ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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カルバノグ前に始まったFOX小隊との対面。さてさて…
それとお気に入り数がなんと200に!200人ですよ200人!
ええいやる気と希望がムンムン湧いてくるじゃねぇか!
ありがとうございます!
それではギュメイ視点 その参です、お楽しみください


ギュメイの一日 その参

あ、ああ…いけません、いけません…

 

 

 

ただの雑兵なら問題ないが、いや雑兵だとしても呑気に寝ている場合ではない

今すぐ飛び起きて彼と共に戦うべきだ

 

相手は以前自分を捕縛したこともあるFOX小隊…なぜここにいるのかまるで分からないが強さは身に沁みて知っている

 

しかし──

 

 

 

「強いな、これほどの強部隊はC&C以来か」

「銃弾が当たらない…?いや弾いているのか!」

 

 

 

相手を称賛しつつも刃物1つでFOX小隊の追撃をことごとくいなしていくギュメイ先生。

 

…わたくしには分かります。キヴォトスに来る前、刀を持つあなたの手は他者の血で酷く汚れていたのでしょう

 

先生として生徒を斬ることは無いとはいえ、敵対者に対する容赦の無い太刀筋…それを振るう左腕を見ていればぼんやりと彼の過去が分かる。…気がする

 

 

 

それなのに、決して傷付けさせまいとわたくしを守るあなたの右腕はとても大きくて、優しい

 

 

 

ああ…いけません、いけません…

 

 

 

そんなことをしている場合では無いと分かっているのに、わたくしは起き上がることも離れることもできず、ただギュメイ先生の腕の中で小さくなっていることしかできない

 

 

 

──ギュメイ先生…

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

SRT特殊学園…

連邦生徒会長直属の学園組織として創立された特殊学園であり、特殊部隊の育成や運用を目的としたエリート校…

 

 

 

『でもヘンですね、SRT学園は今閉鎖されているはずです』

「そうなのか?」

 

 

 

アロナが言うには最高責任者…つまり連邦生徒会会長がいなくなったことでSRTの武力を制御する存在がいなくなってしまい、連邦生徒会によって閉鎖され、活動は休止しているはずらしい

 

今追ってきているFOX小隊はワカモを捕らえたことがあるらしく一応秩序側だとは思うが…

 

 

 

『! 先生っ』

「分かっている」

 

 

 

建物から建物へ飛び移る瞬間を狙って飛んでくるライフル弾を叩き落として一旦地上へ

 

そして降りるタイミングを分かっていたように待ち構えていた金髪の生徒からバラ撒かれた弾丸も打ち落としつつ、反撃のマヒャド斬りを自由落下の力も乗せて叩き込もうとするが獣耳の大きな桃髪の生徒の援護射撃がそれを許さない

 

特に被弾はしていないが反撃もできていない、しっぶう突きを放てば誰か1人は引き離せるだろうがその瞬間残る3人の誰かがワカモを狙って猛攻を仕掛けてくるだろう

 

 

 

C&Cのネルのような特出して強い生徒はいない、だが代わりに全員に弱点らしい弱点が見えてこず、総戦力はあちらとあまり変わらないように見える

 

…個人的主観を述べるのならネルがいる上に連携が上手いC&Cの方が強く感じるがこれは誤差か。

 

本気で潰すのなら最低でも2人は同時に倒さなければこの連携を崩すことは難しいだろう

 

 

 

──ならば

 

 

 

賭けに出て一旦ワカモを地面に下ろし、しっぷう突きの速度を乗せ、しんくう斬りを放って桃髪の生徒を吹き飛ばす

 

 

 

「く、うわっ!?」

「ニコ!」

「構うな!この隙を突け!」

 

 

 

支援と援護を行っていた隊員の排除、強く飛ばしたから少なくとも5秒は手出しできない

それより早く──

 

 

 

近接戦闘に切り替えたユキノがナイフを手に向かってきた

我の刀の前では間合いの差がありすぎるがそこは狙撃手が放ったライフル弾によって帳消しになり、懐に飛び込んでくる

 

だがこんな戦いは何百、何千と経験してきた

何も刀だけが防御手段ではない

 

 

 

「! 鞘を…」

 

 

 

機動力を奪おうと足を狙った斬撃を鞘でユキノごと弾き飛ばして防御。また背後でワカモを連れ去ろうとしていた金髪の生徒へそのまま鞘を投げつけて怯ませ、復帰してきた桃髪の生徒は火炎斬りの炎で視界を遮って動きを止める

 

 

 

「このっ…うわっ!?」

再び向かってきたユキノの腕を掴んで真上に投げ飛ばしながらマヒャド斬りの氷で狙撃手に対する即席の防護壁を作りつつ金髪の生徒へ急接近。

 

持っていた武器をメタル斬りで叩き斬り、形成されていた炎の壁の向こうにいる桃髪の生徒目掛けて一瞬前に投げ飛ばしていたユキノ自身を叩きつける

 

 

 

「うぐっ…!」

「きゃっ…!?」

 

 

 

自由落下なら受け身は取れただろうが一度投げ飛ばされた挙句、地面に落ちるよりも早くもう一度掴まれて叩きつけられたとあってはいくら特殊部隊の隊長といっても怯むのは仕方ないことだった

 

そんな彼女から素早くナイフを奪い取り、右手のナイフをユキノの首筋へ。左手の刀の切先を今まさに起きあがろうとした金髪の生徒の顔面へと突きつけて制圧。

桃髪の生徒もユキノの下敷きになっていて身動きが取れないようだ

 

 

 

「降伏しろ、お前たちの敗けだ」

「くっ…お前いったい何者だ…!?」

 

ひとまず制圧はできた、あとはどう転ぶかだが…

 

 

 

「両者とも、そこまでです」

「む」

「! カヤ防衛室長…!?」

 

 

 

カヤ…?連邦生徒会の不知火カヤか?

ゲルニックが目に見える場所で悪態をつくほど嫌っていた相手だから名前は知っていたが…

 

連邦生徒会の主要人物の1人が何故ここに?

 

 

 

「まずなによりも先に、申し訳ありませんでしたギュメイ先生。こちらの伝達不足で本来味方であるはずのあなたとFOX小隊を衝突させてしまったことを謝罪します」

 

「…! ということは彼がシャーレの先生なのか?」

「その通りですユキノ隊長。…しかし治安と秩序を守る側の人間が七囚人である狐坂ワカモの引渡しを要求するのも自然なこと。

拒否した理由をお聞かせ願えますか?」

「…分かった」

 

 

 

ここでようやく『戦い』から『話し合い』にシフトしたとこでギュメイもFOX小隊も全員武器を納めることに。

 

落ち着いたところで我はワカモの処遇について話した

 

 

 

アビドスに突如現れたカジノ、それについての情報を何か握っている可能性があること。

また根無し草であるはずの彼女が何者かからの指示でここにいる可能性があること。

すぐにでも話を聞き出すために身柄は我の近くに置いておきたいこと。

 

流石に鳥山アウルとの関わりまでは話さなかったが…

 

 

 

「…なるほど、よく分かりました

 

本来凶悪犯である七囚人の身柄を個人に預けるなどはしませんが…あの戦闘能力なら彼女が暴れ出しても安心…というか檻の中より安全ですね

 

意図は理解しました。ユキノ隊長、狐坂ワカモの身柄はこのままで構いませんのでここは退いてください」

「…了解」

 

 

 

「感謝する」

「構いませんよ、ですが手に入れた情報はこちらにも共有をお願いします

それとカイザーを壊滅させたあなたであれば余計な忠告かもしれませんが狐坂ワカモは本当に危険な生徒ですので警戒は怠らずに」

 

 

 

それでは、とFOX小隊を連れて去ろうとするカヤ。特に何も言わずに見送ろうと思ったがふと引っ掛かることがあり、その背中を引き留める

 

 

 

「…なんでしょう?」

「SRT特殊学園は閉鎖されたと聞いていたが、お前はFOX小隊を率いてアビドスで何をしていた?」

 

「あなたと同じですよ、アビドスに建設されたカジノの調査…FOX小隊はその護衛として防衛室長の権限で一時的に動かしているだけです」

「………そうか」

 

 

 

どうにもおかしな感じが抜けきらないが言っていることは至極まともだ

我の考えすぎか…?

 

「もういいでしょうか?」

「ああ、引き留めて悪かったな」

 

 

 

今度こそ彼女達を見送り、ワカモを抱き起こす

…うん?

 

「なんだ、意識が戻っていたのか」

「うえっ、その、はい…申し訳ありません…」

謝ることではないと思うが…

 

 

 

「ともかくいちから話を聞かせてくれ

お前はアウルと何を話した?なぜカジノに向かっている?…質問する立場で悪いが急いでいる故、手短に頼む」

「か、かしこまりました…それでは──」

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

「じゃあ狐坂ワカモもカジノ警備に?

…なんでそれをアウルさんが頼むのさ?」

「アウルもカジノ運営に関わっている、そう考えるのが自然だ」

 

これが鳥山アウルというただの生徒なら何かの間違いだと思うだろうが…ゲルニックなら話は別だ

 

奴はいったい何を考えている?

 

 

 

「…先生、1つ聞かせてほしい」

「どうしたヒナ」

「先生は…鳥山アウルとどういう関係なの?恋愛とかじゃなくて…どうも彼女とあなたの距離感は先生と生徒とか、大人と子供とか、そういう感じじゃない、気がする」

 

 

 

…気づいたか、だが普段から常に気を張って接していればヒナでなくともいずれ気づいただろう

事実ホシノも特に驚いていない、ワカモは…そもそも気にしていないようだ

 

 

 

「………」

「先生?」

「…だめだ、話せない」

「えっと…どうして?」

「奴のことを話せるほど、我は奴のことを知らない」

 

 

 

思えば彼女はどうやってこのキヴォトスに来たのだろうか

果実や女神、天使の力を借りずに現れ、いつの間にか隣で仕事をしているのが日常になっている

 

ミレニアムで相対した時に掘り下げようとしたが判明したのは本気でグレイナルを殺そうとしている一点のみ

何かは企んでいるはずだ、その何かは分からないが…奴をこのまま野放しにしてもいいのだろうか

 

彼女がその気になればキヴォトスくらいなら簡単に乗っ取れる

いざ牙を剥いた時、我は彼女を止められるのだろうか

 

 

 

「ギュメイ先生?」

 

 

 

…不可能だ、ゲルニックが表立って行動を起こすとすればそれはもう『誰にも止められない確証』が手に入ったあとのはず。

そうなればたとえ我でも──

 

 

 

「──やはり今殺しておくべきなのか…?」

「殺っ…!?ギュメイ先生っ!」

「っ…!ど、どうしたホシノ?」

 

「なんかすごく物騒な独り言だったけど大丈夫…?」

「あ、ああすまない…もう大丈夫だ」

 

 

 

だめだ、何もできない。何をされても見透かされている気がしてならない

そもそも我の考え方自体が彼女の真似事だ、我1人ではゲルニックが暴走した時どうにもできないだろう

 

 

 

「…カジノに向かおう、ノノミと合流するぞ」

 

 

 

これといった解決策が出ないまま、我はホシノ達を連れてカジノへと向かった

…いや嘘だ、解決策と言えるのかは分からないができることは思いついた

しかし──

 

 

 

「………論外だ、危険すぎる」

 

 

 

ユメに指揮を任せて生徒と共にゲルニックと戦うなんていうのはな




ガナサダイやエルギオスよりゲルニックの方がラスボス向いてない…?と思ってる作者のルルザムートです、ハイ。
というわけでカジノ編前 ギュメイ視点はこれで終了。次回はユメ視点です
それではまた明日…
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