ギュメイ将軍のキヴォトス放浪記   作:ルルザムート

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やっぱり2つになってしまった、バランス的には両方4000文字前後で良いんだけどね…
ユメ視点 2個目です、お楽しみください


梔子ユメの1日 2個目

何故かエリドゥにいるC&Cをリオの要望で避けながら進み、とうとう3人は目当てとする建物にたどり着く

 

 

 

「ここよ」ガチャ

 

 

 

以前とセキュリティシステムが変わっていることにリオさんが少し驚いていたものの、どのロックも10秒足らずで解錠しながら突き進む彼女にユメとトキは息をのむ

 

「…ねぇトキちゃん、この都市の守りは大丈夫なの?」

「薄っぺらいように見えますが少なくともリオ様以外では1人を除いて手も足も出ないセキュリティです、問題はないかと」

 

 

 

そんなことを話しながら中へ。

兵器廠の中には既に破壊されているたくさんのコピーマジンガと…

「なにこれ?柱…かな?」

 

 

 

真っ白で巨大な、1本の柱だった

いや柱かな?なんだか馬の足にもみえるような…

 

 

 

「使えるARMSの数は充分…

今から30分であなたをアビドスに送り届けるわ」

「ありが──え、30分?」

 

謎の柱に目もくれず、目を疑う速度でコピーマジンガや既存の部品から何かを組み立てていくリオ

ARMSへの指示と手元の作業を同時並行で行いながら、設計図も無しに形ができていく

 

 

 

「元々コピーマジンガを飛ばす予定はあった、ならこの部品で代替できる…

燃料は…電力だけだと保たないわね、とはいえここにある液体燃料だけでは…

いっそ両方使えるように…

…っ?オリジナルマジンガがなぜここに?

なるほど、S・キラーマシンから再び復元したと…

でもこれを使えば…!」

 

 

 

「す ご い」

まるでDVDの早送りみたいに動くリオさん、正直何やってるのかよく分からなくてすごいとしか言葉が出てこない

「ええ、リオ様はすごいのです」ぴーすぴーす

 

 

 

そして半分ほど出来上がった時──

 

ガチャ…

 

「む?鍵が開いて──あ。」

「どうしたのウタハ先ぱ──あ。」

 

「「あ。」」

「………」ばーりぼーりもぬもぐ

 

 

 

兵器廠に入ってきたウタハさんを始めとするエンジニア部と目が合った

…トキさん、ポテトチップス食べてる場合じゃないよ…?

 

 

 

「まってちょうだい、これには訳が

「あああ!?私のキラーマジンガがぁぁ!!?」

「「「!?」」」びくっ

 

突如膝から崩れ落ちるウタハ、どうやら一つしかないオリジナルマジンガを勝手に使われて相当ショックだったのかリオのことが目に入っていないらしい

 

 

 

「ああロマンが、私の夢が、こんなダッッサくてよく分からない姿に…」

ウタハの目線の先にはかろうじて何かの乗り物の形を取り始めたジェット機と…それにつけられたアバンギャルド君の頭部に釘付けである

 

 

 

頭の部分必要なのかなぁ…

 

 

 

「・・・見かけは関係ないわ」

「関係あるとも!強いだけでも格好良いだけでもロマンは追求できない!両方に加えてレーザー砲も揃ってこそ──リオ会長!?」

 

あ、気付いた。

 

「セミナーから捜索届けが出てるのにこんなところで何をしてるんだい!?

いやまぁミレニアムではあるのだが!」

「訳があるのよ、今は見逃してちょうだい」

 

 

 

1つしか無いオリジナルマジンガを勝手に使われたことと行方不明の生徒会長がいきなり現れたショックで流石のウタハもパニックになっており、落ち着きがない

 

そしてその騒ぎを聞きつけ、なんだなんだと外のエンジニア部たちが雪崩れ込んでくる

 

 

 

「…リオ会長!?」

「えっ、会長?」

「なんでここに…」

 

 

 

なぜ、どうして?という疑問の嵐に気まずそうなリオ、しかし何かを決心したのかすぐに口を開いた

 

 

 

「…捜索願いの話は知ってるわ、でも私は1秒でも早くユメさんをアビドスに送らないといけないの。ここは見逃してちょうだい」

 

「い、いやだめだ!そうしたらあなたはもう戻らないだろうしキラーマジンガを持ち逃げされるのは困る!ただでさえ資金難や建造上の問題が山積みなのに流石にそれはだめだ!」

 

「使ったキラーマジンガはきちんと返却するわ

それにここで見逃してくれるのならあなた達の発明に私も助力する。

…できることは多く無いかもしれないけれ「みんな!私たちは何も見てない!いいね!?」

 

 

 

これまたとんでもない手のひら返しでウタハが号令をかける

 

 

 

後でリオ達も知ることになるがエンジニア部が中心となって進めている『サジタリウスプロジェクト』は資金、技術、時間、人員などにおいてどれも足りていない八方塞がりの状態であった

 

そんな中、横領があったとはいえエリドゥやアバンギャルド君のような都市、兵器を1人で作ってしまえるリオからの提案はウタハ達にとって渡りに船、自分のロマンに他者の手はなるべく入れたくはないが今のままではまったく進展がないのも事実…

 

 

 

結局エリドゥにリオが戻ってきたことはエンジニア部だけの機密事項となり、オリジナルマジンガを使ったリオ特製のジェット機が建造開始から20分足らずで完成。

仲良くなったエンジニア部部員達との別れを惜しみながら、ユメはジェット機へと乗り込んだのだった…

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

「危ないっ!」

「っ!」

 

………

 

だ、大丈夫かな?

 

 

 

危うく鳥を轢いてしまうところだった、今の鳥は大丈夫だろうか

「今の鳥は…」

「大丈夫よ、ぶつかってないわ」

「よかった〜」

 

 

 

これで一安心…あ!

 

 

 

「リオさん戻って!」

「? 分かったわ」

 

 

 

リオの作ったジェット機で砂漠地帯に突入してほんの数秒後のことだった

眼下に広がる砂漠にポツンと見えたそれを認識した瞬間、ストップをかける

 

 

 

「いったい…?あら、あれは…」

『おおーい!おおーい助けてくれーっ!』

 

真っ白な砂漠でとても目立つ全身黒色の服装にフルフェイス型のヘルメット…

どう見てもヘルメット団の生徒が1人、こちらに手を振っていた

 

「遭難者だよ!助けに行こう!」

「そんな時間は…いえそうね、分かったわ」

 

 

 

周囲の砂を吹き飛ばしながら着陸。

ちょっとだけ不安だったけどリオさんのジェット機は砂漠の砂にも沈むことなく接地した

 

 

 

「もう大丈夫!ほら水だよ!」

「ぐびぐびび…ひぃ…助かったぁ…」

 

今にも干からびてしまいそうなほど衰弱したヘルメット団の子に自分の水筒を差し出して一安心。

よかったよかった

 

 

 

「…うん?あ!ユメさん!あんたユメさんじゃないか!?」

「あれ?どうして名前を…」

 

「俺だよ!アビドスに来たばかりのギュメイ先生にボッコボコにされて学校に連れて来られたヘルメット団のリーダー!」

「え?そうなの?」

 

 

 

ほら見ろよ!と改めてヘルメットを外してくれる彼女だが見ても分からない

みんなヘルメット被ってて誰が誰だか…

 

 

 

「つまりあなたはユメさんの敵かしら?

…トキ。」

「イエスマム」

 

「のわー!待った待った!もう懲りたから!ギュメイ先生のおかげで俺は更生したんだ!

だからもうボコらないでくれ!」

 

「リオさんトキさん、ストップ!

…うん、反省したのは知ってるから私はなんにも気にしてないよ

だから大丈夫!」

 

 

 

暴走しかけた2人をなんとか止め、ひとまずジェット機に乗せつつ事情を聞くことに。

 

「…じゃあその人と逸れちゃったの?」

「ああそうだ、ブラックマーケットまでは一緒だったんだがカジノに向かう途中で──」

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

『見つけた!見つけましたわ!』

『え?あ、アネゴ待ってくれ!』

 

 

 

『すみませんロブさん、しかしここで見失うわけにはいかないのです…!』

『この辺りはまだ治安が良いんです!ただでさえアネゴは目立つんですし追跡は俺に任せて…足速ぇ!?』

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

「それで置いていかれたと…ところでロブとは?」

「俺の名前だよ!…あ。そういやシャーレで一回も名乗ってなかったな」

 

悪い悪い、と頭をかく彼女へ改めて自己紹介。

それにしてもアネゴって誰だろう?

 

 

 

「その人の行き先とかは分かる?」

「アビドスカジノだよ、あの人目立つから少し検索すれば出てくるし」

 

「ただその場にいるだけで目立つなんてことがあるのかしら?」

「それがあるんだよ、あの人の場合はな。…ところでアンタは?どっかで会ったか?

どうもアンタの顔も見たことがあるような気がするんだが…」

 

 

 

まじまじとリオの顔を見るロブ。

確かにミレニアム生徒会長なら他校に顔が知られててもおかしくないけど…

 

「…気のせいよ、ところでそのアネゴという生徒…検索しても出て来ないのだけれど」

「あー、アネゴは呼び名だよ。名前は栗浜アケミ、七囚人の1人だ」

「えっ、七囚人!?」

 

 

 

瞬間その場が凍りつく

それもそうだ、栗浜アケミのことはよく知らないが同じ七囚人である狐坂ワカモの脅威はよく知っている

サンクトゥムタワーを破壊しようとした生徒と同格というだけで警戒するのは当たり前だ

 

 

 

「あ!誤解しないでくれよ!?確かにアネゴは七囚人だが、その…良い七囚人なんだ!」

「囚人に良いも悪いも無いと思うのだけれど。

あなた本当に更生したのかしら?

…トキ、放り出しなさい」

「イエスマム」

 

「ギョワアアッ!?やめてくれ!この高さから落ちたら即死するってぇの!

更生ならしたさ!アネゴとギュメイ先生に誓うよ!

今回の件だってアネゴも伝説のスケバンとして動いたわけじゃない!ただ一目惚れした男を追いかけてるだけだ!」

 

 

 

「み、みんな落ち着いて!…じゃあその七囚人の人は別にアビドスを荒らしに来たわけじゃないんだね?」

「そうだよ!男を追いかけて来ただけだし…追い付くか、男がアビドスから出ていけばアネゴも出ていくさ」

 

「………しかし七囚人が一目惚れする男とは?リオ様」

「私にも分からないわ、感情なんて今まで真面目に考えたことが無かったから…」

「とにかくカジノに行くしかないよ!」

 

 

 

怯えるロブちゃんを撫でながらもジェット機は空を駆け、すぐに目的地が見えてきた

…本当にカイザーの基地がカジノになってる

 

 

 

「ここでいいよ、リオさん」

「ええ」

 

「目撃情報から見るにアネゴはカジノの中だろう、ここまで連れて来てくれてありがとな」

「? 一緒に行かないの?」

「え?…いいのか?」

 

「帰り道に困ると思うから一緒の方がいいと思うけど…」

「何から何まで…ありがとう、言葉に甘えさせてもらう!」

 

「…トキ、いざというときは七囚人を相手にする可能性があるわ」

「分かっています」

 

 

 

「ところでアケミさんはどんな人を追いかけて来たの?」

「え?んー、一言で言ってアネゴ並のマッチョだな、レッドウィンターの校章が入った服を着た猪の獣人だよ

…思えばこの男はなんではるばる気候が真逆のアビドスにやって来たんだろうな」




七囚人たくさん書きたーい、となってる作者のルルザムートです、ハイ。
実はアケミとのパイプ役としてアビドスのヘルメット団リーダーの名前も【鳥山アウル】と同時に付けるつもりだったんですが忘れてた結果…
ちなみにラブちゃんとは何の関係もありません。モブ→ロブってやっただけの割とテキトーな名前です、ハイ。

…そして短いですがユメ視点はこれで終了。そして次回はいよいよ鳥山アウルことゲルニック視点!
ミレニアム編の時にいただいたファンアートもこのゲルニック視点で紹介させていただきますよぉ…
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