ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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魔法を跳ね返すバリアを展開する呪文『マホカンタ』…
仮にスマブラ仕様のものがキヴォトスで使えるとしたらアホほど凶悪になるとは思いませんか…?
…パヴァーヌ編第3話です、お楽しみください


身元不明の差出人

「っ………!!」

メイスを避け、サーベルを受け流し、その鋼鉄の身体を叩き斬らんと刀を振るうが…

【────】サッ

 

 

 

一歩届かず射程外に逃げられ、代わりと言わんばかりに弓矢の嵐が放たれる

「『さみだれ斬り』!」

 

矢自体は問題ない、数は多いが銃弾より大きく遅いそれらを何発撃たれようとも叩き落とすことに問題はない

厄介なのは──

 

 

 

 

 

 

横殴りのメイスの一撃を屈んで避けたはいいがその後が続かない、振り下ろされたサーベルを愛刀で防ぐも…

 

【ギッ、ギギ…】

「うっ、うぐ…!」

 

小細工無しに力任せで振り下ろされたサーベルが異常に重い!

正体はわからないが性能はキラーマシンの遥か上を行くぞ…!

 

 

 

「ギュメイ先生っ!くそっ、先生から離れろ!」

「待て!撃つな!」

避難から戻ってきたエンジニア部の生徒がキラーマシン(?)に向けて銃弾を放つ

しかしとうのこいつは避けるどころか見向きもせず──

 

チュイン

 

「えっ、うわぁっ!?」

 

 

 

鋼鉄の身体に届く前に鉛玉が跳ね返り、撃った生徒に直撃。

──やはり銃弾は効かない

 

銃が使えない以上我が斬るしかないが目の前のこいつはそう簡単に斬らせてはくれないらしい

 

 

 

「っ…!『しん、くう斬り』…!」

風の力をまとわせ強引に吹き飛ばす

距離は取れたがあの鋼鉄の身体を斬るには威力不足だ。…あれを斬るには魔神斬りを当てるしかない

 

とはいえここまで強いと当てるのは至難の業だろう

キラーマシンを遥かに超える防御力や俊敏性もそうだが、なによりあの攻撃力が厄介だ

 

 

 

メイスとサーベル、どちらか防いだところであの馬鹿力の前では動きを止められてしまう、どちらも避けなければ反撃できん

だが避けたところでこいつは弓矢を撃ちながら素早く距離を取って離れてしまう

 

…こちらの狙い、こちらの間合いをしっかり把握し、既に学習を終えている

分からん…なぜトリニティからこんな兵器が…?

 

 

 

 

 

「ま、まずい…ギュメイ先生が押されてる…」

跳ね返った弾丸で気絶したエンジニア部の子を回収しながらユウカは冷や汗をかいた

 

どういうことなの…?あいつは何もしてないのに私の弾もこの子の弾も全て跳ね返した…

いったいどんな手を使って…?

 

 

 

「! 早瀬ユウカ、手が空いてるなら手伝え!」

後ろから聞こえる声に現実に揺り戻され、見ると──

「ウタハ先輩?避難してって言ったのになんで戻ってきたんですか!?」

っていうか何その大きな…何、これ?箱?どこかで見覚えがあるような?

 

「エンジニア部の秘密兵器さ、重いから手伝ってくれ!」

「ま、待ちなさい!銃は効かないとさっき

『それですが解析ができました』

 

 

 

その場にいない声に再びびっくり。とはいえこの自信満々な声と後に続いた長い肩書きが聞くまでもなく声の正体を教えてくれた

 

「ヒマリ先輩!」

『あの兵器ですが弾丸を自動で跳ね返す障壁のようなものを身に纏っています

並の銃では歯が立ちません』

「っ? だ、だから私たちにできることは先生の邪魔にならないように「心配するな早瀬ユウカ。…今度のはただの銃じゃないぞ!」

 

 

 

 

 

【ギギギギギッ!!】

「……………」ギリッ

 

剣術もへったくれもないメイスとサーベルのラッシュ攻撃。しかし馬鹿力という要素がひとつ加わっただけでその単純な攻撃が一気に恐ろしいものへと変わる

 

ブンブン振り回される2本の武器をひたすら避けながら隙を伺うがあと一歩のところで踏み込んでこないため反撃ができない

…魔神斬りを当てるのは不可能だ。まずあの武器をどうにかせねば

 

 

 

一応鍛錬は積んでいた。カイザーPMCとの戦いで次々押し寄せる大型兵器に対し、連発できない魔神斬りしか対抗手段が無かった我はあの日から新しい剣技を習得しようとシャーレで1人、刀を振っていた

まだ完璧ではない、だが他の剣技ではこの状況を打破することはできないだろう

 

 

 

「………」

 

 

 

再び矢の嵐を叩き落とし、刀を構え直す

 

鋼鉄の身体を斬り捨てる剣の奥義、

鋼を断ち切る必殺の一撃、

派手さは無くとも斬れれば充分。

 

 

 

「────参る」

 

 

 

突進してきた兵器がメイスを振り上げる

今回は避けも防ぎもせずにただそのメイスを見つめ、そして──

 

 

 

「『メタル斬り』」

 

 

 

振り下ろされたメイスに刃を入れる

それまでどこに叩きつけようと欠けさえしなかったメイスはナイフの入れられたスライムのように叩き斬れ、返す刃で機械の右腕をも斬り飛ばす!

 

【!!?】

「機械も動揺するのか?これではどれだけ強くとも兵器としては不合格だな」

 

 

 

しかしさすがはキラーマシン系統の兵器、残ったサーベルと弓矢でもまだまだ戦うらしく気が抜けない

だがここまでやれば──

 

 

「先生っ!あと少し時間を稼いでくれ!

その殺戮兵器を吹き飛ばしてやる!

固定よし、充填開始!ロックオン急げ!」

「ウタハ!だがこいつに銃弾は──な、なにっ?」

 

銃と呼ぶにはあまりに大きい、それこそ大砲という名が相応しい巨大なそれの発射口が光り輝いて──

 

 

 

【!! 緊急回避「逃がさん!」

それまで生徒達が何をしてもギュメイから注意を外さなかった兵器の注意が外れた

もちろん最低限の迎撃仕様は残っていたがそれでギュメイを止められるわけもなく

 

「『魔神斬り』!」

ガナン最強の剣士に背を見せてしまった殺戮兵器は魔神斬りをまともに受けたことで駆動系が損傷。それでもなお大砲から逃れようとするも間に合わず──

 

 

 

「ウタハ、頼む!」

「まかせろ先生!

スーパーノヴァ、発射ァッ!

 

大砲から発射されたのは──光。発射口から目標物の間にあるもの全てを消し飛ばす光の線がエンジニア部の作業室ごと機械の魔神を薙ぎ払った!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………なんて奴だ、100%充填できなかったとはいえスーパーノヴァをまともに食らって消し飛ばないどころかシステムダウンすらしないのか?」

【ギ、ギギッ…】

 

「下がれ。…『メタル斬り』」

欠損箇所から火花を散らしながらも戦い続けようとする機械の魔神、その残った左腕とクロスボウに繋がる尻尾を斬り落とす

 

 

 

「いくら凶悪な兵器だろうと武器が無ければ無力だ。…とはいえこいつは学習能力も高い、凶器になるようなものは近くに置くな

銃などもってのほかだ」

「分かった」

 

「…ところで有耶無耶になってしまった最初の質問に戻ろう

これを送ってきたのはトリニティの誰だ?」

「うっ、そ、それなんだが先生…」

 

 

 

さっき聞いた時と同じように狼狽えるウタハ

「言いにくくとも答えてもらうぞ、キヴォトスに存在するのがこれ1機だけとは限らないからな」

「分かっている、しかしな…誰か分からないんだ」

 

 

 

なに…?

 

 

 

「分からない、だと?だがお前は正式な手続きを経て受け取ったと」

「それは間違いない!…しかし供給元が分からないんだ、通された代理人も詳しい中身を知らされないまま私たちと取引したみたいだし…

なによりその、あのトリニティが他学園を頼るほどの未知の兵器と聞いて…

思えば本当にトリニティからなのかも疑わしかった」

 

…なるほど、譲る代わりに詮索はするな、とでも言われたか

 

 

 

「他に何か分かっているのは?」

「名前くらいかな、機体の名前は『キラーマジンガ』。

殺し屋の魔神…うん、大袈裟な名前だと思ってたけど今の戦闘を見て確信した、これは本来起動させちゃいけない兵器だったんだ

 

ありがとうギュメイ先生、目先の未知に気を取られて危うくエンジニア部どころかミレニアム全体を危険にさらすところだった」

 

「…おそらく我が来なければこいつは眠ったままだった、起こしたのは我だ」

「先生が近付いただけで起動するような奴だ、先生が来なくてもきっと別の要因で起きていたさ」

 

 

 

レールガンによりコルク栓をくり抜いたように抉れた床と壁、またキラーマジンガとギュメイの戦闘により荒れ果てた格納庫を見ながらウタハは笑った

 

「…現実逃避したい気持ちは分かるが笑っている場合ではない、この件は我にも責任があるから一緒に──」

「ああいや、そういうわけじゃないんだ先生

少し、ロマンを感じていてね」

 

 

 

──ロマン?

 

 

 

「幸運なことにキラーマジンガはまだ起動したままだ。どんな原理で動いているかまだ分からないが起動中の今なら解明できることもあるかもしれない。

 

…先生、無理を承知で頼む。

あの機械の魔神をミレニアムに預けたままにしてくれないか?

 

今度はヴェリタスにも協力を仰ごう。何かあれば必ず連絡する

だから頼む、私たちにチャンスをくれ!」

「………」

 

 

 

我としては今すぐ完全に破壊したいが…先に自分が言った通りキラーマジンガがこれ1機だけとも限らない、解析と解明…対抗策はあった方がいいだろう

 

 

 

「分かった。対策のためにぜひ解析を頼みたい

危険な兵器だ、気をつけるんだぞ」

 

「! ありがとう先生…!必ず解き明かして見せるとも!

…さぁシャーレの先生の許可と依頼が出た、集まれエンジニア部!キラーマジンガの解析を続けるぞ!!」

 

 

 

声高らかにウタハが集合を掛けると入口から押し寄せてくるのは生徒の波、ざっと数十人が前の生徒を押し除けながら走ってくる

彼女ら全員エンジニア部か?

 

・・・みんな目が血走っており、1人残らずその目線はボロボロのキラーマジンガに向けられて──

 

 

 

「すごい!本当に起動してる!」

「動力は?何で動いてるの?」

「光の剣でも消し飛ばなかったって!?」

「うわっ、ひどい荒れよう…これ全部この子が?」

「弾丸を跳ね返すバリアは!?まだ計測できる!?」

「破片をかき集めろ!たとえ1欠片だろうと未知の素材だ!」

「サーベルとメイスも解析にかけろ!」

「あ、あのぅ…ヒマリさん達も呼んだ方が…

「「「「「「「後にしろ!!!」」」」」」」

 

 

 

キラーマジンガという未知への手掛かりを前にしたエンジニア部員達はまるで生肉に群がるワニのように我先にと殺到。

 

それから10秒足らずでああでもないこうでもないと議論を交わし、時には衝突し…およそギュメイには理解できない世界に圧倒されながらも格納庫の外で待っていたユウカに連れられ、エンジニア部を後にするのだった




早速感想をいくつかいただいて嬉しい作者のルルザムートです、ハイ。
ブルアカ本編にはでてきていない(と思う)エンジニアモブですがエンジニア部はネームド生徒3人の他にモブ生徒もいるという設定で行かせてもらいます
…ネームドだけだとアリス加入前のゲーム開発部と同じ部員数だし、スーパーノヴァやその他発明も3人だけでできるとは思えないので…
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