ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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見返したらユメ視点がかなり短いことに気付くワタクシ。
それはそれとしてユメ視点1個目です、お楽しみください


梔子ユメの1日 1個目

「…前回の復習はこんなところでしょうか

では今回の課題を付与します。

 

戦場は市街地、地図はこれです

敵詳細はこちらの数を大きく上回っている以外は一切不明、武器資源は十全にあると仮定し、あなたが動かせる味方は空崎ヒナ、十六夜ノノミ、才羽モモイ、カイザーPMC兵士10名…

 

さぁ、どう動きます?」

「うーん…」

 

 

 

今日も今日とてお勉強。ギュメイ先生が入院中、私はシャーレに泊まり込みで仕事と勉強に打ち込んでおり、今は日課になっているアウルさんの軍略授業だ

 

…と言ってもまだまだ即座に判断するのは難しいけれど。

 

 

 

「…ではワタクシはシャーレの業務に取り掛かるのでユメさんは課題を。」

「へ?な、なら一緒にやろうよ!その方が…」

「言うほど量は無いのでいりませんよ」

 

 

 

手伝おうと思ったが断られてしまった

まだやってない書類はたくさんあったのにそれらを纏めてアウルさんはどこかに行ってしまう

 

いや!なら尚更頑張らないと!

時間は元には戻らない、なら今この瞬間頑張ることがギュメイ先生とアウルさんへの恩返しになるはず

 

「頑張るぞ…!」

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

「ギュメイ先生っ、おかえりなさいっ!」

「ユメ、長い通院で迷惑をかけてしまったな」

 

 

 

1ヶ月の入院…通院?生活を終えたギュメイ先生が帰ってきた!

シャーレの仕事で中々お見舞いに行けなかったけど元気そうでよかった!

 

 

 

ぐりぐりとハグをしてしまったがギュメイ先生は優しく頭を撫でてくれる

ふわふわで、それでいてがっしりとした大人の手…えへへ

 

 

 

ためしに自分の頬を引っ張ってみる

…うん、夢じゃない

 

 

 

「ホントですよまったく、不慣れな手まで使わせて…この借りはたっぷりと返してもらいますからね?」

「分かっている…うん?アウル、携帯を変えたのか?」

 

 

 

「変わりましたがそれがなにか?携帯なんてなんでもいいでしょう

こちらでできる書類作業は終わっているのであとは各学園の訪問だけです

ワタクシは別件があるのでここで失礼させていただきますよ」

 

 

 

せっかくギュメイ先生が来てくれたのにそそくさと出ていってしまうアウルさん

あれ?あの携帯電話って確かアリスちゃんに会いにいった時にも持ってたような…

 

 

 

「──学園訪問に行ってくる

ユメ、留守を任せたぞ」

「あ、はーい!」

 

その後、ギュメイ先生に任されて電話番。

すぐさま電話が鳴ったが──

 

プルルルッ

「はいこちらシャーレの梔子ユメです!ご用件をどうぞ!」

 

 

 

問題なく応答。伊達に長くシャーレに所属していない

『…もしもし?えっと、ユメ先輩?』

「あれ、その声…セリカちゃん?」

 

 

 

電話の相手は私の後輩、セリカちゃんだった

私の携帯でなくシャーレにかけて来たということは何か事件だろうか

 

 

 

「何かあったの?」

『あった、っていうか不気味っていうか…先輩はアビドスのこと聞いた?』

 

アビドスの…?特に大きな事は無かったと思うけど…

 

「えーと、うーんと」

『…聞いてないみたいね、今アビドスにすごい数の人が集まってるのよ!』

「えっ、ホント!?どれくらい?10人?20人?」

『数えるのがバカらしくなるくらいよ!』

 

 

 

す、すごい!何があったのかは分からないけどそんなにたくさん来てくれているのならアビドスも…!

 

 

 

「やった!すごい!これでアビドスもきっと盛り上がるね!」

『そんな悠長なこと言ってる場合じゃない!

気になって私たちも調べたけどユメ先輩が捕まってたカイザーPMC基地がいつの間にかカジノになってるのよ!

PMCはギュメイ先生達が叩きのめしたとはいえ土地の所有権はカイザーのままだし…このままじゃアビドスがまた悪事に利用されるかもしれないのよ!?』

 

 

 

えっ、そんな!?

 

 

 

「そ、そんなのダメだよ!?」

『だから電話したの!ギュメイ先生は!?まだ入院中?』

「退院はしたけど…分かった、私が行く!待ってて!」

 

 

 

電話を切り、急いで支度。…といけないいけない

「………【現在シャーレ職員は出払っております、ご用の方は梔子ユメまで。電話番号は…】…これでよし!」

 

 

 

シャーレ公式アカウントで不在をしっかり告知し、いざ外へ──ん?

 

 

 

「………ギュメイ先生は、いなくなったわね?」

「え、あれ!?リオさん!?」

 

 

 

キョロキョロと挙動不審になりながら入口から入ってきたのはなんとリオさんだった

なんでシャーレに来たのか分からないけれどこれは放っておけないし、なにより

 

 

 

「リオさん!今までどこにいたの?みんな心配してるよ!」

「………心配なんてされてないわ、私は嫌われ者よ」

「もう!またそんなこと言って!そんなこと言う悪い子はおしおきだよ!」

 

 

 

むぎゅっとほっぺを引っ張りお説教。

当然も当然!みんながどれだけ心配してたか…!

 

 

 

「ゆ、ゆめひゃん…はなひて…」

「私はリオさんのこと、好きだからね!」

どうも彼女はあの件以降ものすごく自己肯定感が低くなってしまったらしい

確かに大きな失敗だったけれどだからってそれをいつまでも引きずるのは良くない

 

 

 

「よかったですねリオ様」

「あれ?トキさんも来てたんだ」

 

 

 

──が、1人では無かったことにそれとなく安心した。うん、これで3人だ

 

 

 

「でも私今からアビドスに行かなきゃいけないし…よかったら一緒にくる?」

「すき…すき?すき…」

 

リオさん?

 

「リオ様、ユメさんが呼んでます」

「…ハッ!?え、ええ、大丈夫よ」

 

ホントかなぁ…

 

 

 

「それでえっと、どうする?一緒に来る?でも無理にとは「行く、ついて行くわ。一緒に連れていって」

 

 

 

ひたりとしがみつくリオさんの頭を撫でて落ち着けつつ、アウルさんからもらった不思議な羽を取り出す

 

 

 

「ユメさん、それは?」

「これはね…えへへ、これを投げるとアビドスに行けるんだよ」

 

 

 

『いいですかユメさん、一度行った場所ならばどれだけ離れていてもこの羽を投げれば瞬時に移動ができます

ワタクシのいた場所では安価なものでしたがこの辺りでは超がつく貴重品です

…良い成績のご褒美ですよ、大切に使いなさい』

 

 

 

ええと…『きめらのつばさ』だっけ?行きたい場所を思い浮かべながらこれを投げればいいんだよね

 

みんながいるアビドス高等学校を思い浮かべながら羽を放り投げる

と、その時アウルさんから言われていたもう一つの言葉を思い出す

 

 

 

あれ?たしか…

『ああそうそう、使う時は必ず屋外で。

さもないと…』

「あ、あ!ひぃん!間違え──」

 

 

 

『頭をひどくぶつけますので』

 

 

 

ゴチーン! ×3

 

 

 

【ユメ達は天井に頭をぶつけた!】

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

「いたた…あれっ、ここは?」

じんじんする頭の痛みに起き上がるとそこは…

 

エリドゥのタワー…?

 

「あ!ユメさん起きた!」

ぬ!と顔を覗き込んで来たのはゲーム開発部のモモイちゃん。遅れてミドリちゃんやユズちゃん、アリスちゃんに黒いドラゴン──ドラゴン?

 

 

 

「ひゃっ!?わ、私は食べてもおいしくないよ!?」

『落ち着け、私だ梔子ユメ』

 

 

 

人とかけ離れた姿から丁寧な言葉遣いが聞こえてひとまず落ち着く

あ、この前私を乗せてくれた…

 

 

 

「それにしてもいきなり屋上に落ちてきたって聞いてびっくりしたよ!」

「でも大丈夫です!アリスは勇者であり、竜戦士なので!華麗に3人ともキャッチできました!」

 

 

 

話を聞くと空から落ちてきた私たちをアリスちゃんがバルボロスに乗って助けてくれたらしい

…でもどうしてエリドゥに?

 

 

 

「ごめんなさいユメさん、私のせいよ」

「あ、リオさん」

「あなたのを真似て羽を投げてみたのだけど…アビドスには着かなかったの」

 

そっか、リオさんは使い方を知らなかったから…思い入れのあるエリドゥに飛んじゃったのか

 

 

 

「ってそうじゃん!なんでリオ会長がここにいるの!?みんな探してたよ!!」

「…お姉ちゃんは大して探してないでしょ」

「ミドリうるさい!」

 

 

 

「それは…」

「リオ先輩、アリスとのイベントを気にしているのなら大丈夫です!

たとえ勇者でも失敗はあります!勇者でないのなら尚更です!」

 

子供なのに、いや子供だからこそなのだろうか

おそらく今リオが1番気にしていることについて切り込んでゆくアリス

それに対しリオは

 

 

 

「その…………ごめん、なさい…アリス」

絞り出したように謝罪の言葉を呟いた

 

「リオ様、アリスさんと会ったらと、たくさん謝罪の練習をしていたのにあまり役に立ってませんね」

「………」

 

「モモイもミドリもユズもネル先輩もギュメイ先生もみんなみんな無事でした!

ですのでアリスはなんにも気にしません!」

 

 

 

ひとまずリオさんがすごく頑張り屋さんなのが分かったので頭をわしゃわしゃ。

すごく勇気を出したんだね、えらいえらい!

 

『ふん、良かったな調月リオ。もしアリスが許さなければ私がお前を噛み砕いていたぞ

ボガッ! ゲ。』

「リオは食べちゃだめです!」

 

 

 

当たったら『ひぃん』じゃ済まなそうなアリスちゃんの重たいゲンコツがバルボロスの頭にクリーンヒット。

・・・ドラゴンでも涙目にはなるんだ

 

 

 

『っぐ、いや食べはしないぞ!少し痛めつ──懲らしめようと ゴチン! げ。』

「パーティは違えどリオは敵じゃありません!」

『わ、分かった!食べないし敵対しない!だからアリスよ、殴るのはやめろ!』

 

巨大で恐ろしいはずのドラゴンに平然とパンチするアリスちゃんがなぜだがちょっとだけおかしくて笑いが溢れる

 

 

 

「そういえば3人はどうしてここに?」

「あ、そうだった!」

 

というわけでゲーム開発部のみんなにも事情を説明。アビドスにカジノができて人が集まっていること、エリドゥには間違って来てしまったことを伝えた

 

 

 

「アビドスにカジノが?」

「うん。でもカイザー…悪い大人が中心になってアビドスを利用しようとしてるかもしれないって…だから今からアビドスに行こうと思ってるの」

「・・・え、遠くない?」

 

 

 

モモイの言う通り、そもそもエリドゥ自体が誰にも見つからないような僻地に作られている。ここからアビドスに向かうにはそれなりに時間がかかる。

 

しかし3つあったキメラのつばさのうち2つはユメとリオのうっかりで使い切ってしまった。

残る1つは…無くしちゃって見つからない

 

ここからアビドスまでどれくらいかかるだろうかとユメは考えていたところ…

 

 

 

「まってちょうだいユメさん」

「? なぁに?」

「ここからアビドスに行くには今ある手段を用いても数時間はかかる

でも幸いここは私の作った防衛都市エリドゥ…

兵器廠に残ってる機材を使えばジェット機くらいなら作れるわ

お願い、私を兵器廠へ行かせて」

「ホント!?うん、お願い!」

 

 

 

ジェット機くらいなら、という一言にゲーム開発部一同はギョッとしていたが構わず快諾

トキさんから地図を貰ってタワーの外へ…




レッドウィンター編で鳥山アウルか梔子ユメ、どちらを連れて行くか未だに決まっていない作者のルルザムートです、ハイ。
ゲーム開発部視点、ギュメイ視点は3つに別れていましたがユメ視点は2つになりそうで…
とりあえず矛盾は出てなさそうなのでこのまま突っ切ります
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