ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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ファンアートを!貰っちゃった!!!
はい、生まれて初めていただいたファンアートに震えとニヘラ顔が止まりません、しかも生徒状態ゲルニックの…!
いいの?え、いいの!貰っていいんですか本当に!?
もうね、テンション最高潮です、バトマスの必殺技入ってます。
というわけでパヴァーヌ編第19話です、お楽しみください


伝説の勇者

【勇者になりたい】

【勇者になって、みんなと一緒にいたい】

 

 

 

心の底は確かにそう言った

だが理性が強く否定し続けている

 

 

 

──仲間を殺してしまう勇者などいるものか

 

 

 

願ってはいけない、願えばまた傷付ける

だから自分は、天童アリスはここから出ない

果実の声にも聞こえないフリをして閉じこもる

 

 

 

もうこれ以上、誰も傷付いてほしくないから

 

 

 

「アリスっ!」

「…だれ?」

 

いるはずのない仲間がいる

ミドリ、ユズ、ユメさん、そして──この手にかけてしまったはずの、モモイが。

 

 

 

「い、いえ、うそです…!モモイはアリスがこの手で…」

「それ勘違い!ほら見て?元気いっぱいだよ!」

 

 

 

緊張感なく跳ね回るモモイをユメが宥める

…ほんものの、モモイ?

 

 

 

「どうして、ここに?」

「家出したアリスを連れ戻しにきた!」

「アリスちゃん、早くここから出よう!」

「帰ろう、アリスちゃん!」

「みんな心配してるよ、ね?」

 

 

 

みんなが手を差し伸べてくれる

4人の誰の手を取っても、きっとここから連れ出してくれるだろう

でも。

 

 

 

「アリスは…アリス、は…」

 

 

 

『王女よ、あなたが見てきた光景を忘れましたか?』

「だれ!?」

 

 

 

伸ばしかけた手を優しく引き戻した声の主がゆっくり前に出る

その胸に願いの果実を抱いて。

 

「…あなたが、ケイ?」

 

「ケイ?じゃ、あれが…」

「アリスちゃんをここに閉じ込めた、元凶?」

 

 

 

「アリスちゃんが見てきた光景って…?」

『言葉通りの意味です、【王女様】がこの空間で見聞きした光景の数々…』

 

 

 

直後宙に投影されたのはさっきも見た戦闘の数々。

 

足元を血まみれにしながら戦い続けるネル、コピーマジンガ達の強烈な包囲を受けながらも刀を振るうギュメイ先生、巨大な拳銃に撃たれるユメさん…

 

ぜんぶ、ぜんぶ自分のせいで引き起こされたことだ

 

 

 

「私たちが戦ってきた姿…?」

「なんでこんなものを…」

 

『エリドゥの監視網から見てきた光景…

それらすべて、あなた達がこの場に足を踏み入れるまでに戦い、走り、転んで、傷ついてきた光景です

 

何故このような事が起きてしまうのか?

その答えを、【王女】は既にご存知なのではないでしょうか?』

 

 

 

──知っている。だから自分は

 

 

 

「アリスは、帰れません

アリスがみんなのそばにいたら、みんなはその分傷付いてしまいます」

「違う!そうじゃないよ!」

 

 

 

優しいみんなは『違う』と言ってくれてる、でも事実は動かない

リオの言う通り、結局のところ天童アリスが才羽モモイを殺そうとした事実は動かないのだから

 

 

 

「いいえ、アリスのせいでみんなが怪我をしたんです

ミドリも、ユズも、ギュメイ先生に、ネル先輩も、そして──モモイも。

 

いつか…キヴォトスを滅ぼすかもしれない魔王として、生まれたから…

そこにいたいと、願ってしまうから

 

それで、大切な人たちが苦しんで、傷付くのならいっそ、アリスは──」

「っ…『テイルズ・サガ・クロニクル2』は…!

私たちが一緒に作ったゲームは!特別賞を貰ったよ!」

 

 

 

「わっ、モモイちゃん…?」

いきなり叫んだモモイにみんなびっくりしているが構わず彼女は続ける

 

 

 

「キヴォトスの終焉?アリスがいるだけでみんなが傷付く?

誰がそんなバカなこと言ってるの!?

 

アリスに会って、アリスが居たから…!

私たちはゲームが作れて、賞をもらって、部活を守ることができたんだよ!」

 

 

 

面食らっていた残る3人もその言葉に肯定を返す

 

 

 

「全部、ぜーんぶアリスがいてくれたからなのに!

それなのにアリスが魔王だとか、そう生まれついただとか、だから消えなきゃいけないとか!そんなの、全然意味分かんない!

絶対!納得するもんか!」

 

 

 

あれだけ傷付いたのに、殺されかけたのに、モモイは真っ直ぐ自分を見ている

恐れも憎しみもない瞳が『帰ってこい』と訴えている

 

 

 

「な、なぜ、なぜですか…

みんな、どうして…」

 

「──ね、アリスちゃん、あなたは自分のせいで私たちが傷付いたと思ってる?」

「はい、その通りです。アリスは魔王だから…」

「違うよ、私たちは私たちの意志で傷付いた」

「え…?」

 

 

 

ユメさんの言っている意味が分からない

だって、全部アリスが…

 

 

 

「ギュメイ先生もネルちゃんもそうだよ、みんなボロボロに傷付いた

…でも逃げなかったのはなんでだと思う?」

「え…なんで、ですか?」

 

「アリスちゃんが好きだから。一緒に居たいんだよ、だから離れ離れになったら悲しいし、もういちど一緒になれるのなら傷付くことだって怖くないの

だからみんなアリスを探しにここまで来たの

ともだちって、そういうものじゃないかな?」

 

「そうだよ…アリスちゃんは、私たちの仲間で、友達だから…!」

「…!」

 

 

 

「この前さ、アリスちゃんが言ってくれたことがあったよね

どんなゲームでも主人公達は──」

「決して仲間を諦めなかった!」

 

 

 

「たとえ魔王だったとしても関係ない、気に入らなければ転職しちゃえばいい!

自分が誰なのか決められるのは自分だけだよ!」

アリスがなりたいジョブを選んで転職すればいいだけ!」

 

「戦士、武闘家、魔法使い、僧侶一一なんでもいいんだよ、アリスちゃん」

「もちろん勇者も…」

 

「だから──願っていいんだよ

自分が何者になりたいのか、どんな道を歩きたいのかを。」

 

 

 

いつのまにか、ケイに抱えられていたはずの果実が手の中にある

さぁ願いを言えと言わんばかりの輝きを放って。

 

『…!果実が…!?』

 

 

 

────

 

 

 

「──いいんですか?」

 

 

アリスは魔王なのに。

 

 

「願っても、いいんですか?」

 

 

続けてもいいんですか?

 

 

「冒険を、みんなと一緒に…

クエストを続けても、いいんですか?」

 

 

 

「あっったりまえでしょ!」

「もちろん!」

 

 

 

腕の中の果実の輝きが増してゆく──

 

 

 

「魔王であるアリスが、許されるのなら…!

アリスも勇者になって!みんなと、モモイ、ミドリ、ユズ、ユメさんと、冒険を続けたい…!」

 

願いに呼応した果実から放たれた光が辺りを包み、そして──

 

『よく言ったぞ、アリス』

 

 

 

光が、竜を引き寄せる。

「へ?ギャーッ!?廃墟の!?」

 

「バル、ボロス…?」

『うむ』

 

 

 

騒ぎ立てるモモイを気にも留めず、バルボロスはアギトに咥えた【光の剣】を差し出してくる

 

『勇者が丸腰では…格好が付かぬだろう?』

「…!勇者の剣だよアリス!」

「勇者の剣を、装備して…!」

「……!!」

 

 

 

光の剣に触れた瞬間、果実の力と竜の力が同時に流れ込んでくる

光と闇が合わさった、とても暖かくて、眩しい力が。

 

 

 

『それは…!【王女】よ、あなたのその能力は違う…!その力は世界を滅ぼすために──』

 

「違います!アリスのこれは勇者の武器であり力です!

なぜなら、アリスがそう決めたからです!

今のアリスは光属性の勇者にして、闇竜バルボロスを駆る竜戦士!」

 

 

 

『【王女】よ、あなたは…』

「アリスのクラスは【王女】ではありません!

アリスは【勇者】であり、【竜戦士】です!」

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

その頃タワー前…

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

「ロボットが…」

「消えた…!やったぞギュメイ先生!

ったく、マジで疲れ──ギュメイ先生?」

 

アバンギャルドも停止し、ひとまず脅威は消えた。それは間違いない

我もネルももれなく病院送りになるのは確実な度合いの疲労と負傷を負っていたがその瞬間だけは全てを忘れ、ただ冷や汗をかいた

 

 

 

敵意は無い、無いがこの気配は、まさか──

「……ゲルニック」

『見えてますよ、というか目の前にいます。

…やれやれまったく、300年ぶりですねぇ』

 

 

 

気配の元を見上げる

当然そこにあるのはタワーだけで内部の様子を伺い知ることはできない

だがそこにいるのだ

 

 

 

「──竜に認められた伝説の勇者、か」

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

「本当に、こんなことが可能なんむぎゅ。」

「わーい!やった、やった!アリスちゃんが帰ってきたよ!やったね!」

 

ばしーん、と跳ね飛ばす勢いでリオに抱きついて自分の喜びを拡散する

途中介入してきたバルボロスの影響で天井の無くなった最上階。そこで私はひたすらに喜んだ

 

 

 

「ヒマリさんもありがとう!」

「ふふ、この天才病弱美少むぎゅ。」

もちろん手伝ってくれたヒマリさんにも感謝のハグ!彼女が来なかったらどうなっていたか…

 

 

 

「こら」ばし

「ぎゃう、わっ、アウルさん」

頭のてっぺんをべちんと叩かれ我に帰る

 

「全員の無事を確認するまで気を抜いてはいけません、それでも指揮官ですか?」

「あっ、そっか!」

 

 

 

未だにぐわんぐわんと目を回しているリオとヒマリをよそにゲーム開発部の元へ

 

「…はっ!?アリスは!?」

「アリスちゃん!」

 

一足遅くダイブから戻ってきたゲーム開発部の部員達もアリスの元へ、そして──

 

 

 

『ここだ』

ズシンズシンと、かつてゲーム開発部の前に現れた時と同じような重厚な足音を立て、竜が歩いてくる

 

 

 

竜に連れられ、否。竜を従えた伝説の勇者が奥から歩いてくる

 

「アリ──うわっ!?なにそのすっごいカッコ!」

「よ、鎧…!?」

 

頭からつま先まで黒く輝く鎧を身につけた戦士が竜の横を歩いている

背中に装備している光の剣でアリスだというのは分かるが…

 

 

 

「竜戦士の鎧」

ふと、アウルさんが呟いた

 

 

 

「りゅうせんし?」

「一世に一対しか存在しえない伝説上の鎧ですよ、ゲームでもなんでもない本物の伝説…

闇竜バルボロス、これがあなたの選択ですか?」

 

『そうだ』

「ホッホ、天使の力を手に入れる以前、ガナンが血眼になって探した鎧がこんな形で…ああまったく

──ここにいて欲しかったですよ、フラッグ」

 

 

 

言っている意味がほとんど分からないけど…つまりすごい鎧ってこと?

そんな感想もよそに少女が兜を脱ぎ去る

 

 

 

「モモイ、ミドリ、ユズ、ユメさん

──ただいま!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ 天童アリス の 職歴

 

 

 

まおう

 

 

 

ゆうしゃ ⭐︎1

 

悪を打ち払うでんせつのしょくぎょう

仲間と共にたたかい、世界を救う憧れの存在

 

 

 

りゅうせんし ⭐︎1

 

竜に認められたゆうしゃだけがなれる特別なしょくぎょう

ゆうしゃの光に加え、闇を操ることも恐れぬ強い心を持つ者だけが竜に認められるのだ




貰ったファンアートを何回も見返しては嬉しくて震えてる作者のルルザムートです、ハイ。
というわけで終局!あとは後日談を投稿してパヴァーヌ編を締めたいと思います
この次はレッドウィンター…と行きたいところですがその前に幕間というか番外章を挟もうかと
具体的にはバルボロス出現時にゲルニック呟いていたアビドスカジノについて、ね
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