをそこに待たせ、口論の場へ

我が近付いてきたことに気付いた生徒達はそれぞれ道を開けてくれたが中心の2人は眼中に無いらしい

 

 

 

「──割り込むようで悪いが話を聞かせてくれないか」

「!? うわっ、誰だい?」

「あなたは確かカイザーPMCを全滅させたシャーレの…」

 

 

 

車椅子の少女は我のことを知っているらしい

とはいえ自己紹介しない理由にはならん

 

「連邦捜査部『シャーレ』顧問のギュメイだ。別件でミレニアムに来ていたが気になる口論が聞こえてきたのでな」

 

「シャーレ?ちょうどいい!あなたからも彼女に言ってやってくれ!

こっちは正当な手続きの元トリニティから物資を受け取ったのにそれを横から寄越せと言うんだ!」

 

「エンジニア部の手に余るだろうと思ってこの超天才清楚系美少女ハッカーの私がここまで来てあげたのにその物言いはなんですか!」

 

 

 

「やめろ!…ともかく詳細を教えてくれないか」

口論再開。だがいちいち止めるのも面倒なのでここで少し強めに言葉を発して切っておく

 

「む、それがな先生。1週間前のことだ、トリニティから解析不能な機械を拾ったからミレニアムで調べて欲しいという依頼があった」

 

「機械?…お前の後ろの、大きな布の下にある物か?」

「ああ、キヴォトスにあるどの機械、兵器とも違う。1週間調べてみたが解析どころか腕1つ分解できなくてな…」

 

 

 

腕?機械に腕があるのか?

「………見てもいいか?」

「もちろんだ」

 

 

 

ウタハがかけられていた布を取り払う

するとそこにあったのは──

 

「…!?キラーマシン!………ではないな」

 

ガナン帝国城内にも配備してあったキラーマシン、によく似た『何か』だった

 

 

 

城内の物と似てはいるが4脚あるはずの足は一つも無く、代わりに装着されているのは尻尾のように伸びた鉄線とボウガン。

 

一体化するように左右の手に装着されているのは我の刀より一回り大きな剣とそれに負けないほど大きなメイス…

 

機体の色も我の知る青色では無く灰色の無機質なもので、長く手入れされていないのか所々色が燻んでいる。…錆などは見当たらないが

 

とはいえ我の知るキラーマシンと無関係では無いだろう。いったいなぜこんなものが?

 

 

 

「? 先生はこれがなんなのか知っているのか?」

「確証は無い、だがキヴォトスに来る前にこれと似たような機械を見たことがある」

 

 

 

もしキラーマシン系統の何かだとすれば下手に再起動させるわけにはいかない

トリニティから送られてきたと言っていたが…

 

「ウタハ…だったか?これを送ってきたのはトリニティの誰だ?」

「え!いや、その…実はな先生…」

 

言い淀むウタハ。だが続きを促す前に信じられないことが起きた

 

 

 

【ギ、ギギッ】

「えっ?」

「なっ…!」

 

キラーマシンみたいな何かが動き始めた!

 

【女神ノ果実ノ反応アリ。改良型マホカンタ展開完了。エネルギー残量ハ許容範囲内。殲滅モードニ以降】

 

今女神の果実と…いやそれよりもこいつは…!

 

 

 

「な、なんで?私たちがやっても反応すらしなかったのにギュメイ先生が近付いた途端──」

! 我の中の果実に反応したのか?

いや今はそんなことを考えている場合ではない!

 

「ユウカ!生徒達を連れて外へ!」

「え、え?いきなりなんですか?」

「今すぐ全員こいつから離れろ!皆殺しにされるぞ!!!」

 

 

 

この兵器の性能は分からないが殺戮兵器と呼ばれるキラーマシンより明らかに性能の高い武器を持っている

…わざわざ弱い兵器にコストを掛けて強い武器を持たせはしないだろう、つまりこいつの性能は──

 

 

 

まったく予想だにしなかった戦闘が始まったがここで退いては生徒に危険が及ぶ

 

「来い…!」

 

刀を抜いて謎の兵器と相対。

赤いモノアイを不気味に光らせ、ふわりと宙に浮いたそいつは目の前の目的と脅威を同時に認識した

 

空まで飛べるのか…?やはり我の知るキラーマシンではない、生徒達は──

 

 

 

「すごい…どういう原理で浮いてるんだ?」

「う、ウタハ部長、なんかヤバいですよアレ…先生の言う通り逃げた方が…」

「エンジニア部何してるの!早く避難しなさい!…ああもう!」

 

ユウカの指示でヴェリタスの生徒達は逃げたがエンジニア部の動きが悪い

 

 

 

──瞬殺するしかない!

 

 

 

【キラーマジンガ、再起動完了、戦闘開始】

 

 

 

 

 

そのころユメとモモイ達は…

 

 

 

「だ、だ、大丈夫だからね!?私が2人をちゃんと守ってあげるから…アウルさんからちゃんと習ったから…こういう時はえっと、えっと…ひぃん、どうしよう!?」

「守ってどうにかなる数じゃない!ユメさん、逃げよう!」お姉ちゃん!

「分かってる!こういう時は…一点突破!行くよ!!」

 

『廃墟に行ってG.Bibleを見つける』というモモイの計画に協力を約束したユメ。

しかしつい最近まで封鎖されていた廃墟には正体不明のロボット達が大勢いて…

 

 

 

「あれ!あそこの工場に逃げよう!ユメさん、盾持って突進!」

「へ?」

「前からの攻撃を無理矢理でも防いで!その隙に後ろから…!ミドリ、用意はいい?」

「リロードするからちょっと待っ「突撃っ!!」

 

出遅れたユメとミドリを置き去りにして1人で突撃していくモモイ

『いてっ』とか『うぎゃ』とか言いながらも閉じかけた包囲網をこじ開けた彼女に続いて私たちも工場に逃げ込んだ

 

 

 

「いたた…もうっ!ユメさんもミドリも何してたの!結局私1人でやっちゃったじゃん!」

「ひぃん、ごめんねモモイちゃん…」

 

「これはお姉ちゃんが悪いからユメさんは気にしないでいいと思う…

というかそもそもこうなったのもお姉ちゃんのせいじゃない!なんでこんなところでロボットたちに追われなくちゃいけないの!?」

「落ち着いてミドリ、生きていれば良いことあるよ!」

「私は今の話をしてるの!」

 

 

 

とりあえず騒ぎまくるミドリを落ち着かせながら周囲を確認する

…?そういえばロボット達は追ってこなくなった?…でもなんで──

 

グラッ

 

「ひゃっ!?」

「っ!ユメさん!?」

 

 

 

落とし穴、まさにその言葉がピッタリ似合うもの。

床だと思って足を置こうとした場所にはその大きな穴が──

 

がしがしっ

 

「キャッチ!」

「掴んだ!」

「ひっ、ひぃんっ!?お、落ちちゃう!」

「少なくとも私たちが掴んでる間は落ちないよ!だから暴れないで!」

 

 

 

右腕をモモイ、左腕をミドリに掴まれてなんとか落ちずに済んでいたがアビドスから持ってきた大切な盾は落としてしまった

 

「んぎぎっ…!ユメさん重い…!ミドリ、ちょっと休んでいい?」

「休…?えっ、えっ!?」

「いい訳ないでしょ!!でもロープか何か探さなきゃ、このままだと どんっ!

 

 

 

「「「へ?」」」

 

 

 

いきなり。いきなりモモイの身体が落とし穴へと転がり落ち、芋づる式にユメ→ミドリと穴の中へ──

 

「「「う、うわあああぁっっ!!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、生きてる?わ、わたし生きてる?」

「多分、生きてる…ユメさん、私は生きてる?」

「生きてると思う…ミドリちゃんケガは無い?」

「うん、大丈──あれ?お姉ちゃんは?」

 

 

 

落とし穴に落ちた私たち、ひとまずミドリちゃんはすぐ横にいたけどモモイちゃんがいない

 

「モモイちゃん?どこ?大丈夫?」

「もがふふぁへふぁ…」

 

! モモイちゃんの声がする!

 

 

 

「うん?あ。あー…あの、ユメさん?」

「モモイちゃんどこ!?返事して!」

「もごっ…ごこ…ここ…!した…!」

「?」

下?それになんだかくすぐったいような──

 

 

 

「い、いいから…どいてってば!」

「あう」

私の下敷きになってたモモイが火事場の馬鹿力と言わんばかりに私の身体を持ち上げ、転がり落とした

 

ひぃん、ちょっといたい…

 

 

 

「お姉ちゃん大丈夫?」

「・・・ギャルゲーとかでさ、ヒロインの胸とかお尻の下敷きになるラッキースケベのシーンあるじゃん」

「あるね」

「今分かった。あれラッキーでもスケベでもないよ、ただの凶器だよ。普通に死ぬ。窒息死する。」

 

 

 

酸欠気味なうえ、ちょっと潰れかけたカエルみたいになったモモイが悟ったように何か言っているがあまり理解ができない

 

…そもそもここはどこだろう?

さっき落っことした盾は拾えたけど周りにはなんにも──えっ?

 

 

 

「ユメさん?…あっ!」

()()を見て動けないユメに代わって走っていくモモイ

状況を理解できなかったミドリも()()を見た瞬間走り出す

 

「ま、待ってよぅ!」

 

そこでようやく足が動いて2人の元へ

そこにあったのは…

 

 

 

「──女の子?」




煽りミェンミェンを滑りバギクロス+空下メテオで成敗した時に生を感じている作者のルルザムートです、ハイ。
2話にしてキラーマジンガ登場!!そして何故か最初から開いていた廃墟の入口とモモイを突き落とした『誰か』…さてさて、どうなるか
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